JPS6221999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の分野 本考案は、原子炉用燃料集合体に関するもので
あり、特にはスペーサ格子の移動を拘束しそして
燃料集合体の取扱い作業中燃料集合体の解体を防
止しうる構造に関するものである。

考案の背景 水冷式不均質原子炉において、該***連鎖反応
が持続される炉心は一般に、機械的構造において
同等でありそして炉心位置のいずれの場所でも機
械的に相互交換可能な燃料集合体を多数個配列し
たものを収納している。燃料集合体は、炉心運
転、取扱い及び荷送中構造上の適正さ及び信頼性
を維持するよう設計されている。炉心運転の為の
燃料集合体設計は代表的に、定常状態及び過渡条
件両者の下で冷却材流れにより誘起される振動、
温度勾配及び地震並びにその組合せ影響の下でも
事故が生じないよう配慮している。

各燃料集合体は、多数の細長い燃料要素、幾つ
かのスペーサ格子、多数の案内管、一本の計装管
及び上下端部取付具を含んでいる。燃料棒或いは
ピンとも呼ばれる燃料要素は核燃料を収蔵してい
る。燃料要素の端は端蓋で密閉されている。燃料
要素、案内管及び計装管は互いに間隔を置いて全
体として方形配列をなしてそれらの長さに沿う幾
つかの位置でスペーサ格子により支持されてい
る。即ち、スペーサ格子はこれらの横方向間隔を
維持するためのものである。案内管はそれらの両
端において上下端部取付具に剛着されている。案
内管及び燃料要素において同様の材料の使用は熱
膨脹差を最小限とする。スペーサ格子は、矩形状
の板をスロツト付けしそしてそれらを「卵仕切
り」様式で互いに嵌合することによつて構成され
ている。組合された格子板により形成される方形
セルの壁は、その一部をパンチして形成された、
燃料容素に対して側方からの支持を提供する突起
を含んでいる。スペーサ格子と燃料集合体要素と
の間での接触負荷は、擦過傷を最小限とししかも
燃料要素の照射による伸長や温度差による膨脹か
らもたらされる軸方向相対移動を許容するように
確立されている。

炉心内での集合体の位置に依存して、案内管
は、制御棒、軸方向パワーシエイピングロツド、
消耗性毒物質棒等（制御棒による出力調節の負担
を軽減する為炉心の一定位置に装備して、その消
耗によつて稼動中の出力低下を補正するものであ
る）対する連続した外鞘案内を提供する為に使用
されている。中性子吸収体物質の作動温度を制限
するために冷却剤流れを許容するべく案内管内に
は遊〓が設けられている。加えて、この遊〓は、
地震を含めてのあらゆる条件の下で原子炉運転中
必要とされるような案内管内での上記棒乃至ロツ
ドの運動を許容するよう設計されている。案内管
の各端には、それらを止め溶接ナツトによつて上
下各端部取付具に止着するフランジ付き蝶刻スリ
ーブが結合されている。

各燃料集合体は代表的に、原子炉圧力容器内で
炉心格子組体支持板上に担持されて垂直に据付け
られている。下方端部取付具が燃料集合体を炉心
格子板に対して位置決めする。燃料要素の下端は
下方端部取付具の格子上に載つている。案内管の
下端を下方端部取付具に付設する為に下方端部取
付具には貫入部が設けられている。上方端部取付
具は、燃料集合体をその取扱い設備に結合しそし
て燃料集合体を炉心内に位置決めする為の手段を
提供する。

炉運転において、炉心内の燃料要素は様々の速
度で消耗する。詳しくは中央部の燃料要素は通常
一層高い中性子束に曝され従つてもつと低い中性
子束しか存在しない炉心外側近くのものより先に
消耗するようになる。その結果、燃料集合体はそ
のすべてを一度に取替えずに、何段階かにわたつ
て取替えられる。更に、各燃料再装填時に、部分
的に消耗した要素は、炉心性能を最適にする為に
そして燃料再装填による炉休止間の運転期間を長
くする為に再配置される。

一般に、上方端部取付具と機械的に係合する燃
料集合体把持機構を備えるホイストによつて、使
用済み及び新しい燃料集合体は炉心から吊上げら
れまた炉心内へと戻されそして部分的に消耗した
燃料集合体は炉心内で再配置される。燃料集合体
取扱い中、案内管は上方及び下方端部取付具組体
に固着されそして燃料要素は下方端部取付具組体
上に載置されているため、上方端部取付具組体を
つかんで燃料集合体を持上げると、下方端部取付
具の格子上に通常かかつている集合体負荷は案内
管に移る。万一すべての案内管の破損が起つたな
ら、燃料集合体の団結性は破壊されそしてその構
成部品にばらばらに分離し、これは燃料要素の損
傷とそれに伴う危険な状態の発生を生じることに
なる。

従来技術とその問題点 今まで、スペーサ格子の移動を拘束する為に、
スリーブがスペーサ格子に付設されそして案内管
に形成された突起に機械的に係合されていた。別
法としては、スペーサ格子板上に形成されたタブ
延長体を案内管に付設したクリツプと係合せしめ
てスペーサ格子の移動を拘束することが提唱され
た。

しかし、これらは、スペーサ格子と案内管とを
全く余裕のない状態で拘束固定する。これは次の
点で欠点を呈する。

(i) 炉冷却材は、運転条件下では、燃料要素の長
手方向軸線に平行に流れ、それによりスペーサ
格子板の長手方向前縁を液圧力下に置く。従つ
て、スペーサ格子は定常状態或いは過渡状態或
いは両方の下で垂直方向変位或いは揺動を受け
やすい。全く余裕のない拘束下ではこれは揺動
は強い衝撃を与え、スペーサ格子の破損を招
く。

(ii) 両者の熱膨脹差が余裕のない拘束下では熱応
力を発生し、スペーサ格子の歪曲や損傷をもた
らす。両者間の或る程度の相対変位を許容する
方が熱膨脹差を吸収しうるのである。

更に、スリーブ、タブ及びクリツプの使用は、
炉心内に中性子を寄生的に吸収しうる材料（即ち
核***を起さないしまた目的とする核種をつくり
出さない無駄な中性子吸収を生ずる材料）の追加
をもたらしそれにより炉効率を減少することを意
味する。加えて、先行技術の構成は案内管がスペ
ーサ格子内に挿入された後に突起を形成すること
を要し、これは組立及び分解過程を複雑化する。
追加的に、案内管クリツプの使用は異種材料を案
内管に溶接する追加段階を付加し、これはそのク
リツプ管から離脱しそして炉冷却材系統を通して
運び去られる可能性がある。

考案の概要 本考案に従えば、上記型式の燃料集合体におい
て、中性子寄生吸収の恐れのある追加的材料の導
入なくスペーサ格子の移動を拘束し、燃料集合体
の組立及び分解を容易に可能ならしめ、そして燃
料集合体取扱い作業中案内管が下方端部取付具か
ら離脱状態となつた場合副次的な支持手段を提供
する案内管構成体が呈示される。

以上の構成は、幾つかの水準において案内管周
囲に例えば90゜の間隔で位置づけられる突状物群
を形成することにより達成される。異つた水準の
突状物群は、それらが燃料集合体内のスペーサ格
子板の各側に隣りあうか或いは格子板上に形成さ
れる上下サドル形突起間中央に配置されるよう長
手方向に離間される。燃料集合体の構成に当つて
は、先ず案内管を長手方向に整合したスペーサ格
子セル群内に突状物がセルの角隅内に突出するよ
うな状態で挿入する。案内管が所望の挿入長さ通
過した時、案内管は例えば45゜回転され、それに
より突状物をセルを形成するスペーサ格子板の隣
りあう長手方向縁辺と或いはサドルとの長手方向
整合状態に持ちきたす。従つて、格子板の長手方
向移動は突状物によつて拘束される。

燃料集合体の取扱い中、下方端部取付具にかか
る集合体負荷は案内管に移行される。万一案内管
のすべての破損が起つたとしても、燃料要素はス
ペーサ格子セルの巾より大きい直径断面をもつて
形成されている上端蓋が上方スペーサ格子組立体
の上縁により止められるまで摺動し、次いで、上
方スペーサ格子組体の摺り落ちは案内管突状物に
よつて制限され、以つて燃料集合体の解体が防止
される。

実施例の説明 第１図は長手方向軸線を垂直にして配向される
燃料集合体１０を例示し、これは、下方端部取付
具組体１１と、上方端部取付具組体１２と、複数
の細長い燃料要素１３と、中空案内管１４と、ス
ペーサ格子組立体１５とを含んでいる。燃料要素
１３と案内管１４とは、横方向に離間されそして
スペーサ格子組立体１５によつてそれらの長さに
沿う幾つかの部位において支持され、互いに平行
に全体として方形配列をなして支持されている。
案内管１４の各端に溶接された螺刻スリーブ１
６，１７が、米国特許第3828868号に記載される
ような態様で止め溶接ナツト２１，２２によつて
下方及び上方端部取付具組体１１，１２それぞれ
に案内管を止着する。

第３図に明示されるように、スペーサ格子組立
体１５の各一つは、多数の格子板２３から構成さ
れ、これらはスロツトづけられそして卵仕切方式
で互いに嵌合わされてセル２４を形成し、そこを
貫いて燃料要素１３及び案内管１４が伸延する。
スペーサ格子板２３は、米国特許第3665586号に
記載される型式を一般に持ちそして第２図に示さ
れるように燃料要素との係合とその支持を与える
為燃料要素１３を収納するセル（案内管収納セル
１４のまわりのセル）内に側方から突出する突起
２６を具備している。格子板２３の長手方向縁辺
には弧状のサドル２５が案内管１４を挿通するセ
ル２４を形成する板の壁部分において設けられて
いる。案内管１４は一般に燃料要素１３より大き
な直径を有している。弧状サドル２５は一般に案
内管の円筒形状に沿うよう形づくられている。

第２図に明示されるように、案内管４には突状
物３０が形成され、これらは案内管の直径を半径
方向に拡張しそして案内管１４の周囲に沿つて周
回的に隔置されている。更に水準を異にする突状
物３０は案内管の長さに沿つて長手方向に整列し
て間隔をあけて形成されている。第２図に示され
る案内管１４において、長手方向に離間される上
下突状物群はスペーサ格子板２３の巾をまたぐよ
う互いに離間されている。

第２及び３図に示されるように、各スペーサ格
子組立体１５（第１図に示す）は、格子板のサド
ル２５と長手方向に整合する突状物３０により長
手方向変位を制限される。即ち、格子板が長手方
向に変位した場合突状物３０はサドル２５に当接
しそして格子板の変位を拘束する。第２及び３図
に示される案内管１４には、長手方向の幾つかの
水準でそれぞれ４つの等間隔で周回的に隔置され
る突状物群が形成される。

突状物を形成する別の方法が第４及び５図に示
され、ここでは一般に円筒状の案内管４０にその
直径を半径方向に拡張しそしてその周囲に隔置さ
れる複数の突状物４１が設けられている。突状物
４１は長手方向に整列されそして案内管長さに沿
つて離間される。第４図に示されるように、突状
物４１はそれらによつて拘束されるべき格子板に
形成されたサドル２５間に位置決めされる。突状
物４１は第５図に示されるように案内管４０の周
囲に90゜間隔で離間されている。

案内管突状物は様々の形状をとりうる。例え
ば、第６図は第２図と同様の全体構成を示すが、
格子板サドル２５と一層確実に係合するよう唇４
２を形成する為にスペーサ格子板２３の縁あるい
はサドルに隣りあう突状物４３縁を貫いて切目が
入れられている。第７及び８図は前述した案内管
１４及び４０の突状物３０及び４１の様相をそれ
ぞれ示す。図示されるように、突状物は案内管壁
の一部を変形して形成されたものである。

案内管は、第４及び５図に示すように、セル２
３の隅角に各突状物が突出するように突状物を配
向することによりスペーサ格子組立体を通して挿
入される。案内管が所望の長さ挿入された時、案
内管は約45゜回転されて、第２及び３図に明示さ
れるように案内管突状物をスペーサ格子板サドル
と長手方向整合状態に持ちきたす。

この態様で、燃料集合体は案内管を溶接或いは
ろう接により格子板に剛着する必要性なく組立て
られうる。燃料集合体は切断の必要なく分解され
うる。更に、追加的な中性子寄生吸収物質を導入
するスリーブ、クリツプ或いはタブのような追加
的要素は何ら必要とされない。

先に説明したように、燃料集合体を炉心内外に
出入するのに適当なホイスト及び把持機構が一般
に使用される。取扱設備は通常、燃料集合体の持
ち上げ及び移動の為上方端部取付組体と係合す
る。案内管は上方及び下方端部取付具組体に固着
されているため、上方端部取付具組体を持上げる
と、下方端部取付具組体上にかかつていた集合体
荷重は案内管に移行される。万一案内管のすべて
の破損が起つたなら、燃料要素はスペーサ格子組
立体１５を通して摺り始める。各燃料要素の上端
は上端蓋４４（第１図）で封栓されている。更
に、上端蓋４４はセル２４の巾を越える直径部分
を具備している。斯くして、燃料要素１３は端蓋
４４が一番上のスペーサ格子組立体に係合するま
で摺り落ちる。結局、その上方スペーサ格子も長
手方向に摺り落ちるが、その摺動は案内管の突状
物によつて制限され、それにより燃料集合体がそ
の構成部品にばらばらに分離するのを防止する。

当業者には本考案の範囲内で変更が為しうるこ
とが明らかであろう。例えば、突状物及び格子板
と係合する為のサドルに変えての真直縁の使用、
異つた数及び形状の突状物の使用或いは非円筒状
の案内管の使用が考えられる。

考案の効果 本考案は、スペーサ格子におけるサドルと案内
管突状物とが全く余裕のない拘束下で固定され
ず、一定範囲内での相対変位を許容し、以つて、
冷却材流れによる衝撃や熱膨脹差による熱応力に
よる破損を防止し且つ寄生的中性子吸収物質の導
入なく、燃料集合体の吊上げ中の解体を防止す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は燃料集合体の部分断面で示す正面図で
あり、第２図は本考案に従つて構成された燃料集
合体の一部の拡大図であり、第３図は第２図の３
−３線に沿う断面図であり、第４図は本考案のま
た別の具体例に従つて構成された燃料集合体の一
部の拡大図であり、第５図は第４図の５−５線に
沿う方向からの上面図であり、第６図は更に別の
具体例い従う燃料集合体の一部の拡大図であり、
第７図は第２及び３図の案内管の特性の詳細図で
あり、そして第８図は第４及び５図の案内管の特
性の詳細図である。 １０……燃料集合体、１１……下方端部取付具
組体、１２……上方端部取付具組体、１３……燃
料要素、１４……案内管、１５……スペーサ格子
組立体、２３……格子板、２４……セル、１６，
１７……スリーブ、２１，２２……ナツト、２５
……サドル、３０，４１，４３……突状物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 垂直に伸延する複数の燃料要素と少くとも一
   つの案内管にして、互いに交差しあう多数のス
   ロツト付き格子板から構成されて複数のセルを
   形成する少く共１つのセル状スペーサ格子組立
   体によつて該セルに挿通されて横方向に離間し
   た配列状態に維持される燃料要素と案内管、及
   び案内管の各端に剛着される上方及び下方端部
   取付具組体を具備する型式の燃料集合体におい
   て、案内管に該案内管に沿う異つた水準におい
   て複数の突状物を周囲に離間した関係で一体的
   に成形し、そして格子板に案内管を収納するセ
   ル内に突入するよう案内管の形状にほぼ沿う形
   をなすサドルを形成し、その場合、案内管の組
   立位置において前記サドルが前記突状物と案内
   管長手方向に整列し、それにより該案内管に対
   して前記スペーサ格子組立体が或る距離を越え
   て垂直方向に相対移動する時、該サドルが該突
   状物と係合して、該スペーサ格子の垂直移動を
   拘束し、そして前記組立位置から廻動された案
   内管挿入位置において前記突状物を含む該案内
   管が前記セルを挿通しうることを特徴とする燃
   料集合体。 ２ 少く共２つの長手方向に隔置されるサドルが
   案内管セルを形成する各格子板から突出するよ
   う形成されそして突状物が長手方向隔置サドル
   間に配置されるような実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の燃料集合体。 ３ 長手方向に隔置される突状物群が案内管の周
   囲に等間隔に設けられている実用新案登録請求
   の範囲第２項記載の燃料集合体。 ４ 案内管が円筒状であり、そして４つの突状物
   群が長手方向に間隔をおいて案内管の周囲に等
   間隔で隔置されている実用新案登録請求の範囲
   第３項記載の燃料集合体。 ５ 案内管突状物がスペーサ格子板サドルに隣り
   あう突状物縁において唇を形成するよう切込ま
   れている実用新案登録請求の範囲第４項記載の
   燃料集合体。 ６ 少く共２つの長手方向に隔置されるサドルが
   案内管セルを形成する各格子板から突出するよ
   う形成されそして突状物がこれら長手方向に隔
   置されたサドルをまたぐよう離間されている実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の燃料集合
   体。 ７ 長手方向に隔置された突状物群が案内管の周
   囲に等間隔で隔置される実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の燃料集合体。 ８ 案内管が円筒状でありそして４つの突状物群
   が長手方向に間隔をおいて案内管の周囲に等間
   隔で隔置されている実用新案登録請求の範囲第
   ７項記載の燃料集合体。 ９ 案内管突状物がスペーサ格子板サドルに隣り
   あう突状物縁において唇を形成するよう切込ま
   れている実用新案登録請求の範囲第８項記載の
   燃料集合体。