JPS62685Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容器に収容される芳香防臭液等の揮
散性薬液を、容器口部で保持されて薬液内に浸漬
される芯材を介して毛細管現象によつて吸い上
げ、更に、芯材の上端に接する揮散面積の大きい
吸水性を有する蓄香片に含浸させた後、芳香を発
散させる型式の揮散装置の改良に関する。

上記した蓄香片を採用する揮散装置にあつて
は、前記の蓄香片を水平状態に載架し、かつ、蓄
香片を容器の口部から露呈する芯材の先端に当接
させるために、容器の口部に嵌合される蓄香片の
保持環体と、使用時において蓄香片上に塵埃等が
附着することを防止すると同時に揮散機能を円滑
ならしめるために、上記保持環体の上部に装着さ
れる傘体を不可欠の構成部品としていた。

しかるに、上記の如く蓄香片を芯材の上部にお
いて水平に配置し、芯材の上端を蓄香片の中央部
に接触させる方式を採用するときは、薬液が蓄香
片の中心から放射状に浸潤してゆくため吸収作用
は良好であるが、薬液の含浸によつて蓄香片自体
が膨張して彎曲変形し、蓄香片の中央部が芯材の
上端から離反してしまい所望の揮散作用に支障を
来たす虞があると同時に、容器の口部に嵌合して
蓄香片を水平状態に保持して芯材の上端に接触さ
せる蓄香片の保持環体を、容器と傘体の中間に介
在させなければならなかつた。

本考案は、上述した電気スタンド型の薬液揮散
装置における問題点を改良することを企図して考
案されたもので、蓄香片の芯材上端からの離反を
確実に防止すると共に、部品点数を減少させて廉
価に製造し得るようにしたものである。

このために、本考案においては、従来のように
蓄香片を水平方向に載置して芯材からの薬液吸収
を行う構想を転換して、蓄香片を垂直方向に配置
することにより、在来品の欠点を排除すると同時
に揮散効果をも増大させるように構成したもので
ある。

以下、図面に示した実施例に基き本考案の要旨
を説明すると、１は芳香防臭液を収容する壜状容
器で、その突出口部２の外周には螺条２ａを施
し、開口部２ｂからは、その下端を容器１に収容
する薬液中に侵漬したポリエステル繊維等の吸水
性素材を結束編組した芯体４の先端を保持枠４ａ
を介して突出させてある。

３はキヤツプで、容器１の突出口部２の螺条２
ａに螺合するようにしてあり、頂面中央には、前
記芯体４の先端が挿通する透孔３ａが開設され、
外周にはローレツト３ｂを刻設してある。

５は補助キヤツプで、中央に設けた凹部５ａ
を、容器１の運搬・保管時等の不使用の芯体４の
先端に被冠し、キヤツプ３を容器１の突出口部２
の螺条２ａに螺合緊締することにより、芯体４の
先端を密閉するようにしてある。

６は傘体で、電気スタンドの傘体に模した形状
に形成され、周壁には多数の窓８を開設し、絵
柄・文字等を印刷した紙、布等のカバー９を取り
外し得るよう周回捲着してある。この傘体６の底
部中央には、前述のキヤツプ３に取り外し自在に
嵌装する筒部１０が設けられ、その内周壁には突
条１０ａを縦方向に突設し、キヤツプ３のローレ
ツト３ｂに沿つて噛合するようにしてある。ま
た、筒部１０の上部頂面には、透孔１１を設けて
あり、補助キヤツプ５を取り除いて緊締した状態
下におけるキヤツプ３の透孔３ａから突出する芯
体４の先端が貫通し、上方に若干突出するように
してある。

傘体６と前記筒部１０との連繋は、一対の互に
平行する二組の支持板１２，１２によつて連結さ
れると共に、傘体６の上部開口縁６ａと筒部１０
の肩部１０ｂとの間に斜めに設けた対向する一対
の縦方向の案内溝１３，１３とによつて連繋さ
れ、該案内孔１３は、傘体６の傾斜とは反対に、
上方に向けて開くように斜向され（第２図）案内
溝１３は、第３図示の如く断面が鳩尾状に形成さ
れ、後述する蓄香片１４の両側縁１４ａを摺動嵌
挿した際に、抜け落ちることを防止してある。

蓄香片１４は、紙その他の吸水性（含水性）
資質を素材とし、案内溝１３，１３の縦方向の傾
斜に従つて逆梯形状に形成され（第１図示）案内
溝１３，１３への挿入・取り外しを容易ならしめ
てある。

１５は蓄香片１４の上縁を遮蔽すると共に、傘
体６内に塵埃が侵入することを阻止するために、
傘体６の上部開口部６ａを被覆する天蓋で、その
中心線上の両端に突設した係止片１５ｂを上部開
口部６ａに穿設した係止孔６ｃに係合するように
してある。なお、この天蓋１５は、使用時におい
て、円弧状に施したミシン目１５ａ部分を境にし
てその両側部を切り離して揮散孔を開設するもの
であるが、揮散効果を更に増大させる必要がある
場合には、天蓋１５のそれ自体を取り外して上部
開口部６ａを揮散孔としてもよい。

上述の構成からなる本考案装置においては、補
助キヤツプ５を取り外し、キヤツプ３を壜口部２
に螺合緊締して、芯体４の先端をキヤツプ３の透
孔３ａより突出させた後、予め蓄香片１４を案内
溝１３に嵌挿した傘体６の筒部１０を、キヤツプ
３のローレツト３ｂに対し、突条１０ａを摺接し
つつ嵌合すれば、傘体６はキヤツプ３にワンタツ
チで嵌装される。この際、蓄香片１４の下端縁１
４ｃの中央部が芯材４の上端部に接触するため、
芯体４によつて吸い上げられた薬液は、上記接触
部を経て蓄香片１４に更に吸収含侵される。従つ
て、傘体６の下方から流入する空気が上方へ流過
する通常の状態下においては、空気は蓄香片１４
の両面に沿つて上昇するため、薬液の放散作用は
効果的に行われる。

かゝる場合、蓄香片１４の湿潤による膨張作用
が生じても、蓄香片１４は案内溝１３，１３に沿
つて縦方向に上昇するため、その下端縁１４ｃか
ら離反することはなく、常に薬液を芯体４を経由
して蓄香片１４に伝達させ得るものである。

叙上の如く本考案によれば、蓄香片を傘体内に
設けた縦方向の案内溝を介して垂直に配設して芯
体の先端と接触させる構成を採用した結果、蓄香
片に薬液が湿潤する場合においても、蓄香片は伸
張して案内溝に沿つて摺動するため、蓄香片が芯
体の先端から離反することを確実に阻止し得ると
共に、蓄香片を水平状態に載架して容器の口部か
ら露呈する芯体先端に当接させる保持環体を必要
とすることのない簡単な構造体に取纏め得る著効
を発揮するため、実用に供して益する処が多大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案品の分解斜視図、第２図は縦断
正面図、第３図は平面図、第４図は傘体の底面図
である。 １……容器、４……芯体、６……傘体、１３…
…案内溝、１４……蓄香片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芳香防臭液等の揮散性薬液を収容する容器と、
   容器内の薬液を吸い上げる芯材と、容器に装着さ
   れる傘体と、傘体の下部に位置して芯材の上端に
   接して薬液を吸収する蓄香片を具備する電気スタ
   ンド型の薬液揮散装置において、前記傘体内に垂
   直方向に対向する一対の案内溝を設けると共に、
   該案内溝に、その両側縁を摺動自在に嵌装し、下
   端縁の中央部が芯材の上端に接触する前記蓄香片
   を配設したことを特徴とする揮散性薬液の揮散装
   置。