JPS6224188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は石油ストーブ、ガスストーブ、電気
ストーブ等の上に設置して使用されるストーブ用
の加湿放熱器に関するもので、その目的はストー
ブの上に放出される熱を天井の方に行かないよう
に集熱してストーブ前側方向に熱風として放熱す
ることができ、またその際にストーブの放熱を利
用して湯を沸かし、発生蒸気を吹出し熱風の中に
混合させて加湿することができると共に、沸いた
熱湯を従来のやかんのように注出して使用するこ
ともできる従来には全くなかつた新規な構造のス
トーブ用加湿放熱器を提供しようとするものであ
る。

以下、この考案の一実施例を図面に従い詳述す
る。この実施例は第１図のような石油ストーブ１
（燃焼部２の後側に熱反射板３が配置され、天板
４に燃焼熱を上方に放出する放熱孔５が設けられ
ている）に取付けて使用する適用例であつて、こ
のストーブ１の上に載置固定される下面が開放し
たフード台１０は前面部に蒸気混合の熱風吹出口
１１（この吹出口には熱風を自由な角度に放出さ
せるルーパー１１ａが設けられている）を有し、
且つ後部に集熱室１２を有すると共に、この集熱
室の出口開口１３と熱風吹出口１１との間を接続
した熱風通風路１４ａ〜１４ｅを備え、また上面
には後述する湯沸器３０の嵌装穴１５が設けられ
ている。上記熱風通風路１４ａ〜１４ｅは集熱室
１２の出口開口１３から横幅の広い熱風吹出口１
１に向かつて第３図の如く前広がりに拡大するフ
ード台１０内部の仕切り通路であつて、横断平面
が台形状をなす底板１６と、この底板の上に配設
固定した仕切板１７ａ〜１７ｆとから構成されて
いる。なお、上記仕切板１７ｃ，１７ｄ間に位置
する底板中央部には第３図のような流線筒形形状
の放熱上昇口１８が設けられ、また上記仕切板１
７ａ，１７ｆとフード台１０の外周壁で囲まれた
第３図の如き三角形状の空間１９ａ，１９ｂは石
油ストーブ１の放熱上昇空間として形成される。
そして、この放熱上昇空間１９ａ，１９ｂ内の熱
気が後壁連通孔２０ａ，２０ｂを介して集熱室１
２に吸入されるようになつている。２１は上記フ
ード台１０の後部集熱室１２に内装された送風用
の電動フアンで、フード台１０の内部即ち上記放
熱上昇空間１９ａ，１９ｂのストーブ１から放熱
される熱気を上記連通孔２０ａ，２０ｂを介して
集熱室１２に吸入し、該集熱室の出口開口１３か
ら熱風通風路１４ａ〜１４ｅに強制的に吐出させ
る作用をなす。２２は上記フアン２１を回転駆動
させる防熱形の電動機を示す。上記湯沸器３０は
フード台１０の嵌装穴外囲段部１５ａの上に係合
されるフランジ３１をもつた密閉構造の角形やか
ん形状をなし、その底壁部３０ａは湯沸器嵌装穴
１５を介した第２図，第４図の如き挿入セツト状
態で熱風通風路１４ａ〜１４ｅの開口上面を閉塞
するように仕切板１７ａ〜１７ｆの上縁と近接す
る。なお、この湯沸器３０は上下２つの金属板絞
り加工体３２，３３を突合せ溶接して構成される
もので、上面には蒸気吹出通路３４と注水開閉蓋
３７をもつた把手３５が設けられている。蒸気吹
出通路３４は把手付根部３５ａ，３５ｂにおいて
湯沸器３０内と連通している。また上記把手３５
の先端延出部として形成した熱風吹出口３６は第
１図，第２図の如く下方に屈曲し、フード台１０
の蒸気取入口２３に抜き外せるように挿入接続さ
れる。なお、この蒸気吹出口３６は湯沸器３０を
フード台１０から取外した時に内部の熱湯を取出
すやかん注出口としても使用可能な構成になつて
いる。

２４は上記フード台１０の内部に配管した蒸気
供給路で、その一端の蒸気取入口２３は湯沸器嵌
合穴１５の近くに突出開口し且つ他端の蒸気排出
口２５は熱風通風路１４ａ〜１４ｅ内に集熱室出
口開口１３の近くで第３図の如く開口している。
２６はフード台１０の前面下側部に突設したスト
ーブ掛合片、２７はフード台１０の後面下部に突
設したねじ取付板で、このねじ取付板２７に螺挿
したねじ２８をストーブ１の後壁部に第４図の如
く締付けることにより、フード台１０をストーブ
１上に載置固定することができるようになつてい
る。

以上の如く構成されたこの考案の加湿放熱器は
ストーブ１の上から放出される熱を天井の方に行
かないようにフード台１０で覆い、このフード台
内部の熱気を電動フアン２１の作動で集熱室１２
に吸入し、該集熱室１２の出口開口１３から熱風
通風路１４ａ〜１４ｅに吐出して、フード台前面
の熱風吹出口１１からストーブ前側方向に吹き出
すことができる。またこの際、ストーブ１の放熱
利用で湯沸器３０内に注入した水Ｗが沸湯し、そ
の発生蒸気が蒸気吹出通路３４及びフード台１０
の蒸気供給路２４を介して熱風通風路１４ａ〜１
４ｅを通る熱風の中に混合されるので、蒸気混合
の吹き出し熱風によつて室内を暖房し加湿するこ
とができる。一方、上記把手付きの湯沸器３０は
フード台１０から取外すと、やかんのような形態
になるので、沸いた熱湯を注出して使用すること
もできる。

第５図，第６図はこの考案の他の実施例を示す
もので、集熱室１２の出口開口１３と熱風吹出口
１１との間を接続した熱風通風路１４が前述した
実施例のような仕切板１７ｂ〜１７ｅを有しない
ワイド形（出口開口１３から横幅の広い熱風吹出
口１１に向かつて第６図の如く前広がりに拡大す
る形）の底板凹設通路で構成されている点、この
底板１６がフード台１０の下側開口部を全面閉塞
し得るフード台縁１０ａにフード台外側壁と離間
して溶接される外周屈折辺１６ａをもつた一枚の
プレス加工板で構成され、この底板外周屈折辺１
６ａに石油ストーブ１からの放熱をフード台１０
内（底板１６とフード台１０間の集熱室１２と連
通する内部空間）に流入させる複数個の開口部１
６ｂを設けた点、湯沸器３０の把手３５′を器体
ブラケツト３０ａに枢着した起倒式の把手とし、
この湯沸器３０の上面コーナ部に短管状の蒸気吹
出口３６′を突設すると共に、この蒸気吹出口
（熱湯注出口としても使用される）と反対側の上
面部分にスライド開閉式の注水蓋３７′を設けた
点、上記フード台１０の湯沸器嵌合穴１５の近く
（上記湯沸器３０の蒸気吹出口３６′と対向する部
分）にフード台１０の内部空間に開口する蒸気供
給管２３ａを固定し、この蒸気供給管２３ａにし
形状の彎曲管からなる蒸気取入口２３′を上記湯
沸器口３６′への接続状態から湯沸器３０が抜き
外せる外逃げ位置に回動できるように接続して、
蒸気吹出口３６′からの取入れ蒸気をフード台１
０内の熱風の流れ（電動フアン２１による吸入側
の熱風流）の中に供給する蒸気供給路２４′を形
成した点の構成が、第１図乃至第４図に示す第１
実施例のものと相違している。なおその他の構成
及び全体的な加湿放熱作用は前記第１実施例のも
のと略同様であるから、同一部分に同符号を付し
て詳細な説明は省略する。

この考案のストーブ用加湿放熱器は以上説明し
たような構成のものであるから、ストーブ上から
放出される熱を有効に利用して湯を沸かすこと、
発生蒸気混合の熱風をストーブ前方に吹き出させ
効率的な加湿暖房を行なうことができること、湯
沸器を取外して沸いた熱湯を注出使用できること
等のすぐれた実用上の効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による加湿放熱器
を石油ストーブの上に設置した状態で示した斜視
図、第２図は同加湿放熱器の内部構造を示す中央
縦断面図、第３図は第２図の−線に沿う横断
平面図、第４図は第３図の−線に沿う断面
図、第５図はこの考案の他の実施例を示す第２図
相当部分の要部断面図、第６図は第５図の−
線に沿う横断平面図である。 １……石油ストーブ、２……燃焼部、３……熱
反射板、４……天板、５……放熱孔、１０……フ
ード台、１１……熱風吹出口、１２……集熱室、
１３……集熱室の出口開口、１４，１４ａ〜１４
ｅ……熱風通風路、１５……湯沸器嵌装穴、１６
……底板、１６ｂ……開口部、２０ａ，２０ｂ…
…連通孔、２１……電動フアン、２２……防熱形
電動機、２３，２３′……蒸気取入口、２４，２
４′……蒸気供給路、３０……湯沸器、３５，３
５′……把手、３６，３６′……蒸気吹出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面部に蒸気混合の熱風吹出口を有し且つ後部
   に内部連通した集熱室を有すると共にこの集熱室
   と前記熱風吹出口との間を熱風通風路で接続しま
   た上面には湯沸器嵌装穴を設けたストーブ上に設
   置可能なフード台と、このフード台後部の集熱室
   に内装されフード台内部のストーブ上から放熱さ
   れる熱気を集熱室に吸入し且つ熱風通風路側に吐
   出させる送風用の電動フアンと、上記フード台の
   湯沸器嵌合穴近くに立設した蒸気取入口を有して
   取入れ蒸気をフード台内の熱風の流れの中に導入
   させる蒸気供給路と、上記フード台に湯沸器嵌装
   穴を介して挿脱自在に挿入セツトされる把手付き
   の湯沸器とを具備し、この湯沸器は内部に注入し
   た水をストーブの放熱利用で沸湯させて蒸気を発
   生させるやかん型構成のもので、上記フード台の
   蒸気取入口と切り離し可能に接続される蒸気噴出
   口を有し、この蒸気噴出口はフード台から湯沸器
   を取外した時に内部の熱湯を取出すやかん注出口
   としても使用可能な構成になつていることを特徴
   とするストーブ用の加湿放熱器。