JPS6248543A - 成形性、耐食性の優れた複合積層鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、成形性の良好な複合積層鋼板の製造方法に係
り、特に鋼板と樹脂との接着力を強化し、鋼板端面の鉄
露出部の耐食性を強化し、長期に渡りＩＩ４′食性が良
好な複合本１層鋼板の製造方法に関する。

〈従来技術とその問題点〉 鋼板と鋼板の間に熱可塑性樹脂を挾装したｈ１層鋼板は
、人きく２種類に分けられる。１つは、鋼板の占める割
合が、該樹脂より大きく、すぐれた制振効果を持つ複合
積層鋼板である。他の＝−・つば、表層部に極薄の鋼板
を使用して強度を確保し、中間層は厚くて軽量な樹脂で
ある、軽叶鋼板と呼ばれる軽；を材料である。両者とも
、自動中相材料や建築用材料などに使用される際には、
すぐれた；し１振性や軽量化の利点かあるが、中間層と
して鋼機こ変形挙動か全く異なる樹脂を挾装しているた
め、一般的に単一鋼板に比較して成形性が劣る問題があ
る。

成形性を高めるためには、樹脂と鋼板の結合を強化する
ことが必要であり、このため、鋼板−ににクロメート処
理を施すことによって、表面に樹脂中の極性基（＝（翔
、−（：００１１等）と反応性の高い永和クロム酸化物
層（Ｃｒ−Ｏｌｌ）を形成させるごとにより、ｈ’を層
鋼板の製造時の加熱で樹脂と鋼板の界面の結合を強化す
る試みがなされている。

すなわち、特開昭５８−９０９５２号に電解クロメート
処理により積層板の塩水等による接着性劣化を防１トす
る試みか開示されている。

また、本出願人により、塗イ１１型クロメート処理によ
り微量のＣｒ６＋を存在させ、腐食環境ドでＦｅを不動
態化し、積層板の接−２ｉ部の劣化を防ｉ１ｒ、する提
案がある（特願昭５９−２４５６６２号）。

ところが、このようなりロメート処理のうち、電解クロ
メート処理は、完全な片面処理が困難であり、樹脂と接
着しない面のクロム酸化物が表面を硬イヒし、潤滑性が
低トーシて成形性に不利である。またクロム酸化物を用
いる塗！Ｉ７７１１１クロメート処理においては、片面
処理が容易で適正クロム量の確保かできる利点があるが
、鋼板端面からの赤錆侵入による耐食性に問題があり、
特に悪環境における経時劣化により２次密着性が劣り、
成形性が低下する欠点がある。

以１のように、複合積層板は、中間層としＣ鋼板と変形
挙動か全く異−なる樹脂を挾装しているため、種々の問
題かあり、より成形Ｐｔの向上と耐食性の向上か望まわ
ている。

〈発明の［１的〉 未発１１１１１の目的は、に記従来技術の問題点な解決
し、鋼板と樹脂との接着力を強化し、鋼板端面の鉄露出
部の耐食性を強化し、長期の耐食性か向１するとともに
成形性も向上し！、：複合積層鋼板の製造方法を提供す
ることにある。

〈発明の構成〉 第１図に本発明製造方法による複合積層鋼板を示ず。本
発明は、クロメート処理層２を有する鋼板１のクロメー
ト処理した血を樹脂側として、中間層（ポリオレフィン
系の熱可塑性樹脂３を挾装した複合積層鋼板の製造方法
である。鋼板１に対する熱可塑性樹脂３のトキ層比が小
さいものを制振鋼板といい、積層比の大きいものを軽〜
１鋼板というか、本発明製造方法の複合Ｊ１１層鋼板は
、■ｊ振鋼板および軽【１１鋼板を含むものである。

複合積層鋼板は、中間層として鋼板と全く異なる変形挙
動を持つ樹脂を有するため、成形性が劣ることは１１１
記のとおりであり、特に使用鋼板板厚が０．２ｍ＋ｎ前
後と非富に薄い軽量鋼板においてその傾向は顕著である
。

そこで、複合６１層鋼板として成形性を確保するために
は、鋼板と樹脂との接着力を強化して、鋼板の変１Ｆン
に伴って樹脂も変形させることがＩＵ１要である。また
、鋼板と樹脂との接着力が向１−すると、商−にさらさ
れる条件下においても鋼板とのずれや樹脂の流出が減少
し、積層材としての欠陥を補う点からも有利である。

このような接着力の強化においては、複合積層鋼板製造
時の接着強度（１次密着性）が重要なばかりでなく、悪
環境における経時的な接着力の低下の防１Ｆ（２次密着
性）が重要な問題である。

複合６１層鋼板を塩水などの腐食環境に晒した場合、と
くに端面に腐食を生じ易い。端面に腐食が起こると、そ
の腐食自体もさることながら、腐食によって樹脂層との
接着力か低下し、複合積層鋼板全体の・ノ正度低下すな
わち加Ｔ性の劣化に直結する。

本発明者は、このような２次密着性の向１−には、樹脂
と接名する鋼板表面を、クロメート皮膜中に微！ｉ；−
のＣｒ’＋を含む塗布型クロメート処理し、この塗１ｆ
＋型クロメート処理液中に水溶性リン酸系化合物および
水溶性シランカップリング剤を添加することにより、リ
ン酸基、シラノール基が金属素地および樹脂と反応し、
金属と樹脂の接着を強国にし、さらに耐食性の維持に有
効に働き、２次密着Ｐ［が向上し、この結果加Ｆ性も向
上することを知見し、本発明に至ったものである。

すなわち、本発明は、鋼板間に熱１ｉｉｆｉ性樹脂とし
てポリオレフィン系樹脂を挾装した複合積層鋼板におい
て、 前記各鋼板は、前記熱可塑性樹脂の挾装面にのみ、水溶
性リン酸系化合物（Ａ）およびシランカップリング剤（
１））を含有し、かつクロム酸に対し、上記添加物の割
合が０．２ｗ’１％≦Ａ＋Ｂ≦５ｗＬ％、および０．２
≦Ａ／Ｂ≦１．０であるクロメート処理液で、クロム付
着量が１０〜１５０Ｂ／ｒｎ２となるように処理するこ
とを特徴とする成形性、耐食性の優れた複合積層鋼板の
製造方法である。

以下に本発明の構成を詳述する。

クロメート処理には、電解クロメート処理、反応型クロ
メート処理、塗布型クロメート処理かある。

反応型クロメート処理の場合、スプレー処理により片面
処理が可能であるが、冷延鋼板を使用する場合では、適
正クロム付着量を確保するのが困難である。

電解々ロメート酸処理では、適正クロム付着量を確保す
るのは容易であるが、電解クロム酸処理液中に浸ｍされ
るため、現状の設備では非処理面への微量のクロム付着
が避けられず、完全な片面処理は困難である。ところが
自動車用部品は塗装館に化成処理が施され、このクロム
酸化物層が化成処理性に悪影響をおよぼす。これらの理
由から、自動車用部品に使用される複合型制振鋼板や、
あるいは軽量鋼板でも化成処理を施すものは、片面クロ
メート処理でなければならない。

本発明の塗布型クロメート処理では、適正クロムの１３
の確保が容易で、かつロール塗布により片面処理も容易
にできるため、このような複合積層鋼板の鋼板前処理と
して有効である。また、電解クロメート処理に比べ塗布
型クロメート処理では微：ｔのＣｒｔ＋”が存在するた
め、腐食環境下にざらされた場合、欠陥部の不動態化に
よる保護作用により、接着部の劣化防止に４１効である
。

本発明では、水溶性、リン酸系化合物を含有するクロメ
ート処理液を用いて塗布型クロメート処理を行う。

水溶性リン酸系化合物は、特にリン酸系有機化合物が好
ましく、リン酸、リン酸アンモニウム、アルカリ金属の
リン酸塩、りん酸エチル等のリン酸エステル、２−アク
リロイロキシエチルアシッドフォスフェート等の不飽和
リン酸化合物等を代表的に挙げることができる。

水溶性リン酸系化合物中のリン酸基が鋼板の金属素地と
反応すると同時にクロメート被膜を強化して複合積層鋼
板の耐食性が向上する。

さらに、本発明においては、クロメート処理液、　中に
水溶性シランカップリング剤を添加する。

水溶性シランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アシノブロビルトリエト
キシシラン、γ−（アミノエチル）アミノプロピルトリ
エトキシシランを代表的にやげることができる。

水溶性シランカップリング剤をクロメート処理液中に添
加することにより、シランカップリング剤が加水分解に
よって生成したシラノール基（−５ｉ−Ｏｆｆ）が鋼板
の金属素地と反応し、一方シランカップリング剤中の有
機官能基（−５ｉ−Ｒ）は脂肪と反応する。その結果鋼
板と樹脂との界面の結合が強化され、Ｇｒａ＋とＣｒ６
＋のみを含む塗布型クロメート処理よりも２次密着性、
耐端面詰性が向上する。

に配水溶性リン酸系化合物（Ａ）および水溶性シランカ
ップリング剤（ロ）のクロメート処理液中への添加ｊｉ
ｌは、クロム酸に対し、Ｏ，’２ｗｔ％≦Ａ十Ｂ≦５ｗ
ｔ、％が好ましい、　０．２ｗＬ％未満では耐食性、す
なわち鋼板と樹脂の間の２次密着性の″向上効果がない
。５ｗＬ％超ではクロメート処理液の劣化が起こり易く
、液メを命が短い。また０、２≦Ａ／Ｂ≦１．０が好ま
しい。この範囲をはずれると、耐食性向上効果が認めら
れない。

上記クロメート処理液によるクロメート処理のクロメー
ト付着量としては、クロム換算で鋼板−而ゝ！７１す１
　Ｏ〜１５０ｗｇ／ｒｎ”が適切である。クロメート付
着ｒｉｔが一面当りクロム換算で１１０ｌ１／ｍ″未満
では、クロメート処理による鋼板と樹脂の間の密着性、
成形性、耐食性の向上効果が認められず、１５０ＩＩ１
ｇ／ｍ’超ではクロメート層内での剥離が起り易くなり
、密着性、成形性が低下する。

本発明で用いる塗布型クロメート処理は、一般の塗１１
ｒ型クロメート処理であって、クロム酸水溶液中に還元
剤を添加したもので、Ｃｒ３”、水溶性リン酸系化合物
および水溶性シランカップリング剤を含有するクロメー
ト処理液で塗！５処理して乾燥するものである。

本発明の程合積層鋼板製造方法に用いる鋼板としては、
冷延鋼板に直接塗布型クロメート処理を施したものは勿
論であるが、亜鉛メッキ鋼板などに同−Ｌ処理を施した
ものを用いても差支えない。

最外層、つまり樹脂層と直接接触する面に塗布型クロメ
ート処理皮＋１ｆｉを有するものである。

一方、熱可塑性樹脂としては、成形性、耐熱性の点から
、ポリオレフィン、ポリアミドが有効であるが、ポリア
ミドのうち特にナイロンはクロメート処理による接着性
の向トは認められず、接着強度が低い。本発明の樹脂層
には、未変性ポリオレフィン、変性ポリオレフィン或い
は変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィンの組成物
、または更に他の樹脂、無機フィラーなどを添加したも
のなどの使用が好ましい。未変性ポリオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、１−ブチンなどの単独重合
体、相異なるオレフィンの共重合体、更にこれらの混合
物などが挙げられる。変性ポリオレフィンとは、前記の
未変性ポリオレフィンを変性して接着性をイ・１与した
ものであるか、この変性には、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはその
無水物、エステルなどの使用が可能である。また樹脂層
として、変性ポリオレフィン層−未変性ポリオレフィン
層−変性ポリ第１ノフィン層型の積層物を用いても差支
えない。特にポリプロピ１ノンが好ましい。

塗布型クロメート処理鋼板上に上記のような樹脂層を形
成するには、プレス成形機などにより加熱Ｆで圧着する
、或いは樹脂を溶融押出し機から供給してロールにより
圧着するなどの方法が好ましい。

〈実　施　例〉 以ド、実施例にもとづいて本発明を具体的に説明する。

（実施例１および比較例） ０．６ｍｍ厚冷延鋼板の片面に１以上に示す塗布型クロ
メート処理液で０〜２５０１１８７ｍ２のクロム付着量
となるように処理し、処理後、０、Ｌ１厚のポリプロピ
レン樹脂を挾み、複合制振鋼販を作製した。

塗布型クロメート処理液 ＣｒＯ３４０ｇｉｒ１ ２−アクリロイロキシ アラシドフォスフェート　　　Ｏ〜２ｇ／Ｉｔγ−ゲリ
シｐ’　−３−２プロピル　　。〜２ｇ／１１トリメト
キソンフン Ｃｒ３＋／　　Ｇｒ’３＋　＝　　０　　、　　３　３
この；ｔｉｌｌ振鋼鈑よ鋼板ｌ１ｌ）状の接着強度測定
用の試片を切り出してＴ型剥離強度および限界絞り比（
ＬＤＲ）を測定した。この結果を第２図に示す。

（実施例２および比較例） ０゜２ｎｍ厚の冷延鋼板の片面に、実施例１と同様にし
て、０〜２５０　ｍｇ／ｍ２のクロム付着量の塗布型ク
ロメート処理を施した。この鋼板で０．６ｎ＋ｏ＋圧の
ポリプロピレン樹脂を挾み、軽星鋼板を製作した８この
軽量鋼販より短冊状試片を切り出し、実施例１と同じよ
うに剥離強度を測定した。また、軽量鋼販の場合、深絞
りよりも浅絞りもしくは張出し成形で使用されることが
多いので、エリクセン試験を行い、エリクセン値も測定
した。その結果を、；Ｉ１１振鋼鈑の場合とまとめ第２
図に示した。

Ｔ型剥離強度は、初期Ｔ型剥離強度（１次密着性）と塩
水噴霧試験１５００時間後の２次Ｔ型剥離強度（２次密
着性）を測定し、第２図に示した。評価方法は上記の通
りである。

Ｏ：初明Ｔ型剥離強度　１４にｇ／ば以、トエリクセン
値　　　１０ｍｍ以ト 限界絞り比　　　　１．９５　　以上 ２次Ｔ型剥離強度　１０　にｇ／ｃゴ以上Δ：初期Ｔ型
剥離強度　１４Ｋｇ／ｃゴ以トエリクセン値　　　１０
！１ｌｌＢ以上限界絞り値　　　　１．９５　　以上 ２次Ｔ型剥踵強度　１０　にｇ／ｃゴ以下×：初期Ｔ型
剥離強度　１４　にｇ／ば以トーエリクセン値　　　１
０１！ｌｆｆ１以下限界絞り値　　　　１．９５　　以
下 第２川に示すように水溶性リン酸系化合物（Ａ）と水溶
性シランカップリング剤（１１）の添加比率Ａ／Ｂか０
．２〜１．０をはずれると１次密着性は良好であるが、
２次密着性の低ドが激しい。

またクロム付着量が多すぎると１次密着性、２次密石性
とも良い結果かえられない。

クロム付着量と水溶性リン酸系化合物および水溶性シラ
ンカップリング剤添加量を適切な範囲とした本発明は、
クロメート処理なしくクロム付着量０）の１次密着性が
Ｔノ、２２剥離強度で８ｋｇ／ｃゴに対し、１次密着性
がＴ型剥離強度で１４ｋｇ／ｃＩ！ｆ以」二であり、２
次密着性もＴ型剥離強度で１０にｇ／ｃｄ以トであり、
良好な密着性を示すことがわかる。

ぺつに、０．６　ｍｍ厚のナイロン樹脂を挾み、他は上
記と同様の複合積層鋼板を作製し、同様の特性試験を行
ったが、ナイロン樹脂の場合は、クロメート処理によっ
て接着強度の向上は全く認められなかった。

〈発明の効果〉 本発明の製造方法でえられた複合積層鋼板は、上記実施
例からも明らかな如く、鋼板と熱可塑性樹脂としてのポ
リオレフィン樹脂との挾装血に、水溶＋１Ｆリン酸系化
合物（Ａ）および水溶性シランカップリング剤（Ｂ）を
含イＪ−Ｌ、かつクロム酸に対し、除加物の割合が０．
２ｗＬ％≦Ａ＋Ｂ≦５ｗし％、Ｏ１２≦Ａ／Ｂ≦１．０
であるクロメート処理液で、クロム付着量が１０〜１５
０　ｍｇ／ｉａ’になるように塗布型クロメート処理を
施すことにより鋼板と樹脂の初期剥離強度を強化し、さ
らに塩水噴霧環境下での２次剥離強度を強化し、複合積
層鋼板の１次密着性と２次密着性を向上し、初期成形性
のみならず、経時的成形性劣化防に効果を向上させるこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は１本発明の複合積層鋼板の断面図である。 第２図は、本発明の実施例１および２の塗布型クロメー
ト処理の金属クロム換算付着せと、水溶性リン酸系化合
物（Ａ）と水溶性シランカップリング剤（８）との添加
割合Ａ／Ｂおよび鋼板と樹脂のＴ型剥離強度の関係を示
したグラフである。 符号の説明 ！・・・鋼板、２・・・クロメート処理層、３・−熱可
塑・　　性樹脂層 特許出願人　　川ＩＬ２製鉄株式会社 代理人　弁理士　　渡　辺　望　材 間　　　弁理士　　　石　　井　　陽　　−ＦＩＧ、１

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 鋼板間に熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を挾
   装した複合積層鋼板において、 前記各鋼板は、前記熱可塑性樹脂の挾装面にのみ、水溶
   性リン酸系化合物（Ａ）およびシランカップリング剤（
   Ｂ）を含有し、かつクロム酸に対し、上記添加物の割合
   が０．２ｗｔ％≦Ａ＋Ｂ≦５ｗｔ％、および０．２≦Ａ
   ／Ｂ≦１．０であるクロメート処理液で、クロム付着量
   が１０〜１５０ｍｇ／ｍ＾２となるように処理すること
   を特徴とする成形性、耐食性の優れた複合積層鋼板の製
   造方法。