JPS6219067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用バツテリに充電したり、また
必要に応じて他の電気機器に電力を供給するため
に用いられるオルタネータに関する。

従来、この種オルタネータとして、取付孔を形
成された支持ブラケツトを有する第１フレーム
と、それに対向する第２フレームと、両フレーム
間に挟持されるステータとを備えたものが知られ
ているが、前記フレームはアルミニウム合金より
鋳造されているので、それらの材料費が高く、延
いてはオルタネータの価格が高くなるという不具
合がある。

本考案は上記に鑑み、特に嵩張る前記第１フレ
ームを鋼板より形成して材料費の低減を図ると共
にその剛性を向上させ、また第１フレームに対す
るステータの位置決めを容易に行うことができる
ようにした、前記オルタネータを提供することを
目的とする。

以下図面により本考案をブラシレスオルタネー
タに適用した一実施例について説明すると、第
１、第２図において１および２は互いに対向する
第１および第２フレームで、両フレーム１，２間
にステータ３が挟持されている。

第１フレーム１は薄肉鋼板より深皿状にプレス
成形されたフレーム本体４と、同様に薄肉鋼板よ
り成形されたリブ状補強体５とよりなる。フレー
ム本体４は円形をなす端壁６と、その端壁６の対
向する周縁より互いに逆方向に突出して取付孔７
ａを形成された一対の耳状支持ブラケツト７，７
とを有する。端壁６は、その外周に沿つてステー
タ３側に突出するように形成された相対向する一
対の円弧状周壁８，８を、また両支持ブラケツト
７，７は両周壁８，８の両端に連なつて相対向す
る山形状周壁９，９をそれぞれ備えている。両支
持ブラケツト７，７の山形状周壁９，９の頂点内
面に取付ボス１０，１０が溶接により固着され、
各取付ボス１０，１０のボルト挿通孔１０ａは各
取付孔７ａに合致する。補強体５は欠円状リブ１
１と、それの両端に連なる台形状リブ１２と、そ
れらリブ１１，１２の、ステータ３と反対側の端
面より内向きに突生する取付フランジ１３とより
なる。欠円状リブ１１の相対向する両弓形部１１
ａ，１１ａはフレーム本体４の両円弧状周壁８，
８の内側に嵌合して溶接により固着されると共に
取付フランジ１３はフレーム本体４の端壁６内面
に、また台形状リブ１２の上底外面は一方の取付
ボス１０にそれぞれ同様に溶接により固着され
る。また円欠状リブ１１において、両弓形部１１
ａ，１１ａ間の中間部１１ｂ，１１ｂは両支持ブ
ラケツト７，７の、ステータ３との対向面基部に
添つている。

これによりフレーム本体４げ両弓形部１１ａ，
１１ａおよび取付フランジ１３によつて補強さ
れ、また一方の支持フランジ部７が、それのステ
ータ３との対向面に固着された台形状リブ１２、
それに連設される中間部１１ｃおよび取付フラン
ジ１３の一部によつて補強される。補強体５の両
リブ１１，１２端面はフレーム本体４の両周壁
８，９の端面よりも所定長さ内側に位置するよう
に設定されており、ステータ３は、その鉄心３ａ
の一端部外周面をフレーム本体４の一対の円弧状
周壁８，８内周面に嵌合し、そして鉄心３ａの一
端面を補強体５の欠円状リブ１１の端面およびそ
れと台形状リブ１２との連設部端面に衝合するこ
とにより位置決めされる。

第２フレーム２は薄肉鋼板より短筒状にプレス
成形されたもので、その開口部には外向きに突出
する３個の取付片１４が円周上等間隔に設けられ
ている。第２フレーム２の開口部端面はステータ
３の鉄心３ａ端面に衝合され、各取付片１４に挿
通した連結ねじ１５を第１フレーム１の各ナツト
部材１６に螺合緊締することにより、両フレーム
１，２間にステータ３が挟持される。

第１フレーム１の端壁６に形成された凹部１７
内には合成樹脂製第１軸受ホルダ１８が嵌合され
て複数本のねじ１９により固定され、また第２フ
レーム２の端壁２０に形成された筒部２１に合成
樹脂製第２軸受ホルダ２２の筒部２３が嵌合され
ている。

ステータ３の内側にはロータ２４が配設され、
それと一体の軸受２５の両端は、両軸受ホルダ１
８，２２に保持された第１、第２軸受２６，２７
にそれぞれ支承されている。ロータ２４の内側に
は筒状界磁鉄心２８が配設され、その一端は第２
軸受ホルダ２２のフランジ部２９の端面に形成さ
れた段部３０に嵌合される。そして第２フレーム
２内面と界磁鉄心２８端面との間に第２軸受ホル
ダ２２のフランジ部２９を挟んで三者２，２２，
２８は複数本の非磁性材よりなるねじ３１により
一体に連結されている。２８ａは界磁鉄心２８の
外周面に巻回された界磁コイルである。

軸部２５の第１フレーム１より突出する部分に
は図示しないエンジンより回転力を受けるプーリ
３２が固定され、そのプーリ３２と一体にフアン
３３が設けられている。３４，３５は両フレーム
１，２に形成された通風孔、３６は第１軸受２６
の防塵用カバーで、外レースを兼ねている。

上記構成において、発電時にはロータ２４と界
磁鉄心２８との間に磁束が形成されるが、その磁
束は、第２軸受ホルダ２２および各ねじ３１が非
磁性材より形成されているので第２フレーム２側
に漏洩することがない。また第１軸受ホルダ１８
も非磁性材より形成されているので、第１フレー
ム１側に磁束が漏洩するおそれはない。

なお、両軸受ホルダ１８，２２は合成樹脂に代
えてアルミニウム合金等他の非磁性材より形成し
てもよい。また第２軸受ホルダ２２を止めるねじ
３１が非磁性材より形成されていない場合には、
磁束はねじ３１を通じて第２フレーム２側に多少
漏洩するが、実用上差支えない。

第３、第４図は第１フレーム１の変形例を示
し、一対のリブ状補強体５_１，５_１を、薄肉鋼板
にプレス成形を施して環状リブ３８と、そのリブ
３８の、ステータ３と反対側の開口を塞ぐ取付板
３９とより構成し、各リブ３８，３８を各山形状
周壁９，９および各取付ボス１０，１０に、また
各取付板３９，３９を各支持ブラケツト７，７
の、ステータ３との対向面にそれぞれ溶接により
固着したものである。この場合両リブ３８，３８
の対向部分端面がステータ３の鉄心３ａの一端面
に衝合することになる。なお、他の構成部分のう
ち、第１実施例と同一部分には同一符号を付して
ある。

以上のように本考案によれば、第１フレーム１
を支持ブラケツト７をもつ鋼板製フレーム本体４
と取付ボス１０と鋼板製リブ状補強体５，５_１と
より構成したので、特に嵩張る第１フレーム１の
材料費の低減を図り、延いてはオルタネータの価
格を下げることができる。また支持ブラケツト７
をその周壁９、補強体５，５_１および取付ボス１
０の協働により補強したので、その支持ブラケツ
ト７の剛性を向上させ、機器への取付けを強固に
行うことができる。さらにフレーム本体４と補強
体５，５_１との協働によりステータ３の位置決め
を極めて容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
全体の縦断正面図、第２図は第１フレームの側面
図、第３図は第１フレームの変形例の側面図、第
４図は第３図−線断面図である。 １……第１フレーム、２……第２フレーム、３
……ステータ、４……フレーム本体、５，５_１…
…補強体、７……支持ブラケツト、７ａ……取付
孔、９……周壁、１０……取付ボス、１０ａ……
ボルト挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付孔７ａを形成された耳状支持ブラケツト７
   を有する第１フレーム１と、それと対向する第２
   フレーム２と、両フレーム１，２間に挟持される
   ステータ３とを備えたオルタネータにおいて、前
   記第１フレーム１を、全周に亘り前記ステータ３
   側に突出する周壁９を備えた前記支持ブラケツト
   ７と一体に形成される鋼板製フレーム本体４と、
   前記取付孔７ａに合致するボルト挿通孔１０ａを
   有し、前記周壁９内面に固着される取付ボス１０
   と、該取付ボス１０に固着されて前記支持ブラケ
   ツト７の、前記ステータ３との対向面に配設され
   る鋼板製リブ状補強体５，５_１とより構成し、前
   記フレーム本体４に前記ステータ３の一端部外周
   面を嵌合し、また前記補強体５，５_１の端面に前
   記ステータ３の一端面を衝合してなるオルタネー
   タ。