JPS6235721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は多槽式流しに関し、特に複数の水槽
のうち一つの水槽はその上縁より一定幅を存した
周部を流しの天板上面に形成した凹溝にて囲み、
天板上面へ流出した水が上記水槽へ流入するのを
防ぐようにした多槽式流しに関する。

調理に際しては野菜などを一定時間水晒しして
おく必要のある場合があり、従来このような場
合、水槽横の天板上面に容器を置き、この容器に
清水を入れ、ここで水晒ししているが、上記容器
のため流し台の上が狭くなり、流しが使用しにく
いものであつた。

また２槽式、３槽式の流しの場合は、その一つ
の水槽に清水を貯留して水晒しすることが行なわ
れているが、この場合、水槽横の天板上には水切
りのために、洗浄した食器や鍋などを置いたり、
また使用したたわしなどを置いたりしており、そ
のためこれらより流出した水が天板上面を流下し
て上記水槽へ流れ込むので、水槽に貯留中の清水
が汚染されることになり、水晒し中の野菜などが
不潔になる恐れがあつた。

この考案は上記した欠点を解決するためになさ
れたもので、以下にこの考案の実施例を図により
ながら説明する。１はステンレス鋼板などよりな
る流しの天板で、この天板１には３つの水槽２
ａ，２ｂ，２ｃが順次相隣るように各別に凹設さ
れるとともに、中央の水槽２ｂはその上縁より所
定幅３を存した周部のうち両側の水槽２ａ，２ｃ
との境界部４，４を除く周部を天板１上面に形成
された凹溝５，５にて囲んでおり、凹溝５，５の
長手方向両端は両側の水槽２ａ，２ｃ上縁に至る
ようにされている。この場合、凹溝５，５の底部
は長手方向中央より両端に行くに従つて漸次低く
なるように形成して、凹溝５，５に流入した水が
自然に両側の水槽２ａ，２ｃへ流落するようにす
る。また上記の場合、両側の境界部４，４は双方
または何れか一方を天板１上面より一段低く形成
して溢流部となすように実施してもよい。

６ｂは水槽２ｂの排水口で、側壁に形成されて
いるが、底部に形成してもよく、水槽２ｂの底部
は排水口６ｂに向つて低くなるように形成され
る。７ｂは排水口６ｂに接続された排水管であ
る。なお他の水槽２ａ，２ｃに対しても図示しな
いが上記と同様に排水口が形成される。８は天板
１の周縁に形成した段部である。

なお各水槽２ａ，２ｂ，２ｃの排水口には、図
示しないが公知の流しの水槽の排水口に対する場
合と同様、洗浄中の食器や食物などが不意に流出
するのを防ぐ手段が施されるとともに、上記排水
口に対し別体の密閉蓋を嵌着することにより、各
水槽２ａ，２ｂ，２ｃに貯水できるようにされて
いる。

この考案は上記の構成よりなるので、食器など
の洗浄の際に洗浄水が天板１上面に流出したり、
また水切りのために置いてある食器などや使用し
たたわしなどからの水が天板１上面へ流出したり
した場合、中央の水槽２ｂの方へ向つて流れた水
は、凹溝５，５へ流入して両側の水槽２ａ，２ｃ
へ流れ落ちることになり、中央の水槽２ｂには流
れ込むことはない。そのため中央の水槽２ｂを使
用して野菜などの水晒しや水切りを行なう際に
も、天板１上面に流出した水が流れ込むことがな
いので、水晒しや水切りを衛生よく行なうことが
できる。この場合、野菜などは第４図に示すよう
に篭１１に入れて行なうことにより、水槽２ｂよ
りの出し入れが容易に行なえる。また第５図に示
すように水槽２ｂに蓋体１２を被せておくとき
は、隣りの水槽２ａ，２ｃで食器などを洗浄する
際、洗浄水が飛び跳ねても、中央の水槽２ｂへ洗
浄水が入り込むのを防げるのみならず、蓋体１２
の上に洗浄した食器などを置くことにより、蓋体
１２を水切りプレートとして使用できる。

上記においては３槽式流しの場合について説明
したが、流しに形成する水槽の個数、各水槽の大
きさおよび形状、水槽間の間隔などは上記の実施
例に限るものではなく、流しの大きさなどに応じ
て適宜に実施すればよい。

また凹溝５で囲む水槽も中央の水槽２ｂに限る
ものではなく、例えば第６図および第７図に示す
ように３槽式流しにおいて右端しの水槽２ｃに対
し実施してもよく、第６図は中央の水槽２ｂとの
境界部４を除く周部を囲むように設けるととも
に、凹溝５の長手方向両端は中央の水槽２ｂの上
縁に至るようにした場合であり、また第７図は上
縁周部の全周にわたり凹溝５を形成した場合であ
る。

以上説明したようにこの考案は、複数の水槽の
うち一つの水槽はその上縁より所定幅３を存した
周部のうち少なくとも該水槽と相隣る水槽の境界
部４を除く周部を天板１上面に形成された凹溝５
にて囲んだので、凹溝５より外側の天板１上面に
流出した水が上記水槽へ流れ込むことはなく、そ
のため上記水槽を野菜などの水晒しや水切りを行
なうために使用しても野菜などが不潔になる恐れ
がない。

したがつてこの考案の多槽式流しによると、そ
の一つの水槽を使用しての野菜などの水晒しや水
切りを衛生よく行なうことができ、多槽式流しの
効用を一段と高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す斜視図、第２
図は第１図の拡大平面図、第３図は第２図−
線の拡大断面図、第４図および第５図は使用例を
示す断面図、第６図および第７図はこの考案の他
の実施例を示す平面図である。 １……天板、２ａ，２ｃ，２ｃ……水槽、３…
…水槽上縁よりの所定幅、４……境界部、５……
凹溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 流しの天板１に複数の水槽を各別に凹設する
   とともに、前記複数の水槽のうち一つの水槽は
   その上縁より所定幅３を存した周部のうち少な
   くとも該水槽と相隣る水槽の境界部４を除く周
   部を天板１上面に形成された凹溝５にて囲んで
   なる多槽式流し。 ２ 流しの天板１には３つの水槽２ａ，２ｂ，２
   ｃが順次相隣るように配設され、かつ中央の水
   槽２ｂはその上縁より一定幅３を存した周部の
   うち該水槽２ｂとその両側の水槽２ａ，２ｃと
   の境界部４，４を除く周部が天板１上面に形成
   された凹溝５，５にて囲まれるとともに、該凹
   溝５，５の長手方向両端は前記両側の水槽２
   ａ，２ｂ上縁に至るようにされてなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の多槽式流し。