JPS6240319Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、加熱炉、燃焼炉における熱遮断ラ
イニング構造の改良に関する。

従来、ボイラーや焼却炉のような加熱炉、燃焼
炉では、燃焼室からの熱遮断と室壁の保護のため
に、一般にはプラスチツク耐火材あるいはキヤス
タブル耐火材による熱遮断ライニングが施こされ
る。このライニングを確実に壁面に固着させるた
めに、予じめスタツドボルトを壁に熔着しておく
ことが行なわれている。この場合、ライニングの
厚さはスタツドボルトの頭が10mm程度埋まる程度
にするのが一般的である。

ところで、ライニングは炉の操業中に熱応力、
機械的振動、高温化学反応などにより、表層部か
らライニング材料が剥離、脱落する。これによつ
て、ライニング材の中に埋まつていたスタツドボ
ルトの頭が次第に露出し、炉内の高温ガスや生成
灰分による変形、侵蝕を受けて損耗する。そこ
で、支えを失つたライニング材は、さらに剥離、
脱落が進行する。

従来は、かかる現象が限界に達したときに修理
工事が行なわれるが、その時にはスタツドボルト
は再利用できない位に損耗し、新品との交換が必
要となり、そのための工事量も増大する。

この考案は、この点に鑑みなされたもので、熱
遮断ライニング構造におけるスタツドボルトの寿
命を延長し、さらに修理の際の工事量を少なくす
ることを目的とするものである。

すなわち、この考案は加熱炉、燃焼炉の高温ガ
ス接触部の熱遮断ライニングにおけるスタツドボ
ルトに耐熱セラミツクよりなる嵌着体を嵌着固定
してなることを特徴とするものである。

以下、実施例の図面によりこの考案を詳細に説
明する。

従来のスタツドボルトの代表的な形状は第７図
aI型スタツドボルト１、bY型スタツドボルト
１′、cL型スタツドボルト１″などがある。

したがつて、第１図に示すような耐熱セラミツ
クよりなる帽子状の嵌着体２あるいは第２図に示
すような変形割形状の嵌着体２′などを適宜用い
て上記スタツドボルト１，１′，１″に適宜嵌着
し、これを保護する。

具体的には、Ｉ型スタツドボルト１の場合に
は、これに第３図に示す如く第１図の嵌着体２を
嵌着し、耐熱接着剤３をもつて固定する。そし
て、それを覆うようにライニング４を塗着する。

また、Ｙ型スタツドボルト１′の場合は、第４
図に示す如く、それぞれの分枝に第１図の嵌着体
の寸法の違うものを嵌着し、耐熱接着剤３をもつ
て固定する。そして、これらを覆うようにライニ
ング４を塗着する。

Ｌ型スタツドボルト１″の場合は、第５図に示
すように、第１図に示す嵌着体２の開口部を斜め
に切落したものと、第２図に示す割形状の嵌着体
２′とを適宜組合せて嵌着し、耐熱接着剤３をも
つて固定する。そして、それを覆うようにライニ
ング４を塗着する。

なお、第６図に示すように、嵌着体２″として
鍔部５を有するものも用い得る。

スタツドボルトの断面は円形でも角形でもよ
い。

嵌着体の材料は耐熱性が高く、高温機械強度が
高く、かつ、酸、アルカリ、水蒸気に高温におい
ても比較的安定なセラミツク例えば、アルミナ、
ムライトなどの酸化物系および炭化珪素あるいは
これらの混合系の材質からなるものがよい。ま
た、耐熱接着剤としては、リン酸または珪酸系の
市販の無機質高温接着剤が用いられる。この考案
は以上のとおりであつて、スタツドボルトを耐熱
セラミツクよりなる嵌着体によつて保護している
ため、ライニング層はその嵌着体の面位置までの
厚さよく、ライニング材料の節約になる。また、
嵌着体が損傷しない限り、ライニング層の保持力
は劣化しないので、ライニングの寿命が長くな
る。さらに修理を要する場合でも、嵌着体を取替
えるだけで済むことが多いから、工事量が少なく
て済む。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に用いる嵌着体の一実施例の
斜視図、第２図はその変形例、第３図ないし第５
図はこの考案の各実施例の断面図、第６図は嵌着
体の変形例、第７図は従来のスタツドボルトの形
状の代表例を示す正面図をそれぞれ示す。 １，１′，１″……スタツドボルト、２，２′，
２″……嵌着体、３……耐熱接着剤、４……ライ
ニング、５……鍔部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱炉、燃焼炉の高温ガス接触部の熱遮断ライ
   ニングにおけるスタツドボルトに耐熱セラミツク
   よりなる嵌着体を嵌着固定してなることを特徴と
   する熱遮断ライニング構造。