JPS6314244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加熱室内の空気を加熱装置および循環
フアンにより上昇させる、いわゆる熱風循環式の
オーブンに関するもので、さらに詳しくは被加熱
物を上下二段のオーブン皿に収納して加熱する時
に使用する上オーブン皿の支持部材に関するもの
であり、その目的とするところは、上下二段で加
熱調理した時に、下オーブン皿の被加熱物収納範
囲がオーブン皿支持部材により制限されることを
なくして、使い勝手の良い加熱装置を実現可能と
することである。

従来この種、熱風循環式オーブンは加熱室内に
ヒーター等を装着する必要がなく掃除がしやすい
こと。また加熱室内に被加熱物を上下二段に収納
して調理でき一度に多量の調理ができる特長をも
つている。しかしながら後者の二段調理というこ
とに関しては、一般に熱風循環方式のオーブンは
オーブン後壁の中央部より吸込み周辺部から熱風
を吹き出す構造であることと、上下二段のオーブ
ン皿は、オーブン左右壁面に設けたレール部に設
置する方式であることから、食品の熱分布を均一
にすることは非常にむつかしいものとされてい
た。この熱分布の不均一をなくするには被加熱物
を加熱時に回転する構造にすれば良いのである
が、二段調理で回転する構造にするには上下のオ
ーブン皿の間に支持部材を介在させて上段オーブ
ン皿を支持する必要がある。しかしながらこの支
持部材の脚部が下段オーブン皿の食品載置面に位
置したため、ロールパンやシユー皮のように焼き
あげた後の形が生地の時より数倍に膨張するもの
においては脚部が膨張の妨げとなり、支持部材の
脚部に食品が付着することもあり、又オーブン皿
に生地を直接流し入れるケーキを焼く場合におい
ては、脚の跡がつき出来上がりが歪になり、さら
には脚部に金属を使用されていた場合においては
スパークがおこる等の使い勝手の上での問題があ
つた。

そこで、本考案は簡単な構成により上記の欠点
をなくするものであり、以下、実施例を図に従い
説明する。

本体１内に食品を加熱調理する加熱室２があ
る。加熱室２の前面開口部にはドア３が開閉自在
に装置されており、加熱室２の上壁には給電口４
が形成され、高周波発生装置であるマグネトロン
５と導波管６より給合され、加熱室２内に高周波
を放射する。なお給電口４には導波管６内に食品
カス、水蒸気等が入らないように誘電体で形成さ
れたカバー７で覆われている。

加熱室２の底壁に磁石駆動方式の回転載置台８
が装置され、この上に回転受皿９が載置されてい
る。すなわち回転載置台８の下部には磁石Ａ１０
が装置され、加熱室外底壁に装着されたプーリＡ
１１が回転すると、プーリＡ１１に装着された磁
石Ｂ１２が回転し、磁石Ｂ１２に磁石Ａ１０が吸
引されてローラ１３に支持された回転載置台８が
回転する。なお加熱室底壁および磁石を取付けて
いる金属板１４SUS３０４、アルミ等の非磁性
金属板で形成し、磁気が通るように形成されてい
る。

次に加熱室外後壁には絞り板１５で隔室１６を
設け、前記隔室１６には加熱室２内の温度を上昇
させるヒーター１７と、加熱室２内と隔室１６内
の空気を循環させるフアン１８が装着されてい
る。加熱室後壁１９にはフアン１８の中心部に対
応する吸込口２０を設け、左右に吹出口２１を設
けているので、フアン１８が回転すると第１図の
矢印の如く空気が循環する。すなわち加熱室２の
空気は吸込口２０を通じて隔室１６内に入り隔室
１６内に入つた空気はヒータ１７により加熱され
て熱風となつて吹出口２１を通じて加熱室２内に
吹出され、加熱室２内で回転している回転受皿
９，２２に載置された被加熱物２３，２４を加熱
調理する。なお、回転受皿９は金属板で形成した
後ホーロ処理されているとともに巾の狭い金属板
で形成された足２５で円板状の支持板２６と３点
で溶接されているので、回転受皿９より下側の吹
出口２１から吹出された熱風で回転受皿９が加熱
され被加熱物に焦げ目をつけることができる。ま
た回転受皿２２は金属棒のスノコアミ２７で支持
されており、かつ吸込口２０の位置が上下の回転
受皿９，２２間にあるので全ての熱風がこの間を
通り抜けるので回転受皿９の上側回転受皿２２の
下側中央部が強く加熱され周辺部と同じ程度に焦
げ目をつけることができる。また加熱室２の雰囲
気温度が一定以上となると、吹出口２１の隔室側
に装着された温度検出装置２８によりヒータ１７
に入る電力が制御され加熱室内の温度が一定に保
たれる。

次に前記回転載置台８および循還フアン１８の
回転駆動法につき説明する。これ等の駆動は１つ
のモーター２９で行つており、このモータ軸２９
ａにつけられ、かつ一体的に作られたプーリＢ３
０から１方は循環フアン１８の軸３１に装着され
たプーリＣ３２にベルトＡ３３を介して循還フア
ン１８を駆動し、他はベルトＢ３４を介してウオ
ームギア３５に装着されたプーリＤ３６を駆動
し、更にウオームギア３５の出力軸に装着された
プーリＥ３７からベルトＣ３８を介してプーリＡ
１１を回転させて回転載置台８を駆動している。
なおマグネトロン５はフアンモータ３９で冷却さ
れ、冷却後の空気はエアガイド４０排気ガイド４
１を通つて加熱室内に入つた後排気ガイド４１を
通つて外部へ排出される。なおまた４２はオーブ
ン上部の断熱板、４３は後部の断熱板でこの断熱
板に軸受４４を取り付けた軸受板４５をビス締め
している。４６はオーブン側壁の断熱板、４７は
オーブンランプである。

次に上記の回転受皿９，２２とスノコアミ２７
との構成について第３図で説明する。

スノコアミ２７は金属棒からなるスノコアミ部
２７ａとスノコアミ部２７ａの一部が延長されて
脚部２７ｂとなつていて、普通３〜４本の脚部２
７ｂにより上段回転受皿２２は支持される。脚部
の下端には磁器製脚２７Ｃが固定されていてこの
磁器製脚は下段回転受皿９の周側上端面及び周側
内壁に接合する形状となつている。またスノコア
ミ部２７ａの上面には上段回転受皿２２の底部外
壁に当接する位置に展開形状の直径が略λ／４と
なる円板からなる当板金具２７ｄが溶接されてい
て、上段回転受皿２２の位置規制の役目を果たし
ている。

以上の本考案の構成により、被加熱物を上下二
段のオーブン皿を使つて調理した場合、特に、下
段においてロールパンやシユー皮のように焼き上
げ後の大きさが、生地の時の数倍に膨張するよう
なものにおいても、オーブン皿のどの位置に生地
を置いてもスノコアミに接触することなく調理で
きるので、形くずれやくつつきなど外観を損なう
こともなくなり、スノコアミの脚部を磁器で構成
したことにより電子レンジ使用時に金属製のオー
ブン皿との接触によるスパークをなくすることが
できる。さらにはオーブン皿の調理有効面積が広
くなり、クツキー等も従来より１度に数多く焼け
る。又スノコアミの脚部がオーブン皿の周側上端
面及び周側内壁に接合している為受け皿の回転時
に安定性があり下オーブン皿側壁の高さが従来の
アミの高さより短縮できる為よりコンパクトで収
納しやすくなる等使い勝手が非常によくなる。

さらにオーブン皿を二段で使用して、しかも回
転しながら調理するので、本考案の示すスノコア
ミの形状であれば上段のオーブン皿の位置を一定
に保つことができるので回転時の偏心もほとんど
なく、オーブン皿が加熱室壁にこすれて回転ムラ
を生じたり、回転が止まるなどの異常も起こらな
くなる。

上記実施例は高周波加熱装置付の電気オーブン
で説明したが、高周波加熱装置のないものにあつ
ても、またガスオーブンであつても同じであるこ
とは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す加熱装置の上
断面図、第２図は同正断面図、第３図は同要部ス
ノコアミの拡大断面図である。 １……本体、２……加熱室、９……回転受皿、
１７……ヒータ、２５……足、２６……支持板、
２７……スノコアミ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体内の加熱室に被加熱物を上下二段に収納し
   て調理するオーブン皿と、このオーブン皿を載置
   して加熱時に回転する回転載置台と、前記加熱室
   内の温度を上昇させる加熱装置と、前記加熱室内
   の空気を循環させるフアン装置とから成る加熱装
   置において、前記上下二段のオーブン皿の間に金
   属棒で構成したスノコアミを設け、このスノコア
   ミの脚部に磁器で構成し、下オーブン皿の周側上
   端面及び周側内壁に接合する脚を設け、この脚を
   下オーブン皿の周側壁上に着脱自在に位置させた
   ことを特徴とする加熱装置。