JPS625442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築物の内装材、とりわけ浴室、洗
面室等の天井材、壁材とし用いるのに最適な断熱
内装板に関するものである。

従来より、浴室、洗面室等の内装板として、両
側端部に互いに接合可能な接合部を有する塩化ビ
ニル樹脂等の合成樹脂で形成した樋状体内に発泡
ウレタン樹脂等の発泡性樹脂を充填せしめてなる
内装板が、断熱性に優れかつ湿気や水分の影響を
受け難いことから広く用いられている。

しかしながら、上記従来の内装板においては、
その表面が塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製外被で
覆われているため、表面に立体感に富んだ任意の
凹凸模様を形成することが困難であり、表現でき
る意匠が、色彩あるいはプリント模様を主体とす
るものであるので単調であり、商品価値の向上を
図り得ないという欠点を有している。

さらに、上記従来の内装板は、合成樹脂を樋状
体に押出成型し該樋状体内に発泡性樹脂を注入し
て発泡硬化させることによつて形成されるもので
あるので、その発泡時の圧力により樋状体表面が
凹面状に彎曲変形したり、又施工後における温度
上昇によつても緩やかに発泡し樋状体側壁を押圧
して湾曲変形を生じることがあり、表面外観が良
くないという欠点をも有している。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、内
装板基体を発泡合成樹脂で形成し、該基体の両側
端部に互いに接合可能な接合部を一体に設けるよ
うにすることにより、浴室等の内装材として用い
るのに必要な物理的性質である断熱性および耐
湿、耐水性に優れているのは勿論のこと、表面に
任意の立体的な凹凸模様を表現することができ、
さらには表面に凹面状変形による外観不良を生じ
ることのない装飾意匠効果の優れた断熱内装板を
提供せんとするものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本考案に係る断熱内装板Ａを示し、１
は発泡ウレタン樹脂等の発泡性樹脂を板状体に形
成してなる発泡合成樹脂製基体であつて、該基体
１の表面には凹凸状化粧模様２が形成されてお
り、該化粧模様２の模様付けは基体１の成型と同
時に、金型内への発泡性樹脂の流し込みにより形
成され、また、基体１を板状に成型したのちエン
ボス加工等により刻設することも可能である。上
記発泡合成樹脂製基体１の一側端裏面側には段部
３が形成され、該段部３には、上側突条片４と下
側突条片５とからなり上側突条片４が下側突条片
５より大きく突出した断面略コ字形部６を有する
とともに該コ字形部６の基部より下方に突出する
埋設固着片７を有する塩化ビニル樹脂等の合成樹
脂よりなる接合用棒状体８が、上記上側突条片４
が基体１裏面側に位置し、かつ外側方に開口する
嵌合溝９を形成するように上記埋設固着片７を基
体１に埋設せしめて一体に固着されている。一
方、上記基体１の一側端面と相対する他側端面に
は、上記嵌合溝９と嵌合可能な突条部１０を有す
るとともに該突条部１０の基部より下方に突出す
る埋設固着片１１を有する塩化ビニル樹脂等の合
成樹脂よりなる断面略Ｌ字状の接合用棒状体１２
が、上記突条部１０が嵌合溝９と嵌合可能に位置
するように上記埋設固着片１１を基体１に埋設せ
しめて一体に固着されて、本考案の断熱内装板Ａ
が構成されている。

したがつて、上記構成よりなる断熱内装板Ａ
は、発泡合成樹脂製基体１の一側端に設けた接合
用棒状体８の嵌合溝９に対し、相隣る他の断熱内
装板Ａの発泡合成樹脂製基体１の他側端に設けた
接合用棒状体１２の突条部１０を嵌合することに
より、両者は接合され、以後順次同様に接合する
ことによつて浴室等の天井面が形成される。

この場合、上記基体１は発泡合成樹脂よりなる
ため、該基体１の表面に凹凸状化粧模様２を金型
成型時に同時にあるいは成型後のエンボス加工等
により形成することができるので、表面に任意の
立体感に富んだ凹凸模様を容易に表現することが
でき、色彩の変化と相俟つて変化に富んだ意匠の
表現が可能となるとともに、従来の如き表面の凹
面状変形による外観不良が生じることがないの
で、装飾意匠効果に優れたものとなる。

しかも、上記発泡合成樹脂製基体１は断熱性に
優れ、かつ耐湿、耐水性に優れているので、浴室
等の天井材等として用いるに必要な物理的性質を
保有しているとともに、該基体１の両側端には塩
化ビニル樹脂等よりなる接合用棒状体８，１２を
一体に固着して接合部を構成しているため、接合
部の強度をも十分に確保することができる。特
に、上記接合用棒状体８，１２に埋設固着片７，
１１を設ければ該埋設固着片７，１１を基体１に
埋設せしめて、基体１との固着をより強固なもの
とすることができる。また、上記接合用棒状体
８，１２は、発泡合成樹脂製基体１の発泡成形時
に型枠内に配置しておくだけで、該基体１に同時
に一体に固着でき簡単に製造することが可能であ
る。

又、樋状体内に発泡合成樹脂を填入せしめた従
来のものに較べて製造時あるいは施工後における
湾曲変形を生じることもなく、永年良好な施工外
観を維持することができる。

尚、上記接合用棒状体８，１２の埋設固着片
７，１１の形状は上記実施例に限らず、その他
種々の変形例をも包含するものであり、その変形
例の一例を第２図ないし第４図に示す。第２図に
示す接合用棒状体８′では、断面略コ字形部６′の
基部の下端部から内側方（基体１側）に突出した
埋設固着片７′を設けたものである。また、第３
図に示す接合用棒状体１２′では、突条部１０′の
基部に対してほぼ直交する方向に埋設固着片１
１′を設けたものであり、さらに第４図に示す接
合用棒状体１２″では、突条部１０″の基部にＴ字
状の埋設固着片１１″を設けたものである。

以上の如く、本考案の断熱内装板によれば、浴
室等の内装材に用いるのに必要な物理的性質とし
ての断熱性および耐湿、耐水性に優れているとと
もに、表面に立体感に富んだ任意の凹凸模様を容
易に形成することができ、しかも施工後における
湾曲変形の必配もないので意匠外観性に優れた商
品価値の高い断熱内装板を提供することができ、
浴室、洗面室等の天井材、壁材として最適なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図ないし第４図はそれぞれ接合用棒状体の変形例
を示す断面図である。 Ａ……断熱内装板、１……発泡合成樹脂製基
体、２……凹凸状化粧模様、３……段部、４……
上側突条片、５……下側突条片、６……断面略コ
字形部、７……埋設固着片、８……接合用棒状
体、９……嵌合溝、１０……突条部、１１……埋
設固着片、１２……接合用棒状体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内装板基体が発泡合成樹脂よりなり、該発泡
   合成樹脂製基体の一側端裏面側段部に、上側突
   条片が下側突条片より大きく突出した断面略コ
   字形部を有する接合用棒状体を、上側突条片が
   裏面側に位置しかつ外側方に開口する嵌合溝を
   形成するように一体に固着するとともに、上記
   一側端面と相対する他側端面に、上記嵌合溝と
   嵌合可能な突条部を有する接合用棒状体を、突
   条部が嵌合溝と嵌合可能に位置するように一体
   に固着してなることを特徴とする断熱内装板。 (2) 棒状体が、発泡合成樹脂製基体に埋設される
   埋設固着片を有することを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の断熱内装板。 (3) 発泡合成樹脂製基体表面に凹凸状化粧模様が
   形成されていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項又は第２項記載の断熱内装
   板。