JPS622418Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フアンコイルユニツトに関し、空気
吹出グリルの形状を改良することにより、フアン
コイルユニツトから室内に吹き出される調和空気
と室内空気を非常に効率よく混合して、調和空気
と室内空気の温度差に起因する比重差による影響
を低減し、室内の気流を室内全域にわたつて拡散
し、もつて、冷房時のコールドドラフトや暖房時
における温風の停滞現象（スタグネーシヨン）を
確実に防止すると共に、温度調節によつて空気吹
出グリルの特性が損われず、温度の如何にかかわ
らず最も好ましい気流の分布状態を維持できるよ
うにすることを目的としている。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図乃至第４図は本考案に係るフアンコイル
ユニツトの一例を示し、下部に室内空気の取入口
１を形成したケーシング２に、モータ３によつて
駆動操作される定容量型の送風機４、及び、冷温
水コイル型の熱交換器５を内装すると共に、熱交
換後の調和空気を室内に吹出すための空気吹出グ
リル６を前記ケーシング２の上板２ａに装着し、
そして、前記熱交換器５に対する熱媒体（冷水又
は温水）の供給量の調整により温度調節を行なう
制御部７の操作レバー１１をケーシング２の横側
板２ｂから外部に突出させてある。

前記制御部７としては、可変絞り弁などを用い
てもよいが、この実施例では、第４図に示すよう
に、開閉弁V₁が介装された熱媒体供給路８に三
方弁Ｖを接続し、この三方弁Ｖの一方の供給ポー
トに熱交換器５の熱媒体供給側ポートを接続する
と共に、熱交換器５の戻りポートを開閉弁V₂が
介装された戻り流路９に接続し、かつ、前記三方
弁Ｖの他方の供給ポートと前記戻り流路９を迂回
流路１０で接続して前記制御部７を構成してあ
る。従つて、三方弁Ｖによる熱媒体の分流開度調
節によつて前記熱交換器５と迂回流路１０とに対
する熱媒体の供給量割合が変化し、前記送風機４
による送風量を一定に保持した状態で熱交換器５
による熱交換温度範囲を変更設定できる。送風機
４による送風量は、後述する空気吹出グリル６の
特性が最も効果的に発揮される量に固定されるよ
うに設定される。また、ケーシング２の前板２ｃ
には、前記操作レバー１１を指針として、冷暖房
の強弱度合の目印（強）、（中）、（弱）を付してあ
る。

前記空気吹出グリル６は、ケーシング長手方向
で分割された複数個の合成樹脂製の単位体６ａ…
…から構成されている。各単位体６ａは、第５図
乃至第７図に示すように、前記ケーシング上板２
ａの開口部に複数個を並べて嵌着できるように、
１辺が10cm程度の方形状に形成されたもので、空
気吹出方向から見て矩形状をなす複数個（３個を
図示する。）の空気吹出口１３……をケーシング
長手方向に間隔をへだてて並設し、各空気吹出口
１３の内部を、仕切板１４……によつて吹出口長
手方向複数個に区分すると共に、その仕切板１４
と空気吹出口矩辺壁１３ａ，１３ａの夫々を、ケ
ーシング上板２ａへの装着状態において調和空気
が整流され、上方やや前方向に向けて吹き出され
るように、やや前方斜上方に傾斜させてある。そ
して、空気吹出口１３の長辺の壁１３ｂ，１３ｂ
を空気吹出口１３中央側へ突曲した曲面に形成す
ると共に、それの上端側ほど互いに近づくように
傾斜させて、空気吹出口１３を下流側ほど巾狭に
形成し、さらに、相隣る空気吹出口１３の隣接対
向壁１３ｂ，１３ｂ同士及び隣接する単位体６ａ
の端部の対向壁１３ｂ，１３ｂ同士が夫々上流側
の端部においてＵ字状に連続するように構成して
ある。

上記の構成によれば、相隣る空気吹出口１３の
対向壁１３ｂ，１３ｂ同士が上流側端部において
Ｕ字状に連続しているため、空気吹出口の入口部
分での調和空気の流動抵抗を小さくできるのみな
らず、各空気吹出口１３が先狭りになつているた
め、空気吹出口１３の出口部分で調和空気の流速
が速められ、吹出気流間、つまり、Ｕ字状に連続
した部分の外側に、減圧域を効率よく形成でき、
この減圧域に室内空気が誘導されて、一部が調和
空気に混入し、また一部の室内空気は吹出し調和
空気に伴流し、その結果、調和空気と室内空気の
温度差に起因する比重差による影響が低減され、
室内での気流分布を室内全域にわたつて万遍なく
拡散できる。従つて、冷房時のコールドドラフト
や暖房時における温風の停滞現象が生ぜず、室内
の温度分布を均一化できる。

しかも、送風機４を定容量型とし、温度調節を
熱交換器５に対する熱媒体の供給量の調整によつ
て行なうので、温度調節によつて上述の如き空気
吹出グリル６の特性がそこなわれず、温度調節に
かかわらず、冷房時のコールドドラフトや暖房時
における温風の停滞現象を生じさせない最も好ま
しい気流の分布状態を維持できる。

尚、この実施例では、空気吹出グリル６が、破
損したものだけを新品と交換できるように、複数
個の単位体６ａ……に区分されているが一体構造
に構成して実施することも可能である。

以上詳述したように、本考案によれば、空気吹
出グリルを、下流側ほど巾狭に形成した空気吹出
口が適当間隔おきに多数並設され、相隣る空気吹
出口の隣接対向壁同士が上流側端部においてＵ字
状に連続した形状にする一方、送風機を定容量型
とし、温度調節を熱交換器に対する熱媒体の供給
量の調整によつて行なうようにしたので、温度調
節によつて空気吹出グリルの特性、つまり、空気
吹出口で調和空気の流速を速め、吹出し気流間に
減圧域を効率よく形成して、この減圧域に空内空
気を誘導する特性が損なわれず、温度調節にかか
わらず、冷房時のコールドドラフトや暖房時にお
ける温風の停滞現象を生じさせない最も好ましい
気流の分布状態を維持できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はフアン
コイルユニツトの斜視図、第２図及び第３図はフ
アンコイルユニツトの概略縦断正面図とその縦断
側面図、第４図は熱交換器に対する冷温水の配管
系統図、第５図は空気吹出グリルの単位体の斜視
図、第６図及び第７図は単位体の縦断正面図と縦
断側面図である。 ４……定容量型送風機、５……熱交換器、６…
…空気吹出グリル、７……制御部、１３……空気
吹出口、１３ｂ……対向壁、Ｖ……三方弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下流側ほど巾狭に形成した空気吹出口を適当間
   隔おきに多数並設すると共に、相隣る空気吹出口
   の隣接対向壁同士を上流側の端部においてＵ字状
   に連続させてなる空気吹出グリルと、熱交換器
   と、室内空気を熱交換器に送る定容量型の送風機
   と、熱交換器に対する熱媒体の供給量の調整によ
   り温度調節を行なう制御部とを備えたフアンコイ
   ルユニツト。