JPS6310219B2 - - Google Patents
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- JPS6310219B2 JPS6310219B2 JP10326785A JP10326785A JPS6310219B2 JP S6310219 B2 JPS6310219 B2 JP S6310219B2 JP 10326785 A JP10326785 A JP 10326785A JP 10326785 A JP10326785 A JP 10326785A JP S6310219 B2 JPS6310219 B2 JP S6310219B2
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Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はバルジ加工性に優れた包装用アルミニ
ウム合金板に関し、さらに詳しくは、ビール、清
涼飲料水用の缶胴部材料であり、絞り、しごき加
工後の缶壁の張出し性の良好なバルジ加工性に優
れた包装用アルミニウム合金板に関する。 〔従来技術〕 一般に、アルミニウム飲料缶胴部は、アルミニ
ウム板材に絞り、しごき加工、塗装印刷およびフ
ランジ加工を施して製造されており、また、従来
の飲料缶は紘り、しごき加工(DI加工)後、缶
壁上部にはネツキングおよびフラツジング加工を
受けるが、缶胴部には特に加工を受けないので、
絞り、しごき加工性に特に優れている3004−H19
材が使用されている。 しかして、近年、省エネルギー、省資源と共に
多様化現象が見られ、飲料缶においても各種の容
量の缶、異形缶等が開発されており、このうち、
異形缶には従来と異なる特性が要求されており、
この多様化に伴なう異形缶には従来材では充分に
対応することができない。即ち、しごき加工
(DI加工)後の側壁の張出加工(バルジ加工)に
おいて、従来材は低延性のため割れが生じ易い。
この対策としてしごき加工後、高温加熱を行なう
ことにより或る程度延性を向上させて割れ発生を
防止するのに効果的である。 しかし、この場合の熱処理温度は250℃以上、
また、270℃以上にもなる。この温度はアルミニ
ウム材料の再結晶温度に近いため、材料の部位に
よつては再結晶を起し、大きな強度低下を招くよ
うになる。 しかして、アルミニウム缶はビール、清涼飲料
水等の容器として使用されるので、缶内には5
Kg/cm2以上の圧力が発生するので、アルミニウム
缶に耐圧性が必要となり、缶の強度低下には問題
がある。 また、高温における熱処理は炉の寿命低下およ
びエネルギーの無駄となる。 従つて、異形缶のような成形用途には加工時に
加工硬化が小さく、かつ、比較的低い熱処理温度
で高延性が得られる材料が必要であり、さらに、
割れ起点および割れの伝播が少ない材料が要求さ
れている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明したように従来におけるビ
ール、飲料水等の缶の製造に際して生じる種々の
問題点、特に、低温における熱処理(270℃以下)
では高延性が得られないこと、また、高温で熱処
理(270℃以上)した場合にもバルジ加工に際し
てはくびれを発生し割れ易いという問題があり、
本発明者はこれらの問題について研究をした結
果、低温の熱処理では高延性が得られないのは、
素材中の微細析出物が転位を強く固着し、亜結晶
粒化を妨げるため延性の向上には高温の熱処理が
必要であり、また、高温になると亜結晶粒は直ち
に再結晶粒となつて強度が低下し、これら微細析
出物はAl−Mn−Fe系のものであること、また、
高温の熱処理でもバジル加工の際くびれを発生し
割れ易くなるのは、割れの起点は造塊時に晶出す
る比較的大きな金属間化合物(25μm以上)であ
り、これが多く存在するとくびれおよび亀裂が伝
播することによると、これもまた、Al−Fe−Mn
系であること、および、しごき加工性のみに注目
していた従来材では対処できないこと等を知見
し、バジル加工性に優れた包装用アルミニウム合
金板を開発したのである。 [間題点を解決するための手段] 本発明に係る成形性に優れた包装用アルミニウ
ム合金板の特徴とするところは、 Zn0.05〜1wt%、Mn0.5〜0.8wt%、 Mg0.5〜2.0wt%、Fe0.2〜0.7wt% を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミ
ニウム合金であり、圧延板表面からみた金属間化
合物の面積占有率が1〜3%、この金属間化合物
の大きさが25μm以下、かつ、板面0.25mm2当りの
金属間化合物の数が900個以下であることにある。 本発明に係るバルジ加工性に優れた包装用アル
ミニウム合金板について以下詳細に説明する。 先ず、本発明に係るバルジ加工性に優れた包装
用アルミニウム合金板の含有成分および成分割合
について説明する。 Znは金属間化合物の成長および生成核の発生
を抑制し、特に、低温における熱処理により高延
性を付与するものであり、含有量が0.05wt%未満
ではこの効果が少なく、また、1wt%を越えて含
有されると耐蝕性に問題がある。よつて、Zn含
有量は0.05〜1wt%とする。 Mnは微細析出物の抑制と適正な金属間化合物
の生成に必要な元素であり、かつ、強度に影響を
およぼし、含有量が0.5wt%未満では微細析出物
および金属間化合物の生成量が減少して低温にお
ける高延性およびバルジ加工に際してくびれが発
生しないという効果が得られるが、強度の大幅な
低下と金属間化合物の大幅な減少も伴せて起るの
で、しごき加工性の低下を招き包装容器として問
題であり、また、1.0wt%を越えて含有されると
微細析出物および金属間化合物が増大し、バルジ
加工性に悪影響を与える。よつて、Mn含有量は
0.5〜1.0wt%とする。 Mgは強度を向上させるのに有効な元素であ
り、含有量が0.5wt%未満では強度向上の効果が
少なく、包装容器として問題があり、また、
2.0wt%を越えて含有されると強度が高くなり過
ぎ、表面に成形性に悪影響を与える酸化皮膜
MgOを形成するので加工不可能となる。よつて、
Mg含有量は0.5〜2.0wt%とする。 Feは微細析出物および金属間化合物に影響を
およぼし、含有量が0.2wt%未満では金属間化合
物の大幅な減少をおこし、しごき加工性の低下を
促し、また、0.7wt%を越えて含有されると微細
析出物および金属間化合物の増大を招き、バルジ
加工性の低下につながる。よつて、Fe含有量は
0.2〜0.7wt%とする。 これらの成分以外に、Si、Cu含有量は0.5wt%
以下、Cr含有量は0.3wt%以下およびその他の成
分も不純物程度であれば許容することができる。 次に、金属間化合物について説明すると、この
金属間化合物は造塊時に生成するものであり、そ
の分布は成分(Fe、Mn)および凝固速度等の造
塊条件に影響される。また、金属間化合物はバル
ジ加工の際割れの起点となるものであるが、一
方、しごき加工性向上には絶体必要なものであ
り、従つて、金属間化合物の分布には最適な範囲
がある。 先ず、金属間化合物の面積率が1%未満ではし
ごき加工性が低下して缶胴割れを生じる原因とな
り、また、3%を越えるとバルジ加工の際の亀裂
伝播速度が大きくなり割れ易くなる。 また、金属間化合物の数が多過ぎると亀裂伝播
を増長させるので、金属間化合物の大きさは25μ
m以下とし、さらに、0.25mm2当りの金属間化合物
の数は900個以下にしなければならない。なお、
金属間化合物分布は走査電子顕微鏡(SEM)に
より画像処理して測定した。 さらに、板面の結晶粒は缶壁におけるバルジ加
工性に影響を与え、微細な程好ましく、これは、
結晶粒が微細な程バルジ加工の際均一に変形を起
させることができ、中間焼鈍後の平均結晶粒は
45μm以下とすることが望ましい。なお、製品は
冷間圧延が施されるのど結晶粒は長く伸ばされ、
従つて、製品板における結晶粒幅が平均45μm以
下であることが望ましい。 本発明に係る成形性に優れた包装用アルミニウ
ム合金板の製造方法は特に規制はないが、微細析
出物の抑制のためには均質化熱処理は500℃以上
の温度で2時間以上が好ましく、また、熱間圧延
条件は終了板厚(Hot Coil)1.8mm以上、300℃程
度の温度とするのがよく、さらに、中間焼鈍は熱
間圧延後必要に応じて冷間圧延後再結晶させる条
件、例えば、350℃×2時間以上、CALの場合到
達温度500℃程度の条件で行なうのがよく、なお、
製品は耐圧強度の関係で少なくとも30%以上の仕
上冷間圧延を施す必要がある。 [実施例] 本発明に係るバルジ加工性に優れた包装用アル
ミニウム合金板の実施例を説明する。 実施例 第1表に示す含有成分および成分割合のアルミ
ニウム合金の50mm厚さの小型鋳塊に鋳造し、570
℃×6時間の均熱処理後、熱間圧延および冷間圧
延を行ない、1.2mm厚で360℃×3時間の中間焼鈍
を施して、製品板厚0.4mm厚さとした。 第2表に、これら供試材の晶出物分布と絞り、
しごき加工後の側壁張出性(Er値)および耐圧
性について示す。 この第2表から明らかであるが、本発明に係る
バルジ加工性に優れた包装用アルミニウム合金板
のNo.5およびNo.6は、比較的低いベーキング条件
で優れた缶側壁の張出性を示しており、これは、
Mn、Fe含有量を特定したことによる微細析出物
の減少およびZn含有による金属間化合物の減少
によるものであり、これに対し、比較材No.1およ
びNo.2はベーキング後の缶側壁張出性において劣
つており、比較材No.3は缶側壁の張出性(バルジ
性)には優れているが、耐圧性に問題があり、さ
らに、しごき加工時に焼付き(缶表面に疵)を生
じ量産化には問題がある。
ウム合金板に関し、さらに詳しくは、ビール、清
涼飲料水用の缶胴部材料であり、絞り、しごき加
工後の缶壁の張出し性の良好なバルジ加工性に優
れた包装用アルミニウム合金板に関する。 〔従来技術〕 一般に、アルミニウム飲料缶胴部は、アルミニ
ウム板材に絞り、しごき加工、塗装印刷およびフ
ランジ加工を施して製造されており、また、従来
の飲料缶は紘り、しごき加工(DI加工)後、缶
壁上部にはネツキングおよびフラツジング加工を
受けるが、缶胴部には特に加工を受けないので、
絞り、しごき加工性に特に優れている3004−H19
材が使用されている。 しかして、近年、省エネルギー、省資源と共に
多様化現象が見られ、飲料缶においても各種の容
量の缶、異形缶等が開発されており、このうち、
異形缶には従来と異なる特性が要求されており、
この多様化に伴なう異形缶には従来材では充分に
対応することができない。即ち、しごき加工
(DI加工)後の側壁の張出加工(バルジ加工)に
おいて、従来材は低延性のため割れが生じ易い。
この対策としてしごき加工後、高温加熱を行なう
ことにより或る程度延性を向上させて割れ発生を
防止するのに効果的である。 しかし、この場合の熱処理温度は250℃以上、
また、270℃以上にもなる。この温度はアルミニ
ウム材料の再結晶温度に近いため、材料の部位に
よつては再結晶を起し、大きな強度低下を招くよ
うになる。 しかして、アルミニウム缶はビール、清涼飲料
水等の容器として使用されるので、缶内には5
Kg/cm2以上の圧力が発生するので、アルミニウム
缶に耐圧性が必要となり、缶の強度低下には問題
がある。 また、高温における熱処理は炉の寿命低下およ
びエネルギーの無駄となる。 従つて、異形缶のような成形用途には加工時に
加工硬化が小さく、かつ、比較的低い熱処理温度
で高延性が得られる材料が必要であり、さらに、
割れ起点および割れの伝播が少ない材料が要求さ
れている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明したように従来におけるビ
ール、飲料水等の缶の製造に際して生じる種々の
問題点、特に、低温における熱処理(270℃以下)
では高延性が得られないこと、また、高温で熱処
理(270℃以上)した場合にもバルジ加工に際し
てはくびれを発生し割れ易いという問題があり、
本発明者はこれらの問題について研究をした結
果、低温の熱処理では高延性が得られないのは、
素材中の微細析出物が転位を強く固着し、亜結晶
粒化を妨げるため延性の向上には高温の熱処理が
必要であり、また、高温になると亜結晶粒は直ち
に再結晶粒となつて強度が低下し、これら微細析
出物はAl−Mn−Fe系のものであること、また、
高温の熱処理でもバジル加工の際くびれを発生し
割れ易くなるのは、割れの起点は造塊時に晶出す
る比較的大きな金属間化合物(25μm以上)であ
り、これが多く存在するとくびれおよび亀裂が伝
播することによると、これもまた、Al−Fe−Mn
系であること、および、しごき加工性のみに注目
していた従来材では対処できないこと等を知見
し、バジル加工性に優れた包装用アルミニウム合
金板を開発したのである。 [間題点を解決するための手段] 本発明に係る成形性に優れた包装用アルミニウ
ム合金板の特徴とするところは、 Zn0.05〜1wt%、Mn0.5〜0.8wt%、 Mg0.5〜2.0wt%、Fe0.2〜0.7wt% を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミ
ニウム合金であり、圧延板表面からみた金属間化
合物の面積占有率が1〜3%、この金属間化合物
の大きさが25μm以下、かつ、板面0.25mm2当りの
金属間化合物の数が900個以下であることにある。 本発明に係るバルジ加工性に優れた包装用アル
ミニウム合金板について以下詳細に説明する。 先ず、本発明に係るバルジ加工性に優れた包装
用アルミニウム合金板の含有成分および成分割合
について説明する。 Znは金属間化合物の成長および生成核の発生
を抑制し、特に、低温における熱処理により高延
性を付与するものであり、含有量が0.05wt%未満
ではこの効果が少なく、また、1wt%を越えて含
有されると耐蝕性に問題がある。よつて、Zn含
有量は0.05〜1wt%とする。 Mnは微細析出物の抑制と適正な金属間化合物
の生成に必要な元素であり、かつ、強度に影響を
およぼし、含有量が0.5wt%未満では微細析出物
および金属間化合物の生成量が減少して低温にお
ける高延性およびバルジ加工に際してくびれが発
生しないという効果が得られるが、強度の大幅な
低下と金属間化合物の大幅な減少も伴せて起るの
で、しごき加工性の低下を招き包装容器として問
題であり、また、1.0wt%を越えて含有されると
微細析出物および金属間化合物が増大し、バルジ
加工性に悪影響を与える。よつて、Mn含有量は
0.5〜1.0wt%とする。 Mgは強度を向上させるのに有効な元素であ
り、含有量が0.5wt%未満では強度向上の効果が
少なく、包装容器として問題があり、また、
2.0wt%を越えて含有されると強度が高くなり過
ぎ、表面に成形性に悪影響を与える酸化皮膜
MgOを形成するので加工不可能となる。よつて、
Mg含有量は0.5〜2.0wt%とする。 Feは微細析出物および金属間化合物に影響を
およぼし、含有量が0.2wt%未満では金属間化合
物の大幅な減少をおこし、しごき加工性の低下を
促し、また、0.7wt%を越えて含有されると微細
析出物および金属間化合物の増大を招き、バルジ
加工性の低下につながる。よつて、Fe含有量は
0.2〜0.7wt%とする。 これらの成分以外に、Si、Cu含有量は0.5wt%
以下、Cr含有量は0.3wt%以下およびその他の成
分も不純物程度であれば許容することができる。 次に、金属間化合物について説明すると、この
金属間化合物は造塊時に生成するものであり、そ
の分布は成分(Fe、Mn)および凝固速度等の造
塊条件に影響される。また、金属間化合物はバル
ジ加工の際割れの起点となるものであるが、一
方、しごき加工性向上には絶体必要なものであ
り、従つて、金属間化合物の分布には最適な範囲
がある。 先ず、金属間化合物の面積率が1%未満ではし
ごき加工性が低下して缶胴割れを生じる原因とな
り、また、3%を越えるとバルジ加工の際の亀裂
伝播速度が大きくなり割れ易くなる。 また、金属間化合物の数が多過ぎると亀裂伝播
を増長させるので、金属間化合物の大きさは25μ
m以下とし、さらに、0.25mm2当りの金属間化合物
の数は900個以下にしなければならない。なお、
金属間化合物分布は走査電子顕微鏡(SEM)に
より画像処理して測定した。 さらに、板面の結晶粒は缶壁におけるバルジ加
工性に影響を与え、微細な程好ましく、これは、
結晶粒が微細な程バルジ加工の際均一に変形を起
させることができ、中間焼鈍後の平均結晶粒は
45μm以下とすることが望ましい。なお、製品は
冷間圧延が施されるのど結晶粒は長く伸ばされ、
従つて、製品板における結晶粒幅が平均45μm以
下であることが望ましい。 本発明に係る成形性に優れた包装用アルミニウ
ム合金板の製造方法は特に規制はないが、微細析
出物の抑制のためには均質化熱処理は500℃以上
の温度で2時間以上が好ましく、また、熱間圧延
条件は終了板厚(Hot Coil)1.8mm以上、300℃程
度の温度とするのがよく、さらに、中間焼鈍は熱
間圧延後必要に応じて冷間圧延後再結晶させる条
件、例えば、350℃×2時間以上、CALの場合到
達温度500℃程度の条件で行なうのがよく、なお、
製品は耐圧強度の関係で少なくとも30%以上の仕
上冷間圧延を施す必要がある。 [実施例] 本発明に係るバルジ加工性に優れた包装用アル
ミニウム合金板の実施例を説明する。 実施例 第1表に示す含有成分および成分割合のアルミ
ニウム合金の50mm厚さの小型鋳塊に鋳造し、570
℃×6時間の均熱処理後、熱間圧延および冷間圧
延を行ない、1.2mm厚で360℃×3時間の中間焼鈍
を施して、製品板厚0.4mm厚さとした。 第2表に、これら供試材の晶出物分布と絞り、
しごき加工後の側壁張出性(Er値)および耐圧
性について示す。 この第2表から明らかであるが、本発明に係る
バルジ加工性に優れた包装用アルミニウム合金板
のNo.5およびNo.6は、比較的低いベーキング条件
で優れた缶側壁の張出性を示しており、これは、
Mn、Fe含有量を特定したことによる微細析出物
の減少およびZn含有による金属間化合物の減少
によるものであり、これに対し、比較材No.1およ
びNo.2はベーキング後の缶側壁張出性において劣
つており、比較材No.3は缶側壁の張出性(バルジ
性)には優れているが、耐圧性に問題があり、さ
らに、しごき加工時に焼付き(缶表面に疵)を生
じ量産化には問題がある。
【表】
【表】
[発明の効果]
以上説明したように、本発明に係る成形性の優
れた包装用アルミニウム合金板は上記の構成を有
しているから、しごき加工性およびバルジ加工性
に優れており、機械的性質にも優れ、耐圧強度が
要求される缶材料として極めて優れ、さらに、炉
の寿命を向上させ、かつ、省エネルギーにも有効
であるという効果を有する。
れた包装用アルミニウム合金板は上記の構成を有
しているから、しごき加工性およびバルジ加工性
に優れており、機械的性質にも優れ、耐圧強度が
要求される缶材料として極めて優れ、さらに、炉
の寿命を向上させ、かつ、省エネルギーにも有効
であるという効果を有する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Zn0.05〜1wt%、Mn0.5〜1.0wt%、 Mg0.5〜2.0wt%、Fe0.2〜0.7wt% を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミ
ニウム合金であり、圧延板表面からみた金属間化
合物の面積占有率が1〜3%、この金属間化合物
の大きさが25μm以下、かつ、板面0.25mm2当りの
金属間化合物の数が900個以下であることを特徴
とするバルジ加工性に優れた包装用アルミニウム
合金板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10326785A JPS61264150A (ja) | 1985-05-15 | 1985-05-15 | バルジ加工性に優れた包装用アルミニウム合金板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10326785A JPS61264150A (ja) | 1985-05-15 | 1985-05-15 | バルジ加工性に優れた包装用アルミニウム合金板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61264150A JPS61264150A (ja) | 1986-11-22 |
JPS6310219B2 true JPS6310219B2 (ja) | 1988-03-04 |
Family
ID=14349648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10326785A Granted JPS61264150A (ja) | 1985-05-15 | 1985-05-15 | バルジ加工性に優れた包装用アルミニウム合金板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61264150A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2706310B2 (ja) * | 1989-04-25 | 1998-01-28 | 古河電気工業株式会社 | 自動車パネル用アルミニウム合金板とその製造方法 |
JP5416433B2 (ja) * | 2008-04-09 | 2014-02-12 | 株式会社神戸製鋼所 | 缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
CN107354352A (zh) * | 2017-06-27 | 2017-11-17 | 太仓市雅兴精密冲压件厂 | 一种高硬度压铸件的制备工艺 |
-
1985
- 1985-05-15 JP JP10326785A patent/JPS61264150A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61264150A (ja) | 1986-11-22 |
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