JPS6312099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 部品供給管から送られて来た部品を、磁石で所
定の位置に一時係止させてから供給ロツドの進出
ストロークで押出す方法が知られている。その一
例としては私が発明した特公昭47−41655号公報
の装置がある。このように磁石の部品摺動面に一
時係止された部品が前記摺動面を摺動させられな
がら供給ロツドの進出ストロークで押出される形
式のものは色々な種類のものが知られているが、
ここでは第１図のようなプロジエクシヨンナツト
をスポツト溶接装置へ供給する場合を示した。

この例を第１図にしたがつて説明すると、たと
えば流体シリンダ（図示していない）のような駆
動原で進退する可動電極１と静止部材（図示して
いない）にとり付けられた固定電極２とが同軸上
に配置され、固定電極２上には相手方部材である
鋼板３がピン４で位置決めされている。

部品供給装置５について説明すると、ヘツド本
体６には下向きに開口している仮止室７が設けら
れ、該仮止室７に部品供給通路８が連通してい
る。この通路は、ヘツド本体６にあけた通口９と
部品供給管１０から形成されている。部品供給通
路８の前方位置には磁石１１が固定されており、
その一側面が仮止室７の一内壁を形成するごとく
部品摺動面１２とされている。図示の磁石１１は
永久磁石の場合で、ボルト１３を用いてヘツド本
体６に固定してあるが、永久磁石ではなくて電磁
石であつてもよい。

供給ロツド１４はエアシリンダ１５の進退出力
で作動するもので、ヘツド本体６に設けたガイド
筒１６内を摺動するようになつている。図示の場
合の供給される部品１７はプロジエクシヨンナツ
トであるので、供給ロツド１４にはナツトのねじ
孔内に進入するガイドロツド１８が設けてあり、
供給ロツド１４とガイドロツド１８との境界部に
は押出面１９が設けてある。図示の状態はナツト
１７が部品摺動面１２に吸着されて一時係止され
ているところであつて、ナツト１７のねじ孔と供
給ロツド１４とが同軸となるように各部の位置関
係が設定されている。

第１図の状態から供給ロツド１４が進出して来
ると、そのガイドロツド１８が先ずナツト１７の
ねじ孔内に進入し、次いで押出面１９がナツト１
７に当接すると、ナツト１７は部品摺動面１２を
摺動させられながら押出されて行き、ナツトが部
品摺動面１２から離れてからガイドロツド１８上
を滑動してピン４に合致させられる。第１図の２
点鎖線図示の状態がナツト１７の供給過渡期を示
している。

以上に述べたような部品供給装置においては、
大量生産による使用頻度が著しく高いために、磁
石の部品摺動面１２に摩耗の問題が発生する。こ
れは磁石における特有の現象であつて、供給ロツ
ド１４が後退してからナツト１７が仮止室７内に
進入して来ると、そのナツト１７は磁石１１の吸
引力によつて著しく加速されるため、磁石１１に
対する衝撃エネルギーは非常に大きなものとな
る。また、第１図のように自重で滑り降りて来る
ような場合ではなくて、圧縮空気で高速供給する
ようなときには磁力が加算されて一層衝撃力が高
くなるのである。このような現象が数多く繰返え
されると、ナツトの衝突を受ける部品摺動面１２
の部分がくぼみ込んだような状態で摩耗して来
る。したがつて、部品摺動面１２の平坦性が損わ
れナツト１７の一時係止姿勢に傾きが生じ供給ロ
ツド１４との同軸状態が狂い供給ロツド１４によ
る正しい押出しに支障が発生したりする。また、
押出し過渡期には、磁石の吸引力が作用している
ためにナツトと部品摺動面１２間の摩擦力が相当
大きく、これによつても摺動面１２に摩耗が発生
する。

以上に説明したような摩耗を防止する手段とし
ては、その個所だけを耐摩耗性にすぐれた高級材
料で製作することが別の技術分野などで一般的に
採用されているのであるが、本考案におけるよう
な部品供給装置においては、部品に対する磁力を
低下させないような形態で異種材料を組合わさな
ければならないのである。第２図〜第５図はその
ような点に配慮を尽した実施例であつて、第１図
から磁石１１を取外したような単品図として図示
してある。第２図および第３図は第１実施例であ
つて、耐摩耗性にすぐれた摩耗防止部材２０が部
品摺動面１２に埋設されたもので、部材２０は細
長い鋼板で形成してあり、両図から明らかなよう
に磁石１１に切込んだ細い溝の中に部材２０を圧
入してある。部材２０はすぐれた耐摩耗性を発揮
しなければならないので、モリブデン鋼や工具鋼
等のような高級材料を使用するのが適当である。
埋設された部材２０は部品摺動面１２に対して平
滑に連続していると共に部品摺動面１２に線状の
形態で露出させてある。そしてその方向は部品の
押出し方向に伸びているのが好ましい。なお、第
２図のごとく磁石１１よりも下方に部材２０が伸
びているのは、部品のガイドをより確実に行うと
共に部品摺動面１２から部品が離れたときに摺動
低抗が消滅し、これによつて供給ロツド１４が急
加速されるのを防止するためである。この伸びた
部分が磁力を帯びているので、摺動抵抗の急変が
防止できるのである。

第４図および第５図の第２実施例は、前述のよ
うな材料で作られた線材を摩耗防止部材２１とし
て埋設したもので、表面には線状に表われてい
る。なお、摩耗防止部材２０，２１は部品吸着力
を少しでも低下させないようにする意味で、磁性
材料を使用するのが適当である。

本考案によれば、部品の衝突や摺動に対しては
埋設された摩耗防止部材が作用することによつて
前述のような部品の異状一時係止姿勢が防止でき
供給ロツドの正常な押出しが図れるのである。そ
して、特に重要な点として、摩耗防止部材が部品
摺動面上に線状の形態で表われているから、部品
と磁石との密着面積をわずかに低下させるだけで
あり、吸着力不足を発生させるような弊害がなく
この種の部品供給装置としてきわめて好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は部品供給装置の一例を示す縦断側面図
第２図以降は本考案の実施例であり、第２図およ
び第３図、第４図および第５図は各々第１実施例
および第２実施例である。 １１……磁石、１２……部品摺動面、１７……
部品、１４……供給ロツド、５……部品供給装
置、２０，２１……摩耗防止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁石の部品摺動面に一時停止された部品が前記
   摺動面を摺動させられながら供給ロツドの進出ス
   トロークで押出される形式の部品供給装置におい
   て、耐摩耗性にすぐれた材料から成る摩耗防止部
   材を部品摺動面に埋設し、この摩耗防止部材を部
   品摺動面に線状の形態で表わしたことを特徴とす
   る部品供給装置の摩耗防止装置。