JPS6239753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は椅子のクツシヨン体構造に関し、更に詳
しくは椅子の座部、背凭部等に用いられる発泡ウ
レタンの一体成型からなるクツシヨン体に関し、
その目的とするところは、成型時に生ずるバリの
生成位置をクツシヨン体裏面の周縁内方に形成す
る凹溝の溝縁に限定することによつてクツシヨン
体を被覆する表面カバーの張設を容易となすとと
もに張り上りを美麗なものにせんというものであ
る。

従来の此種クツシヨン体は第６図に示すように
周辺端にバリ４を生じると共にそのコーナー部の
発泡密度が極端に高くなり、従つて表面カバーの
張設に際して当該周辺端部に盛り上りを生じて外
観を損うだけでなく張設作業を困難にし、又、バ
リ４を手作業で取除く場合にも、上記のようにバ
リ４周辺部の発泡密度が高い為に不用意にバリ取
りすれば第７図に示すようにクツシヨン体周端に
不規則な凹凸を生じて、その上から被覆張設され
る表面カバーにシワ、タルミを生じて外観を損う
欠点が残されていた。

本案は以上のような従来技術の欠点を一掃すべ
く考案したもので、以下、添付図面にて詳説すれ
ば、本案のクツシヨン体１はウレタンその他の合
成樹脂発泡体を素材とするもので、裏面（第１図
中では上面）の周縁全域に所定深さの凹溝２を形
成して、該凹溝を形成することによつて裏面周縁
に凸条３を形成する。而してクツシヨン体成型時
に生ずるバリ４は前記凹溝２の内、外溝縁の何れ
か片方にのみ形成され、その他の如何なる部位に
もバリを有しないようになしたものである。

尚、バリ４を凹溝２の溝縁にのみ形成する方法
としては、第３図、第４図に示すようにクツシヨ
ン体成型用の金型の板上の上型５と椀上の下型６
の接合部位に凹溝２形成用の突起７を設けてクツ
シヨン体を発泡成型する。この場合、第３図の金
型によれば、下型６の上端から内方へ延設した部
位の内周縁に下方へ突出した突起７を形成し、該
突起７の内側に上型５の外周縁を密接させて構成
したものであるので、バリ４は第１図に示すよう
に凹溝２の内側溝縁に形成され、第４図の金型に
よれば、上型５の下面外周縁に下方へ突出した突
起７を形成し、該突起７の外側に下型６の上端か
ら内方へ延設した部位の内側に密接させて構成し
たものであるので、バリ４は第２図に示すように
凹溝２の外側縁に形成される。又、凹溝２の深
さ、周端からの形成位置、換言すれば凸条３の高
さ及び幅はクツシヨン体１自体の材質その他によ
つて決定すればよいが、一般的には深さ５mmで周
端から10〜15mm程度内側位置に形成するものとす
る。

以上のようになる本案のクツシヨン体１は裏面
の周縁部に凹溝２凸条３を設けたことによつて、
第５図に示すようにクツシヨン体１に表面カバー
８を張設するに際して該表面カバーに加えられた
引張力によつて凸条３が凹溝２内へ強制的に湾曲
せられた状態となり、該凸条３の復元力によつて
表面カバー８は常時緊張状態に保持され、シワ、
タルミを生ずるおそれが全くなく、更に成型時に
生ずるバリ４はクツシヨン体１の裏面に生起する
ので表面カバーを張設した時に該バリ４による盛
り上りを表面側及び裏面外周縁に生じたり、バリ
を取除いた場合の不規則状凹凸を表面側に生じて
表面カバーにシワ、タルミを生ずることがなく、
外観を損う心配が全くない。又、該バリ４が第２
図に示すように凹溝２の外側溝縁に形成された場
合には、第５図に示すように表面カバー８の張設
時においてバリ４は凸条３の湾曲に伴つて凹溝２
内に折曲状態で嵌合されるので特にバリを取り除
かなくともバリによる盛り上りが生ずることがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案クツシヨン体の１実施例を示す縦
断面図、第２図は同じく他の実施例を示す要部縦
断面図、第３図は本案クツシヨン体の成型金型の
１例を示す縦断面図、第４図は同じく成型金型の
他の実施例を示す要部縦断面図、第５図は本案ク
ツシヨン体に表面カバーを張設した状態の要部縦
断面図、第６図は従来のクツシヨン体を示す縦断
面図、第７図は従来のクツシヨン体におけるバリ
取り後の状態を示す要部縦断面図である。 １……クツシヨン体、２……凹溝、３……凸
条、４……バリ、８……表面カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ウレタンその他の合成樹脂発泡体を素材とす
   るクツシヨン体の裏面周縁全域に凹溝を形成す
   るとともに、成型時に生じるバリを凹溝の溝縁
   に有することを特徴とする椅子のクツシヨン
   体。 (2) バリを凹溝の外側溝縁に形成した実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の椅子のクツシヨン
   体。