JPS6315262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はベースメント方式エレベータの巻上
機の防振据付装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、上述のようなエレベータの巻上機の据付
装置として実公昭55−47810号公報に従来例とし
て示すものがあつた。この巻上機の据付装置を第
１図、第２図によつて説明する。

第１図に示すように、ベースメント方式のエレ
ベータは、かご１と釣合いおもり２を巻上ロープ
３で連結し、巻上ロープ３を複数個のそらせ車４
ａ，４ｂに掛けて昇降路の側部に設けられた機械
室内の横引き式巻上機５で駆動して、かご１およ
び釣合いおもり２を昇降させるのが普通である。
この場合にそらせ車４ａと４ｂが巻上機５の斜め
上方と側方に配置されているため、巻上機５にか
かる力は巻上ロープ３にかかる張力によつて斜め
上向きとなる。したがつて、巻上機５を防振支持
するための防振ゴムは第２図に示すように配設さ
れている。すなわち、巻上機５をＩ形鋼または横
置きＨ形鋼からなる機械台９上に設置し、機械台
９の上部フランジ９ａの上に配置した防振ゴム６
ａ，６ｂをこれらの上方に配置して機械室１０に
固定した支持部材に取付け、機械台９の昇降路１
１側端に配置した防振ゴム７を機械室１０に固定
した支持部材に取付け、機械室９の下部フランジ
９ｂの下に配置した防振ゴム８ａ，８ｂを機械室
１０の床に取付けている。また、防振ゴム６ａ，
８ａは機械台９の巻上機５の電動機５ａの側端部
に配置し、防振ゴム６ｂ，８ｂは機械台９の綱車
５ｂ側端部に配置してある。なお、防振ゴム８
ａ，８ｂは巻上ロープ３でかご１と釣合いおもり
２を吊る前の巻上機５を支える。

以上のように構成された従来の巻上機の防振据
付装置では巻上機５の電動機５ａ側端部に配置さ
れた防振ゴム６ａは、電動機５ａとの干渉を避け
るためおよび電動機５ａのハンドル操作のため、
電動機５ａから離す必要がある。このため、機械
室１０の奥行寸法が大きくなり、また、現実には
機械室１０のスペースが狭いことから、防振ゴム
６ａを設置することが困難な場合があるという欠
点があつた。

この考案は、上述した従来の欠点を解消しよう
とするもので、防振ゴムが巻上機の電動機側端部
と干渉することがなく、機械室の奥行寸法を小さ
くできるベースメント方式エレベータ巻上機の防
振据付装置を得ることを目的としている。

〔考案の概要〕 この考案は、巻上機の電動機側端部に機械台を
上方から支える防振ゴムを配置したものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の実施例を図によつて説明す
る。

第３図、第４図はこの考案の一実施例を示す。
第３図、第４図中、第１図、第２図と同一符号は
同一または相当部分を示す。この実施例では、機
械台９の巻上機５の電動機５ａ側の防振ゴム６ａ
を機械台９の下部フランジ９ｂ両側部上に配置
し、防振ゴム６ａを上方から支持するＩ形鋼また
は横置きＨ形鋼からなる押え梁１２を機械台９の
ウエブ９ｃに設けた穴９ｄに遊びを設けて貫通さ
せてあり、押え梁１２の両端部を支持台１３にボ
ルトのような締結具１４で締結し、支持台１３を
機械室１０の床１０ａにアンカボルト１５で固定
してある。また、押え梁１２の上面には、機械台
９の横移動防止用ストツパ１６を、ボルトのよう
な締結具１７（または溶接）で機械台９のウエブ
９ｃ両側に対向させて固定してある。

以上のように構成した実施例の巻上機の防振据
付装置は、機械台９の電動機５ａ側端部を上方か
ら支える防振ゴム６ａを機械台９の下部フランジ
９ｂ上に配置したので、防振ゴム６ａが巻上機５
の電動機５ａ側端部と干渉または接近することが
ない。したがつて、電動機５ａの端から機械室１
０の奥行方向に防振ゴム６ａおよびこれらを支え
る押え梁１２などが突出しないか従来のものより
突出長さを短くできるので、巻上機５を設置する
機械室１０の奥行寸法を短かくし、機械室１０を
小さくできる。また、支持台１３の高さを低くで
きるので安定性がよい。さらに、機械台９に設け
た穴９ｄは揚重穴として利用できる。そして、ス
トツパ１６は押え梁１２容易に取付けられるの
で、安価に機械台９の横移動防止を行うことがで
きる。

なお、この実施例の上述した以外の構成は、第
１図および第２図に示す従来のものと同様であ
る。

第５図はこの考案の他の実施例を示し、この実
施例は、押え梁１２の支持台１３を２本の機械台
９の中間にも設けて３本にしたものであり、この
実施例のものは、上述した第３図、第４図に示す
実施例と同様な効果に加えて、押え梁１２のサイ
ズを小さくできるという利点がある。

第６図はこの考案のさらに他の実施例を示し、
この実施例は機械室１０の床１０ａに固定した支
持梁１８に支持台１３、防振ゴム８ａ，８ｂをボ
ルトのような締結具１９で固定したものであり、
この実施例でも第３図、第４図に示す実施例と同
様な効果が得られる。

なお、第５図、第６図に示す両実施例の上述し
た以外の構成は、第３図、第４図に示すものと同
様である。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり、この考案によるベースメ
ント方式エレベータの巻上機の防振据付装置は、
巻上機の電動機側端部の防振ゴムを機械台の下部
フランジ両側部上に配置し、機械台のウエブに設
けた穴に遊びを有して貫通させた押え梁によつて
上記防振ゴムを上方から支持したので、電動機の
端から奥行方向に防振ゴムおよび押え梁などの防
振ゴムを支持する部材が突出しないか突出長さを
短くすることができ、電動機と干渉することな
く、機械室の奥行寸法を短くし、機械室を小さく
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はベースメント方式エレベータの巻上ロ
ープの掛け方を示す概略側面図、第２図は従来の
ベースメント方式エレベータの巻上機防振据付装
置を示す一部を縦断した側面図、第３図はこの考
案の一実施例によるエレベータの巻上機防振据付
装置を示す第２図相当図、第４図は第３図の−
線矢視拡大部分背面図、第５図および第６図は
この考案の互に異る実施例による第４図相当図で
ある。 ５……巻上機、５ａ……電動機、６ａ，６ｂ，
７，８ａ，８ｂ……防振ゴム、９……機械台、９
ｂ……下部フランジ、９ｃ……ウエブ、９ｄ……
穴、１０……機械室、１１……昇降路、１２……
押え梁、１３……支持台。なお、図中同一部分ま
たは相当部分は同一符号により示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻上機を昇降路の側部に配置するベースメント
   方式エレベータ巻上機の防振据付装置において、
   横引き式の巻上機を支持した機械台の下部フラン
   ジの両側部上に上記巻上機の電動機側端部の防振
   ゴムを配置し、上記機械台のウエブに設けた穴に
   遊びを有して貫通させた押え梁によつて上記防振
   ゴムを上方から支持したことを特徴とするエレベ
   ータ巻上機の防振据付装置。