JPS6224702B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、温水利用の床暖房とフアンによる強
制暖房の長所を生かし、２つの放熱機能を最適か
つ経済的に制御する放熱制御装置の提供を目的と
するものである。

従来より温水を循環流動させることにより、床
パネル表面から放熱を行なう床暖房装置は色々考
えられていた。しかし、他のフアンによる強制暖
房用の放熱器と併用運転する場合など、床面の温
度制御に関しては良い手段がなかつた。従来の一
般的な制御手段ならびに回路方式を第１図〜第３
図で説明する。

第１図は、ボイラー等の温水発生機１で発生さ
せた温水を循環ポンプ２で床パネル３に供給循環
するもので、制御は原始的に床パネル３に流入す
る温水温度もしくは床面温度を検出するサーモ４
に対応して電動弁５を制御する方式である。６は
他のフアンなどを使用する放熱器を示す。この方
式では、電動弁５の作動頻度も多い上に、温度変
動の大きなものになる。

また第２図に示す従来例は１次側の温水循環回
路７と熱交換器８を介して別に床暖房用の２次側
の温水循環回路９を設け、床暖房用の循環ポンプ
１０で２次側温水を床パネル１１に循環流動させ
るもので、２次側温水温度もしくは床面温度をサ
ーモ１２で検出し、前記熱交換器８をバイパスす
るバイパス経路１３に介設した流量制御弁１４を
制御して温度制御する。この方式は、床温のコン
トロール機能はあるが、床暖房用に別の循環ポン
プ１０が必要になるなど、高価なものになつてい
た。

近年第３図に示すように床パネル１５への往き
温水を戻り温水で冷却熱交換する熱交換器１６を
設け、温水回路に流量制御弁１７を設けるものが
考え出されてきている。この流量制御弁１７を温
水温度もしくは床面温度を検出するサーモ１８に
対応して制御することは容易に考えられる。この
方式は、第１図に示した方式に比べて優れた制御
ではあるが、熱交換器１６は、その容量は一定で
あり、外部に対する積極的な放熱もないので、そ
の制御はある限定された範囲のものになつてしま
う。また床暖房全般に云えることではあるが、希
望室温にしたい場合床面温度はかなり高温にしな
ければならず、床面自体もある快適温度以内に維
持制御しなければならない相反する要因をもつた
ものになつていた。

本発明は、これら従来の欠点をすべて改善した
放熱制御装置であり、以下図面を使つて構成を説
明する。

第４図は、本発明の一実施例を示すシステム構
成図である。ボイラー等の温水発生機１９とここ
で発生した温水を循環ポンプ２０で暖房用床パネ
ル２１に循環供給をする暖房経路２２に流量調節
弁２３および、前記床パネル２１に対する往き温
水と戻り温水との熱交換機能とフアン２４による
放熱機能を有した熱交換器２５を介装して構成す
る。熱交換器２５は温水往き管２６と戻り管２７
を二重管で構成し、外側に放熱用フイン２８を設
けて構成する。前記流量調節弁２３は床パネル表
面温度を検出するサーモ２９に対応して制御す
る。また前記フアン２４は、室内温度を検出する
ルームサーモ３０に連動して制御するよう構成す
る。３１は他の放熱器を示す。

第５図に本発明の他の実施例構成を示す。熱交
換器３２を２重管で構成し、外管３３に床パネル
３４に対する往き温水を通過させ、内管３５に戻
り温水を通過させて相互の熱交換をすると共に、
外管３３の外側には放熱フイン３６を設けて放熱
を促進させる。流量調節弁３７と前記熱交換器３
２の双方をバイパスするバイパス経路３８とバイ
パス流量調節弁３９を別途付設する。床パネル表
面温度を検出するサーモ４０に連動して前記流量
調節弁３７、バイパス流量調節弁３９の双方を制
御する。また放熱用フアン４１は、ルームサーモ
４２によつて制御をされるよう構成する。供給温
水温度が低い時は、調節弁３７を閉にし、バイパ
ス調節弁３９を開成して、熱交換することなく床
パネル３４に温水を供給する。供給温水温度が高
いときは、バイパス調節弁３９を閉、調節弁３７
を開成して熱交換器３２を経由して床パネル３４
に温水を供給する。その中間的な制御位置として
調節弁３７，バイパス調節弁３９の双方が開成し
て、両通路を使用する場合もある。またフアン４
１はルームサーモ４２の設定値以下の室温のとき
は、運転され、室温が設定以上になつたときは停
止される。

以上、実施例の構成と簡単に運転動作を説明し
たが、その制御特性、具体的な動作について、第
６図に示したグラフにもとづき説明する。縦軸に
室温、横軸に床面温度を表示し、本実施例の放熱
制御装置を使用した場合の運転状態をイメージ表
示するもので、スタート時Ａ点の状態、つまり室
温も低く、床面温度も低い状態から運転を始める
と、床暖房効果とフアンによる強制放熱効果の相
方の働きで、床面温度、室温の双方が上昇しなが
らＢ点に達する。床面温度は最適床面温度である
t₁に達した時点で、床面温度検出サーモ２９によ
つて調節弁２３は閉成する。しかし室温は希望設
定温度θ_１に達していないので、フアン２４は運
転を続け、熱交換器２５に停留している温水の熱
を放出させる。一方、床パネル２１も一種の湯タ
ンパ状態で放熱を続けているので床面温度は降下
し、床面温度検出サーモ２９によつて再び、調節
弁２３を開成し温水発生機１９からの温水を床パ
ネル２１に供給する。この時、熱交換器２５は冷
却されているので、床面温度は急激には上昇せ
ず、調節弁２３は開成状態をしばらく継続する。
その間、熱交換器２５の熱をフアン２４で放出さ
せ設定温度に近づけていく。この動作を繰り返し
ながら床面温度はt₁近傍に維持されながら、室温
はθ_１に到達し、つまりＣ点の状態になり、ルー
ムサーモ３０によつてフアン２４は停止する。室
温ならびに床面温度が変化すれば各々の動作運転
をしながら、快適なＣ点を継続する。このように
床面温度検出サーモとルームサーモとに連動して
調節弁、フアン制御を行うものである。

以上説明したように、本発明の放熱制御装置で
は、床面温度、室温双方を快適な状態に維持管理
できるものであり、床暖房のみでは室温の上昇が
不十分なものをフアン放熱をも併用して迅速に上
昇させることもできるものである。また床暖房と
強制フアン暖房を前述した熱交換器を共に使い合
つてコスト的に安価なものとし、往き温水の冷却
性能をも増し、流量を低下させることなく、調節
弁の作動頻度をも低減して、安定した運転がおこ
なえるものである。

この放熱制御装置を発展させると、室温が高く
なると床面温度を低下させたり、室温が低いとき
は、床面温度を高い目にコントロールするなどの
輻射と対流の２形態の放熱形態を相関あるものと
して制御できることも可能であるなど、本発明は
大きな効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は従来方式を示すシステム構成
図、第４図は本発明の放熱制御装置の一実施例を
示す構成図、第５図は本発明の放熱制御装置の他
の実施例を示す構成図、第６図は本発明の運転特
性を示す特性グラフである。 １９……温水発生機、２１，３４……床パネ
ル、２３，２７……流量調節弁、２５，３２……
熱交換器、２９……バイパス流量調節弁、２９，
４０……床パネル表面温度検出サーモ、３０，４
２……ルームサーモ、２４，４１……放熱用フア
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 温水発生機とここで発生された温水を循環流
   動させることによりその表面から放熱を行なう暖
   房用床パネルとの間に、流量調節弁および前記床
   パネルに対する往き温水と戻り温水との熱交換機
   能とフアンによる放熱機能を有する熱交換器を介
   装し、床パネル表面温度を検出するサーモに連動
   して、前記流量調節弁を制御するとともに、室内
   温度を検出するルームサーモに連動して前記フア
   ンを制御したことを特徴とした放熱制御装置。 ２ 前記流量調節弁と前記熱交換器の双方をバイ
   パスするバイパス経路を付設するとともに、バイ
   パス経路にもバイパス流量調節弁を介設し、床パ
   ネル表面温度を検出するサーモに連動し、前記流
   量調節弁とバイパス流量調節弁の双方を制御した
   ことを特徴とした特許請求の範囲第１項記載の放
   熱制御装置。 ３ 前記熱交換器を２重管で構成し、外側に床パ
   ネルに対する往き温水を、内側に戻り温水を通過
   させ、フアンによる放熱機能を向上させたことを
   特徴とした特許請求の範囲第１項記載の放熱制御
   装置。