JPS626818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、高電圧を導く少なくとも１つの導
体とこの導体を容器に対して支える絶縁体とを備
え、この絶縁体の導体側端部にこの導体を円筒状
に取囲み導体と同電位にある電極を備えた密閉形
ガス絶縁高電圧導体装置であつて、この電極の中
央の凹部に設けられ導電性材料から成るくの字状
の弓形ばねが導体と電極との間に配置され、この
弓形ばねがこの導体を鈍角をなす両脚で囲み導体
と電極との間の導電接触を確保するものにかかわ
る。

かかる密閉形ガス絶縁高電圧導体装置は***国
特許出願公開第2401093号により公知である。こ
の種の装置においては導体は運転中に電気的及び
熱的負荷により機械的応力を受け、この機械的応
力は結果として導体と容器との間の相対移動をも
たらしまた支持絶縁体により受止められなければ
ならない。しかしながら一般には支持絶縁体に付
加的な荷重が加わらぬように、導体は１支持点で
固定され他支持点では導体の軸方向移動が許され
ている。この公知の装置においては支持絶縁体は
導体を円筒状に取囲む電極を備え、この電極は滑
り支持部として形成されまたさらに中央に凹部を
備え、この凹部の中に導電性材料から成るくの字
状の弓形ばねが配置されている。この弓形ばねは
支持体の頂部を形成する電極と高電圧を導く導体
との間の電位の伝達を確保する。もし導体と電極
との間の導電接触が絶たれれば、コロナ放電が発
生することがある。これは弓形ばねが導体を鈍角
をなす両脚で取囲み電極の内壁と導体とに接触す
ることにより防止される。滑り特性を改善するた
めにこの公知の装置においては弓形ばねの各脚部
にグラフアイト製接触片が設けられる。この接触
片は比較的高価であり、また運転中の導体の軸方
向移動時のみならず、導体を弓形ばねの脚上を滑
らせて押込まなければならない導体の組立時にさ
えも摩耗が発生する。

この考案は密閉形ガス絶縁高電圧導体装置の導
体支持部において電位の伝達に用いられるこの種
の弓形ばねを、導体の組立時における上記の欠点
を生ずることなく簡単に構成することを目的とす
る。

この目的は頭記の種類の密閉形ガス絶縁高電圧
導体装置においてこの考案にもとづき、前記弓形
ばねがその中央部に外に向つて突出したねじ部を
備え、このねじ部が前記電極に設けた孔に少なく
とも部分的に挿入されていることにより達成され
る。こうすることにより弓形ばねは回転を防止さ
れる。ねじ部は電極の外側からこれに触れること
が可能である。こうして例えば電極の外からねじ
部にねじ込まれるねじ締め装置により弓形ばねを
電極の凹部に引込むことができるので、導体組立
中には導体の押込み空間が解放される。こうする
ことにより組立中に導体と弓形ばねとの摩擦を回
避する。導体組立が完了するとねじ締め装置は緩
めて外され、弓形ばねがそのばね弾性により導体
の外面と電極の内面とに接触するので、電位が完
全に伝達されかつ導体の電極に対する軸方向移動
が可能となる。

弓形ばねが導体のすべての与えられた位置にお
いて有効であるように望ましいばね弾性において
必要な強さを保つために、弓形ばねを板ばねによ
り構成するのが良い。

つぎに図示したこの考案の１実施例にもとづき
この考案を詳細に説明する。

図示の高電圧導体装置において、鋼又はアルミ
ニウム合金のような導電性材料から成る容器１が
管状に形成されている。絶縁性の特に陰電性のガ
ス例えば６ふつ化硫黄（SF₆）を加圧充填した容
器１の内部に高電圧を導く導体２が支持絶縁体３
により容器１と間隔を隔てて保持されている。そ
のために支持がい子状に形成された絶縁体３はそ
の頂部に導体２を円筒状に取囲む電極４を備えて
いる。この電極は導体２を取囲む中心孔５を備え
ている。電極４の内側にはさらに中央に凹部６が
設けられ、この凹部の中にくの字状の弓形ばね７
として形成された板ばねが配置され、この弓形ば
ねの脚８は導体２を鈍角で囲んでおり、そしてこ
の弓形ばねはそのばね力により一方では導体２の
外面に他方では電極４の内面９に接触している。
かくして導体２からそれを取囲む電極４への電位
の確実な伝達が保証される。

導電性材料から成る弓形ばね７はその中央部に
外に向つて突出したねじ部１０を備え、このねじ
部は電極４に設けた孔１１の中に少なくとも部分
的に挿入されている。このねじ部１０は雄ねじ１
２から成つている。図示されていない簡単なねじ
締め装置をこの雄ねじ１２にねじ込むことがで
き、それにより弓形ばね７を電極４の内壁９に向
つて引張ることができるので、導体組立のために
押込み空間が解放される。こうして弓形ばね７と
導体２との間の摩擦が回避されるので導体組立が
容易になる。導体組立が完了するとねじ締め装置
は緩めて外され、弓形ばね７は導体２と電極４の
内面９とに接触する。ねじ部１０の長さはその一
部が電極４の孔１１の中に残つて弓形ばね７の回
転が防止されるように選ばれる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す密閉形ガス
絶縁高電圧導体装置の縦断面図、第２図は第１図
に示す支持部の横断面図、である。 図面において、１は容器、２は導体、３は絶縁
体、４は電極、６は凹部、７は弓形ばね、８は
脚、１０はねじ部、１１は孔、１２は雄ねじ、で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 高電圧を導く少なくとも１つの導体とこの導
   体を容器に対して支える絶縁体とを備え、この
   絶縁体の導体側端部にこの導体を円筒状に取囲
   み導体と同電位にある電極を備えた密閉形ガス
   絶縁高電圧導体装置であつて、この電極の中央
   の凹部に設けられ導電性材料から成るくの字状
   の弓形ばねが導体と電極との間に配置され、こ
   の弓形ばねがこの導体を鈍角をなす両脚で囲み
   導体と電極との間の導電接触を確保するものに
   おいて、前記弓形ばねがその中央部に外に向つ
   て突出したねじ部を備え、このねじ部が前記電
   極に設けた孔に少なくとも部分的に挿入されて
   いることを特徴とする密閉形ガス絶縁高電圧導
   体装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の装置
   において、前記ねじ部が雄ねじから成ることを
   特徴とする密閉形ガス絶縁高電圧導体装置。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に
   記載の装置において、前記弓形ばねが板ばねか
   ら成ることを特徴とする密閉形ガス絶縁高電圧
   導体装置。