JPS624761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えばエンジン及び苗載台などを含む
機体を水田車輪に昇降可能に支持させる歩行型田
植機等の比較的小型の移動農機に関する。

「従来の技術」 従来、実開昭49−131475号公報に示す如く、変
速フオークシヤフトの輪溝にテーパ部を設け、シ
フトホークのボールをそのテーパ部の案内により
輪溝に係入させる技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、変速ギヤの噛合が不完全なと
きに前記ボールをテーパ部に当接させて中立位置
を復帰させていたから、前記変速ギヤを停止させ
た状態で前記シフトホークを介して変速操作する
と、前記変速ギヤに形成する歯或いはピン或いは
爪の噛合がこの干渉により円滑に行い得ず、その
ため前記変速ギヤを半クラツチ操作で駆動して噛
合させる必要があつたが、変速操作が面倒で取扱
い操作性の向上を容易に図り得ないもので、半ク
ラツチ操作による不完全な変速動作時に中立に戻
り易く、変速操作を簡便に行い得ない等の問題が
あつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、変速ギヤが噛合する直交で
変速用シフトホークに設けたボールが当接するテ
ーパ部を変速ホークシヤフトの輪溝側縁に形成す
る一方、変速レバーに連結させる変速ロツドの軸
芯方向の摺動と連動させる変速アームと、前記変
速ロツドの軸回りの回転と連動させる変速アーム
とを設け、異なる変速動作を独立して行う２本の
ホークシヤフトの各シフトホークに前記各変速ア
ームを各別に夫々連結させたことを特徴とするも
のである。

「作用」 従つて、変速操作時に変速ギヤが干渉してもボ
ールがテーパ部に当接して変速ギヤを変速位置に
移動させるべく作用するから、クラツチを入れる
ことによつて変速ギヤを簡単に噛合させ得、従来
のように中立に戻すことなく適正な噛合状態が得
られ、従来に比べて変速操作性を容易に向上させ
て簡便に取扱い得ると共に、単一の変速ロツドで
２本のシフトホークを各別に操作しても、シフト
ホークの加工誤差などによる遊動を前記テーパ部
のボールの案内により吸収し得、異なる変速動作
を各別に適正に保持し得、変速ロツドを含む変速
操作系の簡略化並びに変速切換機能の向上などを
容易に図り得るものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は４条植え用歩行型田植機の概略側面
図であり、図中１はエンジン、２は前記エンジン
１を搭載する機台、３はその機台２後端に固定す
る主ミツシヨンケース、４は伝動ケース５を介し
て主ミツシヨンケース３に固定する植付ミツシヨ
ンケース、６は植付ミツシヨンケース４の両側に
支持する植付爪駆動ケース、７は前記ケース４に
基端を連結支持する操向ハンドル、８は案内レー
ル９及び摺動レール１０を介して前記ハンドル７
上面に沿わせて設けて左右に往復移動させる前低
後高の後傾式苗載台、１１は前記苗載台８から一
株分の苗を取出して植える植付爪、１２は前記エ
ンジン１及び各ケース３，４，５の上面を覆うボ
ンネツト、１３は側面カバー、１４は前記ボンネ
ツト１２上面に支柱１５を介して架設させる予備
苗載台、１６は主ミツシヨンケース３の両側スイ
ングケース１７を介して取付ける水田車輪、１８
は前記エンジン１及び各ケース３，４，５下方に
支持させる主フロート、１９は主フロート１８の
両側に設けるサイドフロート、２０はリコイルス
タートハンドル、２１は走行及び株間変速レバ
ー、２２は主クラツチレバー、２３は車輪出入レ
バー、２４はサイドクラツチレバーである。

第２図乃至第７図に示す如く、上記エンジン１
に連結させる入力プーリ２５を有するドライブシ
ヤフト２６と、前記ドライブシヤフト２６に走行
変速ギヤ２７を介して連動連結させる走行カウン
タシヤフト２８と、前記カウンタシヤフト２８に
フアイナルギヤ２９及び左右サイドクラツチ３
０，３０を介して連動連結させる走行出力軸３
１，３１とを上記ミツシヨンケース３に備え、左
右の水田車輪１６を走行駆動するように形成す
る。

また、前記ドライブシヤフト２６に変速伝動輪
である株間変速ギヤ３２を介して連動連結させる
PTOカウンタシヤフト３３と、前記カウンタシ
ヤフト３３にベベルギヤ３４，３５を介して連動
連結させて上記苗載台８及び植付爪１１を駆動す
るPTO出力シヤフト３６とを上記ミツシヨンケ
ース３に備え、前記苗載台８を往復摺動させると
共に、植付爪１１によつて苗を連続的に植付ける
ように形成する。

更に前記ドライブシヤフト２６と常時連動する
低速及び高速及び後進ギヤ３７，３８，３９に前
記走行変速ギヤ２７を噛合操作するシフトホーク
４０を備え、上記ミツシヨンケース３に取付ける
ホークシヤフト４１に前記シフトホーク４０を摺
動可能に支持させると共に、上記変速レバー２１
に連結させる変速ロツド４２を摺動及び回転自在
にミツシヨンケース３に挿通させ、前記ミツシヨ
ンケース３に支点軸４３を介してＬ形の変速アー
ム４４中間を支承し、そのアーム４４の一端をシ
フトホーク４０基端に係合させ、前記アーム４４
の他端を前記変速ロツド４２の輪溝４５に係合さ
せ、前記変速レバー２１操作による変速ロツド４
２の軸芯方向の押し引き動作によつてのみ変速ア
ーム４４を介してシフトホーク４０を変位させて
走行変速を行うように形成する。

一方、前記ドライブシヤフト２６と常時連動す
る60株及び70株及び80株及び90株用ギヤ４６，４
７，４８，４９に株間変速ギヤ３２を噛合操作す
るシフトホーク５０を備え、上記ミツシヨンケー
ス３に取付ける変速ホークシヤフト５１に前記シ
フトホーク５０を摺動可能に支持させると共に、
前記変速ロツド４２に変速アーム５２基端を固着
させ、その変速アーム５２の先端を前記シフトホ
ーク５０に係合し、前記変速レバー２１操作によ
る変速ロツド４２の軸回りの回転動作によつての
み変速アーム５２を介してシフトホーク４０を変
位させ、前記ドライブシヤフト２６に係合軸支す
る前記ギヤ４７，４８に対して変速ギヤ３２をこ
れらの歯を介して噛合させ、また前記変速ギヤ３
２の両側方のカウンタシヤフト３３に遊転軸支さ
せる前記ギヤ４６，４９に対して変速ギヤ３２
を、前記ギヤ４６，４９に開設する係合孔５３，
５４並びに前記変速ギヤ３２の側面に一体形成す
るピン５５，５６を介して噛合させるように形成
する。

次いで前記ホークシヤフト５１に60株乃至90株
位置決め用並びに中立保持用の各輪溝５７，５
８，５９，６０，６１を形成すると共に、前記輪
溝５７〜６１に択一的に係入させる位置決め用ボ
ール６２を前記シフトホーク５０にバネ６３を介
して突出自在に内設させる。そして隣接する輪溝
５８，５９側の輪溝５７，６０の側縁にテーパ部
６４，６５を形成し、株間変速ギヤ３２側面のピ
ン５５又は５６をギヤ４６又は４９の側面に当接
させ、係合孔５３又は５４にピン５５又は５６を
係入させる株間変速ギヤ３２の噛合直前状態で、
バネ６３を介して前記ボール６２をテーパ部６４
又は６５に当接させ、ギヤ４６又は４９等の回転
によつて係合孔５３又は５４とピン５５又は５６
の位置が一致したとき、前記テーパ部６４又は６
５の推力によつてボール６２を輪溝５７又は６０
に係入移動させ、係合孔５３又は５４にピン５５
又は５６を噛合させるように形成するものであ
る。

本考案は上記の如く構成しており、左右に往復
移動させる苗載台８から植付爪１１によつて一株
分の苗を取出して連続的に田植え作業を行う場
合、変速レバー２１操作によつて変速ロツド４２
を押し引き作動させて走行変速を行うと共に、前
記変速ロツド４２を回転作動させて株間変速を行
うものであり、田植作業を開始する前に圃場及び
苗の品種等に応じて株間変速操作するもので、機
体を停止させた状態で変速レバー２１操作し、例
えば第５図のように60株用ギヤ４６に変速ギヤ３
２を噛合操作すると、第６図の仮想線に示す如く
前記ギヤ４６の係合孔５３と変速ギヤ３２のピン
５５の位置が異なるとき、前記ギヤ４６の側面に
そのピン５５が当接し、またこの時にバネ６３に
よつてボール６２が輪溝５７側縁のテーパ部６４
に当接支持されるので、前記の第５図に示す状態
下において、エンジン１出力を入力プーリ２５に
伝達して田植作業を開始すると、前記ギヤ４６の
回転初期に係合孔５３にピン５５が、テーパ部６
４の推力によつてボール６２が輪溝５７に係入移
動する作用が働いて自動的に噛合し、各ギヤ３
２，４６が一体的に係合してPTO出力を伝達す
るものである。

なお、90株用ギヤ４９と株間変速ギヤ３２との
噛合も上記ギヤ４６と同様に行えると共に、前記
係合孔５３，５４及びピン５５，５６に代えてギ
ヤの歯並びに爪の噛合も上記実施例と同様に行え
るものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、変速
ギヤ３２が噛合する直交で変速用シフトホーク５
０に設けたボール６２が当接するテーパ部６４，
６５を変速ホークシヤフト５１の輪溝５７，６０
側縁に形成する一方、変速レバー２１に連結させ
る変速ロツド４２の軸芯方向の摺動と連動させる
変速アーム４４と、前記変速ロツド４２の軸回り
の回転と連動させる変速アーム５２とを設け、異
なる変速動作を独立して行う２本のホークシヤフ
ト４１，５１の各シフトホーク４０，５０に前記
各変速アーム４４，５２を各別に夫々連結させた
もので、変速操作時に変速ギヤ３２が干渉しても
ボール６２がテーパ部６４，６５に当接して変速
ギヤ３２を変速位置に移動させるべく作用するか
ら、クラツチを入れることによつて変速ギヤ３２
を簡単に噛合させることができ、従来のように中
立に戻すことなく適正な噛合状態を得ることがで
き、従来に比べて変速操作性を容易に向上させて
簡便に取扱うことができると共に、単一の変速ロ
ツド４２で２本のシフトホーク４０，５０を各別
に操作しても、シフトホーク４０，５０の加工誤
差などによる遊動を前記テーパ部６４，６５のボ
ール６２の案内により吸収でき、異なる変速動作
を各別に適正に保持でき、変速ロツド４２を含む
変速操作系の簡略化並びに変速切換機能の向上な
どを容易に図ることができる等の実用的な効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す歩行型田植機
の側面図、第２図はミツシヨンケースの断面図、
第３図及び第４図は同部分説明図、第５図は同要
部の断面説明図、第６図は前図の部分側面図、第
７図は部分拡大図である。 ２１……変速レバー、３２……株間変速ギヤ
（変速伝達輪）、４０，５０……シフトホーク、４
１，５１……変速ホークシヤフト、４２……変速
ロツド、４４，５２……変速アーム、５７，６０
……位置決め用輪溝、６２……位置決め用ボー
ル、６４，６５……テーパ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速ギヤ３２が噛合する直交で変速用シフトホ
   ーク５０に設けたボール６２が当接するテーパ部
   ６４，６５を変速ホークシヤフト５１の輪溝５
   ７，６０側縁に形成する一方、変速レバー２１に
   連結させる変速ロツド４２の軸芯方向の摺動と連
   動させる変速アーム４４と、前記変速ロツド４２
   の軸回りの回転と連動させる変速アーム５２とを
   設け、異なる変速動作を独立して行う２本のホー
   クシヤフト４１，５１の各シフトホーク４０，５
   ０に前記各変速アーム４４，５２を各別に夫々連
   結させたことを特徴とする移動農機用変速装置。