JPS6245095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧縮機に関する。

例えば、従来の半密閉冷凍圧縮機は、第１図縦
断面図に示すように、吸入口１より冷媒ガスを吸
入し、モータ２を冷却し、吸入通路３を経てピス
トン４で冷媒ガスを圧縮し、吐出口より圧縮冷媒
ガスを吐出するのであるが、この種の圧縮機の各
摺動部の潤滑は、クランク室５に溜められている
油をスクレーパ６で跳ねかけることによつて行な
われ、油はピストン４とシリンダ７のすきま、均
圧通路８、軸受部９から一部吐出し、冷媒ガスに
混つて排出され、冷媒回路を巡つて吸入口１から
冷媒ガスとゝもにモータ室１０に戻り、モータ室
１０で油は一部分離され、底に溜つた油はチエツ
ク弁１１を通りクランク室５に戻るようになつて
いる。

その際、チエツク弁１１はモータ室１０からク
ランク室５への油の流れのみを許容し、クランク
室５からモータ室１０への流れを禁止するような
構造に造られる必要があるが、実際には、弁の閉
止不良により冷凍圧縮機停止時にクランク室５の
油がモータ室１０へ流れ出てしまうことがあり、
一旦このようにクランク室５からモータ室１０へ
油が流れると、起動時クランク室５の油面低下に
基因してスクレーパ６の各摺動部への油の跳ねか
け不足による焼付事故が起こり、またかりに焼付
事故が起きなくても、クランクケース油面管理用
のサイトグラスの油面が所定レベル以下に低下
し、給油の要求現象が起きる等の不具合がある。

本考案はこのような事情に鑑みて提案されたも
ので、クランク室の油面を所定のレベルに保つて
故障なく円滑な潤滑を行なう圧縮機を提供するこ
とを目的とし、圧縮機構を収容するクランク室と
モータ室がほゞ水平に位置している圧縮機におい
て、モータ室の底面とクランク室の許容最下端油
面位置に連通穴を設け、その連通穴の途中に設け
たチエツク弁室をクランクケースの底蓋を利用し
て閉塞したことを特徴とする。

本考案の一実施例を図面について説明すると、
第２図はその縦断面図、第３図は第２図のチエツ
ク弁室付近を示す部分拡大図、第４〜６図はそれ
ぞれ第３図の変形例を示す同じく部分拡大図、第
７図は第４〜６図の弁板を示す平面図である。

まず第２〜３図において、第１図と同一の記号
はそれぞれ同図と同一の部材を示し、モータ室１
０とクランク室５の隔壁２０に明けられた連通路
のモータ室１０側開口部１２ａはモータ室最下端
に明けられ、また、上記連通路のクランク室５側
開口部１２ｄはクランク室５の許容最低油面１３
位置に明けられ、モータ室側開口部１２ａの下方
に明けられた穴は、内部で円錐状に広がつて大径
穴となり、その下開口部はガスケツト２１、クラ
ンクケース底蓋２２よつて閉塞されてチエツク弁
室を形成している。２３はガスケツト２１を介し
てクランクケース底蓋２２をクランク室５の下端
開口に固着する複数のボルトである。

チエツク弁室には、球１４が挿入され、その下
部には連通穴１２ｂが明けられ、連通穴１２ｃを
介してクランク室５に通じ、チエツク弁室の円錐
部と球１４は精密に仕上げられ弁機能を有し、連
通穴１２ｂは、球１４がクランク室５側に出ない
ような***となつている。

チエツク弁室大径部と球１４のすきまは、クラ
ンク室５圧力がモータ室１０圧力より若干高くな
ると、そこを流れる流体の抵抗により球１４が上
方へ浮き上がり、また、逆の圧力の場合は、モー
タ室１０に溜つた油をクランク室５へ十分流すこ
とができる大きさとなつている。

このような構造において、チエツク弁室と球１
４により、モータ室１０の圧力がクランク室５の
圧力より高いときは、モータ室に溜つた油はクラ
ンク室５へ流れる。

しかしながら、逆にクランク室５の圧力がモー
タ室１０の圧力より高いときは、球１４は浮き上
がつて円錐部に密着するので、クランク室５のガ
ス、油がモータ室１０へ流出することはない。

また、圧縮機が停止中、クランク室油面は連通
管開口部１２ｄ以下に下がることなく、許容最低
油面が確保される。

このような構造によれば、運転停止中にクラン
ク室油面が許容最低面以下に下らないので、起動
初期の油面低下によるメタル焼付き事故が防止さ
れ、また、油面低下による油の追加補充が不要と
なるので、メンテナンスが軽減され、さらに、関
係部材の点数が減少するとゝもにその加工が容易
となるので、コスト低減が達成される。

なお、チエツク弁室はそれぞれ第４〜６図に示
すような構造とすることができる。すなわち、 まず、第４図においては、１８は弁板（第７図
参照）であり、１５はストツパで、チエツク弁室
２５に圧入されている。

次に、第５図においては、１９は弁座で、チエ
ツク弁室２５に圧入されている。

さらに、第６図においては、２６はばねで、弁
板１８を下に押し下げ、２４はスナツプリング
で、弁板１８のストツパになつている。

以上のような構造のチエツク弁室によつても上
記実施例と実質的に同一の作用効果を奏すること
ができる。

要するに本考案によれば、圧縮機構を収容する
クランク室とモータ室がほゞ水平に位置している
圧縮機において、モータ室の底面とクランク室の
許容最下端油面位置に連通穴を設け、その連通穴
の途中に設けたチエツク弁室をクランクケースの
底蓋を利用して閉塞したことにより、円滑な運転
を確保するコスト低廉な圧縮機を得るから、本考
案は産業上極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の半密閉冷凍圧縮機を示す縦断面
図、第２図は本考案の一実施例を示す縦断面図、
第３図は第２図のチエツク弁を示す部分拡大図、
第４〜６図はそれぞれ第３図の変形を示す部分縦
断面図、第７図は第４〜６図の弁板を示す正面図
である。 １……吸入口、２……モータ、３……吸入通
路、４……ピストン、５……クランク室、６……
スクレーパ、７……シリンダ、８……均圧管、９
……軸受部、１０……モータ室、１２……連通油
路、１２ａ……モータ室側開口部、１２ｂ，１２
ｃ……連通穴、１２ｄ……クランク室側開口部、
１３……許容最低油面、１４……球、１５……ス
トツパ、１８……弁板、１９……弁座、２０……
隔壁、２１……ガスケツト、２２……クランクケ
ース底蓋、２３……ボルト、２４……スナツプリ
ング、２５……チエツク弁室、２６……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機構を収容するクランク室とモータ室が
   ほゞ水平に位置している圧縮機において、モータ
   室の底面とクランク室の許容最下端油面位置に連
   通穴を設け、その連通穴の途中に設けたチエツク
   弁室をクランクケースの底蓋を利用して閉塞した
   ことを特徴とする圧縮機。