JPS6226037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポンプ注液式液体容器に関し、さらに
詳しくは液容器内の液体を外部へ案内するための
一連の液体注出通路の途中に、液体容器転倒時に
液容器内の液体が該液体注出通路を通つて外部へ
漏出するのを防止するための止水弁を収容した構
造のポンプ注液式液体容器に関するものである。

従来のこの種の止水弁つきポンプ注液式液体容
器では、液体汲上用の縦向き管と液体注出用の横
向き管とを栓内に形成した栓内液通路で連絡して
一連の液体注出通路を構成するとともに、栓内液
通路中に液体容器転倒時に止水作用をする球弁を
収容して、液体容器転倒時に該球弁が横向き管基
端部の開口（弁座）を閉塞して液容器内の液体が
注口部から外部に漏出しないようにしている。

しかしながら、この従来のポンプ注液式液体容
器では、栓内液通路中に球弁収容用の弁室を形成
しなければならないため、栓内液通路の構造が複
雑となつて栓の形成が煩雑となり、さらに栓内に
弁室を形成することにより栓の高さが高くなつて
それだけ液体容器全体の高さが高くなつていた。

本考案は、上記の如き従来のポンプ注液式液体
容器の問題点に鑑み、縦向き管部と横向き管部を
もつ一連の液体注出通路における横向き管部を基
部側管と先部側管とを接続して構成する構造のも
のとし、しかもその両管の接続部を利用して止水
弁収容用の弁室を形成することにより、簡単な構
造で且つ両管の組立と同時に止水弁の組込みがで
き、さらに止水弁収容用の弁室を形成しても液体
容器全体の高さが高くならないようにすることが
できるようにしたポンプ注液式液体容器を提供す
ることを目的としてなされたものである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案のポンプ
注液式液体容器を説明すると、第１図ないし第４
図に示す本考案実施例のポンプ注液式液体容器に
おいて、符号１は容器本体、２は蓋体を示してお
り、該容器本体１及び蓋体２の外形はそれぞれ四
角形状に形成している。又符号３は蝶番、４は外
ケース、５は真空二重瓶からなる液容器、６は外
ケース４の上部に載置固定された下口部材、７は
液容器５内へ液体Ｗを補給するために下口部材６
のほぼ中央部に形成した給液口、８は給液口７を
開閉するための栓部材、９はベロフラム式のエア
ーポンプ、１０は縦向き管部１１と横向き管部１
２からなるパイプユニツト、２０は該パイプユニ
ツト１０内に形成された一連の液体注出通路を示
している。

給液口７は、円形穴の前側部分から中心部に向
けて凹入する形状に形成されており、その凹入部
２７はパイプユニツト１０を装着するための取付
部となつている。このパイプユニツト取付部２７
は縦向きの筒状に形成されており、その内部の穴
２８にパイプユニツト１０の縦向き管部を挿脱自
在に嵌挿して装着している。

給液口７を開閉する栓部材８は、エアーポンプ
９の底板３２の一部を下方に膨出させて形成して
おり、該栓部材８の外形は給液口７の形状とほぼ
同形状となつている。即ち、栓部材８の前側部分
には中心に向けて凹入する凹入部２９が形成され
ていて、閉蓋時に該凹入部２９内にパイプユニツ
ト１０の一部が収容されるようになつている。

パイプユニツト１０は、液体汲上用の縦向き管
部１１と液体注出用の横向き管部１２とを〓形に
一体的に接続して構成している。又、横向き管部
１２は基部側管１３と先部側管１４を直線状に接
続して形成しており、その両管１３，１４の接続
部１５には止水弁（球弁）２３を収容した弁室２
１が形成されている。

この弁室２１は、基部側管１３の先端部に形成
した弁室外周壁１６に先部側管１４の基端部に形
成した蓋部１７をかぶせて形成している。又該弁
室２１は、その高さＨ（第１図）が先部側管１４
の管径Ｄとほぼ同じ寸法（Ｈ＞Ｄ）でしかもその
横幅Ｔ（第２図）が該先部側管１４の管径Ｄより
かなり大きい寸法となるようにその大きさが決め
られている。即ち、この弁室２１は高さを低くお
さえるとともに水平方向に広幅に形成している。
基部側管１３に形成した弁室外周壁１６内にはそ
の横幅方向の中央部に止水弁２３を保持するため
の止水弁ホルダー２２が収納されている。この止
水弁ホルダー２２はＵ形に形成されていて、該止
水弁ホルダー２２内で止水弁２３が前後方向に転
動し得るようになつている。なお、この止水弁ホ
ルダー２２は、弁室外周壁１６の上，下各壁１６
ａ，１６ｂの内面に形成した止水弁ホルダー嵌合
用の凹部１８，１８に嵌合させ、しかも先部側管
１４に形成した蓋部１７によつて凹部１８，１８
後端に押し付けることによつて弁室２１内に固定
している。

弁室２１内には止水弁ホルダー２２の両外側方
に液通路２４，２４が形成されている。又止水弁
ホルダー２２の両側壁２２ａ，２２ａの先端部に
は液体流通用窓穴２５，２５が形成されていて、
基部側管１３まで汲上げられた液体Ｗは止水弁ホ
ルダー２２の外側方に形成した液通路２４，２４
及び窓穴２５，２５を通つて先部側管１４に流入
するようになつている。

先部側管１４の基端部開口は弁座２６となつて
おり、液体容器転倒時には止水弁２３が移動して
該弁座２６を閉塞するようになつている。

基部側管１３の基端側は下向きに屈曲してお
り、その下向き屈曲部１３ａの外面にはリングパ
ツキン１９が取付けられている。このリングパツ
キン１９はパイプユニツト１０を取付部２７に装
着した際に該取付部２７の穴２８と基部側下向き
屈曲部１３ａとの間を密封する作用をするもので
ある。

先部側管１４の先端は下向きの注口１４ａとな
つている。

なお、この実施例では縦向き管部１１、横向き
管部１２の基部側管１３、弁室２１内の液通路２
４及び先部側管１４によつて液容器５の内外を連
絡する一連の液体注出通路２０を構成している。

又、この実施例では、弁室２１は横向き管部１
２のほぼ中央部に形成しているが、弁室２１は横
向き管部１２の基部側或いは先部側に寄せて形成
することもできる。

栓部材８の下部には内部に止水弁３７を収納し
た止水弁ホルダー３６が取付けられている。この
止水弁３７は液体容器転倒時にポンプ吐出口３３
を閉塞して液容器５内の液体Ｗがエアーポンプ９
内に流入するのを防止する作用をするものであ
る。

なお、図中符号３８は下口部材６の前部に形成
した前方突出部、３９は横向き管部１２の上部に
取付けられたカバーで、該カバー３９はパイプユ
ニツト１０の装着時に下口部材６の前方突出部３
８の上部を覆蓋するようになつている。符号４０
はエアーポンプ９押圧用の押板、４１は該ポンプ
押板４０をロツクするためのロツク片、４２は蓋
体２のロツク部材を示している。

次に図示のポンプ注液式液体容器の使用方法並
びにその作用を説明すると、ポンプ押板４０を押
圧するとエアーポンプ９からの加圧空気が液容器
５内に吹き込まれ、該加圧空気によつて液容器５
内の液体Ｗが一連の液体注出通路２０を通つてそ
の先端の注口１４ａから外部に注出される。な
お、液体注出時に横向き管部１２の基部側管１３
まで汲上げられた液体Ｗは弁室２１内の止水弁ホ
ルダー２２外側方に形成した液通路２４、止水弁
ホルダー２２の窓穴２５，弁座２６を通つて先部
側管１４内に流入し、その先端注口１４ａから注
出される。

この液体容器を誤つて転倒した場合には、弁室
２１内の止水弁２３が移動して弁座２６を閉塞
し、液容器５内の液体Ｗが一連の液体注出通路２
０を通つて外部に漏出するのを防止するようにな
つている。又、液体容器転倒時には栓部材８の下
部に設けた止水弁３７がポンプ吐出口３３を閉塞
するため、液体容器が転倒しても液容器５内の液
体Ｗはどこからも流出しないようになつている。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のポ
ンプ注液式液体容器は、液体注出通路２０の横向
き管部１２を基部側管１３と先部側管１４とを接
続して構成する構造とするとともに、その両管１
３，１４の接続部１５に止水弁２３を収容するた
めの弁室２１を形成しているので液体注出通路２
０の組立と同時に止水弁２３を組込みできるとと
もに止水弁を栓部材内に組込んでいた従来構造の
ものに比して弁室２１の構造が簡単となるという
効果があり、さらにその弁室２１はその高さＨを
先部側管１４の管径Ｄとほぼ同じ寸法としている
ので弁室２１の高さを低くすることができ、その
分だけ液体容器全体の高さを低く抑えることがで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるポンプ注液式
液体容器の縦断面図、第２図は第１図の−断
面図、第３図は第１図の液体容器の開蓋状態にお
ける斜視図、第４図は第１図の液体容器で使用さ
れている液体注出管部の分解斜視図である。 １……容器本体、２……蓋体、５……液容器、
９……エアーポンプ、１０……パイプユニツト、
１１……縦向き管部、１２……横向き管部、１３
……基部側管、１４……先部側管、１５……接続
部、２０……液体注出通路、２１……弁室、２３
……止水弁、２４……液通路、２６……弁座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液容器５を内装した容器本体１の上部に配設さ
   れたエアーポンプ９からの加圧空気を前記液容器
   ５内に吹き込んで該加圧空気によつて前記液容器
   ５内の液体Ｗを縦向き管部１１と横向き管部１２
   をもつ一連の液体注出通路２０を通して外部へ注
   出し得るようにしたポンプ注液式液体容器であつ
   て、前記液体注出通路２０の横向き管部１２は基
   部側管１３と先部側管１４を接続する構造とする
   一方該基部側管１３と先部側管１４の接続部１５
   において該先部側管１４の管径Ｄとほぼ同寸法の
   高さＨをもち且つ水平方向に該管径Ｄより広い寸
   法の横幅Ｔをもつ弁室２１を形成して該弁室２１
   内に液体容器転倒時に前記先部側管１４の入口部
   に形成した弁座２６を閉塞する作用をする止水弁
   ２３を収容するとともに、前記弁室２１内には前
   記止水弁２３を保持する止水弁ホルダー２２の側
   方を迂回して前記基部側管１３から先部側管１４
   の弁座２６に通じる液通路２４を形成したことを
   特徴とするポンプ注液式液体容器。