JPS621797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、トラクタの運転部操作パネル支持
枠構造に関するものである。

従来、トラクタの運転部操作パネルは、ボンネ
ツトの固定壁体に直接取付けているものであつた
が、ボンネツトの一部として構成されているもの
であることから、構造的に複雑となり、また、外
観上も運転席との距離の関係でボンネツト後端
が、運転席方向に張出した形状とならざるを得
ず、運転作動空間を狭くしており、かかる支障を
解消するためには、トラクタ全長が長くならざる
を得ないものであつた。

この考案では、ボンネツトの後端にあたる原動
機部ケースの後端部に、操作パネル支持枠を連設
し、同支持枠に操作パネルを連設することにより
原動機部自体は運転部に張出さないようにして、
かつ、操作パネルのみ運転席前方の操作しやすい
位置に配設できるようにしたトラクタの運転部操
作パネル支持枠構造を提供せんとするものであ
る。

この考案の実施例を図面にもとづき詳説すれ
ば、Ａは、トラクタを示すものであり、機体ａの
前部には、原動機部１を設けており、その後方に
は運転部２を設け、前後に車輪３，４を設け、後
端の油圧リフトアーム５に農作業機を連結して牽
引して走行すべく構成している。

原動機部１には、ラジエーター６、フアン７、
エンジン８を順次配設し、遮へい板９を介して、
後部にバツテリー１０を配しており、前面はフロ
ントマスク１１で、両側はケース１２にてケーシ
ングされ、上面には開閉自在のボンネツト１３を
設けている。

ケース１２の後部下半部は、内方へ凹状に形成
して空間Ｓを形成し、運転者の脚配置部分として
いるものであり、同空間Ｓは、原動機部１のバツ
テリー１０の下方位置に該当するように構成して
いる。

ケース１２の前部は、機体ａに立設した前部支
持枠１４に固設されており、ケース１２の後端
は、機体ａに立設した操作パネル支持枠１５に固
設されているものであり、操作パネル支持枠１５
は正面視で略門形状に形成され、同支持枠１５の
上半部１５−１は、原動機部１の幅員と略同一の
幅員を形成して、機体ａ狭巾部の左右外側面に固
着されており、同支持枠１５の、下半部１５−２
は、空間Ｓのへこみ部に沿つて、幅狭状の幅員に
形成しているものであり、同支持枠１５の断面形
状は、略コ字形状で、開口部を内側にして一材か
ら正面視で略門形状に屈折形成されており、略門
形状の同支持枠１５の上端縁前側面には前方にフ
ランジ１６を連設している。

同フランジ１６には、ボンネツト１３の後縁端
を連設することにより、ボンネツト１３を操作パ
ネル支持枠１５に固設している。

操作パネル支持枠１５の後面、すなわち、運転
部２に面した部分には、操作パネル１７を連設し
ており、操作パネル支持枠１５の上半部１５−１
部分には運転部側に突出形状の操作パネル１７を
固設しており、同突出パネル１７−１の上側面に
は、ハンドル１８を突出し、また、他の操作器具
１９を配しており、操作パネル支持枠１５の下半
部１５−２部分には、扁平状のパネル１７−２が
張設されているものである。

また、操作パネル支持枠１５は、上部がやや前
方に傾斜した状態に形成しており、同支持枠１５
の上半部１５−１に連設した突出パネル１７−１
の後端位置と同支持枠１５の下端との位置がほぼ
同一垂直線上に位置するようにしている。

また、原動機部１のボンネツト１３は、前端か
ら後端に向つて、上り勾配に形成し、原動機部１
の後部程漸次高く形成し、ケース１２の後端は、
斜め方向に形成して操作パネル支持枠１５に連設
されていることになる。

２０は、運転席、２１は、ステツプであり、ケ
ース１２の後部の空間Ｓ部分にまで延設されてい
る。

２２は、運転席２０の後方で、後輪４のフエン
ダー２３間に架設した燃料タンクである。

この考案の実施例は上記記のように構成されて
いるものであり、原動機部１のケース１２後端に
同ケース１２の後縁部を縁取る状態に操作パネル
支持枠１５が連設されており、同ケース１２は、
同支持枠１５によつて、機体ａに固設されるもの
であり、同支持枠１５に操作パネル１７が連設さ
れて運転席２０の運転者の運転操作がしやすい位
置に操作パネル１７を配することができるもので
あり、しかも、同操作パネル１７は、操作パネル
支持枠１５に固設されるため、取付構造は簡易に
構成でき、更には、原動機部１のケース１２が機
体ａに直接連設されずに、操作パネル支持枠１５
に取付固定されるものであるから、ケース１２の
組立作業も簡易に行え、構造上も簡便でかつ強固
に構成できるものである。

また、操作パネル支持枠１５は、ボンネツト１
３及びケース１２左右側面の後端縁支持を兼ねて
おり、同支持枠１５自体も略コ字形状断面の一材
から折曲形成することが可能であることから、構
造が簡単で製造も容易であり、同支持枠１５及び
ケース１２左右側面後部の下半部を狭窄させたこ
とにより運転者の脚配置空間を広くとることがで
きる。

この考案によれば、操作パネル支持枠にケース
を連設し、同支持枠に操作パネルを連設して構成
するものであるため、操作パネルを運転に支障の
ない最適な位置に配設することができ、原動機部
ケースの後端の枠組みを強固にして、ケースの取
付けを堅固にすることができると共に、操作パネ
ル自体もケースとは別体として操作パネル支持枠
に直接取付けることができるため、その形状構成
も任意に運転操作上最適のものに構成できる効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案構造のトラクタの側面図、第２
図は、第１図−線の断面図、第３図は、同要
部の断面側面図、第４図は、同要部の斜視図。 Ａ：トラクタ、１：原動機部、１２：ケース、
１５：操作パネル支持枠、１７：操作パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原動機部１後方の機体ａの左右外側面に操作パ
   ネル支持枠１５の下端を固着して同支持枠１５を
   立設し、しかも、同支持枠１５は断面が内側方に
   開口した略コ字形状であり、正面視で、同支持枠
   １５を略門形状に形成して、同枠１５の下半部１
   ５−１の左右間隔を狭窄させ、側面視で後方へ下
   り傾斜状の略平面形状に形成され、更に同支持枠
   １５の上端縁前側面にフランジ１６を突設して原
   動機部１の上方をカバーしたボンネツト１３の後
   端縁を支持させ、同支持枠１５の左右側端縁に
   て、原動機部１の左右側方をカバーし、かつ、後
   部左右側の横間隔を狭窄したケース１２の左右側
   面後端縁を支持させて、ケース１２の後部左右側
   に空間Ｓを形成し、更に同支持枠１５の後面にて
   操作パネル１７の前側面を支持せしめてなるトラ
   クタの運転部操作パネル支持枠構造。