JPS6236845Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冶金容器底部、特に銑鉄精錬の転炉底
部に関するものである。

金属、特に液体銑鉄の浴の精錬方法は、冶金容
器の上部からの酸素送風に加えて、酸素送風の間
および／または後に溶融金属を撹拌するように容
器底部からのガス吹入を組合せる方法がある。こ
の種の方法は特にフランス国特許第2322202号明
細書に本出願人の名前で記載がある。底部から導
入するガスは、一般に窒素またはアルゴンのよう
な不活性ガスである。この導入は容器底部に配置
した耐火性通気部材を介して行われる。

この場合、冶金容器の底部を次のように構成す
る。即ち、金属ベースプレート上に、少なくとも
１層の耐火材料製の層、「安全層」と呼ばれる耐
火煉瓦の第１層、次に「摩耗層」と呼ばれる耐火
煉瓦の第２層を設け、この第２層には耐火性通気
部材を一定の場所に配設して一体とする。

耐火性通気部材は、例えば、1979年４月25日の
フランス国特許出願第79／10445号および1980年
２月８日の第80／02905号明細書に記載されてい
るような部材である。一般に非多孔質の耐火性プ
レートの間に密封材料を接合させずに並置した前
記耐火性プレートを配列連結したアセンブリによ
りこのような耐火性通気部材は構成されている。
この耐火性プレートの締付と密着は金属ケーシン
グを使つてバンドにより確保する。閉鎖プレート
を用いて容器外部に対して耐火性通気部材の密封
を確保するように金属ケーシングをカバーする。
この閉鎖プレートに気密に導管を固定し、通気部
材を構成する耐火性プレートのアセンブリ内部と
ガス分配路とを導通させる。

従来はこのような方法を実施する場合、通気部
材の多くは損傷が早く取替える必要があつた。

本考案の目的はこのような耐火性通気部材の損
傷を避けることができる前記形式の冶金容器の底
部を提供するにある。

本考案による冶金容器底部は登録請求の範囲に
記載の如くの特徴を有する。

本考案者らは耐火性通気部材の損傷の原因を研
究した。その結果、この損傷は部材側面の金属ケ
ーシングと通気部材を構成する耐火プレートアセ
ンブリとの間に溶融金属が浸透するためであり、
この浸透は底部からガスを送風する際の金属ケー
シングの膨脹に因ることが発見された。

以下図面により本考案を説明する。

第１図は冶金容器底部の部分断面図である。第
１図において、金属ベースプレート１上に、耐火
材料層２を、次いで「安全煉瓦」と呼ばれる耐火
煉瓦の第１層３を、最後に「摩耗煉瓦」と呼ばれ
る耐火煉瓦の第２層４を配置する。この第２層４
の煉瓦の若干を前記タイプの通気部材５と取替え
る。通気部材５は金属ケーシング７によつて側面
を包囲支持された耐火プレートのアセンブリ６で
構成する。閉鎖プレート８によりケーシング７の
底部を閉塞する。ガス分配路９のオリフイスはベ
ースプレート１と層２および３を貫通し、閉鎖プ
レート８に通じている。ガス分配路９と第１層３
の安全煉瓦との間の密封は細かなマグネシヤ粉末
または石綿コードにより確保して、この場所を溶
融金属が通過して容器の底部に流れ出ることがな
いようにする。ガス分配路９はベースプレート１
の取付板１０を介して導管１１に気密に連結す
る。導管１１は、転炉上に配置したまたは配置し
ていない供給管１２に連絡する。この供給管１２
は加圧ガス源１３に連結する。

ガス分配路９によつてガスを送風するとケーシ
ング７を構成する薄板はその圧力で膨れる。この
ため従来はアセンブリ６とケーシング７との間に
空間ができ、このため溶融金属がこの個所を通る
ことがある。

これらのことを考慮に入れ、本考案者らはこの
ケーシング７の膨脹を層４の構造により実際上適
当な値となしうることを見出した。

本考案の理解を助けるために初めに従来の配設
手順を説明する。従来の第２層４内の通気部材５
の実際の取付けは次のように行う。

前以つてベースプレート１上に層２と３を形成
し、ガス分配路９に導通させるために必要なオリ
フイスを、後に耐火性通気部材を配置する場所に
設置する。

一般に、容器底部の表面の中間クラウン（環状
部）上に通気部材を割り当てる。第２図は冶金容
器底部の上面図である。第２図において、通気部
材５は、一方が酸素ジエツトの衝撃域１５、他方
が容器壁１６のほぼ中程に位置するクラウン１４
上に割り当てる。

実際は、摩耗煉瓦の第２層４を設置するため、
容器底部を直交する２つの直径に対応する２つの
垂直な中央軸路１７，１７に沿つて第１層３を配
設する。中心１８を出発して壁１６まで外方に向
かう一方の中央軸路１７に沿つて耐火煉瓦の第１
列を形成し、次いで中央に向かつて再び出発して
煉瓦の第２列を形成する。前述の如く用意された
各場所に耐火性通気部材を配置し、次で煉瓦でこ
の軸路を満たす。同じ方法で４個所に通気部材の
ある他の中央軸路を処理する。次いで残る４個所
の扇状の一部分（第２図の符号１９）に同様に配
設する。

通気部材の寸法は原則として耐火煉瓦の寸法と
同一であるが、通気部材に隣接した若干の煉瓦を
工場で作り、例えば固めたマグネシヤで作つた密
封パツキングを配置する場合が多い。

本考案者らの研究から、この種の密封パツキン
グをやむなく配置した個所では確かに通気部材の
変質が起こることが確認された。実際には、これ
らの変形し得る密封パツキングは、通気部材のケ
ーシングを構成する薄板が膨らむのを妨げること
はない。

これらのことを考慮して、本考案は、耐火性通
気部材をまず配置し、これら部材の周囲を熱によ
り膨脹する材料の煉瓦によつて取囲むことを基本
構成とする第２層４の新規な建造法を主眼とす
る。

次に本考案を第３図につき説明する。

第３図は本考案の建造中の層４の上面図であ
る。

本考案の第２層４の建造は次のように行う。

あらかじめ第１層３上に２つの中央路１７，１
７を設計した後、用意した場所に耐火性通気部材
５を配置する。次いでタールを浸透させたセラミ
ツク結合マグネシア煉瓦２０で各部材５を取囲
む。最後に従来のタイプの耐火煉瓦２１で層４を
建造する。

この場合、容器内の金属浴の精錬工程で、煉瓦
２０は加熱により膨脹し、通気部材５を緊密に囲
む一種の万力を構成する。従つて通気部材５のケ
ーシングを構成する薄板の側方膨脹を妨げる。従
つて本考案では煉瓦２０は通気部材５の周辺膨脹
に抵抗し侵食を妨害する。

何かの理由で２個の煉瓦の間に密封パツキング
をやむなく配置する場合は、通気部材からできる
限り遠ざけるように配置する。

上記実施例は、耐火性通気部材を12個含む約
300トンの容量の銑鉄精錬の転炉底の建造に関す
るものである。これについて特記すべきことは、
この場合、好ましい実施例によれば、扇状の四分
の一円の部分１９の４個の通気部材より前に中央
軸路１７，１７の８個の通気部材を配置すること
が好ましい。

しかし、勿論、本考案は上記特徴をを有する転
炉に限られるものではなく、他の転炉底およびす
べての冶金容器の建造に適用することができる。

他方、前記方法は本考案の範囲内で、特に各通
気部材を囲む煉瓦を構成する熱で膨脹することが
基本である材料の材質に関して、また通気部材の
構造および容器底部での配置に関して、変化させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冶金容器底部を示す部分断面図、第２
図は冶金容器底部を示す上面図、第３図は本考案
の建造中の層４を示す上面図である。 １……ベースプレート、２……耐火材料層、３
……耐火煉瓦第１層、４……耐火煉瓦第２層、５
……通気部材、６……アセンブリ、７……ケーシ
ング、８……閉鎖プレート、９……ガス分配路、
１０……ベースプレート、１１……導管、１２…
…供給管、１３……ガス源、１４……クラウン、
１５……衝撃域、１６……壁、１７……中央軸
路、１８……中心、１９……四分の一部分、２０
……マグネシア煉瓦、２１……耐火煉瓦。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 金属ベースプレート上に置いた少なくとも１
   層の耐火材料層、該耐火材料層上に置いた耐火
   煉瓦の第１層、および該耐火煉瓦の第１層上に
   置いた耐火煉瓦の第２層を有する冶金容器底部
   であつて、 前記耐火煉瓦の第２層中にはその底部に間隔
   をあけるようにして複数の耐火性通気部材をこ
   れと一体となるように配設し、該耐火性通気部
   材のおのおのは、その側面に密接してこれを取
   囲み、かつ高さ全体に亘つて均一の厚さの薄い
   金属ケーシングと、通気部材の下側を閉塞し、
   かつガス供給供給管を有する閉鎖プレートを有
   してなる冶金容器底部において、 前記耐火煉瓦の第２層はさらに、 各耐火性通気部材の周囲全体を取囲むよう
   に、かつその金属ケーシングの側壁に密接させ
   て配置した大なる熱膨脹係数を有する複数のセ
   ラミツク結合マグネシヤ耐火煉瓦と、 前記第２層の残部を充填する耐火煉瓦とを有
   してなり、 少なくとも各耐火性通気部材の近傍において
   は、これらの前記耐火煉瓦の第２層を構成する
   各煉瓦の相互間は気密接合とならないようにし
   た構造を特徴とする冶金容器底部。 ２ 前記セラミツク結合マグネシヤ耐火煉瓦にタ
   ールを浸透させた実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の冶金容器底部。