JPS6313052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、４輪駆動車両の駆動装置支持構造の
改良に関するものである。

従来の４輪駆動車両の駆動装置支持構造の一例
を第１図及び第２図により説明すると、１は４輪
駆動車両の駆動装置であつて、エンジン２、トラ
ンスミツシヨン３及びトランスフア４より構成さ
れている。駆動装置１はエンジン２においてＡと
Ｂ、トランスミツシヨン３においてＣ及びトラン
スフア４においてＤ位置で夫々車体に支持されて
いる。１６は前輪、１７は後輪を示す。トランス
フア部分のＤ位置の支持構造を第２図により説明
すると、トランスフアケース５に一体に設けられ
たブラケツト６には孔７が穿設され、同孔には自
体公知のインシユレータ８のボルト９が貫通突出
してナツトとワツシヤ１０で締付けられている。
更に車体のフレーム１１に固着されたクロスメン
バー１２には孔７に対向する位置に孔１３が穿設
され、同孔にはインシユレータ８のボルト１４が
貫通突出してナツトとワツシヤ１５で締付けられ
ている。

上記構成においてインシユレータ８を脱着する
場合はナツトとワツシヤ１０と１５をボルト９と
１４からそれぞれとりはずし、さらに駆動装置１
を上方に持ち上げなければならないという不具合
があつた。

本考案は、上記従来の不具合を解消するために
創案されたものであり、エンジンと同エンジンに
接続されたトランスミツシヨン及び同トランスミ
ツシヨンに接続されたトランスフアとからなる駆
動装置を少なくとも上記エンジンで２箇所及び上
記トランスミツシヨンとトランスフアでそれぞれ
１箇所ずつ弾性材を介して車体に支持した支持構
造において、上記トランスフアの支持部に配置さ
れる弾性部材の上部に同弾性部材が車体下方へ取
り外し可能となるように載置保持されるとともに
上記トランスフアのケーシングに装着された第１
保持部材、及び上記弾性部材の下部が載置されて
同下部を保持するとともにほぼ鉛直下方向からボ
ルトによつて車体下方向へ取り外し可能に車体に
装着された第２保持部材を備えたことを特徴とす
る４輪駆動用駆動装置の支持構造を要旨とするも
のである。

本考案によれば、上記弾性部材の取外しは、第
２保持部材を取外すことによつて、第１保持部材
をトランスフアのケーシングから取外すことなく
またエンジン及びトランスミツシヨン部での支持
により駆動装置を車両に装着したまま行うことが
できる。また、上記第２保持部材を取外した状態
でも上記駆動装置全体が大きく傾斜することがな
く、上記第２保持部材のボルト孔と車体側のねじ
穴が水平方向に大きくずれることがないので、第
２保持部材を取付けるためのボルトを上記車体側
のねじ穴に簡単に螺合させることができ、上記弾
性部材及び第２保持部材の取付けが、上記ボルト
を締付けるだけで、駆動装置を車両に装着したま
ま行うことができる。

従つて、上記弾性部材の脱着の際駆動装置を持
ち上げたり、第１保持部材を取外したりする必要
がなくなり、弾性部材の交換等が容易に行えると
いう効果を奏する。

以下本考案の実施例を第１図と第３図に就いて
詳細に説明する。なお従来構造と同一もしくは実
質的に同一部分には従来構造と同一符号を付して
説明を省略する。

駆動装置１はエンジン２のＡとＢ、トランスミ
ツシヨン３のＣ及びトランスフア４のＥ位置で支
持され、トランスフア４部分のＥ位置の支持構造
を第３図により説明する。２０はトランスフア４
側に装着される第１保持部材を構成する第１ブラ
ケツトであつて、同ブラケツトは孔２１と２２及
びフランジ２３を有し、ボルト２４を孔２２に貫
通してトランスフアケース５に穿設されたネジ孔
（図示しない）に螺合させ固着される。

インシユレータ８はボルト９を孔２１に貫通突
出させナツトとワツシヤ１０を螺合して第１ブラ
ケツト２０側に固着されるが、インシユレータ８
の座部２５端部がフランジ２３の内面にほぼ当接
するようになつているためナツトとワツシヤ１０
をボルト９に螺合する際に弾性体２６に捩り力が
伝わることはない。

さらにフレーム１１側にはナツト２８を有する
ブラケツト２７が固着され、同ブラケツトには孔
３０と３１及び凹部３２を有する第２保持部材を
構成する第２ブラケツト２９が、ボルト３３を孔
３０に貫通させナツト２８に螺合させてブラケツ
ト２７の下側に固着されている。又インシユレー
タ８はボルト１４を孔３１に貫通突出させナツト
とワツシヤ１５を螺合させ固着されるが、インシ
ユレータ８の座部２５端部は凹部３２の壁面にほ
ぼ当接しているためナツトとワツシヤ１５をボル
ト１４に螺合させる際に弾性体２６に捩り力が伝
わることはない。

上記実施例によればナツトとワツシヤ１５及び
ボルト３３を２個取外すことにより第２ブラケツ
ト２９がはずれ、更にナツトとワツシヤ１０を取
外すことによりインシユレータ８を取外すことが
できるためインシユレータ８の取り外しが容易に
行えるという効果がある。

一方インシユレータ８を交換のために取外した
後に再び装着するときは、上記取外しと逆の順序
で行えばよい。なお、インシユレータ８を取外し
た状態では、30Kg程度のトランスフア４が一体化
された駆動装置１は僅かに傾斜するが、インシユ
レータ８を第１ブラケツト２０にボルト９及びナ
ツトとワツシヤ１０により取付け、第２ブラケツ
ト２９をインシユレータ８のボルト１４にナツト
とワツシヤ１５により取付けた状態において、第
２ブラケツト２９の孔３０とブラケツト２７のナ
ツト２８とが水平方向に大きくずれることはない
ので、ボルト３３をナツト２８に簡単に螺合させ
ることができ、同ボルト３３を締付けるだけでイ
ンシユレータ８の装着を容易に行うことができ
る。

上記実施例ではフレーム１１側のブラケツトは
２７と２９に分割されているが、駆動装置１を装
着した状態で取り外しできるような構成のもので
あれば一体のものでもよいことは説明するまでも
ない。

さらにトランスフア４側に装着するブラケツト
を駆動装置１を装着した状態で取り外しできるよ
うにしても上記実施例とほぼ同じ効果を奏するこ
とは明白である。

【図面の簡単な説明】

第１図は４輪駆動車両の駆動装置装着状態を示
す説明図、第２図は従来のトランスフア部の支持
構造を示す第１図の−線に沿う断面図、第３
図は本考案のトランスフア部の支持構造を示す説
明図を夫々示す。 １：駆動装置、２：エンジン、３：トランスミ
ツシヨン、４：トランスフア、８：インシユレー
タ、１１：フレーム、２０：第１保持部材、２
７：ブラケツト、２９：第２保持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンと同エンジンに接続されたトランスミ
   ツシヨン及び同トランスミツシヨンに接続された
   トランスフアとからなる駆動装置を少なくとも上
   記エンジンで２箇所及び上記トランスミツシヨン
   とトランスフアでそれぞれ１箇所ずつ弾性材を介
   して車体に支持した支持構造において、上記トラ
   ンスフアの支持部に配置される弾性部材の上部に
   同弾性部材が車体下方へ取り外し可能となるよう
   に載置保持されるとともに上記トランスフアのケ
   ーシングに装着された第１保持部材、及び上記弾
   性部材の下部が載置されて同下部を保持するとと
   もにほぼ鉛直下方向からボルトによつて車体下方
   向へ取り外し可能に車体に装着された第２保持部
   材を備えたことを特徴とする４輪駆動用駆動装置
   の支持構造。