JPS6229234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は部分的に艷の異なる金属蒸着フイルム
に関し、特に絵柄状に艷の異なる金属蒸着フイル
ムに関する。

従来、艷状態の異なる金属フイルムを得る方法
として、例えば以下の方法が知られている。

アルミニウム箔と透明プラスチツクフイルム
をラミネートした後、エンボス版によりエンボ
スして艷を変える。

プラスチツクフイルムに金属蒸着した後、エ
ンボス版によりエンボスして艷を変える。

プラスチツクフイルムにサンドブラストして
艷状態を変えたフイルムに金属蒸着する。

このの方法ではエンボス版を用いるが、エ
ンボス版は、普通、彫刻や腐食で艷の差をつけた
後、クロムメツキするのが通例であり、このクロ
ムメツキのため、良好なマツト表面が得られない
という欠点がある。また、サンドブラストする方
法では、絵柄状にサンドブラストすることが困難
であり、またフイルムにキズがつき易いという欠
点がある。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、透明フイルムの片面に着色又は無色の熱硬化
性樹脂塗膜層を形成し、この上に複数の艷の異な
る熱硬化性樹脂による絵柄層を形成し、透明フイ
ルムの他面に金属蒸着層を形成したことを特徴と
する部分的に艷の異なる金属蒸着フイルムであ
る。

以下図面を参照して本考案を説明する。

本考案に係る透明フイルム１はポリエステル、
ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、
ポリスチレン、無可塑塩ビ等の熱可塑性樹脂フイ
ルムが使用できる。

この透明フイルム１の片面に着色又は無色の熱
硬化性樹脂塗膜層２を形成する。熱硬化性樹脂と
しては、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン樹脂等の
溶剤可溶型もしくは紫外線硬化型の樹脂を用いる
ことができ、例えばグラビアコーテイングにより
形成する。

この熱硬化性樹脂塗膜層２上に、複数の艷状態
の異なる熱硬化性樹脂による絵柄層３を形成す
る。絵柄層３を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂塗
膜層２に使用できる樹脂と同様に例示できるが、
艷状態を変えるためにマツト剤を混合した樹脂を
用いることが好ましい。この絵柄層３は例えばグ
ラビア印刷により形成できる。

透明フイルム１の反対面には金属蒸着層４を形
成する。蒸着する金属としては、アルミニウム、
金、銀、クロム、ニツケル、銅等を用いることが
できる。

本考案は以上のような構成であり、艷状態の異
なる熱硬化性樹脂の絵柄層３により、その艷状態
を変えているので、良好なマツト状表面及びグロ
ス状表面が得られ、しかもこれによつて複雑な絵
柄を表現することができる。また、表面が熱硬化
性樹脂から成つているので、キズがつきにくい等
の特徴を有する。

実施例 １ 25μの厚さのポリエステルフイルム上に、黄色
に着色した透明な熱硬化性樹脂をグラビアコート
して熱硬化性樹脂塗膜とし、次いでこの上に２種
類の艷消し状の熱硬化性樹脂をストライプ状にグ
ラビア印刷し、160℃に加熱して硬化させ、絵柄
層を形成した。この後、ポリエステルフイルムの
反対面にアルミニウム蒸着を施したところ、金色
で、しかも部分的に艷の異なる蒸着フイルムが得
られた。このフイルムはキヤビネツト用化粧フイ
ルムに適するものであつた。

実施例 ２ 12μの厚さのポリエステルフイルムに、実施例
１と同様に熱硬化性樹脂塗膜及び絵柄層を形成し
た後、更に前記樹脂とは艷の異なる着色熱硬化性
メラミン樹脂を印刷した。次いで、このポリエス
テルフイルムの反対面にアルミニウム蒸着したと
ころ、印刷柄状に艷の異なる蒸着フイルムが得ら
れた。このフイルムは化粧箱の表面材料に適切な
ものであつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は蒸着フ
イルムの断面図。 １……透明フイルム、２……熱硬化性樹脂塗膜
層、３……絵柄層、４……金属蒸着層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明フイルムの片面に着色又は無色の熱硬化性
   樹脂塗膜層を形成し、この上に複数の艶の異なる
   熱硬化性樹脂による絵柄層を形成し、透明フイル
   ムの他面に金属蒸着層を形成したことを特徴とす
   る部分的に艶の異なる金属蒸着フイルム。