JPS6227361Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は組合せ木工機械の縦形フライス盤のベ
ルト張り装置に係り、特に１個の電動機で複数個
の作業軸を選択して駆動するようにしてなる組合
せ木工機械の縦形フライス盤のベルト張り装置の
改良に関するものである。

従来のこの種組合せ木工機械の縦形フライス盤
のベルト張り装置は、平ベルトが1/4ねじれ駆動
される第象限内に円筒形のテンシヨンプーリー
があり、かつ、このテンシヨンプーリーの長さが
短いものがほとんどであつた。そのため、平ベル
トがベルト幅方向において片当たりし、片当たり
した部分が一方的に伸ばされ、平ベルトの寿命の
低下、動力伝達効率の低下を招いていた。また、
フライス軸に刃具を取り付ける場合、フライス軸
が逆転することがあるが、この場合、テンシヨン
プーリーの長さが短かくなつているため、平ベル
トがテンシヨンプーリーより脱落してしまうとい
う不具合を生じていた。

本考案は上記に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、縦形フライス盤の平ベルトの
動力伝達性能を向上させることができ、かつ、平
ベルトの寿命を延ばすことができる組合せ木工機
械の縦型フライス盤のベルト張り装置を提供する
ことにある。

本考案は、組合せ木工機械の縦形フライス盤の
ように駆動軸に直交するフライス軸を平ベルトを
介して駆動するようにしたものにおいては、平ベ
ルトが駆動軸のプーリー外周の最下点から水平に
フライス軸に走り、フライス軸から出た平ベルト
は、フライス軸の従動プーリー外周の接線方向か
ら真直ぐ走行して駆動軸に戻るので、駆動軸のプ
ーリーのベルト幅方向の中心は、フライス軸の従
動プーリーの外周と一致し、また、フライス軸は
任意の高さに昇降するので、従動プーリーは円筒
状としてあるが、平ベルトが接触する部分は、駆
動軸のプーリー外周の最下点に一致し、この状態
で両プーリー間を走る平ベルトが、平ベルト幅方
向において片側が他方に比較して伸ばされる点に
着目してなされたもので、フライス軸の近傍にあ
つて回動自在に支承されて平ベルトに当接するテ
ンシヨンプーリーの上記平ベルト当接面が、上記
駆動軸の軸方向を水平軸とし上記フライス軸の軸
方向を垂直軸とする直交座標の第象限に上記平
ベルトの1/4ねじれ駆動される範囲があるときに
上記直交座標の第象限にあるように、上記テン
シヨンプーリーを設けてなる構成としたことを特
徴としている。

以下本考案を第３図〜第５図に示した実施例お
よび第１図、第２図、第６図を用いて詳細に説明
する。

第１図は組合せ木工機械の平面図、第２図は第
１図の側面図である。第１図、第２図において、
１は鉋胴、２は鉋胴１前後の手押テーブル、３は
フレーム、４は手押テーブル２の上面と同じ高さ
となるようにフレーム３に取り付けられた丸鋸テ
ーブル、５は丸鋸テーブル４の上面に対して任意
の高さに昇降自在な丸鋸刃、６は丸鋸刃５の後方
の割刃、７はフライス軸、８は丸鋸刃５を昇降す
る丸鋸昇降ハンドル、９はフライス軸７を昇降す
るフライス昇降ハンドル、１０はフレーム３に取
り付けられた電動機、１１は電動機１０の回転
軸。すなわち、駆動軸に取り付けられた駆動プー
リー、１２は鉋胴１、丸鋸刃およびフライス軸７
のうちの１つを選択して駆動するためのシフトレ
バーで、シフトレバー１２は駆動プーリー１１に
係合している。１３は駆動プーリー１１と鉋胴１
の作業軸との間に掛けられた鉋用ベルト、１４は
駆動プーリー１１と丸鋸刃５の作業軸との間に掛
けられた丸鋸用ベルト、１５は駆動プーリー１１
とフライス軸７との間に掛けられたフライス用平
ベルトである。

第３図は本考案の縦形フライス盤のベルト張り
装置の一実施例を示す部分断面平面図、第４図は
第３図の部分断面側面図、第５図は第４図のＣ方
向矢視図である。第３図に示すように、フレーム
３にボルト１６でボルダ１７が取り付けてあり、
このホルダ１７の６角穴には六角コラム１８が移
動自在に挿入してあり、六角コラム１８の先端で
第５図に示すように鞍型のテンシヨンアーム１９
を支持しており、第４図に示すように、テンシヨ
ンアーム１９の先端部間に設けたテンシヨンシヤ
フト２０によつてテンシヨンプーリー２１を軸受
２２で回転自在に支持し、テンシヨンプーリー２
１をフライス用平ベルト１５の外周に圧接するよ
うにばね２３で平ベルト１５の方向に六角コラム
１８、テンシヨンアーム１９とともに押圧するよ
うにしてある。

上記した構成において、電動機１０により回転
駆動される駆動プーリー１１がシフトレバー１２
の係合により、例えば、フライス軸７用に選択さ
れると、フライス用平ベルト１５によつて駆動プ
ーリー１１の回転がフライス軸７に伝達されて、
縦形フライス盤による作業が可能になる。

ところで、フライス軸７は駆動プーリー１１に
対して直交しており、両者間に掛けられたフライ
ス用平ベルト１５は、第３図に示すように、フラ
イス軸７の外周から接線方向に出て駆動プーリー
１１に掛かり、第４図に示すように、駆動プーリ
ー１１の外周から同じように接線方向に出てフラ
イス軸７に戻る。したがつて、フライス軸７のベ
ルト接触部の中央は、駆動プーリー１１の外周の
接線部Ｐ点に一致し、かつ、第３図に示すよう
に、駆動プーリー１１の中央は、フライス軸７の
外周の接線部Ｔ点に一致している。すなわち、フ
ライス軸７は、駆動プーリー１１の中央に対して
フライス軸７の半径分だけ偏心し、また、駆動プ
ーリー１１は、フライス軸７のベルト接触部の中
央に対して駆動プーリー１１の半径分だけ偏心し
てある。このような状態で平ベルト１５が走行す
ると、平ベルト１５は、Ａ部に対してＢ部（第４
図参照）の周長が長くなるため、Ｂ部がより強く
張られ、均等な接触面圧とならない。そのため、
動力伝達効率が低下し、また、Ｂ部が破断するこ
とがある。

そこで、本考案においては、第６図に示すよう
に、駆動プーリー１１の軸方向を横軸とし、フラ
イス軸７の軸方向を縦軸とする象限図において、
平ベルト１５は、第象限内においては図示のよ
うに1/4ねじれ駆動となるが、このとき、テンシ
ヨンプーリー２１の平ベルト１５に対する当接面
が第象限内にあるようにした。このようにする
と、平ベルト１５のＢ部に対してＡ部が張られ、
上記の周長差を補正することができるので、平ベ
ルト１５の幅方向に均等な接触面圧を得ることが
できる。なお、第６図において、Ｐ，Ｑ，Ｒで示
してある平ベルト１５は、第４図にＰ，Ｑ，Ｒで
示してある位置における平ベルト１５の傾きを示
し、Ｓで示してある平ベルト１５は、第３図にＳ
で示してある位置における平ベルト１５の傾きを
示す。

また、平ベルト１５は、フライス軸７が逆転し
たときに、その接触部が上方に移動し、テンシヨ
ンプーリー２１の長さが短かいと、平ベルト１５
がテンシヨンプーリー２１から脱落する。これを
防止するため、テンシヨンプーリー２１は、駆動
軸の駆動プーリー１１の外径とほぼ等しい長さと
した。

上記したように、本考案の実施例によれば、テ
ンシヨンプーリー２１のベルト接触面が、第６図
に示す象限図において、平ベルト１５の1/4ねじ
れ駆動が第象限内にあるときに第象限内にあ
るようにしたので平ベルト１５のねじれ駆動によ
るベルト幅方向における周長の差を補正すること
ができ、平ベルト１５の幅方向端部の片伸びを防
止することができ、ベルト伝達効率を向上し、か
つ、ベルト寿命の向上をはかることができる。ま
た、テンシヨンプーリー２１のベルト接触面を長
くしたので、フライス軸７の逆転時の平ベルト１
５の脱落を防止できる。

なお、上記実施例は、組合せ木工機械の縦形フ
ライス盤のベルト張り装置について述べてある
が、平ベルトをねじり駆動するすべての機械に適
用可能であり、同一効果を得ることができる。ま
た、テンシヨンプーリー２１の位置は、フライス
軸７、つまり、作業軸側近傍としてあるが、駆動
軸側としてもよいことはいうまでもなく、同一効
果が得られる。

また、テンシヨンプーリー２１をばね２３の作
用により平ベルト１５の外周に圧接させるように
してあるが、これを固定式として一定のベルト張
りを確保するようにしても同一効果を得ることが
できる。

以上説明したように、本考案によれば、縦形フ
ライス盤の平ベルトの動力伝達性能を向上させる
ことができ、かつ、平ベルトの寿命の向上をはか
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は組合せ木工機械の平面図、第２図は第
１図の側面図、第３図は本考案の組合せ木工機械
の縦型フライス盤のベルト張り装置の一実施例を
示す部分断面平面図、第４図は第３図の部分断面
側面図、第５図は第４図のＣ方向矢視図、第６図
は本考案の要点を説明するための象限図である。 １……鉋胴、２……手押テーブル、３……フレ
ーム、５……丸鋸刃、７……フライス軸、９……
フライス昇降ハンドル、１０……電動機、１１…
…駆動プーリー、１２……シフトレバー、１５…
…フライス用平ベルト、１７……ホルダ、１８…
…六角コラム、１９……テンシヨンアーム、２０
……テンシヨンシヤフト、２１……テンシヨンプ
ーリー、２２……軸受、２３……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ １個の電動機により鉋盤、丸鋸盤、縦形フラ
   イス盤等の複数個の機械を選択して駆動するよ
   うにしてなる組合せ木工機械において、前記電
   動機に連結された駆動軸に取り付けた駆動プー
   リーと前記駆動軸と直交する昇降自在でかつ回
   転自在に支承されたフライス軸とに掛けられた
   平ベルトに当接する前記フライス軸の近傍にあ
   つて回転自在に支承されたテンシヨンプーリー
   の前記平ベルトの当接面が、前記駆動軸の軸方
   向を水平軸とし前記フライス軸の軸方向を垂直
   軸とする直交座標の第象限に前記平ベルトの
   1/4ねじれ駆動される範囲があるときに前記直
   交座標の第象限にあるように、前記テンシヨ
   ンプーリーを設けてなることを特徴とする組合
   せ木工機械の縦形フライス盤のベルト張り装
   置。 ２ 前記テンシヨンプーリーは、その軸方向長さ
   が前記駆動プーリーの外径にほぼ等しい長さと
   してある実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   組合せ木工機械の縦形フライス盤のベルト張り
   装置。