JPS6215314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は小馬力の小型エンジンを装備した手
持形式の動力杭打機に関するものである。

この種の手持動力杭打機は、小型エンジンを手
持枠で持ち、ハンマーの衝撃が直に手に掛るので
本機がグラつき易く、持ちにくにものであつた。
そのために、ハンマーヘツドが杭の頭部から外れ
易く危険を伴い作業がしにくいだけでなく、木杭
の場合には割れた杭頭部の木片が飛散し大変危険
であつた。

この考案は上記した点に鑑みなされたもので、
杭頭部をたたくハンマーヘツドを杭案内筒で包み
込みこの筒内で杭頭部を打ち込むことにより、ハ
ンマーヘツドが杭頭部から外れないようにすると
共に杭頭部の木片が飛散しないようにして本機の
安定性と作業の安全性を計る手持動力杭打機を提
供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例を第１図乃至第３図
について説明する。図において、１は手持枠で、
パイプ材からなる二個の四角枠１ａと、この四角
枠１ａを上下二段に箱状に組立てる同じくパイプ
材からなる門形枠１ｂとで構成される。２ａ，２
ｂは前記手持枠１の門形枠１ｂの左右両側部と上
方部とにそれぞれ設けられるハンドクリツプ、３
は前記手持枠１内のほぼ中央に二本のアーム４に
より固定される取付座、５は取付座３の上面にボ
ルト６により装着されるケース、７はケース５の
一側壁５ａに装着される小馬力の小型エンジン
で、前記手持枠１内に収まる大きさとなつてい
る。８はケース５の他側開口５ｂにボルト９によ
り取付けられるケース蓋、１０は前記エンジン７
に直結される遠心クラツチ、１１は前記ケース側
壁５ａとケース蓋８との間に挿嵌されるクラツチ
軸、１２はクラツチ軸１１に取付けられる小歯
車、１３は小歯車１２と噛合し、前記ケース蓋８
に片持軸支される大歯車、１４は大歯車１３の側
面に固着されるクランクピン、１５はクランクピ
ン１４に基端側が枢着されるコンロツトで、先端
側にピストン１６が枢着されると共に、上方部は
前記クラツチ軸１１に接触しないように少し彎曲
させてある。

さらに１７は前記取付座３の下面に防振ゴム１
８を介して装着される支持筒、１９は支持筒１７
内に縦向きに貫挿して固着されるシリンダー、２
０はシリンダー１９に昇降自在に嵌挿されるスト
ライカーで、前記ピストン１６に被嵌されてい
る。２１は前記シリンダー１９の先端に被せられ
るハンマーヘツドで、内面を前記ストライカー２
０が打つようになつている。２２は前記支持筒１
７に固着される杭案内筒で、ハンマーヘツド２１
を包むべく下方に延びている。ただし、手持枠１
から下方に突出しないようにしてある。２３はハ
ンマーヘツド２１の脱落防止用スプリングであ
る。

本機は第１図中一点鎖線で示すように手持枠１
の下方四角枠１ａにより地上２４に置けるので、
この状態でエンジン７を始動させる。エンジン７
の始動によりクラツチ軸１が回転し、小歯車１２
から大歯車１３に減速されてクランクピン１４が
回転し、コンロツト１５によりピストン１６がス
トライカー２０を伴つて上下動する。ストライカ
ー２０はピストン１６に固定ではないがその負圧
室２０ａの作用によりほぼ等しく上下動する。こ
の時、ハンマーヘツド２１は杭２５がないので第
２図中二点鎖線で示すようにシリンダー１９の先
から離れて下方に位置するのでピストン１６によ
る空打ちがない。しかして、本機を第３図に示す
ように手持して、予め軽く立てておいた杭２５の
頭部へその杭案内筒２２を被せ、ハンマーヘツド
２１を杭２５の頭部上にのせる。そうすると杭２
５によりハンマーヘツド２１が押上げられるので
第２図中実線で示す状態となり、ハンマーヘツド
２１がストライカー２０により打たれ、その度に
ハンマーヘツド２１が杭２５の頭を打つ。本機を
自重にまかせて杭２５の頭部にのせておけば、ハ
ンマーヘツド２１が杭２５を打込む分ずつ次第に
本機も下がつてゆき、杭打ちが終る。その際スト
ライカー２０はピストン１６の降下と共にハンマ
ーヘツド２１を打つが、ピストン１６の下死点に
おいてピストン１６から放出される力がストライ
カ２０に作用するので、ハンマーヘツド２１には
ピストン１６による実際の打力よりもさらに大き
な打力が働く。こうして、一本の杭打ちが終る
と、隣に予め軽く立ててある杭の頭部上へ移動す
れば、本機を持ち歩くだけで連続杭打ちができ
る。

以上のように、この考案は杭案内筒を設けてこ
の杭案内筒内にハンマーヘツドを包み込み、この
ハンマーヘツドにより筒内で杭打ちするようにし
たので、ハンマーヘツドが杭頭部から外れず本機
が安定し作業がし易くなると共に、杭頭部の木片
等は杭案内筒内で飛散して落下するので周囲に飛
散して特に作業者の顔面に当るということがなく
安全面でも優れるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図（た
だしケース蓋８を除く）、第２図は第１図中−
線の一部外観断面図、第３図は使用状態図であ
る。図中同一符号は同一部分を示す。 図中１は手持枠、１ａは手持枠１の四角枠、１
ｂは門形枠、２ａ，２ｂはハンドクリツプ、３は
取付座、５はケース、５ａはケース５の側壁、５
ｂは開口、７は小型エンジン、８はケース蓋、１
０は遠心クラツチ、１１はクラツチ軸、１２は小
歯車、１３は大歯車、１４はクランクピン、１５
はコンロツト、１６はピストン、１７は支持筒、
１８は防振ゴム、１９はシリンダー、２０はスト
ライカー、２０ａは負圧室、２１はハンマーヘツ
ド、２２は杭案内筒、２３はハンマーヘツド２１
の脱落防止用スプリング、２５は杭である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小型エンジンと、この小型エンジンにより作動
   されるハンマー装置と、このハンマー装置と前記
   小型エンジンとを配備するための手持枠とを有
   し、前記手持枠を手持ちして前記ハンマー装置で
   杭打ちするようにした手持動力杭打機において、
   前記ハンマー装置を、前記小型エンジンにより上
   下動されるピストンと、このピストンに被せられ
   るストライカーと、前記手持枠に固定されかつ前
   記ストライカーが昇降自在に嵌挿されるシリンダ
   ーと、このシリンダーの先端に昇降自在に被せら
   れかつ前記ストライカーにより内面を打たれるハ
   ンマーヘツドとで構成し、かつ前記手持枠に取付
   けられて前記シリンダーが固定されると共に前記
   ハンマーヘツドを支持する支持筒と、この支持筒
   の下部に前記手持枠から下方に突出しないように
   して取付けられて前記支持筒の下部から突出する
   前記ハンマーヘツドを包み込む杭案内筒と、この
   杭案内筒と前記ハンマーヘツドとの間に設けたハ
   ンマーヘツドの脱落防止用スプリングとを備え、
   前記杭案内筒内に杭の頭部を挿し込んで杭打ちす
   るようにしたことを特徴とする手持動力杭打機。