JPS6218478A - 帯電防止及び防曇性の可剥離性透明塗料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、物品表面に一時的に透明な帯電防止性及び防
曇性の塗膜を形成して物品表面の汚れ等からの保護を行
い、必要な時に剥離することが可能な可剥離性透明塗料
に関するものであり、鋼材、家電製品、台所用品、換気
扇などの汚れ、傷などの防止用保ｉ！塗料として好適に
使用されるものである。

〔従来の技術〕

可剥離性透明塗料には、アクリル樹脂、アルキッド樹脂
、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等を有機溶
剤に溶解した溶液が一般に使用されている。しかし、こ
れらの塗料による塗膜は、塗膜樹脂成分の電気絶縁性の
為、静電気を帯び易く、容易にホコリが付着して外観を
損ね易いという欠点があり、更に疎水性の為、塗布物品
と接する空気との温度差が大きい場合や蒸気などに接触
すると容易に結露により表面が曇る（防曇性に劣る）と
いう欠点があった。

このような欠点を解消する方法としては、従来から界面
活性剤を配合する方法（例えば、工業化学雑誌Ｖ６９　
Ｎ９　Ｐ１８７５（１９６６））カ知うレテイル。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、界面活性剤を配合すると一般に塗膜の物
性低下が生じるものであり、帯電防止性及び防曇性を付
与するに充分な量の界面活性剤を配合すると、塗膜の透
明性の低下、接着力の低下、耐湿耐水性の低下による水
分白化や水分による剥離などが容易に生じ、透明性、可
剥離性と適度な接着力の保持を有し、かつ帯電防止性及
び防曇性の必要とされる用途には実用性がないものであ
った。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、上記の問題点を解決する方法について検
討した結果、樹脂成分としてポリビニルブチラール樹脂
を選択し、これに可塑剤及びリン酸エステル系界面活性
剤を添加してなる有機溶剤溶液によって、上記の問題点
を解決した塗膜が得られることを見出し、本発明を完成
した。

すなわち、本発明は（ａ）ポリビニルブチラールを主成
分とする樹脂　１００重量部、（ｂ）可塑剤　３０〜１
５０重量部及び（Ｃ）　ＩＪン酸エステル系界面活性剤
１〜５重量部を有機溶剤に溶解してなる帯電防止性及び
防曇性の可剥離性透明塗料である。

本発明の（ａ）成分のポリビニルブチラールとは、通常
平均重合度２５０〜１０，０００、特に３００〜４，０
００のものが好ましい。平均重合度が２５０未満では形
成した塗膜の強度が不充分で、連続膜として剥離するこ
とが困難となり、又１０，０００を超えると塗料溶液の
粘度が高くなりすぎ、塗装が困難となる。

本発明の（ｂ）成分の可塑剤とは、通常、フタル酸エス
テル系、脂肪酸エステル系、エポキシ系及びリン酸エス
テル系の可塑剤が挙げられ、具体的には、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート
、ジオクチルアジペート、エポキシ化大豆油、トリフェ
ニルフォスフェート、トリエトキシブチルフォスフェー
ト等、並びにこれらの混合物が例示され、添加量は、（
ａｌ成分１００重量部当たり３０〜１５０重量部の範囲
である。

添加量が３０重量部未満では、添加した界面活性剤の性
質を充分に発現さす効果が不足し、１５０重量部を超え
ると塗膜の強度劣化の原因となり、連続膜として剥離す
ることが困難となる。

本発明のｆｃ）成分のリン酸エステル系界面活性剤とは
、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルリン酸エステル及びポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルリン酸エステル等であり、具体的
には、２−エチルへキシルリン酸エステル、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシ
エチレンドデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルリン酸エステルなど並
びにこれらの混合物であり、添加量は（ａｌ成分１００
重量部当たり通常１〜５重量部の範囲である。添加量が
１重量部未満では、防曇性及び帯電防止性の付与が不充
分であり、５重量部を超えると塗膜の耐湿耐水性が低下
するので好ましくない。

以上の（ａｌ、（ｂｌ及び（ｃ）を有機溶剤に混合溶解
して本発明の塗料とする。該有機溶剤としては、ケトン
、エステル、グリコールエーテル、アルコール等であり
、特にエタノール、イソプロパツール等のｍ個アルコー
ルが好適であり、該溶媒の使用量は、塗膜の厚みが通常
　３〜７０１ｍの範囲となるような濃度で適宜選択する
。

本発明の帯電防止性及び防曇性の可剥離性透明塗料は以
上の成分を必須とするもであるが、必要に応じて適宜、
アルキッド樹脂、ニトロセルロース等の改質用樹脂、シ
リコン油等の剥離性調整剤等のその他の添加剤を（ａｌ
成分の３０重量部以下の量で添加してもよい。

〔実施例〕

以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する
。尚、実施例、比較例中の部は特に断らない限り「重量
基準」である。

実施例−１ ポリビニルブチラール（重合度約７００、デンカブチラ
ール＃３０００）　１００部、トリオクチルフォスフェ
ート　５０部及びポリオキシエチレンラウリルエーテル
リン酸エステル（リン酸エステル系界面活性剤、商品名
；プライサーフＡ２０ＢＢ、第一工業製薬（１１製）３
部をエタノール４００部に混合溶解した。

得られた塗料溶液を透明なアクリル樹脂板に刷毛塗りし
、２０分間風乾し、防曇性及び帯電防止性塗膜付きの透
明なアクリル板を得た。

この板を用いて、塗膜の接着強度をテンシロン（東洋ボ
ールドウィン■製）により測定したところ６ｇ／ｃｍで
あり、充分な接着強度を示した。

帯電防止性はダストチェンバーテストによったところ、
帯電に基づくカーボンの付着は認められなかった。また
、沸騰水浴上　５　ｃｍのところにこの板をセットして
塗膜の曇りと耐湿・耐水性を試験したところ、この板の
塗膜は５０℃の水蒸気に曝されたが、結露による曇りの
発生はなく、又、５分間′ｍ読後も水内化及び剥離は生
じなかった。

以上の試験後、この板の塗膜を手で剥離したところ連続
膜として容易に剥離出来た。

実施例−２ 実施例−１において、トリオクチルフォスフェートをジ
オクチルセバケートに、及びポリオキシエチレンラウリ
ルエーテルリン酸エステルをポリオキシエチレントリデ
シルエーテルリン酸エステル系界面活性剤（商品名；プ
ライサーフＡ２１２Ｃ１第−工業製薬■製）にそれぞれ
代える他は同様にしたところ同様の結果を得た。

比較例−１ 実施例−１において、トリオクチルフォスフェートの配
合量を５部とする他は同様にした。

ダストチェンバーテストにより僅かにカーボンの付着は
認められ、また、沸騰水浴上　５　ｃｍのところにこの
板をセントして塗膜の曇りと耐湿・耐水性を試験したと
ころ、セントの瞬間に曇りを生じ塗膜は不透明となった
。

比較例−２ 実施例−１において、リン酸エステル系界面活性剤に代
えて、フッ素系界面活性剤（商品名；サーフロンＳ−１
１３、旭硝子０＠製）を使用する他は同様にしたところ
、得られた塗膜は僅かに曇っていた。この塗膜のダスト
チェンバーテストは実施例−１と同様であった。５０°
Ｃの水蒸気に唱した場合結露による曇りの発生はないが
、１分間継続後、水内化及び剥離が生じるものであった
。

比較例−３ 実施例−１においてポリビニルブチラール樹脂に代えて
ウレタン樹脂を使用し、エタノールに代えてイソプロパ
ツールを用いる他は同様にした。

得られた塗膜は僅かに曇っていた。この塗膜のダストチ
ェンバーテストは実施例−１と同様であった。５０℃の
水蒸気に曝した場合結露による曇りの発生はないが、１
分間継続後、水内化及び剥離が生じるものであった。

［発明の作用および効果〕 以上の実施例および比較例から明白な如く、本発明の可
剥離性透明塗料は、優れた帯電防止性および防曇性を有
し、しかも塗膜の透明性および耐水性などの劣化がなく
、必要時に容易に剥離出来るものである。

従って、本発明の塗料を物品の保護塗料として使用すれ
ば、透明でホコリの付着や結露による曇りの発生が大幅
に防止されるものであり、物品の美観をより長く保ごと
等が可能であり、また必要時に容易に剥離することが可
能であることから、浴室の窓や鏡、スキー用その他のゴ
ーグル、自動車の窓やバックミラーなどに好適に使用で
きるものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （ａ）ポリビニルブチラールを主成分とする樹脂１００
   重量部、（ｂ）可塑剤３０〜１５０重量部及び（ｃ）リ
   ン酸エステル系界面活性剤１〜５重量部を有機溶剤に溶
   解してなる帯電防止性及び防曇性の可剥離性透明塗料。