JPS6245906B2

JPS6245906B2 -

Info

Publication number: JPS6245906B2
Application number: JP7348280A
Authority: JP
Inventors: Tatsuhiko Mukawa; Juichi Kobayashi
Original assignee: Pentel Co Ltd
Current assignee: Pentel Co Ltd
Priority date: 1980-05-31
Filing date: 1980-05-31
Publication date: 1987-09-29
Also published as: JPS57176A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、描画面の起泡現象（描画面もしくは
絵具の混練時、紙などの描画対象物もしくはパレ
ツトに画筆を摺擦した場合、或いは輸送などの振
動により気泡が生ずるが、この気泡が存在する絵
具でもつて描画すると、描画面より気泡が消失
し、描画面が毛羽立つような現象を呈するが、こ
の現象をいう）の抑制と、分散性に優れた絵具に
関するものである。従来の水彩絵具は、顔料と水溶性高分子物質と
分散性を向上するための例えばナフタレンスルホ
ン酸ホルムアルデヒド縮合物などの陰イオン系の
界面活性剤とを主成分としたものであり、界面活
性剤の使用量を多くすれば、比較的分散性は良好
であるものの描画面に気泡に起因する起泡が生
じ、描画表面がクレーター状となり絵画の価値を
著しく損なうという問題があり、又、界面活性剤
の使用量を少なくすれば、起泡は生じにくくなる
が、分散性が低下するという問題が生ずる。この界面活性剤による分散効果（濡れ効果）と
消泡効果は相反するものであり、従来の絵具にお
いては両効果を同時に満足することは極めて困難
であつた。そこで本発明者等は、上記問題点を解決する為
に、先ず、特開公56−6226号公報において、顆粒
状絵具の水への分散性を助長し、泡立ち現象の少
ないものとしてポリオキシエチレンアルキルエー
テル等の非イオン系界面活性剤を用いることを提
案したが、前記発明を更に発展させた水彩絵具を
提供すべく、消泡効果と分散のメカニズムについ
て種々検討した結果、特殊な界面活性剤を見い出
し本発明を完成したものであつて、顔料と、水溶
性高分子物質と、アセチレングリコールの誘導体
とを少なくとも含有する水彩絵具を要旨とするも
のである。本発明において、特に重要な点は、界面活性剤
として、アセチレングリコールの誘導体を使用す
ることである。アセチレングリコールの誘導体を
用いることによつて何故、消泡効果が促進され、
又、分散性が向上されるのは定かではないが、次
のように推考される。アセチレングリコールの誘導体を例示すれば、
２，４，７，９―テトラメチル―５―デシン―
４，７―ジオールや３，６―ジメチル―４―オク
シン―３，６―ジオール等であり構造は、通常の
非イオン系界面活性剤と異なり、中央に三重結合
があり、その隣接する炭素原子に水酸基及びメチ
ル基が結合しており、この三重結合と、それに隣
接する水酸基の組み合わせは電子密度を非常に高
め、分子中央部を強く極性にしている。そのためアセチレングリコールの誘導体は、非
イオン性でありながら、通常の非イオン系界面活
性剤にはない、濡れ性と消泡性とを兼備した特性
を有しているため、分散効果を有しつつ、消泡効
果を有するものと推考できる。以下、本発明の水彩絵具の成分について説明す
る。顔料は、着色材として使用せられるもので、公
知の有機顔料、無機顔料が種々使用可能である
が、その代表例としては、酸化チタン、ハンザイ
エロー、ジスアゾイエロー、バルカンオレンジ、
カーミン6B、群青、フタロシヤニンブルー、フ
タロシヤニングリーン、黄土、酸化鉄、カーボン
ブラツク、雲母系の顔料などが挙げられる。又、
その使用量としては、絵具全量に対して３〜20重
量％が好ましい。水溶性高分子物質は、紙などの描画対象物への
定着性を付与するため並びに絵具にのびを付与す
るために主に使用せられるもので、公知の天然高
分子物質、半合成高分子物質、合成高分子物質が
他の素材との関係において、種々選択し使用され
るが、その代表例としては、アラビアゴム、デキ
ストリン、カルボキシメチルセルローズ、ポリビ
ニルピロリドンなどが挙げられる。又、その使用
量としては、絵具全量に対して15〜25重量％が好
ましい。アセチレングリコールの誘導体としては、サー
フイノール104、同104E、同104H（以上、２，
４，７，９―テトラメチル―５―デシン―4.7―
ジオール及びその溶液タイプ；米国、エアープロ
ダクツアンドケミカルズ社製）が、サーフイノー
ルTG（２，４，７，９―テトラメチル―５―デ
シル―４，７―ジオールとポリオキシエチレン・
アルキル・フエニルエーテルとの混合物のエチレ
ングリコール溶液；米国、エアープロダクツアン
ドケミカルズ社製）などが市販品として入手、使
用できる。又、その使用量としては、固型分換算で絵具全
量に対して0.000012〜0.5重量％が好ましい。本発明は、以上の成分を必須成分とするもので
あるが、分散性をより向上せしめたり、凍結安定
性を付与せしめるために、前記界面活性剤と相溶
性を有するグリセリン、エチレングリコール、ソ
ルビトールなどの湿潤剤や、炭酸カルシウム、シ
リカ粉などの体質材や防腐剤などを適宜添加する
とよい。又、界面活性剤として、前記アセチレングリコ
ールの誘導体に例えばポリキシエチレン・アルキ
ル・フエニルエーテル系などの非イオン界面活性
剤と例えばナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物などの陰イオン系界面活性剤を併用する
ことは、分散性をより向上せしめることができる
という点で有用である。上記成分はミキサーなどの撹拌機或いは三本ロ
ールなどの撹拌機をそれぞれ単独もしくは併用す
ることにより目的とする絵具を得ることができ
る。尚、各素材の相溶性或いは操作時間を考慮し
た場合、操作中、適度に加熱することもできる。以下、実施例について説明するが、実施例中単
に部とあるのは重量部を示す。実施例１（黄縁色水彩絵具）ハンザイエロー10G 11.0部シヤニングリーン 0.2〃シヤニンブルー 0.2〃酸化チタン 2.0〃アラビアゴム 18.0〃サーフイノール104E 2.0〃（0.37％水溶液、固形分換算で0.0037部）グリセリン 9.0〃炭酸カルシウム 30.0部シリカ粉 2.0〃水 28.0〃プロクセルCRL（英国、ICI社製、防腐剤）
0.5〃実施例２（黄縁色水彩絵具）ハンザイエロー10G 11.0部シヤニングリーン 0.2〃シヤニンブルー 0.2〃酸化チタン 2.0〃アラビアゴム 18.0〃サーフイノール104E 2.0〃（0.37％水溶液、固形分換算で0.0037部）と
ノニポール160（米国、エアープロダクツアン
ドケミカルズ社製、アルキル・フエニルエーテ
ル系の非イオン界面活性剤、0.25％水溶液）と
デモールＮ（花王アトラス社製、ナフタレンス
ルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、2.9％水溶
液）との混合液グリセリン 9.0〃炭酸カルシユウム 30.0部シリカ粉 2.0〃水 28.0〃プロクセルCRL 0.5〃比較例１実施例１において、サーフイノール104Eに代
えてデモールＮ（30％水溶液）を0.5部使用した
他は実施例１と同様の組成、配合とした。比較例２実施例１において、サーフイノール104Eに代
えてデモールＮ（30％水溶液）を2.0部使用した
実施例１と同様の組成、配合とした。以上の実施例、比較例の配合にて、各成分をラ
ボミキサーに入れ15分撹拌後、三本ロールに２回
通し、水彩絵具を得た。各実施例、比較例で得られた水彩絵具の分散
性、消泡性について実験したところ次表のとおり
であつた。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１顔料と、水溶性高分子物質と、アセチレング
リコールの誘導体とを少なくとも含有する水彩絵
具。