JPS62258B2 - - Google Patents
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- JPS62258B2 JPS62258B2 JP56084465A JP8446581A JPS62258B2 JP S62258 B2 JPS62258 B2 JP S62258B2 JP 56084465 A JP56084465 A JP 56084465A JP 8446581 A JP8446581 A JP 8446581A JP S62258 B2 JPS62258 B2 JP S62258B2
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Description
本発明はウオータージエツトルームによる強撚
糸織物の製造方法に関するものである。 従来、ウオータージエツトルームで強撚糸織物
を製織する場合、製織不能や稼動率が著しく低
く、品位的にも問題とされていた。ウオータージ
エツトルームによる強撚糸織物の製織を困難とし
ている要因の大半は、緯入れの不安定、即ち、強
撚糸のもつれ部分又は2重撚部分の解舒不良によ
るビリの織込み、緯糸切れ等が問題となつてい
る。そこで強撚糸はビリなどによる製織工程での
トラブル防止のために撚り止め熱セツトが行なわ
れているが、高温で充分撚り止めセツトした場
合、なるほど強撚糸による前記の欠点は解消され
るが、反面、強撚糸の解撚トルクが減少し、シボ
立て工程で充分なシボ発現が得られず、又、幅入
り率も不良となつて強撚糸織物としての風合が得
られない。そこでシボ発現を考慮して通常の強撚
糸の場合は、80〜90℃程度の温度で撚り止めセツ
トが行なわれているが、ビリ発生防止に対しては
充分でなく、製織工程でのトラブルの原因となつ
ている。このように強撚糸織物をウオータージエ
ツトルームで製織する場合、強撚糸は強撚による
撚り止めセツト後の残留トルクが多いため、緯糸
の飛走状態が著しく不安定となり、空止り、ミス
ピツク、ビリ織込みの多発原因となつている。 本発明の目的は、前記の欠点を改良し、従来は
不可能とされた強撚糸を用いてウオータージエツ
トルームによる強撚糸織物の製造方法を提供する
ことにある。 即ち、本発明はポリエチレンテレフタレートを
全量の20〜90重量%、ポリブチレンテレフタレー
トおよび/又はポリプロピレンテレフタレートを
全量の80〜10重量%の割合で共重合および/又は
ブレンドして紡糸原液とし、これを常法により紡
糸・延伸し、密度が1300g/cm3以上のポリエステ
ルフイラメント糸とし、該ポリエステルフイラメ
ント糸に強撚を施し、次いで、湿熱又は乾熱で撚
止め処理を行なつた後、該強撚糸を少なくとも緯
糸に用いてウオータージエツトルームにより製織
することを特徴とする強撚糸織物の製造方法にあ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明方法に使用するポリエステルフイラメン
ト糸は、ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
レンテレフタレートおよび/又はポリプロピレン
テレフタレートを共重合および/又はブレンドし
たものを溶融紡糸して得られるものである。 即ち、ポリマーの組合せとしては、ポリエチレ
ンテレフタレートとポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレ
ンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプ
ロピレンテレフタレートの3者の組合せの如く、
グリコール部の炭素数を変えたポリアルキレンテ
レフタレート相互のブレンド体又は/および共重
合体として組合わせることが重要である。これら
のポリアルキレンテレフタレートは類似した化学
構造を有するために重合体相互の相溶性が良好
で、如何なる割合でも組合して製糸する事が可能
である。しかしながら、ポリエチレンテレフタレ
ートは全量の90〜20重量%を占めることが必要で
ある。ポリエチレンテレフタレートの組合わせ
(共重合および/又はブレンドする)の割合が20
重量%未満、又は90%重量%を超える場合は、い
ずれも、本発明の目的を達成することが出来ず好
ましくない。特に、撚止めセツト性、シボ立ち性
が良好で、両者がバランスした組合わせの範囲
は、ポリエチレンテレフタレートを全量の40〜80
重量%、ポリブチレンテレフタレート又は/およ
びポリプロピレンテレフタレートを全量の60〜20
重量%の割合で組合わせたものである。 本発明に使用するポリエステルフイラメント糸
条は、前記のような割合で組合わせた共重合体お
よび/又はブレンド体を紡糸原液とし、これを公
知の方法により紡糸したものである。 又、該ポリエステルフイラメント糸は密度が
1300g/cm3以上であることが必要であるが、かゝ
る糸は前記紡糸後に延伸処理を行なうか、若しく
は紡糸速度3000m/分〜3500m/分以上の高速紡
糸により得られる。密度が1300g/cm3未満の場合
は、シボ立ち性が不良あり、本発明の目的が達せ
られない。 即ち、密度が1300g/cm3未満の場合には、撚止
めセツトを受けた強撚糸が織編物を構成し、さら
に構成組織のなかで拘束力を受けているが、これ
らの拘束力に抗してシボ立て処理において強撚に
よる解撚トルクを発現させ、シボ立ちを発生させ
るだけの充分な繊維構造となつておらず、熱力学
的に安定でないためと考えられる。 本発明の織編物は、かゝるポリエステルフイラ
メント糸に、撚係数K=15000以上の強撚を施し
たものである。(こゝに撚係数Kは、K=1m当
りの撚回数×√デニールで与えられる) 次に、前記の強撚糸は、撚止め処理されるが本
発明に使用する共重合体および/又はブレンド体
からなるポリエステルフイラメント糸の場合は、
撚止め処理温度としては、比較的低温サイドから
使用可能であつて、湿熱温度であれば70℃〜130
℃の範囲で、又、乾熱温度であれば70℃〜180℃
の範囲で使用される。 本発明では、このように比較的低温での撚止め
処理が可能であり、且つ、撚止めセツトの効果も
大である。例えば固有粘度:0.64のポリエチレン
テレフタレートを全量の50重量%、固有粘度:
0.86のポリブチレンテレフタレートを全量の50重
量%としてチツプ状態でブレンドし、290℃で溶
融した紡糸原液を通常の条件にて吐出し、冷却、
オイリングの後、1000m/分の速度で巻取つた。 得られた未延伸糸を800m/分の速度で延伸
し、密度=1332g/cm3、切断伸度=35.8%のポリ
エステルフイラメント糸50de/36filsとした。 該ポリエステルフイラメント糸に3000回/mの
強撚を与え、該強撚糸を種々の湿熱温度にて撚止
め処理(処理時間:30分)し、撚止め処理後の該
強撚糸に発生する強撚糸の解撚トルクとして2重
撚数を測定した。 2重撚数の測定法; 撚止めセツト後の強撚糸を長さ100cm採取し、
中央部に2mg/deの荷重を吊下げ、両端部を合
わせることにより発生する2重撚数(T/50cm)
を測定する。この2重撚数は1種の上撚であつ
て、強撚糸の解撚トルクにより発生するものであ
り、トルクが大きいと大なる値を示す。 比較用として、通常使用されているポリエチレ
ンテレフタレート100%によるフイラメント糸
50de/36filsを用いて、前記と同様に強撚を付与
して、撚止め処理をし、該撚止め処理後に発生す
る2重撚数を測定した。第1図は、種々の撚止め
処理の温度と、強撚糸に発生する該2重撚数の関
係を示す図であつて、は本発明の織編物に使用
するポリエステルフイラメント糸によるもの、
は従来より使用されているポリエチレンテレフタ
レート糸によるものである。 第1図から明らかなように、従来は湿熱温度が
90℃以上でないと得られなかつた撚止め処理の効
果が、本発明に使用するポリエステルフイラメン
ト糸を用いると、湿熱温度70℃により得られ、従
来は製織編工程での取り扱い性が低下するため出
来なかつた低温撚止め処理が可能になつたことで
ある。 このように本発明に用いるポリエステルフイラ
メント糸が優れた撚の一時固定性を示す理由は、
ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテ
レフタレートの如き高弾性ポリエステルとポリエ
チレンテレフタレートとの共重合に起因すると考
えられている。 すなわち、本発明に用いるポリエステルフイラ
メント糸はポリエチレンテレフタレート―ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート―ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート―ポリプロピレンテレフタレ
ート間の若干のエステル交換―共重合化がおこ
り、又は、各重合体がブレンドしているその境界
域において、各ポリエステル分子鎖は動き易い状
態になり、その結果、良好な撚止めセツト性を示
すようになる。特に、非晶部分の挙動がかゝる良
好な撚止めセツト性を与えたものと考えられる。 本発明方法は、このように低温でも撚止めセツ
ト性が良好な強撚糸を少なくとも緯糸に用いてウ
オータージエツトルームにより製織するものであ
る。 尚、本発明に用いるポリエステルフイラメント
糸について、さらに好ましい態様を述べれば前記
のごとく強撚を施すに際して、良好な施撚状態を
得るには、該ポリエステルフイラメント糸の切断
伸度が60%以下であることが望ましい。 即ち、切断伸度が60%を超えるような場合に
は、製織編準備工程および製織物工程における糸
の取り扱い性が低下するだけでなく、施撚におい
て、部分的な強撚斑を発生させ、さらに撚止め処
理において、セツト斑を起させる原因となり、好
ましくない。 さらに、より良好なシボを発現させるために
は、一時的に熱固定された強撚糸の有する潜在解
撚トルクを織物中で最大限に再発生させることが
できれば、理想的である。 しかるに、織物を構成する経糸と緯糸には経緯
糸間、経糸或いは緯糸同志間等の拘束力が存在
し、この拘束力が強い場合には、仮に大きな解撚
トルクを有していてもその効果が発揮されない。
つまり、良好なシボを発現させるためには、織物
内の糸条の拘束力をできる限り小さくおさえ、解
撚トルクの効果を最大限に発揮せしめることが好
ましい。 この経糸、緯糸の拘束力は該経、緯糸を構成す
るフイラメント糸のシボ立て時の沸水収縮率に逆
比例するものであり、そのために前述フイラメン
ト糸の沸水収縮率を6%以下にすることが望まし
い。 このような沸水収縮率が小さいポリエステルフ
イラメント糸を得るには、前述の紡糸原液を常法
により紡糸・延伸後、例えば温度160〜220℃程度
の高温ローラー上で定長熱セツトするか、又は加
熱しながら2〜10%の範囲の伸長を加えて、それ
を収縮せしめるくり返しの伸長―収縮熱処理をす
るか、或いは0〜10%の範囲の制限収縮熱処理を
行なうことにより製造可能である。 かくして得られた強撚糸織物は、その後温度80
〜100℃の熱水中、又は80〜150℃の湿熱中、又は
100〜200℃の乾熱中でシボ立て処理を行なつて良
好なシボを有するシボ織物とすることが可能であ
る。 即ち、本発明方法は、シボ発現工程において十
分良好なシボが得られると同時に、製織工程にお
いて良好な取扱い性を示す強撚糸(即ち、極めて
良好な撚止めセツト性を有する糸を緯糸に用い、
従来は不可能であつた強撚織物のウオータージエ
ツトルームによる製造を可能にしたものである。 以下、実施例により説明する。 実施例 1 固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを
全量の30重量%、固有粘度0.86のポリブチレンテ
レフタレートを全量の70重量%としてチツプ状態
でブレンドし、290℃で溶融した紡糸原液を孔数
24個の紡糸口金を通して吐出した。吐出糸条は通
常の条件にて冷却、オイリング後、1000m/min
の速度で巻き取つた。得られた未延伸糸を80℃の
供給ローラーと180℃の延伸ローラーの間で3.0倍
に延伸し、ひき続き200℃の温度で熱処理し、800
m/minの延伸速度で巻き取つた。かくして得ら
れた50de/24filsの延伸ポリエステルフイラメン
ト糸の密度は、1323g/cm3であつたが、このポリ
エステルフイラメント糸に2500回/mの強撚(S
撚)を加え、次に該強撚糸を80℃の湿熱で30分間
熱処理して撚を一時的に固定した。 該撚り止め強撚糸を緯糸とし、経糸として通常
のポリエステルフイラメント糸50de/36filsに
300回/mの甘撚を施したものを用いて、経密度
62本/cm、緯密度33本/cmの規格で強撚糸織物
(パレス)を緯入れ数380回/分の速度のウオータ
ージエツトルームで製織した。 50反を製織した結果は第1表の通りであり、稼
動率、品位の優れた強撚糸織物が得られた。 一方、比較例として、従来のポリエステルフイ
ラメント糸50de/24filsを用いて実施例と同様の
強撚付与、湿熱による撚の一時固定し、ウオータ
ージエツトルームにより50反の試験製織を行なつ
た。撚糸条件、撚の一時固定条件、製織規格のい
ずれも実施例と同一条件、規格を用いた。 比較例における製織結果を第1表に示す。
糸織物の製造方法に関するものである。 従来、ウオータージエツトルームで強撚糸織物
を製織する場合、製織不能や稼動率が著しく低
く、品位的にも問題とされていた。ウオータージ
エツトルームによる強撚糸織物の製織を困難とし
ている要因の大半は、緯入れの不安定、即ち、強
撚糸のもつれ部分又は2重撚部分の解舒不良によ
るビリの織込み、緯糸切れ等が問題となつてい
る。そこで強撚糸はビリなどによる製織工程での
トラブル防止のために撚り止め熱セツトが行なわ
れているが、高温で充分撚り止めセツトした場
合、なるほど強撚糸による前記の欠点は解消され
るが、反面、強撚糸の解撚トルクが減少し、シボ
立て工程で充分なシボ発現が得られず、又、幅入
り率も不良となつて強撚糸織物としての風合が得
られない。そこでシボ発現を考慮して通常の強撚
糸の場合は、80〜90℃程度の温度で撚り止めセツ
トが行なわれているが、ビリ発生防止に対しては
充分でなく、製織工程でのトラブルの原因となつ
ている。このように強撚糸織物をウオータージエ
ツトルームで製織する場合、強撚糸は強撚による
撚り止めセツト後の残留トルクが多いため、緯糸
の飛走状態が著しく不安定となり、空止り、ミス
ピツク、ビリ織込みの多発原因となつている。 本発明の目的は、前記の欠点を改良し、従来は
不可能とされた強撚糸を用いてウオータージエツ
トルームによる強撚糸織物の製造方法を提供する
ことにある。 即ち、本発明はポリエチレンテレフタレートを
全量の20〜90重量%、ポリブチレンテレフタレー
トおよび/又はポリプロピレンテレフタレートを
全量の80〜10重量%の割合で共重合および/又は
ブレンドして紡糸原液とし、これを常法により紡
糸・延伸し、密度が1300g/cm3以上のポリエステ
ルフイラメント糸とし、該ポリエステルフイラメ
ント糸に強撚を施し、次いで、湿熱又は乾熱で撚
止め処理を行なつた後、該強撚糸を少なくとも緯
糸に用いてウオータージエツトルームにより製織
することを特徴とする強撚糸織物の製造方法にあ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明方法に使用するポリエステルフイラメン
ト糸は、ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
レンテレフタレートおよび/又はポリプロピレン
テレフタレートを共重合および/又はブレンドし
たものを溶融紡糸して得られるものである。 即ち、ポリマーの組合せとしては、ポリエチレ
ンテレフタレートとポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレ
ンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプ
ロピレンテレフタレートの3者の組合せの如く、
グリコール部の炭素数を変えたポリアルキレンテ
レフタレート相互のブレンド体又は/および共重
合体として組合わせることが重要である。これら
のポリアルキレンテレフタレートは類似した化学
構造を有するために重合体相互の相溶性が良好
で、如何なる割合でも組合して製糸する事が可能
である。しかしながら、ポリエチレンテレフタレ
ートは全量の90〜20重量%を占めることが必要で
ある。ポリエチレンテレフタレートの組合わせ
(共重合および/又はブレンドする)の割合が20
重量%未満、又は90%重量%を超える場合は、い
ずれも、本発明の目的を達成することが出来ず好
ましくない。特に、撚止めセツト性、シボ立ち性
が良好で、両者がバランスした組合わせの範囲
は、ポリエチレンテレフタレートを全量の40〜80
重量%、ポリブチレンテレフタレート又は/およ
びポリプロピレンテレフタレートを全量の60〜20
重量%の割合で組合わせたものである。 本発明に使用するポリエステルフイラメント糸
条は、前記のような割合で組合わせた共重合体お
よび/又はブレンド体を紡糸原液とし、これを公
知の方法により紡糸したものである。 又、該ポリエステルフイラメント糸は密度が
1300g/cm3以上であることが必要であるが、かゝ
る糸は前記紡糸後に延伸処理を行なうか、若しく
は紡糸速度3000m/分〜3500m/分以上の高速紡
糸により得られる。密度が1300g/cm3未満の場合
は、シボ立ち性が不良あり、本発明の目的が達せ
られない。 即ち、密度が1300g/cm3未満の場合には、撚止
めセツトを受けた強撚糸が織編物を構成し、さら
に構成組織のなかで拘束力を受けているが、これ
らの拘束力に抗してシボ立て処理において強撚に
よる解撚トルクを発現させ、シボ立ちを発生させ
るだけの充分な繊維構造となつておらず、熱力学
的に安定でないためと考えられる。 本発明の織編物は、かゝるポリエステルフイラ
メント糸に、撚係数K=15000以上の強撚を施し
たものである。(こゝに撚係数Kは、K=1m当
りの撚回数×√デニールで与えられる) 次に、前記の強撚糸は、撚止め処理されるが本
発明に使用する共重合体および/又はブレンド体
からなるポリエステルフイラメント糸の場合は、
撚止め処理温度としては、比較的低温サイドから
使用可能であつて、湿熱温度であれば70℃〜130
℃の範囲で、又、乾熱温度であれば70℃〜180℃
の範囲で使用される。 本発明では、このように比較的低温での撚止め
処理が可能であり、且つ、撚止めセツトの効果も
大である。例えば固有粘度:0.64のポリエチレン
テレフタレートを全量の50重量%、固有粘度:
0.86のポリブチレンテレフタレートを全量の50重
量%としてチツプ状態でブレンドし、290℃で溶
融した紡糸原液を通常の条件にて吐出し、冷却、
オイリングの後、1000m/分の速度で巻取つた。 得られた未延伸糸を800m/分の速度で延伸
し、密度=1332g/cm3、切断伸度=35.8%のポリ
エステルフイラメント糸50de/36filsとした。 該ポリエステルフイラメント糸に3000回/mの
強撚を与え、該強撚糸を種々の湿熱温度にて撚止
め処理(処理時間:30分)し、撚止め処理後の該
強撚糸に発生する強撚糸の解撚トルクとして2重
撚数を測定した。 2重撚数の測定法; 撚止めセツト後の強撚糸を長さ100cm採取し、
中央部に2mg/deの荷重を吊下げ、両端部を合
わせることにより発生する2重撚数(T/50cm)
を測定する。この2重撚数は1種の上撚であつ
て、強撚糸の解撚トルクにより発生するものであ
り、トルクが大きいと大なる値を示す。 比較用として、通常使用されているポリエチレ
ンテレフタレート100%によるフイラメント糸
50de/36filsを用いて、前記と同様に強撚を付与
して、撚止め処理をし、該撚止め処理後に発生す
る2重撚数を測定した。第1図は、種々の撚止め
処理の温度と、強撚糸に発生する該2重撚数の関
係を示す図であつて、は本発明の織編物に使用
するポリエステルフイラメント糸によるもの、
は従来より使用されているポリエチレンテレフタ
レート糸によるものである。 第1図から明らかなように、従来は湿熱温度が
90℃以上でないと得られなかつた撚止め処理の効
果が、本発明に使用するポリエステルフイラメン
ト糸を用いると、湿熱温度70℃により得られ、従
来は製織編工程での取り扱い性が低下するため出
来なかつた低温撚止め処理が可能になつたことで
ある。 このように本発明に用いるポリエステルフイラ
メント糸が優れた撚の一時固定性を示す理由は、
ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテ
レフタレートの如き高弾性ポリエステルとポリエ
チレンテレフタレートとの共重合に起因すると考
えられている。 すなわち、本発明に用いるポリエステルフイラ
メント糸はポリエチレンテレフタレート―ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート―ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート―ポリプロピレンテレフタレ
ート間の若干のエステル交換―共重合化がおこ
り、又は、各重合体がブレンドしているその境界
域において、各ポリエステル分子鎖は動き易い状
態になり、その結果、良好な撚止めセツト性を示
すようになる。特に、非晶部分の挙動がかゝる良
好な撚止めセツト性を与えたものと考えられる。 本発明方法は、このように低温でも撚止めセツ
ト性が良好な強撚糸を少なくとも緯糸に用いてウ
オータージエツトルームにより製織するものであ
る。 尚、本発明に用いるポリエステルフイラメント
糸について、さらに好ましい態様を述べれば前記
のごとく強撚を施すに際して、良好な施撚状態を
得るには、該ポリエステルフイラメント糸の切断
伸度が60%以下であることが望ましい。 即ち、切断伸度が60%を超えるような場合に
は、製織編準備工程および製織物工程における糸
の取り扱い性が低下するだけでなく、施撚におい
て、部分的な強撚斑を発生させ、さらに撚止め処
理において、セツト斑を起させる原因となり、好
ましくない。 さらに、より良好なシボを発現させるために
は、一時的に熱固定された強撚糸の有する潜在解
撚トルクを織物中で最大限に再発生させることが
できれば、理想的である。 しかるに、織物を構成する経糸と緯糸には経緯
糸間、経糸或いは緯糸同志間等の拘束力が存在
し、この拘束力が強い場合には、仮に大きな解撚
トルクを有していてもその効果が発揮されない。
つまり、良好なシボを発現させるためには、織物
内の糸条の拘束力をできる限り小さくおさえ、解
撚トルクの効果を最大限に発揮せしめることが好
ましい。 この経糸、緯糸の拘束力は該経、緯糸を構成す
るフイラメント糸のシボ立て時の沸水収縮率に逆
比例するものであり、そのために前述フイラメン
ト糸の沸水収縮率を6%以下にすることが望まし
い。 このような沸水収縮率が小さいポリエステルフ
イラメント糸を得るには、前述の紡糸原液を常法
により紡糸・延伸後、例えば温度160〜220℃程度
の高温ローラー上で定長熱セツトするか、又は加
熱しながら2〜10%の範囲の伸長を加えて、それ
を収縮せしめるくり返しの伸長―収縮熱処理をす
るか、或いは0〜10%の範囲の制限収縮熱処理を
行なうことにより製造可能である。 かくして得られた強撚糸織物は、その後温度80
〜100℃の熱水中、又は80〜150℃の湿熱中、又は
100〜200℃の乾熱中でシボ立て処理を行なつて良
好なシボを有するシボ織物とすることが可能であ
る。 即ち、本発明方法は、シボ発現工程において十
分良好なシボが得られると同時に、製織工程にお
いて良好な取扱い性を示す強撚糸(即ち、極めて
良好な撚止めセツト性を有する糸を緯糸に用い、
従来は不可能であつた強撚織物のウオータージエ
ツトルームによる製造を可能にしたものである。 以下、実施例により説明する。 実施例 1 固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを
全量の30重量%、固有粘度0.86のポリブチレンテ
レフタレートを全量の70重量%としてチツプ状態
でブレンドし、290℃で溶融した紡糸原液を孔数
24個の紡糸口金を通して吐出した。吐出糸条は通
常の条件にて冷却、オイリング後、1000m/min
の速度で巻き取つた。得られた未延伸糸を80℃の
供給ローラーと180℃の延伸ローラーの間で3.0倍
に延伸し、ひき続き200℃の温度で熱処理し、800
m/minの延伸速度で巻き取つた。かくして得ら
れた50de/24filsの延伸ポリエステルフイラメン
ト糸の密度は、1323g/cm3であつたが、このポリ
エステルフイラメント糸に2500回/mの強撚(S
撚)を加え、次に該強撚糸を80℃の湿熱で30分間
熱処理して撚を一時的に固定した。 該撚り止め強撚糸を緯糸とし、経糸として通常
のポリエステルフイラメント糸50de/36filsに
300回/mの甘撚を施したものを用いて、経密度
62本/cm、緯密度33本/cmの規格で強撚糸織物
(パレス)を緯入れ数380回/分の速度のウオータ
ージエツトルームで製織した。 50反を製織した結果は第1表の通りであり、稼
動率、品位の優れた強撚糸織物が得られた。 一方、比較例として、従来のポリエステルフイ
ラメント糸50de/24filsを用いて実施例と同様の
強撚付与、湿熱による撚の一時固定し、ウオータ
ージエツトルームにより50反の試験製織を行なつ
た。撚糸条件、撚の一時固定条件、製織規格のい
ずれも実施例と同一条件、規格を用いた。 比較例における製織結果を第1表に示す。
【表】
又、実施例で製織された織物は、次のシボ立て
工程において、優れたシボ立ち性を示し、従来の
織機で製織したものと比例して全く遜色がなかつ
た。
工程において、優れたシボ立ち性を示し、従来の
織機で製織したものと比例して全く遜色がなかつ
た。
第1図は、強撚糸を撚止めする際の種々の撚止
め温度と、該強撚糸に発生する2重撚数の関係を
示す図である。
め温度と、該強撚糸に発生する2重撚数の関係を
示す図である。
Claims (1)
- 1 ポリエチレンテレフタレートを全量の20〜90
重量%、ポリブチレンテレフタレートおよび/又
はポリプロピレンテレフタレートを全量の80〜10
重量%の割合で共重合および/又はブレンドして
紡糸原液とし、これを常法により紡糸・延伸し、
密度が1300g/cm3以上のポリエステルフイラメン
ト糸とし、該ポリエステルフイラメント糸に撚係
数がK≧15000である強撚を施し、次いで温度70
℃〜130℃の湿熱、又は温度70℃〜180℃の乾熱で
撚り止め処理を行なつた後、該強撚糸を少くとも
緯糸に用いてウオータージエツトルームにより製
織することを特徴とする強撚糸織物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56084465A JPS57199836A (en) | 1981-06-03 | 1981-06-03 | Production of hard twisted yarn fabric |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56084465A JPS57199836A (en) | 1981-06-03 | 1981-06-03 | Production of hard twisted yarn fabric |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57199836A JPS57199836A (en) | 1982-12-07 |
JPS62258B2 true JPS62258B2 (ja) | 1987-01-07 |
Family
ID=13831369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56084465A Granted JPS57199836A (en) | 1981-06-03 | 1981-06-03 | Production of hard twisted yarn fabric |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57199836A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58174643A (ja) * | 1982-04-01 | 1983-10-13 | 東レ株式会社 | 強撚糸とその製造方法 |
JPS60104551A (ja) * | 1983-11-05 | 1985-06-08 | ユニチカ株式会社 | 強撚糸織物の製織方法 |
JPS6119834A (ja) * | 1984-07-05 | 1986-01-28 | 帝人株式会社 | 強撚糸織物の製織方法 |
JPH0674534B2 (ja) * | 1984-07-30 | 1994-09-21 | ユニチカ株式会社 | 強撚糸織物の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54156867A (en) * | 1978-05-29 | 1979-12-11 | Ishikawa Seisakusho Kk | Production of synthetic fiber crimped fabric |
JPS55112336A (en) * | 1979-02-19 | 1980-08-29 | Toray Industries | Production of hard twisted knitted fabric |
-
1981
- 1981-06-03 JP JP56084465A patent/JPS57199836A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54156867A (en) * | 1978-05-29 | 1979-12-11 | Ishikawa Seisakusho Kk | Production of synthetic fiber crimped fabric |
JPS55112336A (en) * | 1979-02-19 | 1980-08-29 | Toray Industries | Production of hard twisted knitted fabric |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57199836A (en) | 1982-12-07 |
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