JPS6247420B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被塗装物の周面を連続的に塗装する
塗装装置に関し、詳しくは、噴射塗料の切換えを
簡易迅速に施し得る塗装装置に関する。

従来、管材等の被塗装物の周面に塗装をする場
合において、一定の塗料条件を設定してある単一
の塗装室に被塗装物を送材し、スプレイガンの塗
料噴射によつて施していた。このため、塗料を変
更する場合には、溶剤を流してスプレイガンに至
る塗料圧送経路を洗浄する必要があつて、段取り
換えに長時間を要する欠点があつた。

本発明は、被塗装物を一方向に搬送するライン
と交差する走路上を移動する移動台に、内部にス
プレイガンを備え、両側に挿通口を形成した複数
個の塗装カプセルを移動方向に間隔を置いて並設
し、前記移動台の移動により前記塗装カプセルの
任意の１つを前記送材ライン上に配置して該送材
ライン上を搬送される被塗装物を前記１つの塗装
カプセル内を挿通させつつ塗装を施す構成とした
ことを要旨とするものであつて、塗装カプセルの
数だけ種類の異なつた塗装処理を簡易迅速に施す
ことができるようにすることを目的とするもので
ある。

以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

長方形の据え付溝１上には、前後一対のレール
２，２を左右方向に付装し、該据え付溝１，１に
移動台３の車輪４を乗載する。前記移動台３は、
レール２，２の長さの略半分の左右長を有し、第
１図左部の車輪４，４に差し渡した回転軸の突出
端部に固着したスプロケツト５に、移動台３の左
部に取付けた装置台６上に載置した可逆走行モー
タ７の出力軸に固着したスプロケツトをチエーン
により連継することにより前記走行モータ７の駆
動に伴つて車輪４を回転し、前記移動台３をレー
ル２，２上で可逆走行するようにする。前記移動
台３の下面には、据え付溝１からさらに削成した
補修溝８上に設けた可撓性補護帯９の一端を固定
し、該補護帯９内に移動台３上のモータ７，２０
に電力を供給するケーブルや後記するスプレイガ
ン１２へ塗料を圧送するホースが挿通してある。

前記移動台３上には、定間隔で複数（図中三
個）の塗装カプセル１１を脚１０で支持して乗載
する。前記塗装カプセル１１は、惰円形の筒状筐
体をしていて、その前後面に少し外方に突出して
惰円状の挿通口１３，１３が形成されており、さ
らにその下面部には最下位置に排出用コツク１５
を設けた集液樋１４が形成されている。さらにカ
プセル１１の周縁には、上下左右位置に複数のス
プレイガン１２がそのノズル口を内方に向けて挿
入固定されており、各カプセル毎に異なる塗料圧
送ポンプに接続されている。

前記各塗装カプセル１１には、その内部前方で
駆動軸１７を差し渡して軸支柱１６によつて移動
台３上に支持し、各塗装カプセル１１内で駆動軸
１７に左右二箇所のＶ形支持面を有する乗載ロー
ラ１８を夫々固着し、前記駆動軸１７の左端に固
着したスプロケツト１９を前記装置台６上に載置
した送材モータ２０の出力軸に固定したスプロケ
ツトにチエーンで連継して送材モータ２０の駆動
に伴つて駆動軸１７、乗載ローラ１８を回転する
ようにする。また各塗装カプセル１１には前記駆
動軸１７の後部において軸支柱２３によつて移動
台３上に支持した短尺の駆動軸２２を夫々差し渡
し、該軸２２に駆動軸１７に固定した乗載ローラ
１８と前後で一致させて同じく乗載ローラ１８を
固着し、各駆動軸２２に固定されたスプロケツト
２４を、前記駆動軸１７に固着したスプロケツト
２１にチエーンで連継することにより該駆動軸２
２を前記駆動軸１７とともに回転させる。

前記移動台３の走行モータ７による左右方向走
行において、第３図に示すように据え付溝１上に
三個のリミツトスイツチLSを設け、前記塗装カ
プセル１１の間隔と等しい離間距離を置いて移動
台３の下面に前記リミツトスイツチLSと前後で
一致する同数個の係合子２６を突成して、移動台
３の走行に伴つて、いずれかの係合子２６により
対応するリミツトスイツチLSをオン作動させる
ことにより走行モータ７を駆動停止して、所要の
塗装カプセル１１が常に据え付溝１のほぼ中央部
にある塗装位置Ｘに停止するようにする。

前記塗装位置Ｘには前記据え付溝１を跨ぐ門形
の集塵ダクト３０を設け、第３図に示すように塗
装位置Ｘに停止している前記塗装カプセル１１の
挿通口１３，１３と前後で一致する通入口３１，
３１を前後に形成する。その内側の通入口３１
は、塗装カプセル１１内の霧状塗料が漏出しない
ように塗装カプセル１１の挿通口１３に微小間隙
を置いて対面すべく少し内方へ突出する。前記集
塵ダクト３０の水平状上部通入路の中間位置には
外部の集塵装置と連通する排気筒３３を設け、そ
の入口部の前後において、上部通入路に、塗料を
分離回収するための数枚のフイルター３５を垂下
させる。

前記塗装位置Ｘの移動台３の前後部には、搬送
基台３７を前後方向に設け、その上部に乗載ロー
ラ１８と同一形状の左右二箇所のＶ形支持面を有
する遊転乗載ローラ３８をそのＶ形支持面が乗載
ローラ１８のそれと前後上下で一致するようにし
て多数枢支した送材ラインＹが敷設してある。

前記実施例の作用を以下説明する。

起動釦を押して走行モータ７を駆動し、移動台
３をレール２，２上で一方向に移動し、係合子２
６によるリミツトスイツチLSのオン作動によつ
て所要の塗装カプセル１１を塗装位置Ｘに停止さ
せる。この移動制御は、各リミツトスイツチLS
のオン作動毎に塗装カプセル１１を塗装位置Ｘに
停止させる動作を起動釦の押圧毎に繰り返して所
要の塗装カプセル１１を塗装位置Ｘに停止させる
ようにしたり、または、一度の指定操作によつて
所定のリミツトスイツチLSのみを検知可能にし
て、所要の塗装カプセル１１を塗装位置Ｘに停止
するようにする等その手段は種々ある。

かかる制御によつて、所望の塗料を噴射する塗
装カプセル１１を塗装位置Ｘに停止させてから、
送材ラインＹの供給側の搬送基台３７上の遊転乗
載ローラ３８の二箇所のＶ形支持面に夫々被塗装
物ａを乗載して、集塵ダクト３０の通入口３１か
ら塗装カプセル１１の挿通口１３へ挿通する。塗
装カプセル１１内に挿入された被塗装物ａは、乗
載ローラ１８のＶ形支持面上に乗載すると該乗載
ローラ１８は、送材モータ２０によつて駆動回転
しているから、排出側の挿通口１３、通入口３１
から塗装カプセル１１外に送り出される。この被
塗装物ａの塗装カプセル１１内の通過とともに塗
装カプセル１１に挿通固定されて、そのノズル口
を内方に向けたスプレイガン１２から所要塗料が
噴出し、被塗装物ａの周面に塗装が施される。こ
のスプレイガン１２からの塗料のうち被塗装物ａ
周面に付着しなかつたものは、集液樋１４に沈積
したり、溶剤とともに集塵ダクト３０から上昇し
フイルター３５で回収される。

本発明は前記の説明によつて明らかにしたよう
に、内部にスプレイガン１２を備え、前後に被塗
装物ａを挿通する挿通口１３を形成した塗装カプ
セル１１を、移動台３上に複数個並列に乗載して
各塗装カプセル１１の噴射塗料を異ならせ、前後
方向から送材装置によつて被塗装物ａを通入され
る塗装位置Ｘに、前記塗装カプセル１１の内、所
要のものを停止するようにして被塗装物ａの周面
を塗装カプセル１１内の通過とともにスプレイガ
ン１２によつて塗装するようにしたから、移動台
３の移動操作のみによつて任意かつ迅速に所望の
塗料を被塗装物ａに施すことができ、塗料の種類
を換えるための改変作業の煩雑さを解消する等の
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の実施例を示し、第１図は縦
断側面図、第２図は一部切欠平面図、第３図は塗
装位置Ｘの縦断正面図である。 ３：移動台、７：走行モータ、１１：塗装カプ
セル、１２：スプレイガン、１３：挿通口、１
７：駆動軸、１８：乗載ローラ、３０：集塵ダク
ト、３１：通入口、３８：遊転乗載ローラ、ａ：
被塗装物、Ｙ：送材ライン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被塗装物を一方向に搬送するラインと交差す
   る走路上を移動する移動台に、内部にスプレイガ
   ンを備え、両側に挿通口を形成した複数個の塗装
   カプセルを移動方向に間隔を置いて並設するとと
   もに、前記送材ラインの前記走路の両側に、前記
   塗装カプセルの前記挿通口に吸引口を整合する集
   塵ダクトを設置し、前記移動台の移動により前記
   塗装カプセルの任意の１つを前記送材ライン上に
   配置して該送材ライン上を搬送される被塗装物を
   前記１つの塗装カプセル内を挿通させつつ塗装を
   施す構成としたことを特徴とする塗装装置。