JPS62215098A - 製紙用剥離剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は製紙用剥離剤、特に製紙工程における乾燥ド
ラム用剥離剤に関する。

〔従来の技術〕

製紙工程においては、抄紙後の工程として乾燥ドラムに
よって乾燥する工程がある。この工程では、紙がドラム
に固着するため、その剥離をいかにうまく行うかが作業
性や紙の品質上重要な問題となる。

そこで、従来より、上記の乾燥ドラム表面に剥離剤を付
着させるなどの方法が採られζおり、この剥離剤として
は、たとえば特開昭５９−８８９９２号公報に記載され
ているようなポリブテンや水素化ポリブテンのほか、マ
シン油などの鉱物油、動植物油あるいはワックス乳化物
などが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の製紙用剥離剤では剥離効果が
充分といえず、特に製紙用薬剤、増量剤、ピッチおよび
樹脂類などの種々の添加剤を多量に含ませているトイレ
ットペーパーの乾燥工程では、上記添加剤を考慮して様
々な剥離剤を大量に使用しているものの、その剥離効果
が低く、乾燥作業性の悪さに加えて、ドラム表面や紙の
損傷を招いているのが現状である。

したがって、この発明は、乾燥ドラム表面からの紙の剥
離を容易にして乾燥作業性などの向上に大きく寄与させ
ることができる製紙用剥離剤を提供することを目的とし
ている。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究
した結果、高分子量のワックスおよび／またはパラフィ
ンとシリコーンオイルまたはその変性物との混合物を水
に乳化または溶解させてなるものが、乾燥ドラムからの
紙の剥離に非常に良好な結果をもたらすものであること
を知り、この発明を完成するにいたった。

すなわち、この発明は、高分子量のワックスおよび／ま
たはパラフィンとシリコーンオイルまたはその変性物と
の混合物の水乳化物または水溶化物からなる製紙用剥離
剤に係るものである。

〔発明の構成・作用〕

この発明に用いられる高分子量のワックスとは、その平
均分子量が５００以上、特に１．０００以上の通常の天
然ワックスまたは合成ワックスであり、たとえば密ロウ
、キャンデリラ、カルナバ、木ロウ、モンクンロウ、マ
イクロクリスタルワックス、低分子量ポリエチレン、ポ
リプロピレン、フィッシャー・トロプシュワックス、カ
スターワックス、高級脂肪酸グリセリンエステルなどが
挙げられる。

また、この発明に用いられるパラフィンとじては、通常
の石油系の固形パラフィン（融点１０５〜１６５°Ｆ）
でもよいし、あるいは流動パラフィン、マシン油、スピ
ンドル油、ミネラルターペン、ポリブテンなどのような
液状パラフィンであってもよい。

さらに、この発明に用いられるシリコーンオイルまたは
その変性物としては、たとえばジメチルシリコーンオイ
ルまたはこのメチルスチレン、α−オレフィン、ポリエ
ーテル、アルコール、フッ素、アミノ、メルカプト、エ
ポキシ、カルボキシル、高級脂肪酸、カルナバ、アミド
変性物などが挙げられ、これらは市販品として容易に入
手できるものである。

この発明の製紙用剥離剤においては、このようなワック
スおよび／またはパラフィンとシリコーンオイルまたは
その変性物とを組合せ使用することが重要であり、前者
のワックスやパラフィンを単独で使用したのではこの発
明の目的とするような剥離性の顕著な改善効果を期待で
きなくなる。

また、この発明の製紙用剥離剤においては、上記の組合
せ使用による剥離性増大の効果をよりよく発現させるた
めに、ワックスおよび／またはパラフィンとシリコーン
オイルまたはその変性物とを混合し、この混合物を水に
乳化または溶解させた水乳化物または水溶化物として使
用する。その際、適宜の乳化剤または水溶化剤を必要と
するが、その種類については特に問われない。すなわち
、通常用いられる陰イオン性界面活性剤、非イオン性界
面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤がい
ずれも使用可能である。

通常用いられる界面活性剤とは、たとえば、西一部属：
「界面活性剤便覧」　（産業図書株式会社）や、ソフト
技研出版部［：ｒ新界面活性剤の機能作用の解明とその
応用製品の開発・実用総合技術資料集」　（経営開発セ
ンター出版部）などに記載されており、これらの具体的
化合物名の列挙についてはこの際省略する。

この発明の水乳化物または水溶化物において、上記の各
成分、つまりワックスおよび／またはパラフィンとシリ
コーンオイルまたはその変性物とさらに乳化剤または水
溶化剤とからなる三成分の合計濃度（水中での濃度）は
、５〜５０重量％程度であるのが適当である。

また、上記三成分相互の使用割合としては、まずワック
スおよび／またはパラフィンはこれと乳化剤または水溶
化剤との合計量中に占める割合が５０〜９８重量％とな
るようにし、またシリコーンオイルまたはその変性物は
上記二成分つまりワックスおよび／またはパラフィンと
乳化剤または水溶化剤との合計量１００重量部に対して
、通常０．１〜１０重量部となるようにするのがよい。

いずれかの成分が過少すぎても過多すぎても剥離性能上
好結果を得にくい。

このようにして得られるこの発明に係る製紙用剥離剤に
よれば、これを製紙工程における紙が接触する対接吻特
に乾燥ドラムの表面にまたは紙面に対し塗布法などの適
宜の手段で付着させることにより、あるいは製紙工程に
おける任意の段階で紙の内部に含ませることにより、上
記対接吻からの紙の剥離を非常に良好なものとする。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明においては、高分子量のワック
スおよび／またはパラフィンとシリコーンオイルまたは
その変性物との混合物の水乳化物または水溶化物を用い
たことにより、その剥離性能が従来のものに比し飛躍的
に向上し、前記したトイレットペーパーを含むあらゆる
種類の紙に対しても乾燥ドラムからの剥離を容易とする
ため、乾燥作業性の大幅な向上を図れるばかりか、すぐ
れた品質の紙を得ることができる。

〔実施例〕

以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。

実施例 後記の第１表に示す高分子量のワックスおよび／または
パラフィンとシリコーンオイル（ジメチルシリコーンオ
イル）またはその変性物とを用いて、これら二成分とさ
らに乳化剤または水溶化剤との重量比が同表に示す割合
となるように水乳化物または水溶化物を調製して、この
発明に係る試料Ｎ１１ｌ−１１の製紙用剥離剤を得た。

これら剥離剤は、いずれも上記三成分の合計濃度（水中
での濃度）が２０重量％であった。

なお、乳化剤または水溶化剤としては、試料歯１〜４は
陰イオン性界面活性剤を、試料１１ｈ５〜７は陰イオン
性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを、試料歯８〜
１１は陽イオン性界面活性剤を、それぞれ使用した。

なおまた、後記の第１表中、高分子量のワックスとパラ
フィンとの混合系における組成比は重量比を、また同表
中ＭＷは平均分子量を、それぞれ意味するものである。

比較例１ 後記の第１表に示すワックスおよび／またはパラフィン
あるいはポリブテンを使用し、これと乳化剤または水溶
化剤との重量比が同表に示す割合となるように水乳化物
または水溶化物を調製し、これを比較用としての試料１
１ｈ１２〜１４の製紙用剥離剤とした。これら剥離剤は
、いずれも上記両成分の合計濃度（水中での濃度）が２
０重量％であった。なお、乳化剤または水溶化剤として
は、試料魚１２は陰イオン性界面活性剤を、試料魚１３
は陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを、
試料歯１４は陽イオン性界面活性剤を、それぞれ使用し
た。

比較例２ スピンドル油（試料１’１ｈ１５）および平均分子量３
．０００のポリブテン（試料１１ｈ１６）を、それぞれ
水に乳化または溶解させることなくそのまま比較用とし
ての製紙用剥離剤とした。

以上の実施例および比較例に係る各製紙用剥離剤につき
、下記の要領にて、剥離性試験を行った。

その結果は、後記の第２表に示されるとおりであった。

く剥離性試験〉 エチレン−酢酸ビニル系の接着剤の１０重量％溶液中に
、紙力増強剤を０．０１重量％、実施例または比較例の
製紙用剥離剤を０．０４重量％添加し、５分間攪拌した
。この溶液に５Ｘ１０Ｃ１１にカットした薄紙（薄葉紙
、坪量２０ｇ／ｎ？）を浸漬したのち取り出し、これを
７Ｘ１５ｃｍの鉄板に密着させ、１１０℃の乾燥機中で
１時間乾燥後室温まで冷却し、テストピースとした。

このテストピースをオートグラフにセットし、接着面に
対して１８０度の方向に５０鶴／秒の剥離速度で剥離試
験を行い、剥離強度（紙を引き離すときの力）を求めた
。

第２表 上記の第２表から明らかなように、この発明の試料Ｎ［
Ｌｌ〜１１に係る製紙用剥離剤は、いずれもすぐれた剥
離効果を示すが、比較例の試料１１ｈ１２〜１６に係る
剥離剤では剥離効果に劣るものであることが判る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）高分子量のワックスおよび／またはパラフィンと
   シリコーンオイルまたはその変性物との混合物の水乳化
   物または水溶化物からなる製紙用剥離剤。