JPS62183996A - 水平すみ肉潜弧溶接用溶融型フラツクス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、低温用鋼の潜弧溶接に用いるフラックスに係
わり、さらに詳しくは、高靭性な溶接金属を得、かつ高
速度の溶接をする際に用いられる水平すみ肉潜弧溶接用
溶融型フランクスに関するものである。

（従来の技術） 近年、液化石油ガス（ＬＰＧ”）の有用性が増すととも
に、多く建造されるようになったＬＰＧタンク、あるい
は寒冷地での油田開発用などの海洋構造物に、低温靭性
の優れた鋼材が使用されている。

これらの構造物では、低温条件下での溶接部に高い靭性
か求められ、潜弧溶接法も適宜使用されている。

最近はさらに、溶接の能率化も求められており、水平す
み肉溶接の高速化もそのひとつにあげられている。しか
し従来は、溶接部の要求靭性を確保するにとどまり、高
速性はもちろんビード外観やスラグ剥離にも、下記のよ
うな問題があり、これらを解決するフラックスの提供が
強く望まれていた。

すなわち、高いＯｆＩ撃靭性の溶接金属が得られる水平
すみ肉溶接用焼成型フラックスが、特開昭５８−１９６
１９５号公報に提案されている。このフラックスは、Ｍ
ｇＯ成分を多く含有させ、高塩基性とすることで、高靭
性を得ているが、母材とビードとの接触角が大きないわ
ゆる凸ビードとなったり、アンダカットが発生しやすい
。特に１　ｍ／ｍｉｎを超える溶接速度では、この傾向
が強く現われ、溶接の能率化は成し得す、このことは焼
成型フラックス全般にいえる大きな欠点でもある。

また、高靭性が得られる溶融型フラックスは。

特開昭４９−５１３３６号公報や特公昭６０−５３９６
号公報などに提案されている。しかしこれらフラックス
は、下向突合せ溶接用に開発されたもので、塩基性成分
やＣａＦ２成分を多（含有するため、スラグが流れやす
（、水平すみ肉溶接に適用した場合、垂れやすいビード
形状、粗いビードの波目などのビード外観や、スラグ剥
離性などに問題がある。

一方、本発明者らは、先に特願昭６０−１６８５５４号
において、すみ肉の高速溶接が可能な潜弧溶接用溶融型
フラックスを提案した。このフラックスは、Ｓ　ｉｏ、
を低（したことおよびＡ４０３、ＴｉＯ２゜１ＶｆｎＯ
成分を比較的に多く含有したことで、高速溶接を可能と
したもので、溶接能率の著しい向上をもたらした。

しかし、防錆剤塗布鋼板での耐ピツト性が、Ｓｔｏｗの
特に低い場合およびＣａＯ、ＭｇＯ、ＢａＯの塩基性成
分含有量によっては、問題のあることが判明した。さら
には、高い衝繋靭性、たとえば−６０℃で３．５Ｋｇ−
ｍ以上を得られない場合のあることがわかり、低温用鋼
への適用には問題があった。

このように、高靭性の溶接金属が得られ、かつ水平すみ
肉に適用でき、しかも高速溶接が可能な潜弧溶接用フラ
ックスが従来はなかった。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記従来技術の問題点を解決するもので、そ
の目的は、高靭性な溶接金属が得られるとともに、従来
よりも高速度の溶接条件において、防錆剤塗布鋼板を使
用した場合でも、ピットやポックマークが発生せず、ア
ンダカットやオーバラップのないフラットなビード断面
形状と、均一で細かいビード波形を得ることができる水
平すみ肉清弧溶接用フラックスを提供することにある。

（問題点を解決するだめの手段） 本発明者らは、先に特願昭６０−１６８５５４号で提案
した浦弧溶接用溶融型フラックスの特長、すなわちすみ
内継手の高速沼接性を維持しつつ、防錆剤塗布鋼板にお
いても良好な耐ピット性を有し、さらに高靭性なｄ接金
類が得られるフラックスの成分組成について、検討を続
けた。

その結果、ＳｉＯ□を単純に多く含有させた場合、耐ピ
ツト性は改善されるが、溶接金属の靭性は劣化し、また
ＣａＯ、ＭｇＯ１ＢａＯの塩基性成分やＣａＦ。

を単純に多（含有させた場合は、溶接金属の高靭性化は
可能であったが、ビード外観やスラグ剥離性等が劣化し
、高速性を大きく阻害することがわかった。特にこれら
塩基性成分の含有量が特定量以上では、防錆剤塗布鋼板
におけるピットの発生が防止できなかった。

よって、これら塩基性成分やＣａＦ、は、その悪影響が
出にくい比較的に少ない含有量で、高靭性の得られる成
分組成を求めるべ（詳しく検討した。

まず、第１表に示すフラックス組成Ａ、　Ｂ、　Ｃの３
種類をベースとして、ＣａＯ、ＭｇＯ１ＢａＯの合計は
、５％、１０％、１５％で一定とし、Ａ４０３含有量を
種々変化させ、それに応じＣ５ｉＯｚ　、　Ｍｎ０１Ｔ
ｉＯｚ　、ＣａＦ２その他の各成分は比例配分で増減さ
せたフラックスで、溶接金属の衝撃性能を調貸し、得ら
れた結果が第１図である。

これより、Ａ４０ａを多く含有すれば、Ｓ　ｉｏｚが多
く、塩基性成分が少量であっても、高靭性が得られるこ
とを見い出した。なお、試験方法は、第２表に示すワイ
ヤ、第３表に示すＰ２鋼板を用い、第２図（ａ）に示す
Ｖ溝の開先（ｄ＝１０１３１３１、θ７＝６０°）とし
て、第４表に示すＢ条件により２パス盛溶接し、第２図
（ｂ）に示すｈ＝２１３ＥＩＩ＋の位置から、ＪＩＳＡ
号シャルピー衝撃試験片を採取して調べた。

第１表 第２表 第３表 第４表 次に、１４０３とＴｉｅ、の合計が特定量以上含有する
と、溶接中のアーク安定性を向上させることがわかった
。これにより、溶接金属中の酸素量低減に効果のあるＣ
ａＦｚを、Ａ４０ｓとＴｉＣｈ　の合計に対し特定割合
とすることで、比較的に多く含有させた場合でも、ビー
ド外観上の問題を生じることな（高靭性な溶接金属が得
られることもわかった。

なお、従来の軽石状フラックスは、内部気孔の少ない比
較的に緻密な粒子と、過度に発泡した粒子とが混在して
いるため、溶接時にフラックス粒子の溶融か均一ではな
く、特に高速度の溶接で、ビードの波目が粗くなったり
、赴端の不揃いが見られた。

しかし、Ａ４０３とＴｉ１ｔの合計が特定量以上である
と、Ｓｔｏｗの含有を多（した場合でも、個々の７ラツ
クス粒子が均一に発泡し、これがビード外観の一層の向
上に寄与することもわかった。

また、５ｉＯｚ、ＭｎＯの特定量を含有させることで、
Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯ２０ｓとＴｉＯ２を多く含有するこ
とによる過度の融点上昇を抑え、ビード形成時のスラグ
粘性を調整でき、優れたビード外観を得られることがわ
かった。特にＳｔｏｗは、防錆剤塗布鋼板の場合の耐ピ
ツト性改善に重要であった。さらに、Ｂ２Ｏ３の含有に
よっても靭性の向上が可能で、溶接入熱の大きい場合は
特に有益であった。

本発明は、以上の知見をもとにして、従来フラックスの
問題点を解決したものである。即ち、本発明の要旨とす
るところは、成分が重量％で、Ａ４０ｇ　：　２５％超
４５％以下、Ｔｉ１ｔ　：　１４％以上４０％以下、Ｍ
ｎＯ：　ｌ　Ｏ％超３５％以下、５ｉｆｔ　：８％超３
２％以下、ＣａＦ、　：　３％以上１６％以下を必須成
分として含有し、ＣａＯ、ＩｖｌｇＯおよびＢａＯの合
計：１３％未満、Ａｌｘ　ＯｓとＴｉ１ｔの合計：４２
％以上（Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯｔＯｓとＴｉ１ｔの合計）
　／　ＣａＦ、比＝４．Ｏ超であり、かさ密度が０．６
〜１．３ｆ／ｌｙｍ”、またはこれにさらに、Ｂ２Ｏ３
を０．１％以上１．２％以下含有することを特徴とする
水平すみ肉浦弧溶接用浴融型フラックスにある。

以下、本発明の構成要件を、作用とともに詳述する。

（作用） まず、Ａ４０ａは溶接金属の酸素量を増大させることな
く、Ｓ　ｉｏｚと同様のビード形成能を持つ成分として
多く含有させるもので、２５％を超え４５係以下の範囲
とする必要がある。Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯｔ　Ｏｘが２５
係以下では、ＳｉＯ２やＭｎＯを多（含有した場合、溶
接金属の酸素量が多くなるため高靭性は得られない。

また、Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯ２０３が４５％を超えて含有
すると、融点が高くなり過ぎ、スラグの凝固が速くなる
ため、浴接アークにより母材、ワイヤ、フラックスとの
反応で、発生するＣＯｔガス等の放出を妨げて、ポック
マークが生ずる。

次に、Ｔｉ０ｚはＡＬ２０ｓ同様に、融点を高める作用
があるとともに、安定したアークを発生させ、フラット
なビード断面形状が得られ、ビードの波形を均一にする
効果がある。しかし、Ｔｉ１ｔが１４％未満では、これ
らの効果は得られず、さらに、スラグの剥離性を悪化さ
せ、作業能率の低下を招（。

また、４０％を超えて含有させた場合には、高融点とな
り過ぎること、およびスラグの導電性が増してアークが
細く絞られることにより、ア／ダカットが発生するとと
もに、ビード断面が凸形となるなど、ビード外観上の問
題を生ずる。

また、Ａ４０３とＴ　ｉ　Ｏｘの合計を４２％以上とす
る必要がある。これにより、アークの安定性が非常に良
くなり、アーク安定性を悪化させるか、靭性向上に効果
のあるＣａＦ、を多く含有させることかり能となる。

Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯｔ　ＯｘとＴｉＯ□の合計が４２％
未満の場合−アーク電圧の変動が大きくなりスラグ巻込
みが発生する。また、フラックス粒子が均一な軽石状と
ならずに１発泡の少ない淑密な粒子も含むようになるた
め、ビードの波目が粗（なったり、ピード赴端部の揃い
が悪くなる。

さらに、５ｉＯｚの含有は、Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯｔ　Ｏ
ｓとＴｉ１ｔを多く含有することによる過度の融点上昇
を抑え、ポックマークやア／ダカットが発生しにく（な
るほか、拡散性水素量を低減し、ピットや割れの欠陥を
防止する。しかし、３２％を超えて含有させると、溶接
金属の酸素量が多くなるため、高靭性は得られない。ま
た、Ｓ　ｉｏ、が８％以下では、拡散性水素量が増大し
、防錆剤塗布鋼板の高速すみ肉溶接でピットを生ずる。

ＭｎＯも、ＳｉＯ２と同様に融点の上昇を抑え、良好な
ビード外観を得るために必要な成分で、１０％を超え３
５％以下とする必要がある。１０％以下ではこれらの効
果が小さく、アンダカットが発生しビードの波目も粗く
なる。逆に多く含有し、３５係を超えると融点を下げ過
ぎ、ビード断面形状が凸形状となり、良好なフラット形
状は得られない。

ＣａＦ２は、溶接金属の酸素量を低減し、高靭性を得る
ために必要で、３％以上含有しないとこの効果が小さい
。またＣａＦ２は、発生するＦガスがアーク空洞を大気
から遮断し、ピット、プローホールの発生を防止するた
めにも、３％以上含有させる必要がある。しかし１６係
を超えると、アーク不安定となり、アンダカット、租い
ビードの波目が問題となる。

また、ＣａＦ２が３％以上１６係以下の範囲であっても
、（ＡＬｘ’ｓとＴｉ１２の合計）　／　ＣａＦ２比が
４．０以下では、Ａ４０ｓとＴｉｅ、含有によるアーク
安定効果が得られず、スラグの流動性も大きくなり、ア
ンダカットを生じたりビードの波目が粗（なる。

ＣａＯ、ＭｇＯおよびＢａＯの各塩基性成分の含有は、
靭性向上に有効ではあるが、これら３成分の合計を、１
３％未満とする必要がある。１３％以上含有した場合、
拡散性水素量の増大により、ピットが発生する。

一方、かさ密度は、高速溶接で良好なビード外観を得る
ために、０．６〜１．３ｆ乃がとする必要がある。１．
３　？　７ｃｍ”を超えると、アーク空洞の圧力が不安
定となり、アンダカットを生じやすく、ビードの波目も
粗くなり、０．６　ｔ／ｒｓｓ未満では大気の遮断性が
悪くなるほか、吸湿しやすくなるため、ピットやブロー
ホールの発生することがあり好ましくない。なお、ここ
で言５かさ密度とは、自然落下によって測定するものを
さし、ＪＩＳ　Ｋ　６７２１に準じて測定する。

またさらに、　ＢｚＯｓは溶接金属結晶粒の微細化作用
により、特に溶接入熱が大きい場合の靭性劣化を補うた
めに含有させることが有効である。その量は、０．１％
未満では大きな効果が得られず、１．２係を超えると高
温割れを起こしやすくなり、０．１〜１．２％の範囲と
することが必要である。

なお、上記に規定した成分のほかに、Ｋｔ　Ｏ、Ｎａｔ
　Ｏノ含有は、アーク安定化作用によるアンダカットの
防止および靭性の向上に有効であるが、その合計か３％
を超えた場合は、拡散性水素量の増大や凸形のビード断
面形状が問題となる。ＦｅＯも、少量の含有であれば、
若干の靭性向上に有益であるが、３係を超えた場合には
、オーバラップとなりやすく好ましくない。ＺｒＯ，の
含有も、３係を超えた場合、スラグ粘性の低下が激しく
、オーバラップとなり、３％以下とすることが望ましい
。

次に、本発明フラックスの製造方法としては、従来フラ
ックスの製造と何ら変わることはなく、溶融した原料を
水中に投入することにより発泡させ、乾燥後粒度を揃え
ればよい。また、本発明フラックスは、すみ肉以外の鹸
接纒手にももちろん適用可能である。

以下に、本発明の効果を実施例により、さらに具体的に
説明する。

（実施例） 第５表に示すフラックス（粒度：１２×４８メツシユ）
について、第２表に示すワイヤ、第３表に示すＰｌＩｉ
ＩＡ板を用い、第３図に示すごと（、鋼板とワイヤを組
み合わせて、水平すみ肉浴接した。

同図において、１はウェブ材、２はフランジ材。

Ｌ、Ｔは電極、Ｗは溶接進行方間を示す。

浴接条件は、第４表に示すＡ条件、電極−一は第３図に
示ｊ通りの２電僅により、゛電流は先行８００Ａ、後行
７００Ａ、電圧はフラックスに応じた適正電圧（ピード
断面形状かフラットとなる電圧、ただし比較フラックス
にはフラットな形状とならないものもある。）を選び、
浴接速度２００　ａｎ／ｍｉｎで水平すみ肉溶接を行な
い、ピード外観およびスラグ剥離性を調べ、その結果を
第６表に示す。

また、溶接金属の靭性評価を、第２表に示すワイヤ、第
３表に示すＰｚＡ板を、第２図ｔａ）に示す開先形状（
ｄ＝１０閣、θ７＝６０°）として、第４表に示すＢ条
件により２パス盛溶接し、Ｘ線透過試駄により、高温割
れおよびスラグ巻込みの有無を調べた後、第２図（ｂ）
に示すｈ＝２１３の位置から、ＪＩＳ　４号シャルピー
衝撃試験片を採取し、−６０℃での蚊収エネルギー（２
ｖＥ−６０、ｈ−ｍ）を調べた。

なお、第５表に示す本発明フラックスＦ２．　Ｆ３、Ｆ
４、Ｆ８および比較フラックスＦ９、Ｆ１４については
、第４表に示すＣ条件による入熱の大きい１ノξス苗接
も行ない、衝撃試版を実施した。さらに、拡散性水素量
を、ＷＥＳ１００３に準じたガスクロマトグラフ法によ
り測定した。これらの結果を第６表に併記する。

この結果、本発明フラックスＦ１〜Ｆ８を用いた場合、
水平すみ肉溶接では、フラットなビード断面形状で、ア
ンダカット、ポックマーク、ピットの発生がなく、細か
いビードの波目を有し、スラグは自然剥離した。また、
低い拡散性水素量と優れた衝撃値も得られた。

一方、比較フラックスＦ９〜Ｆ１７（第５表中の各数値
にアンダーラインを引いたものは、本発明構成要件から
はずれることを示す。）は、ビード断面形状が凸のもの
、アンダカット、ポックマーク、ピットが発生したもの
、ビードの波目が粗いものなどピード外観、あるいはス
ラグの剥離性に問題があったり、低衝撃値であるなど、
満足できるものはなかった。

ところで、比較フラックスＦ１７のように、かさ密度の
みが本発明の構成要件をはずれている場合は、水平すみ
肉以外の清液継手への適用は可能であることが確認され
た。

（発明の効果） 以上の実施例からも明らかなように、本発明フラックス
は、高靭性な溶接金属が得られ、しかも水平すみ内継手
の高速溶接においても、オーバラップ、アンダカットの
発生もな（、ビード外観とスラグ剥離性が優れることか
ら、高能率なひ接が可能となり、工業Ｅｒり価値は極め
て高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、Ａｌ２Ｏ３とＴｉＯ２０．含有量と＠撃値の
関係を示す図表、第２図ｔａ）は、開先形状を示す断面
図、第２図ｔｂ＋は、シャルピー衝撃試妓片採取位置ン
示″″３−断ｍ１図、第３図は水平丁み肉清液の電ｍ配
置乞示す説明図であり、第３図（ａ）は側面図、第３図
（ｂ）は正面図である。 １・・・フランジ板、　　　　２・・・ウェブ板、Ｌ・
・・先行電蓮、　　　　Ｔ・・・後行電極、Ｗ・・・俗
接辿行方向 代理人　弁理士　茶野木　立　夫 第１図 ０Ｉ０２θ　　３０　　４０　　５０　　６θＡｌ２Ｏ
３含廟量（％） θヮ 第 （ａ） （ｂ） ３図 （ｂ）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　成分が重量％で、Ａｌ＿２Ｏ＿３：２５％超４５％
   以下、ＴｉＯ＿２：１４％以上４０％以下、ＭｎＯ：１
   ０％超３５％以下、ＳｉＯ＿２：８％超３２％以下、Ｃ
   ａＦ＿２：３％以上１６％以下を必須成分として含有し
   、ＣａＯ、ＭｇＯおよびＢａＯの合計：１３％未満、Ａ
   ｌ＿２Ｏ＿３とＴｉＯ＿２の合計：４２％以上、（Ａｌ
   ＿２Ｏ＿３とＴｉＯ＿２の合計）／ＣａＦ＿２比：４．
   ０超であり、かさ密度が０．６〜１．３ｇ／ｃｍ＾３で
   あることを特徴とする水平すみ肉潜弧溶接用溶融型フラ
   ックス。 ２　成分が重量％で、Ａｌ＿２Ｏ＿３：２５％超４５％
   以下、ＴｉＯ＿２：１４％以上４０％以下、ＭｎＯ：１
   ０％超３５％以下、ＳｉＯ＿２：８％超３２％以下、Ｃ
   ａＦ＿２：３％以上１６％以下、Ｂ＿２Ｏ＿３：０．１
   ％以上１．２％以下を必須成分として含有し、ＣａＯ、
   ＭｇＯおよびＢａＯの合計：１３％未満、Ａｌ＿２Ｏ＿
   ３とＴｉＯ＿２の合計：４２％以上、（Ａｌ＿２Ｏ＿３
   とＴｉＯ＿２の合計／ＣａＦ＿２比：４．０超であり、
   かさ密度が０．６〜１．３ｇ／ｃｍ＾３であることを特
   徴とする水平すみ肉潜弧溶接用溶融型フラックス。