JPS6253518B2 - - Google Patents

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JPS6253518B2
JPS6253518B2 JP55024924A JP2492480A JPS6253518B2 JP S6253518 B2 JPS6253518 B2 JP S6253518B2 JP 55024924 A JP55024924 A JP 55024924A JP 2492480 A JP2492480 A JP 2492480A JP S6253518 B2 JPS6253518 B2 JP S6253518B2
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JP
Japan
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chloroform
culture
acetone
silica gel
spectrum
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JP55024924A
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English (en)
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JPS56122392A (en
Inventor
Fusao Tomita
Tatsuya Tamaoki
Kimikatsu Shirahata
Masaji Kasai
Kazuyuki Mineura
Shinzo Ishii
Makoto Morimoto
Masanori Fukui
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Publication of JPS56122392A publication Critical patent/JPS56122392A/ja
Publication of JPS6253518B2 publication Critical patent/JPS6253518B2/ja
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規物質DC−11−A−2およびこれ
を含有する抗腫瘍剤に関する。 更に、DC−11−A−2の発酵法による製法に
関する。 本発明者らは有用な抗生物質を見い出す目的で
天然より数多くの微生物を入手して抗生物質の生
産について研究した。その結果宮城県仙台市内の
土壌から分離した菌株(KY11091と称する)を培
地に培養すると培養物中に新規な抗生物質DC−
11及びDC−11−A−3が生産されることを見い
出した。DC−11に関してはすでに同一出願人に
より特許出願公開されている〔特願昭53−45916
(特開昭54−138501)および特願昭53−153027
(特開昭55−79322)〕またDC−11−A−3につい
ても同一出願人により特許出願されている(特願
昭54−152253(特開昭56−75500))。 本発明者らはさらに研究を重ねた結果、上記菌
株の培養物中に先に出願した物質とは異なる新規
物質(DC−11−A−2と命名)が存在すること
を見い出し、さらに本物質が抗腫瘍作用を示すこ
とを見い出し本発明を完成した。 すなわち本発明は後記性質を有する新規物質
DC−11−A−2に関する。さらに本発明はミク
ロモノスポラ属に属し、かつDC−11−A−2生
産能力を有する微生物を栄養培地に培養して、培
養物中にDC−11−A−2を蓄積せしめ該培養物
よりDC−11−A−2を採取することを特徴とす
るDC−11−A−2の製造法に関する。 また本発明はDC−11−A−2を含有する抗腫
瘍剤に関する。尚DC−11−A−2は、各種の菌
に抗菌力を示すので、これらの菌を起炎菌とする
感染症に対して治療効果も期待される。 以下本発明をさらに詳しく説明する。 本発明に係る新規物質DC−11−A−2の理化
学的性状は次の通りである。 融点:192〜196℃ 元素分析値:C60.8% H7.4% N2.3% 赤外部吸収スペクトル(KBr錠剤法):第1
図に示す通りである。 なお、第1図から読んだ主なピークは次の通
りである。 cm-1:3430、2920、1760、1731、1687、
1630、1540、1448、1375、1364、1230、1117、
1049、1004、982 紫外部吸収スペクトル(90%メタノール
中):第2図に示す通りである。 なお、第2図からの読みは次の通りである。 λmax:nm(E1cn):236sh(149)、268
(90)、280sh(75) PMRスペクトル(CDCl3中、TMS基準):
第2図に示す通りである。 なお、第2図からの読みは次の通りである。 δ(ppm):9.58、6.92、5.82〜4.10(多く
のピークが見られる)、3.72、3.67〜22.0(多く
のピークが見られる)、20.9、1.85、1.63、
1.60、1.53、1.36、1.33、1.27、1.20、1.18、
1.12、1.06、0.64 CMRスペクトル(CDCl3中、TMS基準):
第4図に示す通りである。 なお、第4図から読んだ主なピークは次の通
りである。 δ(ppm):206.4、201.5、192.4、170.4、
166.6、157.3、149.4、141.4、136.3、136.1、
126.3、125.9、122.9、118.2、100.8、99.2、
98.5、96.4、92.5、91.5、84.3、84.0、81.2、
77.9、74.4、73.0、69.4、69.2、68.2、67.9、
66.6、62.1、54.3、53.8、52.8、51.2、44.8、
43.2、41.6、38.4、38.0、35.9、34.5、31.5、
31.1、30.7、29.6、26.3、25.3、22.0、21.0、
18.2、18.0、17.5、16.9、16.1、15.0、14.3、
14.0 比旋光度〔α〕19 =−55.8゜(c=1.00、アセ
トン) 溶解性:メタノール、エタノール、ブタノー
ル、アセトン、酢酸エチル、クロロホルムに可
溶、ベンゼン、水に難溶、石油エーテル、n−
ヘキサンに不溶。 分子式:C61H86N2O22 分子量:1199.37 以上の結果より、DC−11−A−2は下記の式 で表される新規物質であることが判明した。 一方、DC−11、DC−11−A−3の理化学的性
状は次の通りである。 DC−11 融点:225〜228℃(分解) 元素分析値:H6.9% C59% N2.0% 赤外部吸収スペクトル(KBr錠剤法):参考
第1図 紫外部吸収スペクトル(メタノール中):参
考第2図 PMRスペクトル(CDCl3中)(ppm):
9.62、6.92、5.87〜2.26(多くのピークが見ら
れる)、2.09、1.82、1.64、1.60、1.53、1.36、
1.29、1.27、1.21、1.18、1.13、0.63 CMRスペクトル(CDCl3中、TMS基準)
(ppm):14.0、14.2、15.1、16.1、16.9、17.0
〜21.0(5本)、22.1、25.3、26.8〜28.0(約2
本)、29.7、31.2、34.0〜37.0(約3本)、
38.5、41.8、43.2、44.9、51.2、52.8、53.8、
54.3、60.0〜68.0(4本)、69.3、70.0〜78.0
(5本)、81.1、83.9、84.3、91.4、91.5〜100.0
(約5本)、100.8、118.2、123.0、125.9、
126.3、136.0、136.3、141.3、149.6、157.3、
166.5、170.4、192.6、201.4、206.4 比旋光度〔α〕21 =−86.3゜(c=1.0、アセ
トン) なお、DC−11は精製の方法により若干の副
次的な物理化学的性質の異なる試料が得られ
る。 例えば、メルク社製Art5715プレートを用いる
シリカゲル薄層クロマトグラフイーあるいはマリ
ンクロツト社製(Mallinckrodt社)シリカゲル
(Silic AR CC−4)を用いたカラムクロマトグ
ラフイーを行なつた場合に得られる試料はクロロ
ホルム可溶で、融点は22.5〜22.8℃であり、この
標品のIRスペクトルは参考第1図に見られる如
く、1635cm-1に強い吸収を示し、1400cm-1付近に
も吸収を示す。 一方、例えば、関東化学(株)製(100〜200メツシ
ユ)のシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ
イーを行なつた場合に得られらる試料は、クロロ
ホルム易溶で、融点は198−202℃であり、1635cm
-1の吸収がずつと弱くなり、1400cm-1付近の吸収
も異なつたものになる(参考第3図参照)。 また、メルク社製シリカゲル(Art7734)を用
いたクロマトグラフイーを行なつた場合には、上
記2標品の中間的な性質を示すこともある。 またクロロホルム可溶の標品を酢酸エチル溶液
にして、稀塩酸で洗浄する操作をした後に回収し
てもクロロホルムに易溶のDC−11の標品が得ら
れる。 以上の如くして得られる融点の異なる2種類の
DC−11は生物活性、薄層クロマトグラフイー、
NMRスペクトル、UVスペクトル等では全く同一
の挙動、データを示し、区別できない。IRスペ
クトルも1635cm-1、1400cm-1付近の二つのピーク
挙動以外は互いに極めてよく類似している。この
差異はDC−11の二つの試料が構造化学的に異な
るものではなく、クロロホルムに溶けにくい方の
試料は同一化合物であるが、元素分析では判別で
きない程度の微量の元素の混入によるものあるい
は塩の形成によるものと推定される。 なお参考の為に、融点が低いDC−11の標品の
物性値を以下に示す。 融点:198〜202℃ 元素分析値:H7.5% C60.4% N21% 赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法):参考第
3図 紫外部吸収スペクトル(90%メタノール
中):参考第4図 PMRスペクトル(CDCl3中):参考第5図 CMRスペクトル(CDCl3中):参考第6図 旋光度〔α〕21 =−74.3゜(c=1.0、アセト
ン) 溶解性:メタノール、エタノール、ブタノー
ル、アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに易
溶、ベンゼン、水に難溶。 エチルエーテル、石油エーテル、n−ヘキサン
に不溶。 DC−11−A−3 融点:187〜190℃ 元素分析値:H7.01%、C59.33%、N1.90% 赤外部吸収スペクトル(KBr錠剤法):参考
第7図 紫外部吸収スペクトル(90%メタノール
中):参考第8図 PMRスペクトル(CDCl3中、TMS基準):
参考第9図 CMRスペクトル(主なピークは下記の通り
である)(CDCl3中、TMS基準)(δppm)
206.2、201.3、192.4、170.7、170.0、166.5、
157.2、149.4、141.3、136.2、135.9、126.1、
123.0、118.2、100.8、99.2、98.7、96.3、
92.5、91.9、91.4、84.7、83.9、81.1、77.8、
75.2、71.6、70.2、69.2、68.0、67.7、66.4、
64.4、63.8、63.3、54.2、53.7、52.8、51.2、
44.8、43.2、41.5、38.4、37.0、35.9、34.3、
31.1、30.7、29.7、27.3、26.3、25.3、21.9、
20.8、20.7、18.8、18.0、17.7、16.9、16.0、
15.0、14.3、13.9、 比旋光度〔α〕22 =−62.5゜(c=1.0、クロ
ロホルム)。尚DC−11−A−3も精製方法によ
りDC−11と類似の挙動を示すことが同一出願
人による同一日出願「DC−11−A−3」中に
示されている。(融点206〜218℃の標品を得
る。) DC−11、DC−11−A−3およびDC−11−A
−2の薄層クロマトグラフイーでのRf値は第1
表の通りである。
【表】 DC−11−A−2の各種微生物に対する抗菌活
性(寒天稀釈法、PH7.0)を第2表に示す。
【表】 新規物質DC−11−A−2の急性毒性(LD50
は、マウスへの腹腔内投与で65mg/Kgである。 次に新規物質DC−11−A−2の抗腫瘍活性を
示す。 (1) サルコーマ180腹水型腫瘍に対する治療効果 DC−11に代えてDC−11−A−2を用いる他
は特開昭54−138501号公報に記載と同一の方法
により、第3表記載の結果を得た。
【表】 (2) リンホサイテイツク・リユケミアP−388腫
瘍に対する治療効果 DC−11に代えてDC−11−A−2を用いる他
は特開昭54−138501号公報に記載と同一方法に
より、第4表記載の結果を得た。
【表】 DC−11−A−2はDC−11と同様抗腫瘍剤とし
て用いることができる。すなわち、DC−11−A
−2を抗腫瘍剤として用いるときは、主に注射剤
として静脈内または腹腔内に投与すればよい。投
与量は約0.1〜0.5mg/Kg(ヒト)/日が好まし
い。DC−11−A−2は水に溶けないので注射剤
を調製するときは、溶媒に溶かすか、界面活性剤
を用いて可溶化するとよいが、通常は後者が好ま
しい。界面活性剤を用いる可溶化はたとえばDC
−11−A−2をDC−11−A−2に対し2500〜
5000培(重量比)のエタノールに溶かし、これに
HCO−60、Tween80などの界面活性剤、好まし
くはHCO−60をDC−11−A−2に対し約3〜5
倍量加え、エタノールを吸引除去し、これに適当
量の滅菌生理食塩水を加えて行い、これを注射剤
として用いる。投与は患者の様態により連続的ま
たは間歇的に行う。 次に抗生物質DC−11−A−2の製造法につい
て説明する。DC−11−A−2はミクロモノスボ
ラ属に属するDC−11−A−2生産菌を栄養培地
に培養し、培養物からDC−11−A−2を採取す
ることによつて得ることができる。 本発明において使用する微生物はミクロモノス
ポラ属に属し、DC−11−A−2生産能を有する
微生物であればいずれの微生物も用いることがで
きる。好適な菌としては、前記KY11091株があげ
られる。 次にKY11091株の菌学的性質について記述す
る。 形態的性質 KY11091は一般に使用されている寒天培地に
おいてストレプトマイセス属菌等に認められる
ような真性気中菌糸を形成せず、胞子の形成が
良好な寒天培地では、寒天表面上にろう状で光
沢を有するレンガ色の胞子層を形成する。 液体培養を行つた場合、生育の初期では明る
い橙色であるが、後期には褐色ないし暗褐色と
なり多数の胞子が観察される。このとき顕微鏡
で観察すると、菌糸は直径約0.5μでよく伸長
し、隔壁はない。胞子は基生菌糸から分枝した
胞子柄(長さ0.3〜1.0μ程度)の頂点に1個の
み着成し、比較的長い菌糸にくまなく形成され
る。そして成熟した胞子の直径は約1.0μであ
り球状を示す。 各種培地上での生育状態 KY11091を各種培地上で生育させた時の生育
状態、コロニーの表面および裏面の色及び可溶
性色素について第5表に示す。 色の表示はColor Harmony Manual
(Container Corporation of America)による
色の分類に従つたものである。
【表】 生理的諸性質 KY11091の生理的性質については第6表に示
す。温度、ミルク及び繊維素に対する作用以外
のものについては27℃で2週間後の観察結果を
示し、温度は5日後、ミルク及び繊維素に対す
る作用については1ケ月後の結果を示す。 第6表 KY11091の生理的性質 (1) 炭素源の資化性 炭 素 源 資化性 D−アラビノース − D−キシロース + D−グルコース 〓 D−フラクトース + シユクロース 〓 イノシトール − L−ラムノース − ラフイノース 〓 D−マンニツト − リボース + サリシン + L−アラビノース + グリセロール ± メリビオーズ + (2) ゼラチンの液化 なし (3) ミルクに対する作用 液化、ペプトン化なし (4) 繊維素の分解 わずかにある (5) 澱粉の加水分解 ある (6) 至適生育PH 6.6〜7.5 (7) 至適生育温度 28〜38℃ (8) チロシナーゼの生成 なし (9) メラノイド色素の生成 なし 上述の菌学的性質から明らかなごとく、
KY11091株は寒天培地において真性気中菌糸を形
成せず基性菌糸に胞子を単一生成する中温菌であ
り、細胞壁の分析によりメソ・デイアミノピメリ
ン酸(meso−DAP)を含有する。したがつて、
KY11091株はミクロモノスボラ属に属する菌株で
あると同定した。 更に上記の記載ならびに、バージーズ・マニユ
アル・オブ・デタミネテイブ・バクテリオロジー
(Bergey’s Mannual of Determinative
Bacteriology)第8版、p846〜849、インターナ
シヨナル・ジヤーナル・オブ・システマテイツ
ク・バクテリオロジー(International Journal
of Systematic Bacteriology)第21巻No.3p248〜
253の記載を参考としてKY11091株はミクロモノ
スポラ・チヤルセアに属すると同定し、本株を以
後ミクロモノスポラ・チヤルセアKY11091株と称
することにする。本菌株ミクロモノスポラ・チヤ
ルセアKY11091(ミクロモノスポラ・SP
KY11091)は微工研菌寄4458号として微工研に寄
託されており、さらにNRRL番号として
NRRL11289が付与されている。 本菌株はミクロモノスポラ属に属する既知菌種
の場合にみられるように、その性状が例えば紫外
線、X線、薬品等の人工的変異手段で変異するこ
ともあるが、このような変異株であつてもDC−
11−A−2物質の生産能を有するものはすべて本
発明に適用できる。 次に培養法についてのべる。 本発明の培養においては通常の放線菌の培養法
が一般に用いられる。培養のための栄養源として
は下記に示すごとくいろいろのものが用いられ
る。炭素源としてはブドウ糖、殿粉、デキストリ
ン、マンノース、フラクトース、シユークロー
ス、糖蜜などが単独または組み合わせて用いられ
る。さらに、菌の資化能によつては炭化水素、ア
ルコール類、有機酸なども用いうる。無機および
有機の窒素源としては塩化アンモン、硫酸アンモ
ン、硝酸アンモン、硝酸ソーダ、尿素などがまた
天然窒素源としてはペプトン、肉エキス、酵母エ
キス、乾操酵母、コーン・スチープ・リカー、大
豆粉、カザミノ酸などが単独または組み合わせて
用いられる。そのほか、必要に応じて食塩、塩化
カリ、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、燐酸
二水素カリウム、燐酸水素二カリウム、硫酸第一
鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、
硫酸銅などの無機塩類を加える。さらに使用菌の
生育やDC−11−A−2の生産を促進する微量成
分例えばビタミンB1、ビオチンなどを適当に添
加することができる。 培養法としては、液体培養法、とくに深部撹拌
培養法がもつとも適している。培養温度は25〜40
℃、特に28〜38℃が最適で培地のPHはアンモニア
水や炭酸アンモニア溶液などを添加して、PH4〜
10、好ましくは6〜8で培養を行うことが望まし
い。 液体培養で通常1日ないし7日培養を行なう
と、目的物質が培養液中に生成蓄積される。培養
液中の生成量が最大に達したときに培養を停止
し、菌体を別して得られる培養液中より目的物
を単離精製する。 培養液からのDC−11−A−2の単離精製に
は微生物代謝生産物をその培養液から単離するた
めにふつう用いられる分離・精製の方法が利用さ
れる。例えば、培養生産物を培養液と菌体とに分
離し、培溶液はそのまま(PH6.0)非イオン性多
孔性樹脂(商品名「HP−20」三菱化成製など)
を通過させ、活性成分を吸着させた後、メタノー
ル、アセトン、酢酸エチルなどを用いて吸着物質
を脱着させる。この脱着液を濃縮乾固し、水に溶
解して活性炭素に吸着させる。活性炭素からはア
セトン、酢酸エチルなどの有機溶媒で活性物質を
溶出する。この溶出液を濃縮乾固しクロロホルム
に溶解させ、予めクロロホルムに懸濁後カラムに
充填したシリカゲルを用いてクロマトグラフイー
を行う。まずクロロホルムを通塔することによつ
て不純物である黄色系の色素が除去される。次い
でクロロホルム:メタノール(98:3)(容量
比)の混合液で活性物質を溶出することができ
る。このときまずDC−11−A−3とDC−11の混
合物として溶出されてくるが、活性分画の後半は
これらに加えてDC−11−A−2が溶出されてく
る。この後半部に溶出されてくるものを濃縮する
とDC−11を主成分としDC−11−A−2を少量含
み、かつ微量のDC−11−A−3を含むことがわ
かつた。このものを先と同様にして調製したシリ
カゲルカラムに通塔し今度はクロロホルム:メタ
ノール(98:2)でゆつくり溶出することによつ
てDC−11とDC−11−A−2を分離することが可
能である。またシリカゲル薄層クロマトグラフイ
ーで分離するには、シリカゲル薄層(商品名DC
−Fertig−Platten Kieselgel 60F254、E.
Merck)を用い、クロロホルム:メタノール
(9:1容量比)で展開後相当する部分をかきと
ることによつて得ることができる。さらに分離を
完全にするためには、上記と同じクロマトグラフ
イーを繰返すかあるいはセフアデツクスLH−20
(Pharmacia Fine Chemicals lnc、スウエーデ
ン)のカラムに通塔することによつて達成でき
る。尚、DC−11−A−2の加水分解の結果、ア
ミセートスとジギトキソースとTLC上で一致す
る物質がDC−11−A−2に含まれることを確認
した。 次に実施例をあげて具体的製法を示す。実施例
中、DC−11−A−2の動向は、バチルス・スブ
チリスNo.10707を用いるバイオアツセイで追跡し
た。 実施例 1 種菌としてミクロモノスポラ・チヤルセア
KY11091を用いた。本菌株は微工研菌寄第4458号
として微工研に寄託されており、さらにNRRL番
号としてNRRL11289が付与されている。該菌株
を2容量の三角フラスコ中の種培地〔Kcl4
g/、MgSO4・7H2O0.5g/、KH2PO41.5
g/、硫安5.0g/、シユークロース20g/
、フラクトース10g/、グルコース10g/
、コーンスチープリカー5.0g/、CaCo320
g/PH7.0〕300mlに植菌し、30℃で48時間振と
う(220r.p.m)培養した。かくして得られた種
培養液を30容量のジヤーフアーメンター中の下
記組成の発酵培地15に5%(容量)の割合で移
し、30℃で通気撹拌方式(回転数250r.p.m通気
量15/min)により培養を行つた。 発酵培地組成:可溶性デンプン60g/、大豆
粕粉末10g/、ペプトン10g/、K2HPO40.5
g、MgSO4・7H2O0.5g/、CaCO31g/、
PH7.2(殺菌前)にNaOHで調整する。 培養中培地のPHは制御しないで、72時間培養し
た。培養液より菌体および沈殿物を別し、液
13を得た。まず液13を1の非イオン性多
孔性樹脂(商品名「HP−10」三菱化成製)に通
塔して活性物質を吸着させ水洗後さらに30%
(V/V)アセトン水溶液で洗い不純物を除去す
る。次いでアセトンで溶出する。アセトン画分を
濃縮乾固し、30%(V/V)アセトン水溶液に溶
解する。この溶液を活性炭500mlを充填したカラ
ムに吸着させる。30%(V/V)アセトン水溶液
で洗滌後アセトンで活性画分を溶出する。この操
作で不純物として存在する色素の大部分を除くこ
とができる。活性画分を濃縮乾固し、少量のクロ
ロホルム(約10ml)に溶解する。このクロロホル
ム溶液を予めクロロホルムを溶媒として充填した
シリカゲル〔商品名:クロマトグラフ用シリカゲ
ル(100〜200メツシユ)関東化学、以下も同
じ。)(500ml)のカラムに静かに乗せ、まずクロ
ロホルムで充分(約2)に洗い、次いでクロロ
ホルム:メタノール(98:3)(容量比)で溶出
を行うと、まずDC−11とDC−11−A−3を含む
活性画分が溶出されてくる。この画分の後半部で
はこれに加えてDC−11−A−2が含まれるよう
になる。このDC−11−A−2を含む画分を集め
濃縮後、クロロホルムに懸濁してカラムに充填し
たシリカゲル(250ml)に静かに乗せクロロホル
ム:メタノール(98:2 容量比)で再クロマト
を行つた。この方法でDC−11−A−2を主成分
とする分画を集め濃縮乾固する。これをアセトン
又はクロロホルムに溶解し、シリカゲル薄層を用
い、クロロホルム:メタノール(9:1容量比)
で展開し、少量の混入していたDC−11を除去し
た。シリカゲルから展開溶媒又はアセトンで溶出
後、濃縮乾固し酢酸エチルに溶解する。これを
0.1N HClと振りまぜ溶媒層を取り、濃縮乾固す
る。このとき乾固したものを酢酸エチルに再溶解
後ヘキサンで沈殿させることによつても粉末が得
られる。このようにして約5mgのDC−11−A−
2を得た。ここで得たDC−11−A−2の理化学
的性質、抗菌活性、抗癌活性は前記の通りであ
る。 尚上記DC−11−A−2は精製の方法により若
干の副次的な物理化学的性質の異なる試料が得ら
れる。 例えばメルク社製Art5715プレートを用いるシ
リカゲル薄層クロマトグラフイーあるいはマリン
クロツト社のシリカゲル(SillicAR cc−4、
Mallinckrodt Co、U.S.A)を用いたカラムクロ
マトグラフイーを行なつた場合に得られる試料は
融点217−225℃を示し、比旋光度は〔α〕17 =−
70.6゜(c=1.0、アセトン)であり、IRスペク
トル(第5図)に見られる如く1630cm-1に強い吸
収を示し、1410cm-1付近にも吸収を示す。またメ
ルク社製シリカゲル(Art7734)を用いたクロマ
トグラフイーを行なつた場合には上記2標品の中
間的性質を示すこともある。 尚融点217−225℃を示す標品を酢酸エチル溶液
にして稀塩酸で洗浄する操作をした後に回収する
と、上記で得られた融点192−196℃を示すDC−
11−A−2標品が得られる。 以上の如くして得られる融点の異なる2種類の
DC−11−A−2は生物活性、薄層クロマトグラ
フイー、NMRスペクトル、UVスペクトル等では
全く同一の挙動、データを示し区別できない。
IRスペクトルも1630、1410cm-1付近の二つのピー
クの挙動以外は互いに極めてよく類似している。
この差異はDC−11−A−2の二つの試料が構造
化学的に異なるものではなく、融点の高い方の試
料は同一化合物であるが元素分析では判別できな
い程度の微量の元素の混入によるものあるいは塩
の形成によるものと推定される。 実施例 2 実施例1において、発酵培地組成を次のものに
代えて行う以外は実施例1と同様に培養を行つ
た。 発酵培地組成:可溶性デンプン40g/、大豆
粕粉末30g/、デキストリン5g/、コーン
スチープリカー5g/、K2HPO40.5g/、
MgSO4・7H2O0.5g/、CaCO31g/、PH7.0
(殺菌前)にNaOHで調整する。培養液は、実施
例1と同様に行つて、DC−11−A−28mg得た。 DC−11−A−2融点192〜196℃理化学的性
質、抗菌活性、抗癌活性は実施例1で得られもの
とよく一致した。 実施例 3 抗腫瘍用注射液の調製 実施例1と同様にして得られたDC−11−A−
2の10mgを50mlのエタノールに溶解させ、HCO
−60(Nikkol、日光ケミカルス社製)を30mg加
え、撹拌後、エタノールを吸引除去する。残渣に
滅菌した生理食塩水約10mlを加え注射液とする。
【図面の簡単な説明】
第1図はDC−11−A−2の赤外部吸収スペク
トルを示す。第2図はDC−11−A−2の紫外部
吸収スペクトルを示す。第3図はDC−11−A−
2のPMRスペクトルを示す。第4図はDC−11−
A−2のCMRスペクトルを示す。第5図はDC−
11−A−2(融点217〜225℃の試料)の赤外部吸
収スペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 で表される新規物質DC−11−A−2。
JP2492480A 1980-02-29 1980-02-29 Dc-11-a-2 Granted JPS56122392A (en)

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