JPS6216096B2

JPS6216096B2 -

Info

Publication number: JPS6216096B2
Application number: JP57030502A
Authority: JP
Inventors: Osamu Tochikubo; Yoshihiro Kaneko
Original assignee: UAIN KK
Current assignee: UAIN KK
Priority date: 1982-03-01
Filing date: 1982-03-01
Publication date: 1987-04-10
Also published as: JPS58149731A

Description

【発明の詳細な説明】本願は非観血式の血圧測定装置に関し、更に詳
しくは、カフ内動脈波の差分を算出し、そのピー
ク値を検出して最高血圧および最低血圧を測定す
る装置に関する。

血圧の測定は、一般に、観血式と非観血式との
二種類に分けられる。

観血式とは、血管を切開あるいは針を血管に刺
して血圧とその変動を直接圧力計に導き測定する
ものである。具体的には、液体を満たしたカテー
テル（中空管）あるいはセンサを測定部位にまで
挿入し、血圧およびその変動を体外に置かれた圧
力トランスジユーサまで導き、該トランスジユー
サの出力信号を増幅、記録表示する。

しかしながら、この方式による血圧測定は針等
を直接血管に刺すわけであるから、患者に負担を
与え、血圧を容易に測定するというわけにはいか
ない。

そこで現在では、特別の場合を除き、非観血式
つまり体外から間接的に血圧を測定する方法が広
く行われている。

現在、この間接法として最も一般的なものは、
聴診法と呼ばれる方法で、次の手順に従つて行な
われる。

まず、上腕部にカフ（圧迫帯）を巻き、該カフ
の内圧を加圧ポンプで上昇させた後、徐々に圧力
を減じながら、撓骨動脈上に聴診器を置いて聴診
し、カフ内圧が最高血圧値に一致すると心拍に同
期して発生するコロトコフ音を聴きとり、またカ
フ内圧が最低血圧値と一致するとコロトコフ音が
消滅することを確認して、最高血圧と最低血圧と
を測定する。

また、現在電気血圧計として使用されているも
のも、上記聴診法の原理を応用したもので、マイ
クロフオンでコロトコフ音を集音し判別確認後、
メータ等によつて表示する。

しかしながら、この血圧計で特に難かしいの
は、通常人間が行なう、最高、最低血圧値の判定
基準となるコロトコフ音の確認判定を機械が行な
わなければならないことである。最高、最低血圧
値の決定には、コロトコフ音の発見あるいは消滅
を確認判定する必要があるが、その音量は非常に
微弱であるため、カフ圧制御時、腕を動かしたと
きに発生するマイクロホンと皮膚の摩擦雑音の影
響を受け易く、血圧の測定を困難にしている。

本発明は、従来の血圧計のかかる欠陥を消却す
るために開発されたもので、これまでとは全く異
なる原理、すなわちカフ内動脈波の差分を算出
し、そのピーク値を検出して最高血圧および最低
血圧を測定する方法を考案したものである。

以下、本発明を図示実施例に基づいて詳説す
る。

図面第１図は、本発明に係る血圧計の一実施例
を示す構成図である。図示において、センサ４
（例えば圧力トランスジユーサ）は、カフ１から
中空管３を介し外部に引き出してある。ポンプ２
は該カフに流体を供給し加圧する。センサの出力
は、カフ内圧成分についてはDC増幅器５で増幅
し、カフ内動脈波成分はAC増幅器７で増幅す
る。AC増幅器の出力はそのまま、またDC増幅器
の出力はＡ／Ｄコンバータ６を介し演算処理回路
８（実施例ではマイクロコンピユータを使用）に
送られる。また、図示実施例では、マイクロコン
ピユータの周辺に、タイマ１０、メモリ９を設け
てある。これらの機能、作用については後述す
る。

なお、図示実施例では、カフを巻装する個所
を、従来の聴診法のごとく上腕部に限定されるこ
とのないよう（例えば指にカフを巻装することの
できるよう）、センサを中空管３でカフの外部に
引き出し、該中空管、カフおよび該カフとポンプ
とを結ぶ中空管１２に、血液と同じ比重の液体で
満たし、センサを心臓と同じ高さに取り付けるこ
とのできるように構成してある。ただし、本発明
ではセンサをカフに内臓し、従来と同じく該カフ
を上腕部に巻装して測定するものであつても何ら
支障はない。

いまポンプで流体をカフに供給し加圧した後
徐々に圧力を減じる（第２図イ参照）。なお、こ
のカフ内圧波形は正確には第２図ロのカフ内動脈
波形が重じようしたものであるが、簡単のため図
示の如く直線で示してある。

次に、カフの圧力が徐々に減少すると、カフ内
動脈波形は順次増大し、あるピーク値（このとき
のカフの内圧が平均血圧（BP_av）に対応）を境
に漸次減少する。次いで、このカフ内動脈波形の
差分をとると第２図ハのごとくなる。図中正のピ
ーク値が最高血圧（BP_nax）に対応し、負のピー
ク値が最低血圧（BP_nio）に対応する。

マイクロコンピユータは動脈波が正しく検出さ
れているかを認識し、波形エネルギの差分計算を
行ない、差のピーク２点を血圧値と認識し、その
ピーク点の圧力値をメモリ９することとし、その
他のコントロールを制御するプログラムを備えて
いる。なお、タイマ１０は測定間隔時間を設定す
るためのものである。

以下本発明に依る血圧測定の原理を従来のコロ
トコフ音に依る測定と対比して説明する。

第３図イは、ポンプ２でカフ１内の血管１１を
押しつぶした状態を示すもので、血流（三角波）
は管壁（図中斜線を施してある部分）に衝突し、
その衝撃波がカフ内の流体および中空管３を介し
センサ４に伝達する。このときのカフ内動脈波形
は小さくかつその変化も小さいから動脈波の差分
出力もほとんど現われない。

第３図ロは、ポンプの加圧を停止し、印加圧力
の減少に伴ない、押しつぶされた血管がだんだん
膨らんで血流が流れ出したときの状態を示す。こ
のとき従来の聴診法ではコロトコフ音が確認され
る。即ち血管の膨張変化は極大となつて血流が噴
出し、カフの末梢側の静止した動脈血と衝突し、
第３図ロの斜線で示す血管壁が振動するから、こ
れを被うカフ全体が振動し、第３図イにおける衝
撃波とは明瞭に区別できる動脈波が発生する。即
ち第２図ロのＰ点がこれに対応し、これを動脈波
の差分値を表わす第２図ハでみると、正のピーク
値に該当する。

第４図に、本発明装置による最高血圧（SBP）
の実測値を従来の間接法（RIVA−ROCCI法）と
比較して示す。標本数は30、単位はmmHgであ
る。図から両者の実測値がよく一致するのがわか
る。

差分のピーク値が最低血圧値に対応する根拠は
実測に依るものである。第５図に本発明装置によ
る最低血圧（DBP）の実測値を従来の間接法
（RIVA−ROCCI法）と比較して示す。標本数は
30、単位はmmHgである。図からわかるように、
本願装置による最低血圧の測定値は従来法による
数値とよく一致している。

以上、本発明に係る血圧測定装置につき、その
構成および測定原理につき詳説したが、その構成
から次のような特有の効果が奏する。

すなわち、従来のコロトコフ音を検出して血圧
を測定する場合と違つて、本発明はセンサで容易
に検出できるカフ内圧と動脈波とを観測すればよ
いから、測定条件は緩和され、従つて測定は容易
で、且つ雑音に影響されることは少ないから測定
精度が高い。

しかも、コンピユータを利用してデータ処理を
行なつているから、長時間にわたる血圧の測定、
監視が可能となる。例えば、睡眠中に、タイマと
ポンプの制御に依り断続的な血圧測定が可能とな
る等、従来のものに比しその用途の拡大は著るし
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は測定回路の構成図、第２図は観測された血圧波
形のモデル化した説明図、第３図は本発明に依る
血圧測定の原理を説明する図、第４図および第５
図は本発明装置と従来法との測定値を比較したグ
ラフである。〔主要部分の符号の説明〕、カフ……１、ポン
プ……２、中空管……３、センサ……４、DC増
幅器……５、Ａ／Ｄコンバータ……６、AC増幅
器……７、演算処理回路……８。

Claims

【特許請求の範囲】

１カフ１と、該カフに流体を供給し加圧するポ
ンプ２と、該カフに若しくは該カフに連通する中
空管３に設けたセンサ４と、該センサの出力信号
のうちカフ内圧成分を増幅するDC増幅器５と、
カフ内動脈波成分を増幅するAC増幅器７と、該
DC増幅器に連設するＡ／Ｄコンバータ６と、該
コンバータの出力と前記AC増幅器７の出力とを
入力データとし動脈波の差分を算出しその正およ
び負のピーク値を検出しかつ該ピーク値に対応す
るカフ内圧を検出する演算処理回路８とから成
る、非観血式血圧測定装置。