JPS6219165A - 吸収性物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は吸収性に優れた使い捨て可能な吸収性物品、特
に生理用ナプキン、紙おむつ等の吸収性物品に関するも
のである。

〔従来の技術及び問題点〕

従来の吸収性物品、例えば、生理用ナプキンあるいは紙
おむつは、基本的に、綿状パルプ、吸収紙等からなる吸
収層、必要であればその下面及び側面に配される防漏層
、そして表面に載置される不織布からなる。

このような吸収性物品の表面層を形成する不織布には種
々の性能が要求されるが、中でも尿や経血を吸収層に導
くのに必要な吸収性能は不可欠である。

従来の吸収性物品に使用されてきた不織布では、レーヨ
ンを代表とする親水性天然繊維を使用することにより吸
収性能を付与することが一般的であった。この方法は、
確かに不織布表面の吸水速度を高くすることができるが
、その反面親水性天然繊維自身がその内部まで水分を吸
収し、かつ保水力が強いことと、湿潤時のバルキー（Ｂ
ｕｌｋｙ　）性が著しく低下することのため、生理用ナ
プキン、紙おむつのような用途では肌に接する表面のべ
たつきや吸収層からの肌への液戻りが大きくなり、使用
域の低下、かぶれの発生等の問題が生じた。

近年、前記吸収性物品の表面材として、合成繊維を主体
とする乾式不織布が急速に普及しており、上に述べたよ
うな親水性天然繊維を主体とする不織布の持つべたつき
、液戻りが大きい等の問題点は徐々に改善されつつある
。しかし、これまでの疎水性繊維からなる乾式不織布は
、表面が撥水性であり、それ故、液が大きく流れ、漏れ
やすかった。また、疎水性繊維を界面活性剤で処理して
、不織布表面を親水化し、表面での液流れを抑える工夫
をしたものもあるが、界面活性剤処理の場合、水分に対
する耐久性が小さく、一度経血あるいは尿が透過すると
、その部分の親水性が大きく低下し、二度目に経血ある
いは尿が不織布の同じ部分に排出された場合は、やはり
液が流れやすくなり、使用者が吸収性物品を使用してい
る間に初期の性能を維持することが困難であった。

このように現在市販されている吸収性物品は冒頭に挙げ
た望ましい性能をもつ不織布を得ているとはいえない。

〔問題点を解決するだめの手段〕

前項の最後に記したような、疎水性繊維に界面活性剤処
理をする方法は、べたつきや液戻りが小さく、湿潤時に
バルキー性が低下しないという合成繊維を主体とする乾
式不織布の長所を保ち、かつ吸収層への導水効果を高め
るのに、疎水性繊維表面に何らかの仕方で親水性を付与
する方法が非常に有効であることを示唆する。

また、使用者が吸収性物品を使用している間に初期の性
能を維持するには、疎水性繊維表面の親水性化に加えて
水分に対する耐久性が強く要求されることがわかる。

ところで、疎水性繊維の表面を親水性化する方法は、界
面活性剤処理によるものだけではない。実際、各繊維メ
ーカからは、疎水性繊維の表面を親水性化するばかりで
なく、その親水性化処理に十分な耐水性をもたせた親水
性化処理方法または親水性化処理された繊維についての
発明が数多く提案されている。しかし、これらの繊維は
、スポーツ衣料や布団関係への用途として考えられてお
り、使い捨て衝打が衣料に比べ極めて短時間の使用後に
使い捨てられるという先入観のため、このような特殊な
繊維を使い捨て衝打に使用するという発想がなく、特に
生理用ナプキンや紙おむつに使われた例はいまだかつて
見ることができなかった。

そこで、本発明者らは、従来の吸収性物品の表面材とし
て使用される不織布の欠点を改良するため、上述のよう
な耐水性のある表面親水性化処理を施した疎水性繊維を
用いることに着目し、導水性が高く液戻りが小さいとい
う相反する性質を同時に満足するような不織布を見出す
べく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った
。

即ち、本発明は、肌に接する不織布および不織布の下方
に位置する吸収層を有する吸収性物品において、不織布
が、親水性基含有ポリエステルオリゴマーにより表面が
親水性化されたポリエステル繊維を含有することを特徴
とする吸収性物品に係るものである。

吸収性物品の不織布が体液等の液体を吸収層へ素早く導
くためには、少なくとも該不織布で吸収性物品が構成さ
れた時点で、該不織布を構成する繊維の表面が親水性で
あることが要求されるが、べたつき感や吸収層からの液
戻りを抑えるには、湿潤時に該不織布が十分なバルキー
性を維持しなければならないので、これらの繊維の内部
は疎水性でなければならない。

このような表面が親水性で内部が疎水性であるような繊
維は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、ポリアクリロニトリル系繊維等の疎水性合成繊維
の表面を親水性にすることにより得ることができるが、
これらの繊維のなかでは、多様な表面処理を実施でき、
バルキー性に優れ、さらに価格的にも安いポリエステル
繊維が最も望ましい。

疎水性繊維の表面に耐久性のある親水性化処理を行うに
は、疎水性繊維を構成する基質ポリマーと親和性のある
親水性化剤を繊維表面近傍に固定させる方法が最もよい
。親水性化削としては繊維表面近傍と共結晶化すること
により安定に結合する親水性基含有オリゴマーが最も望
ましい。中でも、ポリエステル繊維に対しては親水性基
含有ポリエステルオリゴマーが最も良い。この場合、ポ
リエステル繊維との結合安定性を考慮するとオリゴマ一
部位の分子量は３００以上あることが望ましく、また、
液中での分散性を考慮するとオリゴマ一部位の分子量は
６０００を越えないことが望ましい。親水性基としては
、水和性ポリオキシアルキレン基；スルホン酸。

ホスホン酸、カルボン酸等より成る酸性基またはそれら
のイオン化できる塩；窒素性塩基性塩またはそれらのイ
オン化できる塩等が可能であるが、中でもポリオキシア
ルキレン基によるものが最もよい。

吸収性物品の不織布が、導水効果が高く、しかも吸収層
からの液戻りが小さいという性質を発現するには、該不
織布を上述のような表面が親水性で内部が疎水性である
ような繊維で構成することが必要であるが、必ずしも、
このような繊維の組成が１００重量％である必要はない
。

本発明においては、親水性基含有ポリエステルオリゴマ
ーにより表面が親水性化されたポリエステル繊維は、不
織布中に少なくとも６０重量％以上含まれていればよい
。他の４０重量％弱は通常の疎水性繊維でも良いし、レ
ーヨンのような親水性繊維でも良い。また、本発明にか
かる不織布は、上述の表面が親水性で内部が疎水性であ
るような繊維を６０重量％以上含有していれば単層構造
でも、また厚さが適度であれば、すなわち、下記に記述
する程度の厚みであれば多層構造であってもよい。

次に、本発明にかかる不織布の上述の性質を最も効果的
に発揮するための条件を以下に詳述する。

吸収層から不織布外部への液戻りにとって、不織布の厚
みは大きな因子の一つである。すなわち、不織布の厚み
があまり小さいと、吸収性物品の湿潤時装着圧下で、肌
と吸収層との距離が非常に接近し、液戻りが大きくなり
、使用感が著しく低下する。逆に、不織布の厚みが増す
と液戻りは確かに減少するが、必要以上に太きいと吸収
性物品全体が７型となり、使用者の異和感が増し、また
、製造コストが高くなるという問題を生ずる。

このように、不織布の厚みは、液戻り性能と使用感、製
造コストとを考慮し、最も適当な範囲にあることが必要
である。適正な厚みの範囲は、用途により異なってくる
が、たとえば、該不織布を生理用ナプキンの用途に使用
する場合は、２．５　ｇ／ｃ＋Ｊ荷重下で全重下厚みが
、０．３ｓｍ〜０．８ｍｍ、紙おむつの用途に使用する
場合は、０．６ａｍ〜２．５Ｎの範囲にあることが望ま
しい。

吸収性物品の不織布に上述のような厚みを持たせるには
、該不織布を構成すべき繊維を適当に選ぶことと、該不
織布に適当な坪量を持たせることが必要である。まず、
湿潤時にもバルキー性があまり低下しない、表面親水性
化された疎水性合成繊維を使用することが必要であるこ
とはすでに述べたとおりである。繊維の太さとしては、
１．５〜６デニールの範囲にあればよい。

これは、１．５デニールより細いと不織布全体のバルキ
ー性を高くすることが難しく、６デニールを越えると不
織布全体がこわばった感じになり風合いが低下するため
である。また、不織布にバルキー性をもたせるには、一
般的には坪量を高くすればよいが、製造コストを考慮す
ると、できるだけ坪量は抑えたい。そのため、繊維はで
きるだけ高弾性であることがよく、その方法としては、
前述のようにあまり細い繊維は使わないことや、中空繊
維や、繊維に立体捲縮を付与したものを選ぶことなどが
あげられる。このように、表面親水性化処理の水分に対
する耐久性のコントロールしやすさ、価格の低さ、高弾
性付与の容易さ、不織布への加工しやすさ等を考慮する
と、不織布を構成すべき繊維としては、ポリエステル、
ポリオレフィン系繊維が最も適している。

不織布の坪量としては、一般には坪量が低いと厚みが小
さく、坪量が高いと厚みが大きくなるので、やはり用途
によって適正な範囲が存在する。前述の繊維を使用する
とき、たとえば、生理用ナプキンの用途に使用する場合
は、全体として１０〜３０ｇ／　Ｊ、紙おむつの用途に
使用する場合は、全体として２０〜５０ｇ／　ｒｄの範
囲にあることが望ましい。

〔実施例〕

以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。

実施例１〜１９、比較例１〜４ 表１に示す各種の親水性化された繊維を用いて構成した
不織布及びこの不織布により構成された吸収性物品の性
能を以下に示す方法により試験した。結果を表２に示す
。

尚、比較例２．３を除く不織布は、単層または２層構造
で、熱溶融繊維をバインダーとした乾式熱接着方式によ
り製造した。又、比較例２の不織布は湿式方式で、比較
例３の不織布はスパンボンド方式で製造された市販品を
もちいた。

実施例および比較例に示した不織布を用いて、生理用ナ
プキン及び紙おむつを想定した吸収性物品をつくり、こ
れをサンプルとした。尚、実施例１〜１７及び比較例１
〜３では市販のロリエ［有］（花王石鹸■製）の不織布
を取り除き、代わりに表２に示す不織布を用いた。又、
実施例１８〜１９及び比較例４では市販のメリーズ■　
（花王石鹸■製）の不織布を取り除き、代わりに表２に
示す不織布を用いた。

〈試験方法〉 （１１表面液流れ８４５度に傾斜したサンプル表面の上
方１ｃａ＋より、試験液を滴下させ滴下点からサンプル
内部に吸収された点までの不織布表面上を流れた距離を
測定し、これを１回目の表面液流れとした。次に、試験
液を滴下してから１分後、先に滴下した部分に再度試験
液を滴下し、不織布表面上の流れ方を観察し、次のよう
なランクをもとに評価し、これを２回目の表面液流れと
した。

○・・・１回目の表面液流れとほとんど変化なく、落下
と同時に即吸収され た。

△・・・１回目の表面液流れを越えた場所ですぐに吸収
された。

×・・・１回目に濡れた領域外まで流れ、不織布のまだ
濡れていない部分で 吸収される。

１回目の表面液流れが短く、しかも２回目の表面液流れ
が○またはΔであるものが大きい横漏れがなく、また表
面親水性化処理の耐久性が高いことを示す。

滴下条件は、生理用ナプキン想定サンプル（実施例１〜
１７、比較例１〜３）に対しては０、１ｇ／ｓｅｃ、紙
おむつ想定サンプル（実施例１８〜１９、比較例４）に
対しては０．５ｇ／ｓｅｃとした。

（２）液戻り量：試験液を生理用ナプキン想定サンプル
に１０ｃｃ、紙おむつ想定サンプルに１５０ｃｃ吸収さ
せ、一定時間後に加圧し、内部より不織布を通って戻っ
てくる試験液量を測定した。

この反り量が小さいほど、表面でのべたつきが少な（、
使用感がよく、ふき取り効果に優れる。

（３）厚み：厚み計により２．５　ｇ／ｃ−荷重下での
不織布の厚み（乾燥時及び湿潤時）を測定した。

〔発明の効果〕

実施例１〜１９かられかるように、本発明にかかる親水
性基含有ポリエステルオリゴマーにより表面が親水性化
されたポリエステル繊維を含有する不織布を使用した吸
収性物品は表面液流れが１回目、２回目ともに小さく、
かつ、内部から表面への液戻りが小さい。

一方、比較例１〜４は、本発明の範囲外の不織布を用い
て、実施例と同様に、吸収性物品を製造し、その表面液
流れ及び液戻りを測定した結果であるが、比較例１．３
は、紡績油剤のみが処理され、表面親水性化処理を施し
ていない疎水性繊維１００％からなり、試験液が表面で
完全に流れている。比較例４は、界面活性剤で繊維表面
を親水性化したため水分に対する耐久性が弱く、２回目
の試験液滴下に対する表面液流れが大きく悪化している
。比較例２は、レーヨン１００％からなり、液戻りが著
しく大きく、べたつきが大きい。また、湿潤時の不織布
の厚みが他の実施例に比べて小さく、ボリューム感に欠
ける。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、肌に接する不織布および不織布の下方に位置する吸
   収層を有する吸収性物品において、不織布が、親水性基
   含有ポリエステルオリゴマーにより表面が親水性化され
   たポリエステル繊維を含有することを特徴とする吸収性
   物品。 ２、表面が親水性化されたポリエステル繊維の不織布に
   占める割合が６０〜１００重量％である特許請求の範囲
   第１項記載の吸収性物品。