JPS621576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、暖房用熱交換器、又は温泉水利用の
暖房用、或いは地下水利用の冷房用等の熱交換器
に関し、本考案者の考案に係る実用新案登録第
1576068号（実公昭59−13509号）考案の改良考案
に係る。即ち、 前記実用新案登録第1576068号考案に係る熱交
換器に於ては、 (イ) 本体１の上部に熱風の排気筒７を有し、 (ロ) 本体１内での風（空気流）の流れは先づ中央
の内筒２内を下方に流れ、次に風向き案内体４
に沿い逆方向の流れとなつて熱交換室８，９内
を上方に流れる と云うものである。

これでは、温室内で使用したときに、熱風が本
体１の上方から吹出されるので、排気筒７にダク
トを接続した場合そのダクトが上部にあり日光を
遮ぎると共にダクト（ビニールパイプ等）が作業
者の通行の邪魔になり、また、特に作物が新芽を
出す頃にはこの新芽に熱風が直接に当たることで
芽の発育を阻害する欠点があり、又、排気筒７に
ダクトを接続することなく、排気筒７から直接熱
風を吹出させて使う場合、排気筒７と給気筒６が
ほゞ同じ高さに接近して設けられているため、排
気筒７から吹き出された熱風の一部が給気筒６に
吸い込まれてしまい、循環風量を低下させ且つ熱
交換量を低下させる。即ち、給気筒６から吸い込
まれる空気温度が上昇し、水温との温度差が減小
し熱交換量が低下すると云う欠点があり、更に内
筒２内を風（空気流）を通すと云うことは内筒２
の内径を相当に大にすることを必要とし、本体１
の外径が大になり、据付面積の増大により作付面
積を減らしてしまう結果となり好ましくなく、ま
た、本体１内で風が180゜向きを変えることは空
気抵抗の増加を齎し好ましくないと云う問題点が
ある。

本考案は、前記欠点乃至問題点を解決した改良
考案である。以下、図面を参照してその実施例を
詳述する。

縦方向をなす有底円筒状の本体１内に、該本体
１より所要量小径の内筒２との間に熱交換室８，
９を設けた熱交換器に於て、 前記本体１と内筒２との間の空隙に、円環状を
なす上下の熱交換室８，９を、熱交換室８，９と
の間と、上方の熱交換室８上と、下方の熱交換室
９下とに、チヤンバー１０，１１，１２を有し、
上下のチヤンバー１１，１２間が連通可能なよう
に隔設し、上下の熱交換室８，９内に同心円状を
なす多数条のコイル管１３…１４…を収納して、
上下のコイル管１３…１４…の端部間を、その最
内周のものから最外周のものへ順次接続されるよ
うに、チヤンバー１０を通して接続し、且つ下方
のコイル管１３…端を上部のチヤンバー１１内の
ヘツダー１５に、また、下方のコイル管１４…端
を下部のチヤンバー１２内のヘツダー１６に夫々
接続して成り、而かも熱交換される風は内筒２内
を連過しないように内筒２は密閉され、本体１の
上底下底のうちの一方に固着されると共に、本体
１の前記上チヤンバー１１の上方に空気取入部２
９があり、熱交換される風は、上方から下方への
一方向のみに流れるように、本体１の下部側周壁
に所要数の排気筒を突設したものである。

第１図図示の第一実施例に於ては、内筒２の下
端は本体１の下底３に固着されると共に内筒２の
上端は円錐形の案内部４を形成し、該案内部４の
所要長上方に送風機５を設け、本体１の下部側周
壁に所要数の通気筒７…を突設するものである。
この際送風機５は下向きに風を送り出す形式のも
のとする。

第３図図示の第二実施例に於ては、内筒２の上
端は本体１の上底２１に固着されると共に内筒２
の下部には下向きに風を送る送風機１９が支承さ
れるものであり、該送風機１９の下方で本体１の
下部側周壁に所要数の排気筒１８…を突設するも
のである。而して、上部のヘツダー１５に設けた
排水口１７と下部のヘツダー１６に設けた給水口
２７に夫々パイプ６，２０を接続するものとす
る。

本考案は、前述のようにして、有底円筒状の本
体１内に同心的に設けた内筒２の外部を上方より
下方に流れる風が熱交換室８，９内の多数条のコ
イル管１３…１４…内を下方より上方に流れる水
との間に熱交換を行うものであるが、この熱交換
に当り所謂カウンターフローとなつて効率の高い
ものと為し得る。この際、コイル管１３…１４…
の直径を比較的小となすことで数多くのコイル管
を熱交換室８，９内に設置して熱交換のための表
面積を大ならしめ得て熱交換の向上を齎し得る。
更に、上部熱交換室８内の多数条のコイル管１
３，１３…と下部熱交換室９内の同一数のコイル
管１４，１４…とは、前者の各々の下端と後者の
各々の上端間を、前者の最内周のものから後者の
最外周のものへ、また前者の最外周のものから後
者の最内周のものへと順次接続されるように、中
間チヤンバー１０内にて接続されるものであるか
ら、上部ヘツダー１５と下部ヘツダー１６との間
の多数条のコイル管１３…１４…の各々は、全体
としての長さは総て同一長さとなり、この点でも
熱交換器としてまことに合理的な構成であり、こ
れらの点での特長は前記実用新案登録第1576068
号考案と同様であるが、本考案は下記の点に於
て、前記実用新案登録第1576068号考案の欠点乃
至問題点を解決し、更に大きな効果を齎したもの
である。

本考案に於ては、前記内筒２は、熱交換される
風が内筒２内を通過しないように、密閉され本体
１の上底下底のうちの一方に固着されると共に、
本体１の前記上チヤンバー１１の上方に空気取入
部２９があり、熱交換される風は上方から下方へ
の一方向のみに流れるように、本体１の下部側周
壁に所要数の排気筒を突設した構成となしたこと
に依り、 (a) 熱風のダクトが地面に近い処にあり、前記実
用新案登録第1576068号考案の前記欠点（即
ち、熱風による新芽の発育阻害、通行の邪魔、
日光の遮ぎり）を除去し得ると共に、 (b) 給気口が本体上部に、排気口が本体下部にあ
るため、排気口からの吹出熱風の給気口への還
流を防止し得、更に (c) 給気口が上部に、排気口が下部にあり、且つ
その距離を離すことにより、温室内の温度ムラ
がなくなり均一な暖房を齎し得、更に (d) 排気口が地面近くに開口しているため地表面
の空気流動が大きくなり地面からの熱回収が良
好でより省エネルギーとならしめ得、更に (e) 内筒２内は風が流れないのであつて、その内
径を相当に小さくでき、本体の大いさを小なら
しめ得、据付面積の減小により、作付面積を大
ならしめると云う作用効果を齎し得、更に (f) 風の流れは上方から下方へ一つの方向だけで
あつて（前記実用新案登録第1576068号考案の
如き「180゜の向きの変更」と云うのが無く）
空気抵抗を小さくならしめ、通風量を大ならし
め得た と云う大きな効果を齎し得たのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る熱交換器の実施例を示すも
ので、第１図は第一実施例のものゝ配管状態を示
す断面正面図、第２図は同上の下部より見た底面
図、第３図は第二実施例のものゝ断面正面図、で
ある。 １は本体、２は筒、３は下底、４，２４は円錐
状の案内部、５，１９は送風機、６，２０はパイ
プ、７は通気筒、１８は排気筒、８，９は熱交換
室、１０，１１，１２はチヤンバー、１３，１４
はコイル管、１５，１６はヘツダー、１７，２７
は夫々排水口、給水口、２１は上底、２６はポン
プ、２８は下底３に突設された円錐状案内板、２
９は空気取入部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 縦方向をなす有底円筒形の本体１内に、該本
   体１より小径の内筒２との間の空隙に、円環状
   をなす上下の熱交換室８，９を設け、該熱交換
   室８と９との間と、上方の熱交換室８上と、下
   方の熱交換室９下とに、夫々チヤンバー１０，
   １１，１２があるようにし、且つ上下のチヤン
   バー１１，１２間が連通可能なように隔設し、
   上下の熱交換室８，９内に同心円状をなす多数
   条のコイル管１３…１４…を収納して、上下の
   コイル管１３…１４…の端部間を、その最内周
   のものから最外周のものへ順次接続されるよう
   に、中間チヤンバー１０を通して接続し、且つ
   上方のコイル管１３…端を上部のチヤンバー１
   １内のヘツダー１５に、また、下方のコイル管
   １４…端を下部のチヤンバー１２内のヘツダー
   １６に夫々接続して成る熱交換器に於て、前記
   内筒２は、熱交換される風が内筒２内を通過し
   ないように、密閉され本体１の上底下底のうち
   の一方に固着されると共に、本体１の前記上チ
   ヤンバー１１の上方に空気取入部２９があり、
   熱交換される風は、上方から下方への一方向の
   みに流れるように、本体１の下部側周壁に所要
   数の排気筒を突設したことを特徴とする熱交換
   器。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の熱交
   換器に於て、 前記内筒２の下端は本体１の下底３に固着さ
   れると共に内筒２の上端は円錐形の案内部４を
   形成し、該案内部４の所要長上方に送風機５を
   設けたことを特徴とする熱交換器。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の熱交
   換器に於て、 前記内筒２の上端は本体１の上底２１に固着
   されると共に、内筒２の下部には下向きに風を
   送る送風機１９が支承されるものであることを
   特徴とする熱交換器。