JPS6239998B2 - - Google Patents

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JPS6239998B2
JPS6239998B2 JP17695884A JP17695884A JPS6239998B2 JP S6239998 B2 JPS6239998 B2 JP S6239998B2 JP 17695884 A JP17695884 A JP 17695884A JP 17695884 A JP17695884 A JP 17695884A JP S6239998 B2 JPS6239998 B2 JP S6239998B2
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JP
Japan
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enzyme
activity
immobilized
enzymes
polymer
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JP17695884A
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Inventor
Shigeru Kajiwara
Hidekatsu Maeda
Akio Sato
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Priority to JP17695884A priority Critical patent/JPS6156076A/ja
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Publication of JPS6239998B2 publication Critical patent/JPS6239998B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、固定化酵素及びその製造方法に関す
るものである。
〔従来技術〕
各種の酵素反応を行う場合、その触媒として用
いる酵素は水溶性であるため、1回の使用しかで
きなかつた。このような欠点を克服するため、酵
素を固定化させて使用する技術が開発され、広く
利用されている。
近年、アミラーゼやプロテアーゼ等の加水分解
酸素以外に、ATPや、NAD、NADPといつた補
酵素を非必要とする合成酵素や酸化還元等も、医
療分析の分野に応用され始めた他、医薬品、化学
品の製造用触媒としても順次用いられようとして
いる。
しかしながら、一般的に、補酵素を必要とする
ような酵素は、従来の加水分解酵素あるいは異性
化酵素より更に高価でしかも安定性に劣るため、
従来の酵素固定化法では満足すべき固定化酵素は
得られず、従来の固定化法よりも一層すぐれた固
定化法の開発が要望されている。
酵素の固定化法は、大きく3つの方法に大別さ
れる。その第1の方法は、イオン交換樹脂や活性
炭等に酸素を物理的に吸着させる方法である。こ
の方法は、操作が簡便であるが、比較的弱い結合
で、担体と相互作用しているために、連続反応時
に酵素の脱離が起り、応用し得る条件が限られる
という欠点がある。第2の方法は、共有結合法
で、担体と酵素を化学的に共有結合させるもので
あり、担体と酵素が強い結合で結ばれるために、
酵素の脱離は極めて少ないが、酵素分子の化学修
飾するために失活等が起りやすいという欠点があ
り、特に、脱水素酵素やモノオキシゲナーゼ等の
不安定な酵素の場合、その失活の問題は大きい。
第3の方法は包活性であり、酵素をアクリルアミ
ドやx−カラギーナン等のゲルマトリツクスやマ
イクロカプセルに包括させる方法である。この包
括法は、共有結合法とは異なり、酵素分子を直接
化学修飾しないので、失活などが起らないという
利点がある他、ゲルの網目や、マイクロカプセル
膜の孔径を適当に調整することにより。酵素分子
をゲル及びマイクロカプセル内に捕捉、固定しな
がら小さな基質分子のみを通すようにする事が可
能であり、酵素分子の脱離を防止する事ができる
という利点もある。この包括法は、前記補酵素を
必要とするような酵素の固定化に好ましく適用さ
れる。即ち、このような酵素の場合、酵素は2量
体あるいは4量体を形成している場合が多いが、
その場合、各単量体同士の結合力は非常に弱く、
例えば、4量体のどこか一個所を担体に共有結合
させた時に、4量体のままで長時間維持させるの
はきわめて困難である。従つて、このような酵素
の場合では、ゲル包括法による固定化が好ましく
適用される。また、2種類の酵素を同時に固定す
るような場合、今までの固定化法で対応できるの
は、マイクロカプセル内に酵素群を包括固定化す
る方法のみであり、ゲル包括法といえどもゲルの
1区画に2種類の酵素をはめ込むのはきわめて困
難である。しかしながらマイクロカプセル化法で
そ、従来のマイクロカプセル法では、酵素の洩出
か殆んどないものの、カラムに詰めて連続的な生
産を行う場合、マイクロカプセルが変形して目詰
りが起り、圧損失が高くなるという実用上根本的
な欠陥を有していた。
〔目 的〕
本発明は、従来の固定化酵素及びその製造方法
に見られる前記欠点を克服することを目的とす
る。
〔構 成〕
本発明によれば、第1の発明として、高分子ゲ
ルマトリツクス中に、マイクロカプセル化酵素を
分散保持させた構造を有する固定化酵素が提供さ
れ、第2の発明として、この固定化酵素を製造す
るために、酵素を含有する水性液滴が疎水性高分
子有機溶媒溶液中に分散している一次乳化液を、
親水性高分子を含有する水性媒体中に分散させて
二次乳化液となし、該有機溶媒を蒸発除去して、
親水性高分子を含有する水性媒体中にマイクロカ
プセル化酵素を生成させた後、該親水性高分子を
ゲル化させることを特徴とする固定化酵素の製造
方法が提供される。
本発明で用いる酵素としては、その固定化条件
は厳しくないため、特に不安定なものでない限
り、いずれも使用可能である。このような酵素の
具体例としては、例えば、アルコール脱水素酵
素、アルデヒド脱水素酵素、グルタミン酸脱水素
酵素、イソロイシン脱水素酵素酵素、ギ酸脱水素
酵素、乳酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酸素、グ
ルコース−6−リン酸脱水素酵素、グリセルアル
デヒド−3−リン酸脱水素酵素等の脱水素酵素;
オルシノール−2−モノオキシゲナーゼ、フエノ
ール−2−モノオキシゲナーゼ等のモノオキシゲ
ナーゼ;酢酸キナーゼ、ヘキソキナーゼ、グリセ
ロールキサナーゼ等のキナーゼ;等の各種の補酵
素を必要とする酵素群の他、β−アミラーゼ、グ
リコアミラーゼ、β−グルコシダーゼ、リパー
ゼ、ホスフアターゼ、プロテアーゼ、エステラー
ゼなどの加水分解酵素、グルコースオキシダー
ゼ、パーオキシダーゼのようなオキシゲナーゼ等
が挙げられる。また、酵素は精製物、粗製物であ
つてもよい。従つて、必要な酵素活性を持つ培養
液、培養濾液、生菌前、乾燥菌体、菌体破砕物、
動植物細胞、細胞破砕物、細胞器官でも良い。但
し、それらののが固体である場合、マイクロカプ
セル内に入り得るような微細な大きさにする必要
がある。これらの酵素は単独又は混合物の形で用
いることができる。補酵素を仲介とするような共
役反応を行う酵素系は、本発明の好適な原料であ
る。即ち、本発明の場合は、酵素はマイクロカプ
セル中に閉じ込められているにもかかわらず、遊
離で存在するため、共有結合法に見られるような
物理的あるいは立体的な障害による反応阻害が存
在せず、また、高分子ゲル中ではマイクロカプセ
ルという限られた空間に酸素が濃縮されて存在す
るために、共役反応が速く行なわれ、すぐれた固
定化酵素を与える。しかし、酵素が高分子ゲル中
に含まれるため、高分子を基質とするような酵素
や、α−アミラーゼ、キチナーゼ、セルラーゼ等
の加水分解酵素の場合には、酵素活性の点で不十
分であるが、低分子基質の分解に対しては十分な
活性を発揮する。
本発明により酵素を固定化するには、先ず、酵
素を含有する水性液を、疎性高分子の有機溶媒溶
液と混合乳化し、疎水性高伏子の有機溶媒溶液中
に酵素を含む水性液滴が分散した一次乳化液を調
製する。この場合、水性液中に含まれる酵素は、
溶解状態の他、懸濁状態であつてもよい。また、
水性液中には、酵素の他、慣用の補助添加剤、例
えば、安定剤や、PH緩衝剤等を含有させることが
きる。前記一次乳化液の調製に際しては、疎水性
高分子有機溶媒溶液中への水性液滴の分散を促進
させるために、あらかじめ疎水性高分子有機溶媒
溶液中に慣用の界面活性剤を添加しておくのが有
利である。
前記酵素を含む水性液に加える位定剤とは、酵
素を安定化する薬剤のことであり、従来公知の
種々のものが用いられ、このようなものには、例
えば、ヘモグロビン、ゼラチン、血清アルブミン
のような蛋白質:アラビアゴム、澱粉のような多
糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアル
コールのような水溶性合成高分子;NAD、
NADP、ATPのような補酵素;EDTAのようなキ
レート剤;特別の場合では、各種金属塩、グルタ
チオン等の坑酸化剤が含まれ、使用される酵素に
応じて適当に選定される。このような安定剤は、
通常、市販の酸素標品に含まれるもので、長期間
の酸素活性の維持に役立つものであり、それ自体
で安定性の高い酵素の場合には特に必要とされな
い。また低分子の安定化剤を用いる場合、高分子
のゲル化(架極反応)を阻害するものを用いるこ
とは好ましくない。また、酵素を含む水性液に加
えるPH緩衝剤としては、架橋反応や、酵素活性を
阻害しないものであれば任意であり、そのPHは用
いる酵素が安定に存在し得る領域であれば良い。
また、用いる酵素が長時間安定しないようなPH領
域を与える緩衝剤であつても、酵素固定化に要す
る時間は短かく、固定化後の洗浄処理によつて除
去されるので、酵素固定化時に用いることは何ら
支障を生じない。PH緩衝剤の濃度は、薄い方が良
いが、0.5M以下であれば良く、好ましくは0.1M
以下が良い。また、一次乳化液調製の際に用いる
水性液と、二次乳化液調製の際に用いる親水性高
分子を含む水性液に添加する緩衝剤は、同じかも
しくは等イオン強度のものを使うのが好ましい。
というのは、マイクロカプセルの際に、膜内外の
濃度差から水が流入もしくは流出するためにマイ
クロカプセルが変形、破壊される場合があるから
である。
前記酵素を含む水性液滴の分散媒となる有機溶
媒中に溶解させる疎水性高分子としては、疎水性
の高分子で、有機溶媒可溶性のものであれば殆ん
ど全てのものが使用され、このようなものの具体
例としては、例えば、可溶性の付加重合体、例え
ば、ビニルエステル、ビニルエーテル、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニ
トリルなどのホモポリマーやその共重合体、可溶
性の重縮合体、例えば、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリスルホネート、ポリウレタン、ポ
リアマイド等の他、エチルセルロース、酢酸セル
ロース等の繊維素誘導体、及び塩素化ゴム等が挙
げられる。また、有機溶媒可溶性で、PH変化によ
つて溶解性が変る高分子も使用可能である。例え
ば、アルカリ可溶、酸不溶なものとして、アクリ
ル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマーの他、クロ
トン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、ビニル安息香酸等のポリマー、あるいは、ビ
ニルモノマーと酸基を持つモノマーとの共重合体
や、セルロース誘導体、でん粉のフタル酸、こは
く酸又はマレイン酸誘導体、及びセルロースのフ
タル酸誘導体等がある。更に酸可溶、アルカリ不
溶の塩基性ポリマーとして、ポリビニルピリジ
ン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルアミ
ン、ポリビニルアニリン等がある。また、酵素を
含む水素液の分散媒として用いる有機溶媒として
は、沸点が100℃以下で、かつ水と混和しない性
質のものであれば良く、例えば、ベンゼン、シク
ロヘキサン、エチルエーテル、酢酸エチル、四塩
化炭素、クロロホルム、ハロゲン化エチレン等が
あげられる。
次に、前記のようにして得られた一次乳化液
を、水溶性高分子を含む水性媒体中に、撹拌しな
がら添加し、水溶性高分子を含有する水性媒体区
に一次乳化液滴が分散した二次乳化液〔(W1
O)/W2型の複合乳化液〕を調製する。この二
次乳化液においては、一次乳化液中に含まれる有
機溶媒は、水溶性高分子を含有する水性媒体を介
して蒸発除去され、これによつて有機溶媒に溶解
していた疎水性高分子が酵素を含む水性液滴の周
囲上に析出して限外濾過膜を形成し、マイクロカ
プセル化酵素を与える。この有機溶媒の蒸発除去
の速度は、環境温度や圧力を調節したり、二次乳
化液中に窒素や空気等の気体をバブリングするこ
とにより調節することができる。このようにして
得られたマイクロセプセル化酵素が分散した親水
性高分子を含有する水性媒体は、その高分子をゲ
ル化(架橋化)する。この場合の高分子のゲル化
は、その高分子に応じた適当なゲル化法が採用さ
れ、従来公知の方法によつて行うことができる。
一次乳化液滴の分散媒として用いる水中に溶溶
解させる親水性高分子は、本発明の場合、マイク
ロカプセル形成時に保護コロイドとして作用
し、、さらに、マイクロカプセル化後には、マイ
クロカプセル化酵素に対するゲルマトリツクスと
しての役割を果す。このような親水性高分子とし
ては、ゲル化(架橋化)可能のものであれば任意
のものが適用され、このようなものとしては、ア
ルギン酸;寒天、カラギーナン等の多糖類;ゼラ
チン、コラーゲン、アルブミン、カゼイン等の蛋
白質;ポリエチレングリコールジアクリレートの
ようなビニル基を持つ合成高分子;ポリビニルア
ルコール;ポリエチレンイミン;ポリアクリルア
ミド;ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
本発明においては、前記したように、二次乳化
液は、マイクロカプセル化が終了した後、ゲル化
処理し、分散媒としての水性媒体中に含まれる親
水性高分子をゲル化させるが、この場合のゲル化
法は、その高分子に応じて適宜選定される。この
場合のゲル化法を使用する高分子との関連で具体
的に示すと、例えば、アルギン酸では、多価陽イ
オンによる架橋化;寒天、カラギーナン等の多糖
類では、冷却によるゲル化;ゼラチン、コラーゲ
ン、アルブミン、カゼイン等の蛋白質では、グル
タルアルデヒドとシツフ塩基を用いる架橋化;ポ
リエチレングリコールジアクリレートのようなビ
ニル基を持つ合成高分子では、そのビニル基のラ
ジカル重合架橋化;ポリビニルアルコールでは、
グルタルアルデヒドやエピクロルヒドリンによる
架橋化、放射線架橋化、安息香酸ナトリウムと共
に紫外線照射による光架橋化;ポリエチレンイミ
ンでは、エピクロルヒドリンによる架橋化;ポリ
アクリルアミドやポリビニルピロリドンでは、放
射線架橋化等が適用される。
本発明により固定化酵素を製造する場合、一次
乳液に対する分散媒として用いる水性媒体中に含
まれる親水性高分子の量は、一般には、0.001〜
50重量%、好ましくは0.5〜30重量%であり、ま
た、一次乳化液と、これを分散させるための親水
性高分子を含む水性媒体との重量比は、一般に
は、1:2〜100、好ましくは1:5〜20であ
る。さらに、一次乳化液における酵素を含む水性
液と、これを分散させるための疎水性高分子の有
機溶媒溶液との重量比は、一般には、1:1〜
20、好ましくは1:1〜5である。
前記のようにして得られるマイクロカプセル化
酵素を含む高分子ゲル化物は、これをカラム充填
に適した適当な寸法(例えば、粒径0.01〜5mm程
度)に細分割して、酵素反応用の固定化酵素とし
て用いる。この場合、マイクロカプセル化酵素
は、数μm〜数百μmの大きさを有し、そのマト
リツクスとして作用する高分子ゲル化物から脱離
することはない。
〔効 果〕
本発明の方法は、前記したように、酵素をマイ
クロカプセル内に閉じ込めると共に、このマイク
ロカプセルを高分子ゲルマトリツクス中に分散保
持させる方法であるため、その酵素固定化率は高
く、しかも酵素洩出率は低いという特徴を有す
る。本発明によれば、酵素は、菌体粉砕物、乾燥
菌体、生菌体等の形でそのまま固定化することが
可能であり、しかも不安定な酵素や複数種の酵
素、例えば複数の共役反応系の酵素を効果的に固
定化することができる。
通常のマイクロカプセル化酵素では、カラムに
充填する場合に、その目詰りの原因となるような
微細なマイクロカプセル化酵素は除去する場合が
多く、それだけ酵素固定化率は減少することにな
るが、これに対し、本発明の場合は、固定化酵素
は、マイクロカプセル化酵素が高分子ゲルマトリ
ツクス中に分散保持された構造となつているた
め、マイクロカプセル化酵素が微細なものであつ
ても目詰りの問題は生じない。それどころか、微
細なカプセル化酵素が多量均一に分散した高分子
ゲルからなる固定化酵素の方が、高い活性収率を
を得ることができるので有利である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。
実施例 1 耐熱性リンゴ酸脱水素酸素(生化学工業製、商
品名、「耐熱性リンゴ酸脱水素酵素」、以下
「MDH」と略称する。)350ユニツト(u)、ギ酸
脱水素酵素(ベーリンガー社製、商品名、「ギ酸
脱水素酵素」、以下「FDH」と略称する。)50ユ
ニツト(u)、ヘモグロビン30mg、NAD(ニコチ
ン・アデニン・ジヌクレオチド)1.3mgを含む
0.01Mピロリン酸緩衝液(PH8.5)1mlを、界面
活性剤(Span85)2滴を加えた3%ポリスチレ
ンを含むベンゼン溶液に激しく撹拌しながら、滴
下した。生成した乳濁液(一次乳化液)を、ポリ
エチレングリコールジアクリレート(分子量約
4000)2g、メチレンビスアクリルアミド100g
を含む0.01Mピロリン酸緩衝液(PH8.5)10mlに
激しく撹拌しながら滴下した。生成した乳濁液
(二次乳化液)に窒素ガスを吹き当てながら撹拌
を続け、ベンゼンを蒸発除去した。ベンゼン臭が
なくなつた所で撹拌を止め、窒素ガスで乳濁液を
5分間バブリングした。マイクロカプセルの生成
を顕微鏡で確認した後に、6%過硫酸カリウム水
溶液500μとジメチルアミノポロピオニトリル
100μを加え、よく振り混ぜた後に、窒素ガス
を吹きつけながら静置した。約3分でゲル化が起
り、その後、15分間、30℃でゲル化を進めた。生
成したゲル(固定化酵素)は、ワーリングプレン
ダーで粉砕し、100mlの0.01Mリン酸緩衝液(PH
7.5)で洗浄し、固定化酵素(13.34g)を得た。
次に、未固定化MDHとFDHの活性、ゲル洗浄
液中の未固定化MDHとFDHの活性、さらに固定
化MDHとFDHの活性を以下のようにして測定し
た。
なお、MDHにおいて、その1ユニツト(u)
は、PH7.5、30℃、1分間に1μモルのオキザロ
酢酸を還元するのに必要な酵素活性を示し、また
FDHにおいて、その1ユニツト(u)は、PH
7.5、30℃、1分間に1μモルのギ酸を酸化する
のに必要な酵素活性を示す。
未固定化MDHの活性測定では、オキザロ酢酸
0.52mM及びNADH0.2mMの濃度条件の0.1Mリ
ン酸緩衝液(PH7.5)を用い、30℃で340nmの吸
光度の減少の初速度から、MDH活性を求めた。
また、固定化MDH活性は、高分子ゲルの拡散阻
害を考慮して、オキザロ酢酸1.04mM及び
NADH0.4mMの濃度条件の0.1Mリン酸緩衝液
(PH7.5)を用いて同様にして求めた。
未固定化FDHの活性測定では、ギ酸33mM及
びNADH1mMの濃度条件の0.1Mリン緩衝液(PH
7.5)を用い、30℃で340nmの吸光度を増加の初
速度から、FDH活性を求めた。固定化FDH活性
は、高分子ゲル格散阻害を考慮して、ギ酸66mM
及びNAD2mMの濃度条件の0.1Mリン酸緩衝液
(PH7.5)を用いて同様にして求めた。
前記の活性測定の結果、ゲルの洗浄液中には、
投入MDH活性の4%、投入FDH活性の0.2%が検
出され、きわめて効率よく酵素活性が固定化され
たことが示された。固定化酵素の総酵素活性は、
投入MDH活性の15%、投入FDH活性の35%が測
定された。この見かけの活性の低下は、ゲルの内
部拡散抵抗によるものと推察され、高分子ゲル素
材を選ぶことによつて、更に高い活性を得ること
ができるものと思われる。
次に、固定化酵素600mgを、キチンフレーク500
mg(湿重量)とともに、内径5mm、全長100mmの
カラムに充填し、さらに両端をグラスウールで密
封した。ついでこのカラムを30℃の亘温水槽に沈
め、基質液を15ml1時間の流速で送液し、共役反
応を行なわせた。なお、基質液は、オキザロ酢酸
15mM、ギ酸100mM、NAD100μM含む0.1Mリ
ン酸緩衝液(PH7.5)を用い、防腐剤としてクロ
ロホルムを飽和させた。基質液は毎日取替え、2
週間共役反応を行なわせた。溶出液は、7.5mlづ
つフラクシヨンコレクターで分取し、生成リンゴ
酸量を測定した。
前記リンゴ酸量の測定は、NAD2mM及びリン
ゴ酸脱水素酵素(ブタ心臓由来)10u/mlの濃度
条件の0.2Mヒドラジン塩酸緩衝液(PH9.3)を用
い、30℃で反応を行い、初反応時と反応終了時の
340nmの吸光度差から生成NADH量を求め、試
料中のリンゴ酸量を算出した。
前記測定の結果、反応終了液中には、リンゴ酸
量が多く、含まれていることが測定され、このこ
とから、MDHとFDHが共役して反応しているこ
とが確認された。
2週間の連続運転において、最初の基質変換率
を100%とすると、2週間後の基質変換率は55%
であつた。
実施例 2 MDH170u、ヘモグロビン30mgを含む0.01Mピ
ロリン酸緩衝液(PH8.5)1mlを、界面活性剤
(Span85)4滴を加えた3%のポリメタル酸メチ
ルを含むベンゼン溶液1mlに激しく撹拌しながら
滴下した。生成した乳濁液を、ポリエチレングリ
コールジアクリレート(分子量約4000)2g、メ
チレンビスアクリルアミド100mgを含む0.01Mピ
ロリン酸緩衝液(PH8.5)10mlに激しく撹拌しな
がら滴下した。生成した乳濁液に窒素ガスを吹き
当てながら撹拌を続け、ベンゼンを除いた。ベン
ゼン臭が無くなつた所で撹拌を止め、更に窒素ガ
スで乳濁液を5分間バブリングした。マイクロカ
プセルの生成を顕微鏡で確認した後に、6%過硫
酸カリウム水溶液500μとジメチルアミノプロ
ピオニトリル100μを加え、撹拌した後、窒素
ガスを吹きつけながら静置した。約3分でゲル化
し、その後、さらに15分間、30℃でゲル化を進め
た。生成したゲルをワーリングブレンダーで粉砕
し、100mlの0.01Mリン酸緩衝液(PH7.5)で洗浄
し、固定化酵素(13.49g)を得た。
次に、実施例1と同様にして、ゲル洗浄液中の
MDH及び固定化MDHの活性を測定した。
この結果、ゲル洗浄液中には投入MDH活性の
4%が検出され、きわめて効率よく酵素活性が固
定化されることが示された。固定化酵素の総酵素
活性は、投入MDH活性に対して20%が測定され
た。このことから、マイクロカプセルの壁材とし
てポリスチレンと同様にポリメタクリル酸メチル
を使用し得ることが確認された。
実施例 3 MHD150u、ヘモグロビン30mgを含む水1ml
を、界面活性剤(Span85)4滴を加えた3%ポ
リスチレンを含むベンゼン溶液に激しく撹拌しな
がら滴下した。生成した乳濁液を、アルギン酸ナ
トリウム150mgを含む水10mlに激しく撹拌しなが
ら滴下した。生成した乳濁液に窒素ガスを吹き当
てながら撹拌を続けベンゼンを除いた。ベンゼン
臭が無くなつた所で撹拌を止め、マイクロカプセ
ルの生成を顕微鏡で確認した。生成したマイクロ
カプセル溶液を注射器に入れ、1.5%塩化カルシ
ウム溶液40mlに滴下し、球状のゲルを生成させ
た。ゲルを1晩4℃で1.5%塩化カルシウム溶液
中に保存し、ゲル化を進めた。ゲルを100mlの1.5
%塩化カルシウム溶液で洗浄し、固定化酵素
(4.54g)を得た。球状のゲルからなるこの固定
化酵素、直径が1〜1.5mmであつた。
次に、実施例1同様にして、ゲル洗浄液中の
MDHを測定し、また固定化MDHの活性を測定し
た。その結果、ゲル洗浄液中には、投入MDH活
性の15%が検出された。これはゲル化の際の急激
なイオン強度の変化とゲル収縮の為にマイクロカ
プセルの一部が破壊されたためと思われ、マイク
ロカプセル中のイオン強度を上げることによつて
防ぐことができる。固定化されたMDH活性は、
投入MDH活性の14%があつた。
実施例 4 MDH100u、ヘモグロビン30mg、NAD2mgを含
む0.01Mリン酸緩衝液(PH7.5)1mlを、界面活
性剤(Span85)を4滴加えた3%ポリメタクリ
ル酸メチルを含むベンゼン溶液1mlに激しく撹拌
しながら滴下した。生成した乳濁液を、ゼラチン
1gを含む0.01Mリン酸緩衝液(PH7.5)10ml)
に激しく撹拌しながら滴下した。生成した乳濁液
に窒素ガスを吹き当てながら撹拌を続け、ベンゼ
ンを除いた。マイクロカプセルの生成を顕微鏡で
確認した後に、25%グルタルアルデヒド溶液を
200μ加えた。約10分でゲル化が起り、更に2
時間、4℃でゲル化を進めた。生成したゲルはワ
ーリングブレンダーで粉砕し、100mlの0.01Mリ
ン酸緩衝液(PH7.5)で洗浄し、固定化酵素
(18.40g)を得た。
次に、実施例1と同様にして、ゲル洗浄液中の
MDH活性及び固定化MDHの活性を測定した。そ
の結果、ゲルの洗浄液中には、投入MDH活性の
0.4%が検出され、きめわて効率よく酸素が固定
化された事が示された。また、固定化MDHの総
酸素活性は、投入MDH活性の26%であつた。
実施例 5 本発明の固定化法が、前記脱水素酵素だけでは
なく、他のキナーゼ酵素にも適用可能なことを示
すために、ATP関与のキナーゼについても実験
を行つた。
ヘキソキナーゼ(ベーリンガー社製、商品名、
「ヘキソキナーゼ」、以下「HK」と略称する。)
150u、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(ベ
ーリンガー社製、商品名「グルコース−6−リン
酸脱水素酵素」以下「G6PDH」と略称する。)
120u、ヘモグロビン30mg、ATP(アデシノン−
5′−3リン酸)2mg、NADP(ニコチン、アンデ
ニン・ジヌクレオチド・リン酸)2mg、塩化マグ
ネシウム20mgを含む0.05Mトリス塩酸緩衝液(PH
8.5)1mlを、界面活性剤(Span85)4滴を加え
た3%ポリスチレンを含むベンゼン溶液1mlに激
しく撹拌しながら滴下した。生成した乳濁液を、
ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量
約4000)2g、メチレンビスアクリルアミド100
mg、塩化マグネシウム200mgを含む0.05Mトリス
塩酸緩衝液(PH8.5)10mlに激しく撹拌しながら
滴下した。生成した乳濁液に窒素ガスを吹き当て
ながら撹拌を続け、ベンゼンを除いた。ベンゼン
臭が無くなつた所で撹拌を止め、窒素ガスで乳濁
液を5分間バブリングした。マイクロカプセルの
生成を顕微鏡で確認した後に、6%過硫酸カリウ
ム水溶液500μとジメチルアミノプロピオニト
リル100μを加え、よく振り混ぜた後に、窒素
ガスを吹きつけながら静置した。約3分でゲル化
が起り、その後、さらに20分間室温で放置しゲル
化を進めた。生成したゲルは、ワーリングブレン
ダーで粉砕し、100mlの0.01Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)で洗浄し、固定化酵素(13.22g)を得
た。
次に、未固定化G6PDH及びHK、ゲル洗浄液中
の未固定G6PDH及びHK、さらに固定化G6PDH
及びHKの活性を以下のようにして測定した。
なお、G6PDHにおいて、その1ユニツト
(u)は、PH7.6、30℃、1分間で1μモルのグル
コース−6−リン酸を酸化するのに必要な酵素活
性を示し、また、HKにおいて、その1ユニツト
(u)は、PHを7.6、30℃、1分間で1μモルのグ
ルコースをリン酸化するのに必要な酵素活性を示
す。HKの生産物は、グリコース−6−リン酸
で、過剰に存在するG6PDHがその量をNADHの
量に変換し測定する。
未固定化G6PDHの活性測定では、グルコース
−6−リン酸1.2mM、NADP0.37mM、塩化マグ
ネシウム6.7mMの濃度条件の86.3mMトリエタ
ノールアミン緩衝液(PH7.6)を用い、30℃で、
340nmの吸光度の増加の初速度から、G6PDH活
性を求めた。固定化G6PDHの活性も前記と同じ
測定法で求めた。HKの活性測定では、グルコー
ス222mM、ATP2.7mM、NADP0.73mM、塩化
マグネシウム6.7mM、G6PDH0.5u/mlの濃度条
件の82.3mMトリエタノールアミン緩衝液(PH
7.6)を用い、30℃で340nmの吸光度の増加の初
速度から、HK活性を求めた。固定化HKの活性
も前記と同じ測定法を用いた。
HKとG6PDHの共役反応は、HKの活性測定の
試薬から、G6PDHを除いたものを用い、30℃に
おいて、固定化酵素のみで、NADPHの生成、す
なわち340nmの吸光度の増加を調べた。
その結果、ゲルの洗浄液中には、投入HK活性
の2.5%、投入G6PDH活性の0.6%が検出され、き
わめて効率よく酵素活性が固定化されたことが示
された。固定化酵素活性では、投入HK活性の33
%、投入G6PDH活性の7%が測定された。更
に、固定化されたKH活性とG6PDH活性の共役反
応を調べた所、十分な活性を有することが確認さ
れ、この固定化酵素によつて、グルコース量を測
定し得ることが確認された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高分子ゲルマトリツクス中に、マイクロカプ
    セル化酵素を分散保持させた構造を有する固定化
    酵素。 2 酵素を含有する水性液滴が疎水性高分子の有
    機溶媒溶液中に分散している一次乳化液を、親水
    性高分子を含有する水性媒体中に分散させて二次
    乳化液となし、該有機溶媒を蒸発除去して、親水
    性高分子を含有する水性媒体中にマイクロカプセ
    ル化酵素を生成させた後、該親水性高分子をゲル
    化させることを特徴とする固定化酵素の製造方
    法。
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