JPS6311973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の背景 技術分野 本考案は、体外に取出した血液を有形成分と無
形成分とに分離する積層フイルターを備えた積層
型体液瀘過器の積層フイルターを該瀘過器外部よ
り圧縮して、該瀘過器の瀘過効率を変えるための
積層型体液瀘過器の支持装置に関する。

従来技術及びその問題点 第１図に示すように、積層型体液瀘過器Ａは、
積層フイルター１と、該積層フイルター１を圧縮
するプランジヤー２と、これらを収容する容器３
とを有してなる。

該容器３は、底部が閉塞された円筒形であり、
容器開口側に螺合された抑えリング４が該プラン
ジヤー２を抑えている。

該積層フイルター１は、ドーナツ状の平面的広
がりを持つ密封空間を形成する膜ユニツト１ａを
複数個積層しこれら密封空間を一つに連通して接
続され、該一つに連通された密封空間５，５……
は瀘過液通路とされている。

又、各膜ユニツト１ａ間は、若干の間隙６を持
たされており、各間隙６，６，……と、各膜ユニ
ツト１ａの中心孔は体液通路とされている。

該プランジヤー２は、容器内周面と滑合するＯ
リング７が被嵌され、容器３内の該積層フイルタ
ー１の周囲を密封空間としており、該密封空間も
体液通路６の一部とされている。

該容器３は、該体液通路６と連通した体液入口
８及び体液出口９と、該瀘過液通路５と連通した
瀘過液出口１０が設けられている。

このような積層型体液瀘過器は特開昭56−
68458に公開されている。

この瀘過器は、体液入口８より血液を流入させ
ると、血液中の無形成分がフイルター１の孔を通
り瀘過液通路５に流入し瀘過されるのでフイルタ
ー内を血球等の有形成分のみが流れ体液出口９か
ら流出する。

一方、フイルターの孔を通つた血液中の無形成
分の瀘液は、瀘過液出口１０より流出するように
構成されており、瀘過器外部より容器開口を通し
てプランジヤー２を押圧して積層フイルター１を
圧縮することにより、体液通路６，６，……及び
瀘過液通路５，５，……の厚さを自由に変えられ
るものである。

従つて、積層型体液瀘過器は、該フイルターを
圧縮して瀘過効率を可変調整できる特徴を有して
いる。

しかして、該積層型体液瀘過器は、容器３を保
持し、容器開口を通しプランジヤー２を押圧して
積層フイルター１を圧縮する装置が必要である。

そのため、瀘過器使用の当初は、医師又は看護
婦が積層フイルター１内の体液通路６，６，……
内のエアー抜きが終るまで積層型体液瀘過器の体
液出口９を上にして手で持つており、該エアー抜
きが終つた後に体液出口９が沿直下方になるよう
にして積層型体液瀘過器を支持装置に保持させて
いるが、患者や他の装置と複数のチユーブで接続
されているので装着操作が面倒であつた。

考案の目的 この考案は、上述した点に鑑み案出したもの
で、積層型体液瀘過器を使用当初のエア抜きし得
る状態に片手で簡単に装着できかつ堅固に支持で
き、エア抜き後は180゜半転して回転不能に位置決
めして使用できる積層型体液瀘過器の支持装置を
提供することを目的としている。

考案の具体的な説明 この考案の積層型体液瀘過器の支持装置を、第
１図に示す積層型体液瀘過器Ａ及びこの考案の積
層型体液瀘過器の支持装置の実施例に係る第２図
ないし第５図を参照して説明する。

先ず、構成を説明すると、 有底の容器３に積層フイルター１を収容した
後、積層フイルター１を容器の底方向へ圧縮する
ためのプランジヤー２を収容し、容器３の底壁中
央部に体液入口８が設けられ、容器の周壁部に体
液出口９が設けられ、容器の底壁側外周部に体液
出口９と対応する略同位置に積層フイルター１の
内部と連通して瀘過液出口１０が設けられてなる
積層型体液瀘過器Ａの支持装置であり、 基台１１に垂直回転自在に支持されかつロツク
機構２５により180゜異なる二位置でロツクされる
ように設けられ体液瀘過器Ａの体液出口９と瀘過
液出口１０が上側にくるように体液瀘過器Ａを水
平方向の開口より収容する枠部１４１と、 該枠部１４１が上記ロツクされる位置で水平に
開くように枠部１４１の開口側の一端に枢着され
枠部１４１の体液瀘過器Ａを収容するための開口
を閉じる扉部１４２とからなるホルダー１４を有
し、 また、該ホルダー１４内に収容した体液瀘過器
Ａのプランジヤー２を押せるように枠部１４１の
内側に収容された押圧板１３を有するとともに、
ハンドルまたは駆動手段により直動されるように
基台１１へ取付けられ、枠部１４１内へ延びた一
端が前記押圧板１３を回転自在に枢支して前記押
圧板１３を押込むように前記ハンドルまたは駆動
手段により移動される押子１２とを有してなるこ
とを特徴とするものである。

次に、作用を説明する。

枠部１４１をいずれか一つの位置決め状態にし
て扉部１４２を開き、体液出口９と瀘過液出口１
０が上側にくるように体液瀘過器Ａを収容して扉
部１４２を閉じ、ハンドルまたは駆動手段により
押子１２を直動して、押圧板１３でプランジヤー
２を押圧して積層フイルター１の膜ユニツト間の
間隙を比較的大きく絞つておいてから、体液入口
８と患者の体とチユーブで接続して、体液の急激
な外部流出を避けつつ瀘過を開始し、体液瀘過器
Ａの積層フイルター１の内外の空気が排出した
ら、積層フイルター１の膜ユニツト間の間隙を小
さく絞つて体液が出口９，１０から多量にこぼれ
ないようにし、体液出口９と瀘過液出口１０を患
者の体及び他の機器とチユーブで接続した後、押
圧板１３が押子１２に対して回転し得るので、ホ
ルダー１４を180゜半転し、そして回転不能にロツ
クし、再び、ハンドルまたは駆動手段により押子
１２を直動して、押圧板１３によるプランジヤー
２の押圧を緩めていき、患者に固有の体液の流量
及び圧力あるいは瀘過時間に応じて積層フイルタ
ー１の膜ユニツト間の間隙を調整することにより
瀘過効率を調整する。

以下、図示の実施例を詳述する。

押子１２は、基台１１より張り出して装着さ
れ、ホルダー１４で保持される第１図に示す積層
型体液瀘過器Ａのプランジヤー２の軸方向に移動
自在となつている。

図示例において、押子１２は、水平方向が軸方
向となるように、基台１１と、基台１１に取付け
た軸受ブロツク１６に支持され、回転つまみ１７
を回転することにより基台１１に装着された直進
運動機構Ｂを介して軸方向に大推力を出せるよう
に移動自在とされている。

直進運動機構Ｂは、適宜の構造のものであつて
良いが、図示例では、回転つまみ１７を回転する
ことによりウオームねじ１８とウオーム１９が噛
合回転し、さらにウオーム１９が押子１２に対し
て螺合回転し、押子１２がすべりキー或いはスプ
ライン２０により回転不能とされ、軸方向に移動
自在となつている。

回転つまみ１７の回転量は、インジケーター２
１で指示されるようになつている。

次に、押圧板１３は、押子１２の張り出し端に
押子軸に関して回転可能に設けられ、押子１２と
一体に軸方向に移動するようになつていて、第１
図に示す積層型体液瀘過器Ａのプランジヤー２を
押圧するようになつている。

図示例において、押圧板１３は、円盤部１３１
と、軸受ブロツク１６の鍔部１６１及び押子１２
に螺合固定された軸受フランジ２２に被さるスカ
ート部１３２とを有する形状であり、円盤部１３
１が押子１２に固定されている。

次に、ホルダー１４は、押子１２と同軸上に回
転可能であるように基台１１へ取り付けられ、押
圧板１３を取囲む形状で、押圧板１３と対向する
位置に第１図の瀘過器Ａを収容するための開口を
有する枠部１４１と、枠部１４１開口を閉じる扉
部１４２とからなる枠形になつていて、 瀘過器Ａの容器３を、容器開口が押圧板１３と
対向するように強固に保持するようになつてい
る。

図示例において、ホルダー１４は、 枠部１４１が、正面部１４１ａと一対の側面部
１４１ｂ，１４１ｂとからなり、 又、扉部１４２が、押当て部１４２ａとアーム
部１４２ｂとからなり、枠部１４１に対し固定手
段１５で開閉自在に係止されている。

正面部１４１ａは、軸受ブロツク１６の外周面
に回転可能に被嵌され、かつ基台１１と軸受ブロ
ツク１６の鍔部１６１とで挟まれており、 又、一対の側面部１４１ｂ，１４１ｂは、正面
部１４１ａの両端より押子軸に平行して押圧板１
３を取囲むように延び、正面部１４１ａとコ字形
を形成しており、さらに瀘過器Ａを下から受ける
載置用の受止突起１４３，１４３がある。

アーム部１４２ｂは、押当て部１４２ａと一体
形成され、両端が一対の側面部１４１ｂ，１４１
ｂの端面に渡る長さに延びており、一端がピン軸
１４４により一方の側面部１４１ｂの一端と係合
され他端が旋回して開くようになつており、他端
より押当て部１４２ａ及びアーム部１４２ｂの中
程にかけて設けられたスリツト１４５に固定手段
１５が嵌入されることにより、扉部１４２が正面
部１４１ａに対して閉扉状態に係止されている。

固定手段１５は、一端１５１がピン２３により
側面部１４１ｂに旋回可能に係止され、他端には
扉部１４２に形成されたスリツト１４６に嵌入し
た状態で扉部１４２の開く側の側面に外方より当
接して閉扉状態に係止する掛止部１５２が形成さ
れ、好ましくは、例えば第４図に示すような掛止
部１５２の扉部１４２に対する係止を維持する扉
ロツク機構２４を有しているのが良い。

扉ロツク機構２４は、固定手段１５の掛止部１
５２に把手部２４１が被さり、把手部より側面部
１４１ｂに向つて設けた掛止ピン２４２がばな、
その他の弾性体２４３の付勢により側面部１４１
ｂに形成した掛止凹部２４４に係合するようにな
つている。

次に、ホルダーロツク機構２５について説明す
ると、 ホルダーロツク機構２５は、ピン体２５１がロ
ツク解除レバー２５２にリンクされ、かつピン体
２５１の一端に有する掛止突起２５１ａが弾性体
２５３によりホルダー１４に設けられた掛止凹部
２５４に係合されるように付勢されてなり、 図では、ピン体２５１と、ロツク解除レバー２
５２及び弾性体２５３が、ホルダー１４の放射方
向の外面の回転角度が180度ずれた二箇所に設け
られていることにより、ホルダー１４を180度ず
つ回転してホルダー１４の一対の側面部１４１ｂ
が押子１２に対し水平位置にあるとき、ホルダー
１４を基台１１に対して自動ロツクできるように
なつている。

なお、押圧板１３とホルダー１４の回転を保証
するために、軸受ブロツク１６とホルダー１４と
の間にスラスト軸受２６が取付けられ、及び軸受
フランジ２２と該押圧板１３との間にスラスト軸
受２７が取付けられている。

考案の具体的作用 先ず、ホルダーロツク機構２５のいずれか一方
の掛止突起２５１ａが掛止凹部２５４に係合され
て、ホルダー１４が基台１１に対しロツクされた
状態において、固定手段１５に備えた扉ロツク機
構２４のロツクを解除状態にして固定手段１５を
アーム部１４２ｂのスリツト１４５より外してホ
ルダー１４の扉部１４２を開く。

すなわち、固定手段１５の掛止部１５２に被さ
つた把手部２４１を弾性体２４３の付勢に抗して
引つ張り、掛止ピン２４２を側面部１４１ｂに形
成した掛止凹部２４４より外して扉ロツク機構２
４をロツク解除状態にし、そのままに把手部２４
１を保持しつつ固定手段１５をスリツト１４５に
嵌入している状態からピン２３を回転中心に旋回
し扉部１４２より外し、しかる後に、扉部１４２
をピン１４４を回転中心にして旋回して開く。

扉部１４２を開いたら、第１図の瀘過器Ａを正
面開口より枠部１４１内に収容し、再び扉部１４
２を閉じる。

瀘過器Ａは、体液流出口９を上に向け、かつプ
ランジヤー２を押圧板１３に密着する状態に枠部
１４１内に収容する。

扉部１４２を閉じた状態に維持するには、扉部
１４２を閉じてから、固定手段１５を旋回してス
リツト１４５に嵌入させれば良く、この場合、把
手部２４１を引つ張り扉ロツク機構２４のロツク
解除した状態にしつつ行い、固定手段１５がスリ
ツト１４５に嵌入したら、把手部２４１を離して
掛止ピン２４２を弾性体２４３の付勢により側面
部１４１ｂに形成した掛止凹部２４４に係合させ
れば良い。

しかして、扉部１４２が閉扉状態に維持される
と、瀘過器Ａは、押圧板１３と扉部１４２とで挾
持された状態となり、かつ瀘過器の瀘過液出口１
０が扉部１４２の押当て部１４２ａ側面に係止さ
れるので、ホルダー１４に相対回転不能に保持さ
れることになる。

この状態で、瀘過器Ａの体液流入口８より被処
理血液をフイルター１内に流入させる。

すると、体液流出口９が上向きとなつているの
で、フイルター１の体液通路６内のエアーが被処
理血液により押出され体液出口９より排出され
る。

しかして、体液流出口９より処理血液（血球等
の有形成分）が流出されるようになり、フイルタ
ー１内よりエアーが完全に排出されたら、ホルダ
ーロツク機構２５をロツク解除してホルダー１４
を180度回転させ、体液出口９を上向き位置から
上回りで下向きにし、ホルダーロツク機構２５を
ロツク状態とする。

なお、ホルダーロツク機構２５のロツク又はロ
ツク解除は、枠部１４２のロツク解除レバー２５
２が設けられている近傍部分を掴み、かつ該レバ
ー２５２の一端を指で押圧し、又は押圧を外すこ
とにより行う。

以上のようにすれば、瀘過器Ａの使用の初期に
行わねばならないフイルター内のエアー抜きを瀘
過器Ａをホルダー１４に保持したまま行うことが
できる。

引続き、被処理血液を体液流入口８よりフイル
ター１内に流入させたまま、回転つまみ１７をイ
ンジケータ２１が所望値になるまで回転させれ
ば、該回転が直進運動機構Ｂを介して押子１２に
伝達され、押子１２がプランジヤー２の方向に移
動されるので、押子板１３が該プランジヤー２を
押圧することになり、積層フイルター１は圧縮さ
れ所望のフイルター効率となり、下向きとなつた
瀘過器Ａの体液流出口９から所定量の血球等の有
形成分を得られる。

なお、ホルダー１４の枠部１４１の正面部１４
１ａが軸受ブロツク１６の鍔部１６１に当接して
いるので、押圧板１３がプランジヤー２を押圧す
る押圧力は、基台１１に伝達されることになる。

考案の具体的効果 以上説明してきたように、本考案の積層型体液
瀘過器の支持装置は、 ホルダーの扉部を開き、枠部開口を通して積層
型体液瀘過器をホルダー内に装着できるので、従
来の該積層型体液瀘過器の支持装置が一対の回転
板の間隔を離れさせてその間に瀘過器を挟んで装
着するという面倒な装着操作が迅速・容易になる
ように改善され、 さらに、押圧板が押子と一体的に押子軸方向に
移動するだけでなく押圧軸に関してフリー回転す
ることができ、又ホルダーが押子軸方向に移動さ
れることなく押圧板と同軸回転することができる
ので、エアー抜きのため、該ホルダーに積層型体
液瀘過器を保持したまま体液流出口を上から下、
又は下から上になるよう該積層型体液瀘過器を該
ホルダーと一体的に回転させることができ、回転
が面倒でなく、又、従来のようにチユーブがから
みつくことがなく、 しかもホルダーロツク機構を備えているので、
ホルダーをどこまで回転させたら良いか回転停止
位置が分かり便利である。

又、ホルダーの扉部は枠部を180゜異なる二つの
位置のいずれにおいても水平に旋回して開くの
で、枠部の開閉及び体液瀘過器Ａの収容・取出し
が片手でも容易迅速にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は積層型体液瀘過器の一例を示す縦断面
図である。第２図、第３図、第４図、及び第５図
は本考案の積層型体液瀘過器の支持装置の実施例
に係る使用状態の図であつて、第２図は平面図、
第３図は側面図、第４図は第３図における“”
部分の拡大断面図、第５図は正面図である。 Ａ……積層型体液瀘過器、１……積層フイルタ
ー、２……プランジヤー、３……容器、１１……
基台、１２……押子、１３……押圧板、１４……
ホルダー、１４１……枠部、１４２……扉部、１
５……固定手段、２４……扉ロツク機構、２４１
……把手部、２４２……掛止ピン、２４３……弾
性体、２４４……掛止凹部、２５……ホルダーロ
ツク機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 有底の容器に積層フイルターを収容した後、積
   層フイルターを容器の底方向へ圧縮するためのプ
   ランジヤーを収容し、容器の底壁中央部に体液入
   口が設けられ、容器の周壁部に体液出口が設けら
   れ、容器の底壁側外周部に体液出口と対応する略
   同位置に積層フイルターの内部と連通して瀘過液
   出口が設けられてなる積層型体液瀘過器の支持装
   置であり、 基台に垂直回転自在に支持されかつ、180゜異な
   る二位置でロツクされるように設けられ、体液瀘
   過器の該体液出口と該瀘過液出口が上側にくるよ
   うに該体液瀘過器を水平方向の開口より収容する
   枠部と、 該枠部が上記ロツクされる位置で水平に開くよ
   うに該枠部の開口側の一端に枢着され、該枠部の
   該体液瀘過器を収容するための開口を閉じる扉部
   とからなるホルダーを有し、 また、該ホルダー内に収容した体液瀘過器のプ
   ランジヤーを押せるように枠部の内側に収容され
   た押圧板を有するとともに、ハンドルまたは駆動
   手段により直動されるように基台へ取付けられ、
   枠部内へ延びた一端が前記押圧板を回転自在に枢
   支して前記押圧板を押込むようにハンドルまたは
   駆動手段により移動される押子とを有してなるこ
   とを特徴とする積層型体液瀘過器の支持装置。