JPS628693B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は風量変更可能な温風機と、風量変更可
能なサーキユレータとで構成される暖房装置の送
風制御に関するものである。

従来のこの種の空気調和装置は、温風機の設定
風量に無関係にサーキユレータの風量が定められ
ており、温風機の風量を変えてもサーキユレータ
の風量は変化しなかつた。したがつて、サーキユ
レータの風量を少なく設定している場合に温風機
の風量を減少させると、温風機の発熱量に対して
風量が減るため、吹出温度が上がり、しかも吹出
風速が小さくなるため、温風は天井方向へ上昇す
る。この時サーキユレータの風量が少ないと、上
昇してくる温風を床面に到達させて循環させるこ
とができずに、温風が室内上部で循環して床面付
近に冷気が停滞してしまう。又、サーキユレータ
の風量を多く設定している場合に温風機の風量を
増やすと、温風は室内全体を循環して温度分布は
小さくなるが、サーキユレータと温風機の風量が
多いため騒音が大きくなるばかりでなく、人体に
不快な風が当つてしまう。第４図は以上の説明図
である。図において、Ａは室内の床上高さ、Ｂは
室内風速、Ｃは室内温度、ａとｃは温風機および
サーキユレータの風量が多い場合、ｂとｄは温風
機およびサーキユレータの風量が少ない場合であ
る。この図でも明らかなように、温風機およびサ
ーキユレータの風量が共に多い場合は、室内温度
の垂直分布は小さくなつているが、床面近くの風
速が大きいため、人体に風による不快感を与えて
しまう。逆に温風機およびサーキユレータの風量
が共に少ない場合は、室内風速は小さいが、室内
温度の垂直分布が大きいため頭が暑く足元が寒い
頭熱足寒型の不快な状態となつてしまう欠点を有
していた。

本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
で、室内温度分布および室内風速の小さい快適で
省エネルギーな暖房を行なうことを目的とするも
のである。

この目的を達成するために本発明は、温風機の
送風機（暖房用送風機）の回転数に応じてサーキ
ユレータの送風機（循環用送風機）の回転数を変
更する制御手段を設け、暖房用送風機の回転数が
増大した時は、循環用送風機の回転数を減少さ
せ、暖房用送風機の回転数が減少した時は、循環
用送風機の回転数を増やすよう制御するものであ
る。

この構成によつて、温風機の風量が少ない場合
は、サーキユレータの風量が増すため、温風はサ
ーキユレータにより室内全体を循環し温度分布が
小さくなる。逆に温風機の風量が多い場合は、サ
ーキユレータの風量が減るため、室内の風速は大
きくならない。

以下、本発明の一実施例について、第１図〜第
３図にもとづいて説明する。

第１図〜第２図において、１は天井面、２は床
面、３は壁面、４は暖房用送風機５、熱交換器６
を内蔵した温風機、７は循環用送風機８を内蔵し
たサーキユレータ、８ａは暖房用送風機５の電気
回路、９は循環用送風機８の電気回路、１０は接
続コード、１１は電源、１２は強ノツチ１３、中
ノツチ１４、弱ノツチ１５の３つの風量切換ノツ
チを有する暖房用送風機５の温風機フアンモー
タ、１６は強ノツチ１７、中ノツチ１８、弱ノツ
チ１９の３つの風量切換ノツチを有する循環用送
風機８のサーキユレータフアンモータ、２０は送
風停止２１、弱風２２、中風２３、強風２４のモ
ードを切換える切換スイツチで、弱風２２と弱ノ
ツチ１５および強ノツチ１７を接続、中風２３と
中ノツチ１４および中ノツチ１８を接続する、強
風２４と強ノツチ１３および弱ノツチ１９を接続
する。

上記構成において、切換スイツチ２０を弱風２
２にすると、温風機フアンモータ１２の弱ノツチ
１５およびサーキユレータフアンモータ１６の強
ノツチ１７に通電され、温風機４は弱風で、サー
キユレータ７は強風で送風する。次に切換スイツ
チ２０を強風２４にすると、温風機フアンモータ
１２の強ノツチ１３およびサーキユレータフアン
モータ１６の弱ノツチ１９に通電され、温風機４
は強風で、サーキユレータ７は弱風で送風する。
切換スイツチ２０を中風２３にすると両フアンモ
ータは中ノツチとなり、温風機４、サーキユレー
タ７の両者共中風で送風する。

したがつて、室内温度分布が悪化しやすい温風
機の弱風の時は、サーキユレータが強風となつて
室内全体を循環するため、温度分布は良好に保た
れる。又、室内風速が大きくなりやすい温風機の
強風の時は、サーキユレータが弱風となつて必要
以上に送風が増さないため、温度分布はもちろ
ん、室内風速も小さくできる。これを、第３図で
説明すると、図においてＹは室内床上高さ、Ｘは
室内風速、Ｚは室内温度、２５と２７は温風機が
強風量、サーキユレータが弱風量の場合、２６と
２８温風機が弱風量、サーキユレータが強風量の
場合である。この図でも明らかなように、温風機
とサーキユレータのトータル風量がバランスよく
設定されるため、室温分布・風速分布共に良好な
状態が保たれる。

以上の説明から明らかなように、本発明の空気
調和装置は、温風機に具備された暖房用送風機の
回転数に応じて、サーキユレータに具備された循
環用送風機の回転数を変更するものであり、暖房
用送風機の回転数が増した時に暖房用送風機の回
転数を減らし、暖房用送風機の回転数が減つた時
に循環用送風機の回転数を増やすことによつて次
の効果が得られる。

・ 風量のトータルバランスがとれ、風が室内を
吹きすぎることなく循環するため、室内の温度
分布、風速分布が良好に保たれ快適である。

・ 室内の温度分布が少なくできるため、天井か
らの放熱ロスを小さくでき、居住範囲が効率よ
くあたためられ、省エネルギー的である。

・ 温風機とサーキユレータの両者の送風機が共
に強運転となることがないため、送風機の騒音
が少ない。

・ 両送風機の回転数は共に増さないため、消費
電力を押えることができ、省エネルギーであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の空気調和装置の一実施例の室
内に設置された状態を示す室内断面図、第２図は
同送風機の回転数を変更する制御手段を示す回路
図、第３図は同室内風速分布および室内温度分布
の図、第４図は従来の空気調和装置の室内風速分
布および室内温度分布の図である。 ４……温風機、５……暖房用送風機、７……サ
ーキユレータ、８……循環用送風機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転数変更可能な循環用送風機を具備したサ
   ーキユレータと、回転数変更可能な暖房用送風機
   を具備した温風機と、前記暖房用送風機の回転数
   に応じて前記循環用送風機の回転数を変更する制
   御手段とを備えた空気調和装置。 ２ 暖房用送風機の回転数が増大した時は、循環
   用送風機の回転数を減少させ、暖房用送風機の回
   転数が減少した時は、循環用送風機の回転数を増
   加する制御手段を有する特許請求の範囲第１項記
   載の空気調和装置。