JPS62144535A - 電力変圧器に用いる差動継電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は変圧器を保護するための差動継電装置、特に変
圧器を流れる電流を遮断する遮断器を作動させるため電
力変圧器の内部故障状態の検知を加速する装置を含む変
圧器用差動継電装置に係る。

従来の差動継電装置は電力網の電力変圧器中の潜在的内
部故障状態を検知し、遮断器を作動させることによって
変圧器を電力網中の電流パスから遮断するためにパーセ
ント形差測定装置を利用する。変圧器が初めて給電され
る場合や、外部故障を除いたのち低下電圧が回復される
場合などのように、初期または回復突入磁化電流が差動
継電装置によって内部故障状態として検知され、その結
果、誤って遮断器を作動させることがある。従来の変圧
器用継電装置は電力線周波数の特定調波分を測定して突
入電流状態を検知し、この検知と同時に差動装置による
遮断器の起動を阻止または抑止する第２測定装置を含む
。突入電流状態と内部故障電流状態とをこのように弁別
できるのは、電力変圧器の特性上、突入電流波形に著し
いひずみが生じ、その結果、基本信号分の１５％程度で
ある第２調波分が強調されるからである。差動継電装置
に組込まれる２次測定装置は調波抑止装置と呼ばれる。

突入電流状態を検知するため、調波抑止装置は波形の線
路周波数成分と第２調波成分の比を測定するのに充分な
差動電流信号を採集しなければならない。そのためには
突入電流比をどのような方法で測定するにしても約１サ
イクルの電力線波形またはそれ以上の信号データが必要
である。従って、遮断器を作動させるまでに突入電流状
態の有無を検知するのに要する時間だけ差動継電装置の
応答時間が遅延させられる。

このような突入電流状態を無視するなら、変圧器の共通
の相の電流を表す測定電流信号の瞬間ベクトル和だけに
基づく差動保護により内部故障に対して３〜５ｍｓで引
はすしを行うことのできる電子的差動継電装置を実現す
ることはいたって容易であり、測定された電流信号波形
を処理しなくても突入状態を検知でき、従って遅延は起
こらない。しかし、このような継電装置もまた、突入電
流状態を内部故障状態と誤認し、誤って遮断器を作動さ
せることになる。

内部故障と誤認して遮断器を作動させずに差動継電装置
の作動を加速するアプローチの１つが米国特許第４，４
０２，０２８号明細書に開示されている。即ち、この継
電装置は電圧監視によってあらかじめ調波を抑止し、継
電装置の差電流装置が変圧器の内部故障が発生してから
３〜Ｓｍｓ以内に引はすしの判断を下すことができる。

この継電装置は突入状態が発生すると変圧器ゾーンの電
圧が急上昇するという原理に基づいて動作する。調波抑
止は変圧器ゾーンにおける電圧上昇率が所定の値を超え
ると行われる。変圧器ゾーンにおける電圧が低下するの
かまたは定常なら、電圧監視によってあらかじめ調波抑
止が行われるから、発生した変圧器の内部故障に対して
上記応答時間で遮断器を作動させることができる。上記
米国特許に開示された継電装置の重大な欠点は、多くの
場合、電力変圧器保護継電装置が電圧測定装置を組み込
まれていないため、電力測定が可能であるかまたは変圧
器に計器用変圧器及びその接続回路が設けられている場
合にしか利用できないことである。

変圧器には電圧測定装置が組込まれており、この電流測
定装置は保護継電装置との接続回路を含んでいる。従っ
て、内部故障と誤認された初期及び回復突入電流状態な
どに基づく遮断器の作動を防止しながら変圧器保護差動
継電装置の応答時間を加速するためには電流監視という
アプローチガ絶対に必要となる。応答加速用に電流監視
を採用する変圧器保護差動継電装置は追加の測定装置も
、そのための接続回路も必要とせずに被保護電圧器の周
辺に組込まれた電流測定装置を利用することができる。

本発明は、３相電力網中に配置され、電力網の少なくと
も１つの相の複数巻線を有し、各巻線がその巻線を流れ
る電流を表わす信号を発生するそれぞれに連携の電流測
定装置を含む変圧器を、変圧器を流れる電流を遮断する
ことので診る遮断手段を用いて内部故障から保護するた
めの差動継電装置であって、変圧器の少なくとも１つの
相の電流測定装置から電流信号を受信する手段と、１つ
の相の電流信号から最高抑止信号を得る手段と、１つの
相の電流信号から作動信号を得る手段と、作動及び最高
抑止信号の制御下に変圧器の１つの相において懸念され
る内部故障状態を検知して検知を示す第１信号を発生す
る手段と、作動信号の制御下に変圧器の１つの相におけ
る突入電流状態を所定の時間をかけて検知し、検知を示
す第２信号を発生する手段と、電流突入状態検知に要す
る時間に相当する時間だけ第１信号を遅延させる手段と
、遅延第１信号の制御下に遮断手段を作動させるための
第３信号を発生し、・この第３信号の発生を第２信号に
よって抑制されるようにする手段と、最高抑止信号、作
動信号及び第１信号の制御下に変圧器の内部故障状態を
検知し、検知に応答して、実質的な遅延を伴わず、かつ
第３信号発生手段とは独立に、遮断手段を作動させるた
めの第４信号を発生する手段とから成り、第４信号発生
手段が変圧器内部故障状態下に第３信号発生の遅延時間
を飛ばして遮断手段を作動させる信号の発生を加速する
ことを特徴とする差動継電装置を提案する。

本発明の重要な構成要件として、変圧器のそれぞれの巻
線に、対応の巻線を流れる電流を表わす信号を発生する
電流測定装置を連携させる。差動継電装置は変圧器の少
なくとも１つの相の電流測定装置から電流信号を受信す
る回路を含み、さらに、１つの相の電流信号から最高抑
止信号及び作動信号を得る回路を含む。ほかに、作動及
び最高抑止信号の制御下に変圧器の１つの相における潜
在的な内部故障状態を検知して、この検知を示す第１信
号を発生する回路を含む。さらにまた、作動信号の制御
下に変圧器の１つの相における突入電流状態を検知し、
この検知を示す第２信号を発生する回路を含む。この検
知プロセスには完了するまでに所定の時間がかかる。

第１信号は突入電流検知に要する前記時間に相当する時
間だけ遅延させられる。遮断手段は遅延第１信号の制御
下に作動し、第２信号によって抑制されない限り、変圧
器を流れる電流を遮断する。

継電装置に含まれるさらに他の回路は最高抑止信号、作
動信号及び第１信号の制御下に変圧器の内部故障状態を
検知し、この検知に応答し、ほとんど遅延を伴わずに、
遮断手段を作動させるための別の信号を発生することに
より、第１信号による遮断手段の遅延作動を出し抜いて
、変圧器内部故障状態下に遮断手段作動信号の発生を加
速する。この回路は最高抑止信号及び第１信号の制御下
に変圧器の１つの相における回復突入電流状態を検知し
、この検知を示す、非遅延遮断器作動信号の発生を抑制
するための信号を発生する回路部分を含む。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図は電力結合のため電力網の線区間２８．３０．３
２にそれぞれ結合する複数の巻線２２．２４．２６を有
する電力変圧器２０を示す。第１図には電力網の１つの
相Ａだけを示したが、この電力網は３つの相、例えばＡ
、Ｂ、Ｃを含むのが普通である。従って、第１図には示
さなかった変圧器２０の他の相ＢＳＣについてもそれぞ
れ連携の線区間及び゛変圧器巻線が存在する。線区間２
８．３０．３２とそれぞれ結合する変流器３４．３６．
３８がそれぞれ変圧器巻線２２．２４．２６を介する電
流を測定する。変流器３４．３６．３８は変圧器２０の
周辺に差動ゾーンを形成する。この差動ゾーン内に、変
圧器２０のパス２８．３０．３２を流れる電流を遮断し
、変換器２０を電力網から遮断する公知の遮断装置４２
．４４．４６が配置されている。変流器の相Ｂ、Ｃの巻
線にも同様の変流器及び遮断装置を設ける。

この実施例では、従来型の差動継電ユニット（ＤＲＵ）
５０が変流器３４．３６．３８から発生する電流信号を
モニタし、この情報から、電圧変圧器２０の相Ａに潜在
的な内部故障が存在するかどうかを判定する。２つの他
のＤＲＵ５２．５４は変圧器２０の他の２つの相、即ち
、相Ｂ、Ｃの巻線からの電流信号をモニタする。一般に
、従来型の差動継電ユニット５０．５２．５４は連携の
変流器から発生する電流信号をモニタし、この情報に基
づいて、電力網のいずれかの相における電力変圧器２０
内に潜在的な内部故障が存在するかどうかを判定する。

それぞれのＤＲＵ５０．５２．５４は発生した電流から
それぞれ抑止信号を形成し、振幅が最大の抑止信号、即
ち、最高抑止信号を選択する。典型的なりＲＵの内部動
作を第２図に示す実施例との関係で詳しく説明する。

第２図から明らかなように、変流器３４．３６．３８と
連携の電流信号は対応する１組の信号変成器６６．６８
．７０の１つの巻線６０．６２．６４にそれぞれ結合さ
れる。巻線６０．６２．６４は補助信号変成器８０．８
２の巻線７６．７８を介して共通電位７４と接続する共
通点７２と星形接続する。３４．３６．３８の電流信号
は巻線６０．６２．６４にそれぞれ対応の抑止信号を表
わす第１電圧を形成し、これらの第１電圧が変成器６６
．６８．７０の他の巻線８４．８６．８８に重砲的に第
２電圧を形成する。６６．６８．７０の第２電圧は６０
．６２．６４の対応する第１電圧にそれぞれ比例する。

ダイオードブリッジ回路９０．９２．９４を巻線８４．
８６．８８にそれぞれ接続することにより、それぞれの
出力端子間に全波整流第２電圧信号を発生させる。従っ
て、ブリッジ９０．９２．９４に発生する整流信号は変
流器３４．３６．３８によって測定された電流から得ら
れる対応の抑止信号と常に比例する。回路パス９６．９
８はダイオードブリッジ９０，９２．９４の対応端子出
力を並列に接続し、回路パス９６．９８間の電圧は信号
変成器６６．６８．７０から発生する最高抑止信号を表
す。

信号変成器８０の巻線７６を介して発生する電流は他の
巻線１００に差動継電ユニットの作動信号測定値を表す
電圧を発生させる。

別のダイオードブリッジ回路１０２を巻線１００に接続
することにより、巻線１００に発生する作動信号を全波
整流する。信号線９６．９８の最高抑止信号及びダイオ
ードブリッジ回路１０２から発生する作動電圧を従来型
の調整回路１０４．１０６にそれぞれ供給することがで
きる。調整された最高抑止信号及び作動信号はそれぞれ
信号線１０８．１０９によって従来型の比較装置１１０
に伝送され、この比較装置１１０は測定変流器３４．３
６．３８によって決定される差動変成器ゾ−ン内に潜在
的な内部故障状態が存在するかどうかを判断する。比較
装置１１０は第１状態の信号１１２を発生して内部故障
状態を指示し、第２状態の信号を発生して内部故障状態
が存在しないことを指示する。調整された最高抑止信号
及び作動信号は外部から信号線１０８．１０９を介して
ＤＲＵ５０にも供給される。同様に、相Ｂと連携するＤ
ＲＵ５２は信号線１１４．１１６．１１８を介してそれ
ぞれ最高抑止信号、作動信号及び内部故障指示信号を発
生する。同様に、相Ｃと連携するＤＲＵ５４は信号線１
２０．１２２．１２４を介してそれぞれ最高抑止信号、
作動信号及び内部故障指示信号を形成する（第１図）。

第２図から明らかなように、補助信号変成器８２の巻線
７８を介して発生する電流を電磁的に他の巻線１２６に
結合することができ、前記巻線１２６は２つの並列に配
置された従来型のフィルタ回路１２８．１３０に接続す
ることができる。この実施例では、フィルタ回路１２８
として、巻線１２６に発生する作動信号の主として第２
調波信号分を表す信号１３２を通過させる帯域フィルタ
を利用することができる。これとは逆に、フィルタ回路
１３０としては、作動信号の残りの周波数スペクトル信
号分を表わす信号１３４を通すため同じ作動信号の第２
調波信号分をほとんど完全に消去する帯域消去フィルタ
を利用すればよい。信号１３２．１３４はフィルタ１２
８．１３０のフィルタ処理時間として作動信号１２６か
ら少なくとも１電力線サイクルだけ遅延させられる。信
号１３２．１３４を調波抑止コンパレータと呼ばれる他
の従来型比較装置１３６で比較することにより、変圧器
２０に突入励磁状態が存在するかどうかを判定すること
ができる。突入状態が存在すると判定されるとコンパレ
ータ１３６は第１状態の信号１３゛８を発生し、突入状
態が存在しなければ第２状態信号を発生する。同様に、
他のＤＲＵ装置５２．５４も突入状態信号１４０．１４
２をそれぞれ発生する（第１図）。

以　　下　　余　　白 また、第１図にブロックダイヤグラムで示す３相実施例
では、信号１３８．１４０．１４２のいずれか１つが突
入状態を示すかどうかを検知するために調波抑止検知器
１４４を組込む。従って、検知器１４４は突入状態を示
す第１状態及び非突入状態を示す第２状態で出力信号１
４６を発生する。ＤＲＵ５０．５２．５４からそれぞれ
発生する３個の内部故障指示信号１１２．１１８．１２
４はそれぞれ装置１４８．１５０，１５２により一定時
間の遅延を与えられる。この遅延時間は突入電流検知に
利用されるＤＲＵ５０．５２．５４のフィルタ、例えば
１２８．１３４の処理時間に相当する。ＤＲＵ５０．５
２．５４からの遅延内部故障指示信号１５４．１５６．
１５８は１組のＡＮＤゲート１６０．１６２．１６４の
一方の入力にそれぞれ供給される。調波抑止信号１４６
はＡＮＤゲート１６０．１６２．１６４のそれぞれの反
転入力に供給され、ＡＮＤゲート１６０．１６２、１６
４の出力は遮断装置、例えば４２．４４．４６を作動さ
せる信号１６８を発生するＯＲゲート１６６の３つの人
力に供給される。

典型的な動作態様においては、変流器３４．３６．３８
が電力変圧器２０の相Ａの巻線２２．２４．２６を流れ
る電流をモニタし、それぞれの信号をＤＲＵ５０に供給
する。ＤＲＵ５０において、電流信号を受信したそれぞ
れの信号変成器６６．６８．７０がその抑止信号を得る
。ダイオードブリッジ９０．９２．９４を利用して抑止
信号のうち最高の抑止信号が信号線９６．９８を介して
調整回路１０４に供給され、回路１０４は信号線１０８
を介して調波最高抑止信号を発生する。信号変成器８０
を介して供給され、ダイオードブリッジ１０２によって
全波整流された受信電流信号ベクトル和からも作動信号
が得られる。こうして得られた作動信号が回路１０６に
よて調整され、調整された信号は信号線１０９を介して
供給される。比較回路１１０は信号線１０８．１０９か
らそれぞれ供給される最高抑止信号及び作動信号を利用
することにより、電力変圧器２０の内部故障と外部故障
を弁別する。比較回路１１０から発生する信号１１２の
第１状態は潜在的な内部故障を示す。

受信電流信号のベクトル和は補助信号変成器８２から電
力変圧器２０の電流突入状態を検知するためのユニット
１２８．１３０．１３６から成る調波抑止回路にも供給
される。

すでに述べたように、検知プロセスには少なくとも１電
力線サイクルを要するから、信号１３８は少なくとも１
電力線サイクルだけ遅延する。

第１図において、もし調波抑止信号１３８．１４０．１
４２のいずれかが発生すると、検知ユニット１４４は少
なくとも１電力線サイクルだけ゛遅延した共通抑止信号
１４６を発生させることでこれに応答する。電流突入状
態を伴う相のＤＲＵは対応の信号線１１２．１１８また
は１２４を介して誤った内部故障指示信号を発生して連
携のＡＮＤゲート１６０．１６２または１６４に応答す
る。ただし、内部故障指示信号が発生するのはその問題
の電流突入状態が発生してから３〜ＳｍＳ以内である。

もし内部故障検知と電流突入状態の検知の応答時間差に
対して補償がなされないなら、内部故障指示信号は連携
のＡＮＤゲートを通過し、調波抑止信号１４０が連携Ａ
　Ｎ　Ｄゲートの通過を阻止する前にＯＲゲ−）１６６
及び信号１６８によって遮断器が作動させられてしまう
。

このような事態を防止するため、図示の実施例はＤＲＵ
５０．５２．５４の内部故障指示信号バスにそれぞれ遅
延装置１４８．１５０．１５２を設けることにより内部
故障指示信号を電流突入状態検知プロセスの遅延よりも
やや長く遅延させて、抑止信号１４６が内部故障指示信
号よりも先にＡＮＤゲート１６０．１６２．１６４に到
達し、突入状態の存在が検知された場合前記内部故障指
示信号の通過を阻止するように構成されている。この構
成の欠点として、突入状態が存在せず、実際に内部故障
が発生している場合、遮断器の作動が装置１４Ｂ、１５
０．１５２の遅延時間、即ち、少なくとも１０ｍｓ以上
に及ぶことのある遅延時間だけ遅延する。

本発明では差動１電装置に加速回路１７０．１７１．１
７２を組込み、ＤＲＵ５０．５２．５４とそれぞれ接続
する。それぞれの加速回路は相Ａ、Ｂ％Ｃに対応し、連
携のＤＲＵから発生する最高抑止信号、作動信号及び内
部故障状態信号によって制御される。各加速回路は対応
相に関連する変圧器の内部故障状態を検知し、この検知
に応答して、ほとんど遅延を伴わず、かつ差動継電装置
の他の内部故障及び調波抑止回路とは独立に、遮断装置
作動信号を発生する。

図示の実施例では、装置１７０．１７１、１７２からの
遅延信号がそれぞれパス１７４．１７６．１７８を介し
てＯＲゲート１８０の人力に供給され、ＯＲゲートの出
力はＯＲゲート１６６の第４人力と接続している。

従って、非遅延信号１７４．１７６．１７８の１つでも
発生すると、これに応答してＯＲゲート１８０がＯＲゲ
ート１６６及び信号線１６８を介して遮断装置の作動を
制御する。

即ち、差動継電装置に組込まれた加速回路１７０．１７
１．１７２は電流突入状態検知プロセスに要する時間に
相当する遅延時間を飛ばして、変圧器の内部故障状態下
に遮断装置作動信号の発生を加速する。加速回路の応答
時間は電力変圧器２０の少なくとも１つの相の内部故障
が発生してから約３〜５　ｍ　ｓ、以内に遮断装置を作
動させることができる。以下の説明から明らかなように
、加速回路１７０．１７１．１７２を信号パス１８２．
１８４を介して相互依存させることができる。

加速回路１７０．１７１．１７２の適当な実施例を第３
にブロックダイヤグラムで略示した。典型的には、回路
１７０，１７１．１７２のそれぞれが装置２００及びＡ
　Ｎ　Ｄゲート２０２を含む。装置２００は対応の作動
信号と最高抑止信号の比を取り出し、この比を１と比較
する。装置２００の出力信号がＡＮＤゲート２０２の１
つの人力に供給され、対応の内部故障指示信号が同じＡ
ＮＤゲート２０２の他方の人力に供給される。もし比が
１よりも大きければ信号２０４が１つの状態を取り、さ
もなければ他の状態を取る。比が１よりも大きく、内部
故障指示信号が存在すると、ＡＮＤゲート２０２から非
遅延信号１７４．１７６または１７８が発生して即時に
遮断器を作動させる。

初期の突入状態の場合、対応する作動信号と最高抑止信
号の比は１に等しいか１以下と検知され、この場合、Ａ
ＮＤゲートは禁止され、非遅延内部故障指示信号を通さ
ない。変流器の飽和を伴わない外部故障の場合、作動信
号はほとんど０となり、前記比を１以下とし、ＡＮＤゲ
ート２０２を禁止する。変流器の著しい飽和を伴う外部
故障の場合、比は１よりも大きくなる。ただし、外部故
障のある相の対応するＤＲＵがこの状態を検知し、連携
の故障指示信号線を介して適当な信号を発生し、ＡＮＤ
ゲート２０２を禁止する。残る状態は回復電流突入状態
だけであり、これは第３図に示す実施例のその他の機能
ユニットによって処理される。

第３図から明らかなように、少なくとも３つの最高抑止
信号１０８．１１４．１２０が回復突入電流検知手段の
機能ブロック２１０に供給される。また、３個の内部故
障指示信号１１２．１１８．１２４がＯＲゲート２１２
に供給される。ＯＲゲート２１２の出力はＡＮＤゲート
２１４の反転入力と接続する。

機能ブロック２１０の出力は第１タイマー装置２１６を
介してＡＮＤゲート２１４の他方の人力と接続する。Ｏ
Ｒゲート２１２の出力はＡＮＤゲート２１８の一方の人
力及び他のＡＮＤゲート２２０の反転入力とも接続する
。ＡＮＤゲート２１４の出力は第２タイマー装置２２２
を介してＡＮＤゲート２１８の他方の人力と接続する。

ＡＮＤゲート２１８．２２０の出力は双安定回路２２４
のセット及びリセット入力とそれぞれ傍続する。回路２
２４の出力はＡＮＤゲート２２０の他方の人力に供給さ
れると共に、信号線１８２．１８４を介して回路１７０
．１７１．１７２におけるＡＮＤゲート２０２の反転入
力にも供給される。

上記回復突入状態検知回路は加速回路１７０．１７１．
１７２のいずれか１つに組み込み、その出力を第３図に
示すように信号線１８２．１８４を介して他の２つの加
速回路の供給するのが好都合である。次に作用を説明す
る。機能ブロック２１０は信号線１０８．１１４．１２
０から最高レベルの抑止信号を選び、これを例えば電力
変圧器２０の１つの相の最大負荷電流にセットされた所
定のレベル値と比較する。もし選択した最高抑止信号が
所定値よりも大きければ、故障電流状態を指示する信号
がタイマー２１６に伝送される。

タイマー２１６はこの信号がＡＮＤゲート２１４へ通過
するのを、この実施例では２０ｍ５にセットされている
所定の時間だけ遅延させる。ただし、タイマー２１６は
前記信号が２１０から消滅すると直ちにこれに応答する
。ＯＲゲート２１２は内部故障指示の有無について信号
線１１２．１１８．１２４をモニタし、もし内部故障指
示がなければＡＮＤゲート２１４をイネーブルして前記
信号を２１０からタイマー２２２へ通過させる。タイマ
ー２２２はこの実施例の場合遅延を伴うことなく応答し
てＡＮＤゲート２１８をイネーブルするようにセットさ
れている。もしＯＲゲート２１２が信号線１１２．１１
８．１２４のいずれかに回復突入状態を示す内部故障指
示を検知すると、ＡＮＤゲート２１４．２２０が禁止さ
れる。また、タイマー２２２からのイネーブル信号は例
えば２０ｍ５程度の所定時間にわたって持続されるから
、ＯＲゲート２１２を通過する内部故障指示信号はＡＮ
Ｄゲート２１８を介して双安定回路２２４をセットし、
回復突入抑止信号２２６を発生させることができる。信
号２２６は回路１７０．１７１．１７２中のＡＮＤゲー
ト２０２を禁止し、これに制御される遮断器作動を阻止
する。回復突入状態が除かれると、これに応答してＯＲ
ゲート２１２はＡＮＤゲート２１８を禁止し、ＡＮＤゲ
ート２１４．２２０をイネーブルする。ＡＮＤゲート２
２０がイネーブルされると、信号２２６がフィードバッ
クされ、双安定回路２２４がリセットされて、禁止信号
２２６の発生が停止され、加速回路１７０．１７１．１
７２に対する動作抑止が除かれる。

要約すれば、加速回路１７０．１７１．１７２は変圧器
保護差動継電装置の遮断器作動遅延を省き、検知された
内部故障に対して約３〜５ｍｓの応答時間で遮断器を作
動させる。さらにまた、加速回路は電力変圧器２０中の
初期突入または回復突入電流に基づいて誤認された内部
故障状態に応答することを阻止される。加速回路はまた
、変流器飽和の著しい外部故障状態においても、遮断器
の作動を抑止する機能を果たす。

【図面の簡単な説明】

第１図は変圧器保護用差動継電装置を略示するブロック
ダイヤグラム。 第２図は第１図の実施例に好適な変圧器の１つの相に対
応する差動継電装置を略示するブロックダイヤグラム。 第３図は第１図の実施例に好適な複数の加速回路を略示
するブロックダイヤグラムである。 ２０・・・・電力変圧器 ３４．３６．３８・・・・交流器 ４２．４４．４６・・・・遮断器 ５０．５２．５４・・・・差動継電ユニット１０４・・
・・最高抑止信号発生回路 １０６・・・・作動信号発生回路 １１０・・・・比較回路 １２８．１３０・・・・フィルタ回路 １３６・・・・比較回路 １４４・・・・調波抑止検知回路 １７０．１７１．１７２・・・・加速回路２１０・・・
・機能ブロック

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、３相電力網中に配置され、電力網の少なくとも１つ
   の相の複数巻線を有し、各巻線がその巻線を流れる電流
   を表わす信号を発生するそれぞれに連携の電流測定装置
   を含む変圧器を、変圧器を流れる電流を遮断することの
   できる遮断手段を用いて内部故障から保護するための差
   動継電装置であって、変圧器の少なくとも１つの相の電
   流測定装置から電流信号を受信する手段と、１つの相の
   電流信号から最高抑止信号を得る手段と、１つの相の電
   流信号から作動信号を得る手段と、作動及び最高抑止信
   号の制御下に変圧器の１つの相において懸念される内部
   故障状態を検知して検知を示す第１信号を発生する手段
   と、作動信号の制御下に変圧器の１つの相における突入
   電流状態を所定の時間をかけて検知し、検知を示す第２
   信号を発生する手段と、電流突入状態検知に要する時間
   に相当する時間だけ第１信号を遅延させる手段と、遅延
   第１信号の制御下に遮断手段を作動させるための第３信
   号を発生し、この第３信号の発生を第２信号によって抑
   制されるようにする手段と、最高抑止信号、作動信号及
   び第１信号の制御下に変圧器の内部故障状態を検知し、
   検知に応答して、実質的な遅延を伴わず、かつ第３信号
   発生手段とは独立に、遮断手段を作動させるための第４
   信号を発生する手段とから成り、第４信号発生手段が変
   圧器内部故障状態下に第３信号発生の遅延時間を飛ばし
   て遮断手段を作動させる信号の発生を加速することを特
   徴とする差動継電装置。 ２、第４信号発生手段が作動信号と最高抑止信号の比及
   び第１信号の制御下に第４信号を発生する手段を含むこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の継電装置
   。 ３、第４信号発生手段が作動信号と最高抑止信号の比が
   １以上になるとほとんど同時にこれを検知してこの状態
   を示す第５信号を発生する手段と、第１及び第５信号の
   制御下に第４信号を発生する論理手段を含むことを特徴
   とする特許請求の範囲第２項に記載の継電装置。 ４、第４信号発生手段が最高抑止信号及び第１信号の制
   御下に変圧器の１つの相における回復突入電流状態を検
   知して検知を示す第６信号を発生する手段と、第６信号
   の制御下に第４信号の発生を抑制する禁止手段を含むこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項から第３項までの
   いずれかに記載の継電装置。 ５、第６信号発生手段が最高抑止信号の制御下に変圧器
   の１つの相に懸念される貫流故障状態を検知し、第１信
   号が存在しない場合に限って検知を示す貫流故障信号を
   発生し、第１信号の発生から一定の持続時間にわたって
   貫流故障信号発生を持続させる手段と、貫流故障信号の
   持続時間中に第１信号が発生するとこれに応答して第６
   信号を発生し、第１信号の消滅に応答して第６信号発生
   を終了させる双安定回路を含むことを特徴とする特許請
   求の範囲第４項に記載の継電装置。 ６、貫流故障検知手段が最高抑止信号が所定レベルより
   も高ければ第１中間信号を発生する手段と、第１中間信
   号が発生し、第１信号が発生しない場合にもにこれに応
   答して第２中間信号を発生する論理手段と、第２中間信
   号の発生に応答して貫流故障信号を発生し、第２中間信
   号の発生が終わってから一定の持続時間にわたって貫流
   故障信号発生を持続させるタイマー手段を含むことを特
   徴とする特許請求の範囲第５項に記載の継電装置。 ７、最高抑止信号及び第１信号の制御下に変圧器の１つ
   の相における回復突入電流状態を検知する手段が第４信
   号の発生を抑制するための、検知を示す第６信号を発生
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項から第６項
   までのいずれかに記載の継電装置。 ８、変圧器の相ごとに差動継電ユニットが設けられ、そ
   れぞれの継電ユニットが電流突入状態の検知に要する時
   間に相当する時間だけ第１信号を遅延させる手段と、３
   つの相の遅延第１信号の制御下に、遮断手段を作動させ
   る信号を発生し、３つの相に対応する第２信号が１つで
   も発生すると第３信号発生が抑制される第１論理手段と
   、それぞれの差動継電ユニットごとに設けられ、対応の
   差動継電ユニットの最高抑止信号、作動信号及び第１信
   号の制御下に変圧器の対応相における内部故障状態を検
   知し、この検知に応答して、ほとんど遅延を伴わず、か
   つ対応の第３信号発生手段とは独立に、遮断手段を作動
   させる第４信号を発生する加速回路手段を含み、変圧器
   の内部故障状態下に各加速回路が対応の差動継電ユニッ
   トの遅延時間を飛ばして第３信号を発生し、遮断手段を
   作動させる信号の発生を加速することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項から第７項までのいずれかに記載の継
   電装置。 ９、３つの差動継電ユニットの最高抑止信号及び第１信
   号の制御下に変圧器のいずれにおける回復突入電流状態
   を検知し、検知を示す第５信号を発生する手段と、第５
   信号の制御下に３つの加速回路による第４信号発生をす
   べて禁止する禁止手段を含むことを特徴とする特許請求
   の範囲第８項に記載の継電装 置。 １０、第５信号発生手段が３つの相の最高抑止信号の制
   御下にいずれかの変圧器相における貫流故障状態を検知
   し、３つの第１信号が存在しない場合にのみ検知を表わ
   す貫流故障信号を発生し、３つの第１信号が１つでも発
   生すると、この発生から一定の持続時間にわたって貫流
   故障信号発生を持続させる手段 と、貫流故障信号の持続中に３つの第１信号の１つが発
   生するとこれに応答して第５信号を発生し、３つの第１
   信号がすべて消滅するとこれに応答して第５信号発生を
   終結させる双安定回路を含むことを特徴とする特許請求
   の範囲第９項に記載の継電装置。 １１、貫流故障検知手段が３つの最高抑止信号の最大レ
   ベルが所定レベルよりも高いと第１中間信号を発生させ
   る手段と、第１中間信号が発生し、３つの第１信号が１
   つも発生しない場合にのみ、これに応答して第２中間信
   号を発生する論理手段と、前記第２中間信号発生に応答
   して貫流故障信号を発生し、第２中間信号の発生が終結
   してから一定の持続時間にわたって貫流故障信号発生を
   持続させるタイマ手段を含むことを特徴とする特許請求
   の範囲第１０項に記載の継電装置。