JPS6223117B2 - - Google Patents

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JPS6223117B2
JPS6223117B2 JP59010606A JP1060684A JPS6223117B2 JP S6223117 B2 JPS6223117 B2 JP S6223117B2 JP 59010606 A JP59010606 A JP 59010606A JP 1060684 A JP1060684 A JP 1060684A JP S6223117 B2 JPS6223117 B2 JP S6223117B2
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JP
Japan
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vinyl acetate
pva
paper
copolymer
polymerization
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JP59010606A
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Tohei Morya
Koichi Kajitani
Makoto Shiraishi
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は紙用表面サイジング剤に関する。 従来、カルボキシル基を含有するポリビニルア
ルコール(以後、ポリビニルアルコールを単に
PVAと略記し、カルボキシル基を含有するポリ
ビニルアルコールを単にカルボキシル基変性
PVAと略記する)の製造と用途については種々
様々な報告(たとえば特公昭50−9882号公報)が
なされているが、それら公知の方法で製造された
カルボキシル基変性PVAを紙用表面サイジング
剤に使用した場合、必ずしも満足できる性能が発
揮されていない。この理由は十分明らかではない
が従来の製造法によつて製造したカルボキシル基
変性PVAはカルボキシル基の特徴として予想さ
れる代表的性能、例えば金属イオンとの反応性が
弱いか又は全く示さないことと関係があることが
考えられる。カルボキシル基の特徴を発揮させよ
うとして変性度を向上させるときは、本来の
PVAの特徴とする優れた性質、例えばフイルム
形成能あるいは塗膜の強度が極端に低下するとい
う困難があつた。 本発明はこれらの問題点を解決したもので、ア
ルコールの存在下で重合系内の酢酸ビニルとエチ
レン性不飽和ジカルボン酸との重量比が常に100
対0.01〜5の範囲にあり、かつほぼ一定となるよ
うにアルコール存在下で均一溶液共重合させ、得
られた共重合体をアルコール中で該共重合体中の
エチレン性不飽和ジカルボン酸単位に対して2モ
ル当量のアルカリと該共重合体中の酢酸ビニル単
位に対して0.001〜1.0モル当量のアルカリとの合
計量のアルカリを使用してケン化して得られるカ
ルボキシル基変性PVAを含有する紙用表面サイ
ジング剤である。 本発明においてはこのような特殊な方法によつ
て得られたカルボキシル基変性PVAを使用する
ことにより、後述する実施例から明らかなように
表面強度およびバリヤー性に優れたサイジング紙
を得ることができる。 また本発明においては用いるカルボキシル基変
性PVAが金属イオンとの反応性が大きいことか
ら、サイジングする紙の層中あるいは表面に硫酸
アルミニウムなどの金属イオンを含む化合物が含
まれている場合に、より表面強度およびバリヤー
性に優れたサイジング紙を得ることができる。 カルボキシル基変性PVAの製造にあたり、変
性用のモノマーとしてエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸を使用することは既に文献類で提案されてい
て公知である。しかしながらマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン
酸類はいずれも酢酸ビニルに対し実質的に溶解し
ないために、均一重合法においてはジカルボン酸
モノマーに代わつて該ジカルボン酸モノマーのモ
ノエステル(マレイン酸モノアルキルエステル、
フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノ
アルキルエステル等)、ジエステル(マレイン酸
ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステ
ル、イタコン酸ジアルキルエステル等)、あるい
は無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)
等、酢酸ビニルに溶解性の高いモノマー類で代用
することが常法であつた。エチレン性不飽和ジカ
ルボン酸を使用する場合は乳化重合法等により実
施するのが通常であつた。 しかるに本発明者は、アルコールの存在下で重
合系内の酢酸ビニルとエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸の重量比が常に100対0.01〜5の範囲となる
ようにすることによつて均一溶液共重合が実施可
能であり、該共重合体を用いて更に特定条件下で
ケン化するときは、分子構造的な要因に基づくと
考えられる特異な挙動を示し、紙用表面サイジン
グ剤として優れた性能を有するカルボキシル基変
性PVAが得られることを見出したものである。 かかる特異な挙動を示すカルボキシル基変性
PVAは、エチレン性不飽和ジカルボン酸に代わ
つてそのモノエステル、ジエステルあるいは無水
物を使用したのでは通常の製造法を採用する限り
決して得ることはできず、またエチレン性不飽和
モノカルボン酸あるいはそのエステルを使用した
場合にも得ることはできないものである。また、
エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステル、
ジエステルあるいは無水物を使用した場合にはケ
ン化条件によつては共重合体のケン化物が乾燥時
に不溶化し、水に全くとけず従つて紙用表面サイ
ジング剤として用をなさぬ変性PVAが生成する
ことがしばしば経験されたが、本発明の製造法に
よればこのような不都合は全く生じない。共重合
時におけるエチレン性不飽和ジカルボン酸の量が
酢酸ビニル100部に対し0.01部以下であるときは
製品PVA中に含有されるカルボキシル基量が少
なすぎて本発明のPVAの特徴が発揮され得ず、
また、5部以上であるときには重合系に溶解せず
均一溶液共重合が円滑に行い得ない場合があり、
また経済的に見て5部以上使用する必要もない。 また本発明では共重合体をケン化するに際して
はアルコール中で共重合体中のエチレン性不飽和
ジカルボン酸単位に対して2モル当量のアルカリ
と共重合体中の酢酸ビニル単位に対して0.001〜
1.0モル当量のアルカリとの合計量の範囲のアル
カリを使用してケン化することが必要であつてこ
の範囲より少量のアルカリを使用した場合には、
本発明で示される性能は発揮し得ない。またこの
範囲より多量のアルカリを使用した場合には生成
変性PVA中にアルカリが残存し、着色など不都
合な問題が生じる。 このように、特定条件下でエチレン性不飽和ジ
カルボン酸を酢酸ビニルと共重合し、次いで該共
重合体を特定条件下でケン化した時に、従来採用
されていたカルボキシル基変性PVAの製造プロ
セスに起りがちなPVAの不溶化を伴なうことな
く、しかも金属イオンに対し顕著な反応性を有
し、さらに紙用表面サイジング剤として優れた性
能を有するカルボキシル基変性PVAが得られる
ことは従来の知見からは全く予想外のことであつ
た。 本発明方法で使用されるエチレン性不飽和ジカ
ルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸などが挙げられるが、なかんずくイタコン酸
が性能上優れている。これらエチレン性不飽和ジ
カルボン酸の重合系における酢酸ビニル100に対
する重量比は共重合中常に0.01〜5の範囲にあ
り、かつ一定に保持されるべきである。この重合
条件によつて共重合体中におよそ0.1〜50モル%
のエチレン不飽和ジカルボン酸単位を含有せしめ
ることができる。 本発明における共重合方式としては、後述する
実施例からも明らかなように、回分方式、連続方
式のいずれも実施可能である。回分方式の場合、
共重合単量体反応性比(r1、r2)に従つて重合率
と共に単量体組成が変動していくが、本発明の目
的とする共重合体の製造にあたつては、一方もし
くは両方の単量体を添加していく、所謂半回分方
式を採用して、重合系内の酢酸ビニルとエチレン
性不飽和ジカルボン酸の重量比が常に100対0.01
〜5の範囲となり、かつその比がほぼ一定となる
ように制御することが必要である。 この場合の添加量の算出方法の例としては後述
する実施例1にあるようにR.J.Hannaが
Industrial and Engineering Chemistry、
Vo1.49、No.2、208−209(1957)に提出してい
る式が挙げられる。一塔式の連続方式の重合にお
いては、定常状態重合を実施することによつて酢
酸ビニルとエチレン性不飽和ジカルボン酸の重量
比をほぼ一定に制御可能である。また、多塔式の
連続共重合の場合には、回分方式と同様、二塔以
後の塔に単量体を添加して、各塔内の重合系の酢
酸ビニルとエチレン性不飽和ジカルボン酸の重量
比が常に100対0.01〜5の範囲となり、かつその
比がほぼ一定となるように制御することが必要で
ある。特公昭40−14862号公報の実施例2にある
ように、酢酸ビニルとエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸の重量比を初期において100対0.01〜5の範
囲としても、そのまま回分方式の重合を実施した
場合は重合系内の両単量体の比は大きく変動する
結果、本発明の目的とする紙用表面サイジング剤
として優れた性能のカルボキシル基変性PVAは
製造し得ない。 共重合系に共存させるアルコールとしてはメタ
ノール、エタノール等が通常用いられる。また共
重合反応の開始剤としては2・2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化アセ
チル等公知のラジカル重合用開始剤が使用され得
る。反応温度は通常50℃〜沸点の範囲から選ばれ
る。 ケン化時に使用されるアルコールとしてはメタ
ノール、エタノールが通常用いられる。アルコー
ルは無水物でもよく、また水、または酢酸メチ
ル、酢酸エチル等の有機溶媒等を任意に含有せし
めてもよい。アルコール中の共重合体の濃度は特
に制限はないが、通常5〜50重量%の範囲から選
ばれる。ケン化に使用されるアルカリとしては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属塩の水酸化物や、ナトリウムメチラート、カリ
ウムメチラート等のアルコラート類、あるいはア
ンモニア等から選ばれる。ケン化温度は特に制限
はないが、通常10〜50℃の範囲から選ばれる。ケ
ン化時間は共重合体の濃度、アルカリ量、温度等
の条件によつて異なるが、通常3時間以下であ
る。 本発明の変性PVAのケン化度は特に制限がな
く、目的に応じて任意のケン化度を有する変性
PVAとすることができる。ケン化反応が進行す
ると通常のPVAの場合と同様に、白色のゲルあ
るいは沈殿物が生成し、これを粉砕、洗浄、乾燥
することによつて白色のPVA粉末を得ることが
できる。 本発明の変性PVAからなる紙用表面サイジン
グ剤は水への溶解性に優れ、かつ高濃度液の粘度
安定性も良好で、さらに流動性も優れている。 金属イオンとの反応性が高いという本発明の変
性PVAの顕著な性質は紙の表面サイジング剤に
おいて特に重要である。すなわち、本発明のカル
ボキシル基変性PVAを紙の表面サイジング剤に
使用することにより、通常の紙層内に含まれてい
る硫酸アルミニウムと化学反応を起こして強固な
塗膜を形成し、表面強度などの紙力向上効果が著
しいし、また紙層内の硫酸アルミニウムの含量を
増加させるに従い塗膜は強固になり、紙層に高い
バリヤー性を付与することができる。 以下カルボキシル基変性PVAの製造例、対照
例、実施例及び参考例によつて本発明を具体的に
説明する。 変性PVAの製造 例 1 還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管およ
び後添加液と仕込口とポンブを備えた重合缶に酢
酸ビニルを2800g、メタノールを370g、マレイ
ン酸の10%メタノール溶液を140g仕込んだ。重
合液を撹拌しつつ、系内で窒素置換して恒温槽に
より加熱し、60℃の恒温になつた時点で2・2′−
アゾビスイソブチロニトリル3.36gをメタノール
200gと共に添加し重合を開始した。重合開始時
点より、重合系の固型分濃度を分析しつつマレイ
ン酸の10%メタノール溶液をR.J.Hanna
(Industrial and Engineering Chemistry、Vo1
49、No.2、208−209頁(1957))の提出した式に
準じた方式に従つて滴下しつつ重合を進行させ
た。5時間30分の間にマレイン酸の10%メタノー
ル溶液190gをほぼ均一に滴下した後チオ尿素を
加えて重合を停止した。重合停止直前の固型分濃
度は35%であつた。この重合ペーストにメタノー
ル蒸気を吹きこんで未反応の酢酸ビニル単量体を
除去し、マレイン酸単位の含量が5.1モル%の酢
酸ビニル−マレイン酸共重合体のメタノール溶液
を得た。 次に該溶液の共重合体濃度をメタノールで30%
に調整した溶液167gを40℃で撹拌しながら水酸
化ナトリウムの10%メタノール溶液を44ml加えて
ケン化した。該ゲル状物を家庭用ミキサーで粉砕
後メタノールで洗浄し、100℃で5時間乾燥して
白色粉末の変性PVA(酢酸ビニル単位のケン化
度97.9モル%)を得た。このPVAの4%水溶液の
20℃におけるブルツクフイールド粘度は21.5cpで
あつた。 例 2 例1と同様の重合缶に、酢酸ビニル3500g、メ
タノール403g、イタコン酸の25%メタノール溶
液20gを仕込み、窒素置換、撹拌、加温の操作を
実施後、2・2′−アゾビスイソブチロニトリル
2.45gをメタノール200gと共に添加して60℃で
重合を開始した。開始時から3時間15分の間にイ
タコン酸の25%メタノール溶液248gを均一に滴
下した後、チオ尿素を加えて重合を停止した。重
合停止直前の固型分濃度は30%であつた。常法に
より未反応の酢酸ビニル単量体を除去してイタコ
ン酸の含量が、3.0モル%の酢酸ビニル−イタコ
ン酸共重合体のメタノール溶液を得た。該溶液の
濃度を30%に調整した液167gを40℃で撹拌しな
がら水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液を32
ml加えてケン化した。5分30秒で白色のゲル状物
が得られた。粉砕、洗浄、乾燥の後白色粉末の変
性PVA(酢酸ビニル単位のケン化度99.1モル%)
を得た。この変性PVAの4%水溶液の20℃にお
けるブルツクフイールド粘度は42.0cpであつた。 例 3 還流冷却器、撹拌機、温水ジヤケツトおよび温
度計を備えた容量200の重合缶に酢酸ビニル/
イタコン酸/メタノール/2・2′−アゾビスイソ
ブチロニトルを重量比で100/4.1/34.7/0.07と
して連続的に仕込み、滞留時間を5時間にとり、
60℃で連続共重合を実施した。連続的にとり出さ
れる反応液中の未反応の酢酸ビニルとイタコン酸
の重量比は100対0.24であつた。酢酸ビニルの重
合率は50%で、イタコン酸の重合率は97%であつ
た。次いで重合缶を出た液を酢酸ビニル追出工程
に導入し、メタノール蒸気によつて酢酸ビニルを
追出し、イタコン酸単位の含量が5.0モル%の酢
酸ビニル−イタコン酸共重合体のメタノール溶液
(共重合体濃度30%)が得られた。この溶液100
Kg/時に対し、水酸化ナトリウムの5%メタノー
ル溶液を52.2/時の割合で混合機に仕込み回転
式ベルト上で20分間ケン化反応を行わせた。生成
した白色のPVAゲルを粉砕、洗浄、乾燥の各工
程を通過させ、白色のPVA粉末(酢酸ビニル単
位のケン化度98.7モル%)を得た。 例 4 例2と同様の操作で、酢酸ビニルを3000g、メ
タノールを545g、イタコン酸の25%メタノール
溶液7gおよび2・2′−アゾビスイソブチロニト
リル1.5gを200gのメタノールと共に使用して重
合を開始した。3時間の重合時間中に、イタコン
酸の25%メタノール溶液116gを均一に滴下し
た。重合停止時の固型分濃度は40%であつた。こ
の共重合体は1.3モル%のイタコン酸を含有して
いた。共重合体の濃度30%のメタノール溶液167
gに対し水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液
を22ml添加しケン化して変性PVA(酢酸ビニル
単位のケン化度99.3モル%)を得た。 対照例 1 例1において、マレイン酸に代えて無水マレイ
ン酸を使用した以外は例1と同様な方法で共重合
とケン化を実施して黄色のPVA粉末(酢酸ビニ
ル単位のケン化度97.0モル%)を得た。このポリ
マー構造はビニルアルコール91.7モル%、酢酸ビ
ニル2.8モル%で、マレイン酸単位が5.5モル%で
あつた。 対照例 2、3 例1において、マレイン酸に代えて、マレイン
酸モノメチル(対照例2)あるいはマレイン酸ジ
メチル(対照例3)を使用した以外は例1と同様
の方法で共重合およびケン化を実施してPVA粉
末{酢酸ビニル単位のケン化度97.0モル%(対照
例2)、96.7モル%(対照例3)}を得た。 対照例 4 例2においてイタコン酸に代えてイタコン酸ジ
メチルを使用した以外は例2と同様の方法で共重
合およびケン化して白色のPVA粉末(酢酸ビニ
ル単位のケン化度98.4モル%)を得た。 対照例 5、6 例2において、イタコン酸に代えて、イタコン
酸モノメチル(対照例5)あるいは無水イタコン
酸(対照例6)を使用した以外は例2と同様の方
法でPVA粉末{酢酸ビニル単位のケン化度99.1モ
ル%(対照例5)、98.9モル%(対照例6)}を得
た。 対照例 7、8 例1においてマレイン酸に代えてクロトン酸
(対照例7)あるいはアクリル酸(対照例8)を
使用した以外は例1と同様な方法でPVA粉末
{酢酸ビニル単位のケン化度98.5モル%(対照例
7)、99.1モル%(対照例8)}を得た。 対照例 9 例1と同様の反応装置を使用して、酢酸ビニル
900g、イタコン酸30g、メタノール200g、およ
び2・2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを
一括混合し、60℃で7時間重合を実施した。共重
合物は例1と同様の方法でケン化しPVA粉末を
得た。(イタコン酸含量2.7モル%) 対照例 10 例1においてマレイン酸を使用しない以外は例
1と同様の方法によつて変性のない、通常の
PVA粉末を得た。 対照例 11 対照例1においてケン化時のアルカリ量を対照
例1に使用した量の半分の量を用いた以外は対照
例1と同様にして変性PVA粉末を得た。しかし
ながらこのポリマーは水に溶解せず、単に膨潤を
示すのみで紙用表面サイジング剤としては使用で
きなかつた。 対照例 12 例1において、ケン化条件として水酸化ナトリ
ウムの10%メタノール溶液を44ml用いることに替
えて、26.3ml使用してケン化する以外は、例1と
同様にして、変性PVA(酢酸ビニル単位のケン
化度50モル%、マレイン酸単位の含量5.1モル
%)を得た。 実施例1〜4および比較例1〜10 例1〜4で作成したカルボキシル基変性PVA
を用いて紙の表面サイジング試験を実施した。比
較例として、対照例1〜10で作成した変性PVA
および未変性PVAを用いた表面サイジング試験
を併せて実施した。試験の実施要領および結果を
以下に示す。 1 表面サイジング試験 (1) 対象紙;上質紙用原紙(表面サイズを施し
ていない紙)、坪量66.9g/m2、緊度0.68
g/cm3厚さ98μ、硫酸バン土含有量1.29% (2) サイズ液;表およびに記載の各種
PVA系樹脂の4重量%水溶液 (3) サイズプレス;熊谷理機工業株式会社製試
験用サイズプレス機を用いて紙の表面サイジ
ングを実施した。(絞り圧力10Kg/cm2、速度
60m/分、サイズ液温度50℃) サイズプレス実施時のサイズ液の発泡性を
観察した。 (4) 乾燥;回転ドラム乾燥機を用いて105℃で
1分間乾燥した。 (5) カレンダー処理;乾燥後の紙を、速度10
m/分、圧力50Kg/cm、温度50℃の条件で2
回カレンダー処理を行なつた。 (6) コンデイシヨニング;紙は物性測定に供する
前に20℃、65%RHの条件下に3日間放置し
てコンデイシヨニングを行なつた。 2 紙物性試験 (1) IGT印刷強度(毛羽発生開始速度) IGT印刷試験機により印圧35Kg/cm2、ピツ
キングオイルMを用いて測定した。数値の高
いほど表面強度が高いことを示している。 (2) RI導管ピツク 明製作所製RIテスターを使用し、大日本
インキ製TV20(墨)のインキを用いて印刷
試験を行ない、導管ピツクを計数した。ピツ
ク数の少ないほど紙力が高いことを示してい
る。 (3) 透気度(バリヤー性) JIS P8117−1963により測定した。 数置の高いほどバリヤー性が優れているこ
とを示している。 3 測定結果 紙物性測定結果をまとめて表および表に
示す。この結果より、本発明になるカルボキシ
ル基変性PVAは、従来公知のポリビニルアル
コール系樹脂に比し、よりすぐれた表面強度お
よびバリヤー性を付与する表面サイジング剤で
あることが理解される。
【表】
【表】 実施例5〜7および比較例11〜13 実施例1で用いた紙に硫酸アルミニウム水溶液
を塗布して、紙層内の硫酸アルミニウムの含量を
増加させ、この紙に例2で得られたカルボキシル
基変性PVA水溶液を塗布し、液体(トルエン/
n−ヘプタンの混合液)のバリヤー性を調べた。
その結果を表に示す。 バリヤー性はトルエン/n−ヘプタン(50/
50)混合液を塗工紙上に滴下し、30秒間で透過す
るか否かにより判定した。すなわちPVA塗工量
の異なる多くの試料を作成し、上記混合液が透過
しない塗工量の下限を示した。したがつて数値の
少ないほどPVAのバリヤー性が高いことを示し
ている。
【表】 参考例 例1〜4、対照例1〜9及び12で得た各変性
PVAおよび変性していないPVA(クラレポバー
ル117)の10%水溶液の各液に各種の金属塩粉末
を添加混合して、金属塩との反応性を検討した。
但し硫酸アルミニウムは粉末で用いた場合変性し
ていないPVAをもゲル化させるので、硫酸アル
ミニウム〔Al2(SO4318H2O〕の10%液を1.5ml
滴下して状態を観察した結果を表に示す。本発
明の紙用表面サイジング剤に用いられるカルボキ
シル基変性PVAはいずれも多くの金属塩とゲル
あるいは不溶物を形成し金属イオンとの反応性が
顕著に高いことが確認された。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルコールの存在下で、重合系内の酢酸ビニ
    ルとエチレン性不飽和ジカルボン酸の重量比が常
    に100対0.01〜5の範囲にあり、かつほぼ一定と
    なるようにして均一溶液共重合させて得られた共
    重合体を、アルコール中で前記共重合体中のエチ
    レン性不飽和ジカルボン酸単位に対して2モル当
    量のアルカリと前記共重合体中の酢酸ビニル単位
    に対して0.001〜1.0モル当量のアルカリとの合計
    量の範囲のアルカリを使用してケン化して得られ
    るカルボキシル基変性ポリビニルアルコールを含
    有する紙用表面サイジング剤。 2 不飽和ジカルボン酸がイタコン酸である特許
    請求の範囲1に記載の紙用表面サイジング剤。
JP1060684A 1984-01-23 1984-01-23 紙用表面サイジング剤 Granted JPS59204999A (ja)

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Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4936797A (ja) * 1972-08-11 1974-04-05
JPS5138753A (ja) * 1974-09-26 1976-03-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd

Patent Citations (2)

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JPS59204999A (ja) 1984-11-20

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