JPS625857B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、印刷等で用いる不織布等通気性を有
する特殊シートの給紙において、バキユームによ
る在来給紙方式では適切に供給できなかつた通気
性シートの個々枚葉給紙が、粘着テープを介して
適切に１枚宛給紙方向に供給できるように開発し
て成る粘着テープを用いた給紙装置に関し、特に
粘着ブレードの降下圧に弾圧を保たせたうえブレ
ード底面が常にシートと平行となるように構成し
たことにある。

通常印刷機への給紙はバキユーム方式で行つて
いるが、給紙用シートが通気性のあるシート例え
ば多孔質の和紙・多孔質の洋紙・布地及び表面に
モントル状の毛羽立つた加工を施したシートの場
合ではバキユーム方式で給紙できないのが現況で
あり、この場合は手差しで１枚宛支給しているの
が実情である。

また、通気性のある上記シートをバキユーム方
式で給紙する場合従来例では通気性シートに非通
気性シートを裏打ち加工して印刷に供し、印刷後
裏打紙の剥離処理を行なつている次第である。

よつて、このような裏打ち作業を行なうことは
材料費の高騰とそれに伴なう作業費の増加及び時
間的ロスの損失等多くの欠点が生じてしまう。

本発明は上記従来例に鑑みてかかる欠点を解消
し、バキユーム方式では供給できなかつた通気性
シートの適切な給紙を可能にし、不織布等による
通気性シートへの印刷においてこれの給紙が枚葉
紙ごとにそのままの姿で粘着テープを介して１枚
宛適切に供給できるうえ、シートを粘着保持する
ブレード対シートとの係接が安定して得られるこ
とにあり、次にこれを図示の一実施例について説
明する。

第１図において、１は適数枚からなる不織布等
による通気性シート、２は上記シートの上面に対
設してなる給紙装置である。

給紙装置２は、概略的には粘着テープ３を導出
するための粘着ブレード４を有する第１給紙部２
ａと、方向性を保たせたブラシ５を有する第２給
紙部２ｂとからなり、上記第１給紙部２ａ及び第
２給紙部２ｂはそれぞれ幅方向に対応して第４図
で示すように所定間隔のもとに対設してある。

第１給紙部２ａは、一方のリール６から他方の
リール６′に向けて順次繰り出される粘着テープ
３の粘着面をシート１面に押圧接着するための押
圧面を有してなる粘着ブレード４、上記粘着ブレ
ードをシート１面に対して当接または浮上させる
ためのロツド７、可動フレーム８、上記可動フレ
ームの上下動を行なう連杆９、可動フレーム８の
側面に対設の可動フレーム１０、可動フレーム８
及び可動フレーム１０を連結する枢軸１１、可動
フレーム１０に配設し対向ストツパー１２との衝
接で回動する粘着テープ送りレバー１３等から成
つており、粘着ブレード４は更に可動フレーム８
に対して滑合的に取り付けてある。

上記において、粘着ブレード４は可動フレーム
８側で可動フレーム１０との間に設けてある傾斜
溝１４に沿つて上下方向のスライドが許容でき、
粘着ブレード４に突設のピン１５が可動フレーム
１０に穿つてある溝孔１６と係接していて粘着ブ
レード４の落下が阻止されている。

一方、前記ストツパー１２及び可動フレーム１
０の上面後端と衝接するストツパー１７は本体側
フレーム１８の支軸１９に固定のブラケツト２０
ａと該軸に枢着の可動アーム２０ｂとにそれぞれ
設けられており、かつ可動アーム２０ｂにはこれ
を降下圧を与えるためのスプリング２１がブラケ
ツト２２を介して取り付けてある。

なお、１３ａは可動フレーム１０に取り付けら
れている送りレバー１３と可動フレーム１０自身
の降下位置を規整するストツパーで、スプリング
１３ｂで押し上げられる送りレバー１３の回動阻
止と、スプリング１０ａによる可動フレーム１０
の降下を可動フレーム８側で受け止める役目をな
し、２３はシート１の後端上面と接する当て板、
２４はシート１の後端側上部に位置する吹き足で
ある。

第２給紙部２ｂは、対設のカム２５で駆動する
可動アーム２６，２７，２７′と、上記可動アー
ムで保持するブラケツト２８の先端に設けてなる
方向性ブラシ５等から成つており、ブラシ５には
該ブラシを一定の圧力でシート１面に圧着するた
めのバキユーム機構５ａと、ブラシ５による下部
シート間とのすべりを良好にしてシート１の２枚
差しを防止するためのエア吹込機構５ｂとから成
つている。

よつて、第２給紙部２ｂはカム２５が図示時計
方向に回転すると始めに可動アーム２７が支軸２
７ａを中心に右回転する追従機構と次いで可動ア
ーム２６が支軸２６ａを中心に左回転する追従機
構とでブラシ５を前後動させる。

上記において、カム２５の回転は第１給紙部２
ａ側の連杆９の作動と関連して行なつており、２
９は第２給紙部２ｂで所定距離送り出されたシー
ト１を印刷機等の供給側に強制的に送り出すため
の転送ローラーである。

次に本発明の作用について述べれば、粘着ブレ
ード４の下面には粘着テープ３が粘着面をシート
側に向けて繰り出されており、連杆９の降下で粘
着ブレード４は第１図で示すようにシート１面に
圧接される。

ここにおいて、粘着ブレード４は連杆９の降下
圧で単にシート１面に当接される。

よつて、シート１面に対する粘着ブレード４の
接着圧は、シート上面が下位テーブルリフターに
よるアンバランス的要素を伴なう水平位置の変動
をきたすも、上記緩衝的弾圧をもつて適切な粘着
が果せる。なお、粘着ブレード４は第２図で示す
ようにブレードホルダー４′に対するブレード４
部分を弾性材にて緩衝的に構成してもよい。

可動フレーム９の上下運動において、これの上
昇では可動フレーム８がそのまま平行に上昇する
のに伴なつて可動フレーム１０もこれがストツパ
ー１７と接するまではそのまま上昇し、ストツパ
ー１７に衝接後の可動フレーム１０は枢軸１１の
上昇作用で次第にリール６側を引き上げる傾斜運
動をなし、この傾斜運動をもつて粘着ブレード４
がピン１５に対溝孔１６との係接で可動フレーム
８の傾斜溝１４に沿つて斜め前方に押し上げられ
る。

よつて、粘着ブレード４は単なる上昇ではな
く、可動フレーム１０の上昇傾斜でシート１に向
いたまま前方に押し進められる機構としたから、
粘着ブレード４で上方に持ち上げられるシート１
は当て板２３、吹き足２４の下をくぐりやすく、
かつシート１を供給方向に繰り出しできる。

一方、可動フレーム１０が所定位置まで上昇す
ると送りレバー１３がストツパー１２と衝接して
所定分時計方向に回転し、粘着テープ３を所定分
巻き取る準備をなす。

なお、当て板２３は粘着ブレード４で引き上げ
られる１枚目のシート１に対し２枚目のシートが
付着的に引き上げられるのを阻止する役目をな
し、吹き足２４はこれから放出されるエアを１枚
目と２枚目のシート間に送つて両シートの分離を
適切に行なう。

第１給紙部２ａの上記作動に対しては、一方こ
れと同期して第２給紙部２ｂが作動し、粘着ブレ
ード４で引き上げられたシート１に対してはブラ
シ５がシート１の前方において下圧的に接し、か
つバキユーム機構５ａにてシート１にブラシ５面
を圧着していて第１給紙部２ａの降下に際して第
２給紙部２ｂの作動でブラシ５が１枚目のシート
１を２枚目のシートからすべらせながら転送ロー
ラー２９側に送り出す。

かくして、粘着ブレード４で保持されていたシ
ート１は粘着ブレード降下の際にブラシ５による
送り出しで粘着ブレード４から離脱され、上記シ
ートは以後転送ローラー２９の咥持で搬出され
る。なお、エア吹込機構５ｂはシートの１枚目と
２枚目との間に空気層をつくり、それぞれの分離
を良くするためのものであり、かつブラシ５はシ
ート１の通気性を利用してエアで２枚目のシート
がブラシ５側に接触するのを防止する役目をな
す。

第１給紙部２ａの降下では送りレバー１３がス
トツパー１２から離れてスプリング１３ｂで所定
位置まで復帰回転し、この復帰回転によるリール
６′の回転をもつて粘着ブレード４下に新たな粘
着面が繰り出されて次のシート引き上げに供され
る（第１図参照）。また、第２給紙部２ｂもシー
ト１が転送ローラー２９で咥持されたのちは復帰
用スプリング（図示省略）を介して第１図で示す
位置に復帰して給紙行程１サイクルを終了する。

なお、上記サイクル終了後は吹き足２４も上方
に復帰し、このタイミングにおいて図示では省略
してあるがマイクロスイツチを介してシート１を
積載しているパレツトが若干上昇できて供給され
るシート１の上面が常に同面位置にとどめられ
る。

本発明は以上の如くなしていて、給紙用シート
が不織布等の通気性シートであるもこれの給紙が
第１給紙部２ａの粘着ブレード４のスライド上昇
による前進的引き上げで適切に行なえるシート１
枚ごとの取り出しと、第２給紙部２ｂのブラシ５
と５ｂのエア吹込機構による上記シート１枚ごと
の適切な送り出しとで２枚差しの欠点を生じるこ
とがなく容易にして確実に行なえ、また可動フレ
ーム１０が回動して給紙用シートの上方向に向け
て傾斜すると、傾斜溝１４により粘着ブレード４
の底部が給紙用シート方向に向いた状態で給紙方
向斜め上方に移動し、粘着ブレードが可動フレー
ムに固定され弧を描いて移動するものと比べる
と、粘着ブレードの移動が斜め上方の給紙方向へ
大きくとれ、粘着ブレード４で持ち上げられたシ
ートを吹き足の前端部にひつかけることなく給紙
方向に確実に移動させることができる。よつて、
給紙用シートが斤量の少ない薄手シート等である
も２枚差しを生じることがなく極めて適切に給紙
でき、給紙作業に携る者にあつては給紙作業の気
苦労解消及び給紙作業の省力化と給紙損失に見ら
れるシート損出の無駄解消とに大きく貢献でき
る。なお、第１給紙部２ａと第２給紙部２ｂとか
らなる給紙装置２は、実際には吹き足２４を中心
に第４図で示すように給紙用シート１の両域に対
設してある。

本発明は、通気性を有する給紙用シート面に当
接する粘着テープが下面に渡設される粘着ブレー
ドを、給紙用シート面に対して垂直方向に移動す
る可動フレームと、前記可動フレームに枢着され
給紙用シート面の上方向に傾斜可能な傾斜用可動
フレームとの間に配し、粘着ブレードは傾斜用可
動フレームに係接するピンを備え、傾斜用可動フ
レームに追従して上方向に移動する粘着ブレード
を給紙方向斜め上方に案内する傾斜溝を、可動フ
レームに設けたことから、傾斜用可動フレームが
回動して給紙用シートの上方向に向けて傾斜する
と、傾斜溝により粘着ブレードが給紙用シート方
向に向いた状態で給紙方向斜め上方に移動して粘
着ブレードの給紙方向への移動が大きくとれ、粘
着ブレードで持ち上げられたシートを給紙方向に
確実に移動させることができるなどの効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は給紙装置の要部側面説明図、第２図は糊着ブレ
ードの他例説明図、第３図は第１図の作動説明
図、第４図は第１図を左方より見て示す一部省略
の背面説明図である。 １…シート、２…給紙装置、２ａ…第１給紙
部、２ｂ…第２給紙部、３…粘着テープ、４…粘
着ブレード、４′…ブレードホルダー、５…ブラ
シ、５ａ…バキユーム機構、５ｂ…エア吹込機
構、６，６′…リール、７…ロツド、８，１０…
可動フレーム、９…連杆、１０ａ，１３ｂ，２１
…スプリング、１１…枢軸、１２，１３ａ，１７
…ストツパー、１３…送りレバー、１４…傾斜
溝、１５…ピン、１６…溝孔、１８…フレーム、
１９，２６ａ，２７ａ…支軸、２０ａ，２２，２
８…ブラケツト、２０ｂ，２６，２７，２７′…
可動アーム、２３…当て板、２４…吹き足、２５
…カム、２９…転送ローラー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 通気性を有する給紙用シート面の垂直方向に
   移動する可動フレーム８に傾斜用可動フレーム１
   ０が給紙用シート面の上方向に傾斜可能に枢着
   し、傾斜用可動フレーム１０の前後端に位置する
   リール６間に渡設した粘着テープを粘着ブレード
   ４の下面に配して給紙用シートの後端側に当接さ
   せて昇降する第１給紙部２ａと、 給紙用シートを吸引して給紙方向に案内する第
   ２給紙部２ｂと、 給紙用シートの後端側上部に位置し引き上げら
   れる給紙用シートと下位に位置する給紙用シート
   との間にエアを放出する吹き足２４とを備えた給
   紙装置において、 前記粘着ブレード４は傾斜用可動フレーム１０
   に係接するピンを備えて可動フレーム８と傾斜用
   可動フレーム１０との間に配され、 傾斜用可動フレーム１０に追従して上方向に移
   動する粘着ブレード４を給紙方向斜め上方に案内
   する傾斜溝１４を、前記可動フレーム８に設けた
   ことを特徴とする粘着テープを用いた給紙装置。