JPS6232549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、ミシンに使用されるダーニング押え
に係り、特に布押え足を合成樹脂で成型すると共
に回転止めを一体的に形成するようにしたダーニ
ング押えに関する。

（従来技術） 従来、ミシンでダーニングをする場合、送りは
使用せず手で送つてやるのが普通であるが、その
ために針が布より上方にある場合には押え圧を解
除してやる必要がある。この方法として布を押え
る部分を針棒に連動させて上下動させている。ダ
ーニング押えは、以上のような構造になつている
が、該ダーニング押えはダーニングでけではな
く、刺しゆう縫にも使われるのが普通であるが刺
しゆう縫をする場合には、あらかじめ布に下絵を
書いておき、その上をなぞつて刺しゆうをすると
いう方法がとられている。ところが従来のダーニ
ング押えは、布を押える部分、即ち布押え足が不
透明であるため、下絵の線をなぞりにくく、使い
勝手が非常に悪かつた。また従来のダーニング押
えの布押え足の回り止めの構造は、複雑で回転方
向のがたが発生しやすく、しかも組立が面倒であ
るという欠点があつた。

（目的及び解決手段） 本考案は、上記した従来技術の欠点を除去する
ために考案されたものであつて、その目的とする
ところは、布押え足を透明な合成樹脂材で成型す
ることによつて、あらかじめ布に書かれた下絵を
なぞつて刺しゆうする場合に、下絵が良く見える
ようにして使い勝手を良好にすることである。ま
た他の目的は、布押え足に一体的に形成された回
り止め部を取付け体に形成された回り止め溝に摺
動自在に嵌挿させることによつて、布押え足を取
付け体に対して回転方向にがたがないように取り
付けることができるようにすることであり、また
これによつて組立を簡易化すると共に構造を簡単
にしてコストの低減を図ることである。

（実施例） 以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。本考案に係るダーニング押え１は、取付け体
２と、摺動軸３と、圧縮ばね４と、布押え足５と
を備えている。

取付け体２は、コの字状に形成された取付け部
７が押え棒（図示せず）に着脱自在に取り付けら
れるようになつており、直立部８と、該直立部の
上下両端に対向し直交して配設された一対の折曲
部９，１０とからなつている。また直立部８に
は、下方を開口し上方に延出した回り止め溝８ａ
が形成されている。摺動軸３は、取付け体２の一
対の折曲部９，１０に夫々形成された穴９ａ，１
０ａに摺動自在に嵌挿されている。

圧縮ばね４は、取付け体２の一対の折曲部９，
１０内にある摺動軸３に形成された環状溝３ａに
圧入された止め輪１２と上端の折曲部９との間に
配設された摺動軸３に巻装されており、該圧縮ば
ねによつて摺動軸３は下方に付勢されている。

布押え足５は、透明な合成樹脂材で形成されて
おり、摺動軸３の下端に一体的に固着されかつ布
押え部１３と回り止め部１４とが一体的に形成さ
れている。布押え部１３には、長穴状の針落ち穴
１３ａが形成されており、また回り止め部１４は
取付け体２の回り止め溝８ａに嵌挿されるように
なつている。

また取付け体２の上端の折曲部９の上方に突出
した摺動軸３の先端には、針状の連結部材１６が
固着されている。該連結部材は、針棒に固着され
た針止め（図示せず）に連結されており、針棒の
上下運動が連結部材１６を介して摺動軸３に伝達
されるようになつている。

（作用及び効果） 本考案は、上記のように構成されており、以下
その作用及び効果について説明する。ダーニング
押え１の布押え足５は、針が布に突き刺さつてい
る間は、圧縮ばね４のばね力によつて布を押圧し
ているが、針が上昇して布より離脱すると、連結
部材１６を介して圧縮ばね４のばね力に抗して布
押え足５も上昇し布に対する押圧力は解除され
る。このように布に対して布押え足５の押圧力を
加えたり、解除したりしてダーニング又は刺しゆ
うを行う。

この場合布押え足５は、透明な合成樹脂材で形
成されているので、例えばあらかじめ布に書かれ
た下絵をなぞつて刺しゆうする場合に、下絵が良
く見えて使い勝手が良好となる。

また布押え足５は、該布押え足に一体的に形成
された回り止め部１４が取付け体２の回り止め溝
８ａに摺動自在に嵌挿されているので、該布押え
足は取付け体２に対して回転方向にがたがないよ
うに取り付けることができる。

またダーニング押え１の組立に際しては、摺動
軸３を挿入した圧縮ばね４が取付け体２の一対の
折曲部９，１０間に収容されるようにして該折曲
部の穴９ａ，１０ａに摺動軸３を嵌挿させた後、
一対の折曲部９，１０間にある摺動軸３の環状溝
３ａに止め輪１２を圧入する。このようにして組
立が完了するので、従来品に比べて組立工数がか
なり少くてすむという効果がある。また構造も簡
単になつたのでコストが低減するという利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例の実施例に係り、第１図は本考案
に係るダーニング押えの正面図、第２図は第１図
矢印側面図、第３図は第１図の矢視平面図、
第４図は第１図の−矢視横断面図、第５図は
取付け体の斜視図、第６図は摺動軸を固着した布
押え足の斜視図である。 １はダーニング押え、２は取付け体、３は摺動
軸、４は圧縮ばね、５は布押え足、８は直立部、
８ａは回り止め溝、９，１０は夫々折曲部、９
ａ，１０ａは夫々穴、１２は止め輪、１３は布押
え部、１４は回り止め部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直立部と該直立部の上下両端に対向し直交して
   配設された一対の折曲部とからなり、かつ前記直
   立部に下端を開口し上方に延出した回り止め溝を
   形成した取付け体と、該取付け体の一対の折曲部
   に夫々形成された穴に摺動自在に嵌挿された摺動
   軸と、前記一対の折曲部内にある前記摺動軸に圧
   入された止め輪と前記上端の折曲部との間に配設
   されかつ前記摺動軸に巻装され該摺動軸を下方に
   付勢している圧縮ばねと、前記摺動軸の下端に一
   体的に固着されかつ布押え部と前記取付け体の回
   り止め溝に嵌挿される回り止め部を一体的に形成
   した透明な合成樹脂からなる布押え足とを設けた
   ことを特徴とするダーニング押え。