JPS62141199A - ヒドロゲル系バインダ−繊維含有シ−ト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はヒドロゲル系バインダー繊維含有シートに関す
るものである。さらに詳しくいえば１本発明は、例えば
トイレットペーパー、紙おむつその他ディスポーザブル
な生理衛生製品などに好適な、乾燥状態では高い強度を
有し、かつ水中においては小さいせん断力でも各構成繊
維に容易に離解しうろ紙状シートに関するものである。

従来の技術 自己接着性を有しない、あるいは有していても極めて小
さいために、単独では紙状シートに抄造することができ
ないパルプ状物や短線維企抄造する場合には、これまで
バインダーとして、合成樹脂及び合成ゴムエマルジョン
、ホットメルト接着剤、繊維状のものとしては、例えば
ポリビニルアルコール繊維、エチレン−酢酸ビニル共重
合体繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維又は
これらの複合繊維などや粉末状のものも用いられている
。これらのバインダーは、合成ゴム、合成樹脂の高分子
接着性を利用したり、所要の主材となる短繊維に混合し
、紙状体を形成させたのち、加熱し、これらの短繊維同
士を熱融着するものが主体である。

ところで、近年水洗トイレ用のトイレットペーパーや生
理用品の需要が増加するとともに、使用後水中に投入し
たときに、速やかに繊維状に離解される紙状シート製品
への要望が高まってきている。

しかし、従来のバインダーのうち、合成ゴムや合成樹脂
系エマルジョンやエチＶン酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレンから成るものは、績維間結合剤
が水に対して安定なために、抄造したものかつ再び繊維
状に離解することは非常に困難である。また、ポリビニ
ルアルコール繊維も常温下では水中で膨潤するだけで、
溶解しないので、加熱するか、化学薬品を添加するか、
あるいはパルパーなどによシ大きなせん断力を与えるな
ど特別な処理を加えなければ離解することができない。

したがって、これまで水洗トイレのフラッシュ流程度の
せん断力で、簡単に個々の繊維に離解しうる、実質的に
自己接着性を有しない繊維材料を主体とした紙状シート
製品は全く知られていなかった。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、このような事情のもとで、実質的に自
己接着性を有しない繊維材料を主体とし、かつ乾燥状態
では高い強度を有する上に、水中においては小さいせん
断力でも各構成繊維に容易に離解しうる紙状シートを提
供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重
ねた結果、アルギン酸とアルギン酸アルキレングリコー
ルエステルとの混合体の非水溶性塩から成る繊維は、乾
燥状態では繊維間結合力を育するが、湿潤状態ではヒド
ロゲル化して繊維間結合力を失うことを、したがってこ
のものをノくイングー繊維として用いることによりその
目的を達成しうろことを見出し、この知見に基づいて本
発明をなすに至った。

すなわち、本発明は、実質的に自己接着性を肩しない繊
維材料１００重量部に対し、アルギン酸塩とアルギン酸
アルキレングリコールエステルとの混合体の非水溶性ヒ
ドロゲルから成るバインダー繊維５〜１００重量部を混
合し、抄造して成るヒドロゲル系バインダー繊維含有シ
ートを提供するものである。

本発明で用いるバインダー線維は、水浴性アルギン酸塩
とアルギン酸アルキレ／グリコールニス翫 チルを含有する水キドープを湿式紡糸して非水溶性塩か
ら成る繊維全形成させたのち、乾燥することによって得
ることができる。

この除用いる水溶性アルギン酸塩の例としては、アルギ
ン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マ
グネシウム塩：＝を世などがあり、こｎらは単独で用い
てもよいし、まｆｃ２種以上組み合わせて用いてもよい
。

他方、アルギン酸アルキレングリコールエステルの例と
しては、アルギン駿エチレングリコールエステル、アル
ギン酸プロピレンクリコールエステル、アルギン酸フチ
レンゲリコールエステルなどを挙げることができる。こ
れらは例えばアルギン酸とアルキレンオキンドとの反応
によって得ることができる。こ几らは単独で用いてもよ
いし、また２種以上組み合わせて用いてもよい。−水溶
性アルギン酸塩とアルギン酸アルキレングリコールエス
テルとの混合割合は、重量比で９５５ないし１０９０の
範囲内で選ば几る。この場合、アルギン酸アルキレング
リコールエステルの割合が多いほど得らｎる繊維はヒド
ロゲル化しやすくなるが、あまり多くなると紡糸時の凝
固速度が低下し、作業能率が低下する原因となるので、
９０重量％が最高限度である。

紡糸用のドープは、上記の水溶性アルギン酸塩とアルギ
ン酸アルキレングリコールエステルとの混合物を、２〜
１０重緻チの範囲の濃度で水に溶解することによって調
製さｎる。この際、、水溶性アルギン酸塩とアルギン酸
アルキレングリコールエステルとは、そ詐ぞれ別個に所
定量を秤量して水中に加えてもよいし、またアルギン酸
アルキレングリコールエステルの製造時にエステル化度
の低いものを形成させ、所望の割合に対応するアルギン
酸塩とエステルとを含むブロックポリマー状の物質とし
、これを水中に加えてもよい。

このようにして得らｎるドープは、濾過して不溶物を除
き、さらに脱泡して紡糸に使用さする。

紡糸は、上記のドープを例えばギヤーポンプなどにより
定量的に、多数の吐出孔全備えた紡糸口金から、凝固浴
中に押出すことによって行わ几る。

凝固浴としては、水溶性アルギン酸塩の陽イオンと交換
１．てこｆＬｆｆ不溶化しうる金属・イオンの水溶性塩
又は有機又は無機酸を含む溶液が用いられる。このよう
な水溶性塩としては、例えばカルシウム、バリウム、ス
トロンチウム、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、コバル
ト、クロム、銅、マンガン、鉛などの金属の塩酸塩、硫
酸塩、硝酸塩、υノ酸塩、有機又は無機酸としては酢酸
、プロピオン酸、又は塩酸、硫酸などを挙ザることがで
きる。これらの水溶性塩は単独で用いてもよいしまた２
種以上組み合わせて用いてもよい。

この凝固浴には、必要に応じ、繊維表面を変性するため
に、親水性の有機溶剤、例えばメタノール、エタノール
、アセトン、酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸アミド、ギ
酸アミドや各種の界面活性剤を添加することができる。

本発明のバインダー繊維の紡糸は、上記の水素ドープを
ノズルを通して凝固液中に導入することによシ、湿式で
行われる。バインダーとしての効果から考えるとノズル
径を小さくして繊度の小さい繊維に紡糸する方が比表面
積が大きくなるので好ましいが、あまり繊度を小さくす
ると繊維強度が不十分になるので、ノズル径としては０
．０１〜０５ｍの範囲が適当である。

紡糸された繊維は引取コーラに巻き取らへ抄造に適する
長さ、すなわち１．０〜２０．０．好ましくは２０〜１
００に裁断されたのち、必要に応じて乾燥する。

このようにして得られたバインダー繊維は、水の存在下
ではヒドロゲル状の繊維形態を保持し、かつ乾燥状態で
は繊維間結合力を有しているので、実質的に自己接着性
を有しない繊維材料を抄造する際のバインダー繊維とし
て極めて適している。

そして、該繊維材料とこのバインダー繊維とを混抄して
得られた紙状シートは、水中においては、該バインダー
繊維が可逆的にヒドロゲル化し、接着作用を失うため、
小さなせん断力で容易に各繊維に離解される。

本発明で用いられる実質的に自己接着性を有しない繊維
材料としては、例えばフラッシュパルプ、レーヨン繊維
、キュプラ繊維、キチン質繊維、コラーゲン繊維、アク
リル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維など各種の化学繊維、合成繊維が挙げられ
る。これらは一般的には自己接着性がないため、単独で
抄造した。

のではシートとすることができない。

本発明のシートは、前記の実質的に自己接着性を有しな
い繊維材料１００重量部に対し、該バイングー繊維５〜
１００重量部混合し、常法に従い湿式法により抄造する
ことによって得ら汎る。このバインター−繊維の混合割
合が５重量部未満では抄造が困難であり、また１００重
量部を超えると、得ら几たシートは該繊維材料が有する
本来の特性が失われ、かつ水中における離解の速度が著
しく遅くな９実用的でなくなる。

このようにして得らｎた本発明のシートは、乾燥状態で
は高い強度を有するが、水中では該バインダー繊維が速
・やかに水を吸収してヒドロゲルとなり、同時に接着能
を失うためシートは各構成罐堆に離解しやすい状態とな
り、水洗；・・イレのフラｉンユ流程度のせん断力でも
離解しうる。さらに、該バインダー繊維は、アルギン酸
塩とアルギン酸アルキレングリコールエステルから成る
ものでちるが、こ汎らの化合物はいずｎも食品添加物と
して公認さ１ており、人体に触れても安全であるばかり
でなく、止血作用など望ましい薬理活性’ｒＷしている
ので、本発明のシートは食品包装用としてもなんら制限
さ几ることかない。

実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。

梨造例　バインダー繊維の調造 アルギン酸ナトリウム５０重量部とアルギン酸プロピレ
ングリコールエステル５０重量部の混合物を水に対して
５重量慢になるように混和した。

次いで、平均孔径５０μのセラミックフィルター全濾過
圧３，５に９／−Ｇで濾過して不溶性異物を除去し、紡
糸用ドープを調製した。湿式紡糸機の原料槽に該ドープ
を供給し、アスピレータ−を用いて一昼夜７６０１ｍ　
Ｈｇの負圧に減圧して脱気した。

その後、原料供給槽の圧力６ｔ、ｏＫ９／＊ｏまで加圧
し、ギアポンプでドープの吐出速ｊｌｆ１６．８ｍ１Ｚ
分に調整して、白金ノズル（０，１０１ｊｌφｘ　ｉｏ
ｏ。

Ｈ）　’ｉ介して５チ塩化カルシウム水浴ＩＫから成る
１疑固浴中に押出したところ、ゲル状の水不溶性繊維が
形成さｎた。この繊維を３つ１組のゴデット３組を通し
、その際第１ゴデツトの回転速度を２０ｒｐｍ、第３ゴ
デツトの回転速度をｊ６ｒｐｍにして延伸倍率１．３倍
で微かな引張りがかかるようにしながら連続糸として巻
き取った。

巻き取った連続糸は寒天状の外観を呈する極めて柔軟な
繊維であった。こｎを切断してゴデツトから取りはずし
、遠心脱水機で脱水後、ギロチンカッターで繊維長３．
０目に切断して短繊維とし、バインダー繊維を得た。

このバインダー繊維は水に分散させると速やかに均一に
分散し、あたかも溶解したかのような状態になった。し
かしながら、水分散液は全く粘着性を持たず、バインダ
ー繊維は繊維状ヒドロゲルとして分散していた。

実施列１ 繊維長５　、　Ｑ　ｍａｌの１．５デニールの製紙用レ
ーヨン１００重量部に対して、鯛造例で得られたバイン
ダー繊維３０重量部を添加して、ＪＩＳ　Ｐ８２０９に
準じてレーヨン紙ｔ−ｍ造した。抄紙用短繊維の水分散
性は極めて良好で、良好な地合のレーヨン紙が得らｎた
。製紙時の乾燥工程において該バインダー繊維はゲル性
を失い、得られたレーヨン紙は従来の高吸収性バインダ
ー繊維を用いた場合に見られるようなべとつきはなかっ
た。このレーヨン紙の物性は坪量６７．７　ｔ／ｒｒ？
、厚さ０．２６鴎、密度０．２詰ψを所長１．８９−で
あった。

添付図面はこのレーヨン紙と定量１紙（密度０．５２８
佇のクレム吸水度を示すグラフである。

このグラフから明らかな工うにこのレーヨン紙は短時間
の吸水性に特に優１ている。

このレーヨン紙を水中に浸し、しばらく放置後。

激しくガラス棒でかきまぜると構成繊維間結合が切断し
てレーヨン繊維は離解してきた。かきまぜ続けていると
、結束繊維のないレーヨン繊維に完全に解体された。

実施例２〜４ 実施例１におけるバインダー繊維の量を、製紙用レーヨ
ン繊維１００重量部に対して、それぞｎ１０重量部、２
０重量部及び９０重量部とした以外は、実施例１と同様
にしてレーヨン紙を抄造した。いずへの場合も抄紙用短
繊維の水分散性は良好で、地合の均一なレーヨン紙が得
らｎた。得られたレーヨン紙の物性は次表のとおシであ
る。

＠奎　極めて迅速につき正確な値が測定できない。

各レーヨン紙を水中に浸した場合、バインダー繊維量が
多い程、離解の速度は遅かったが、いずれも激しくガラ
ス棒でかきまぜる程度で繊維の結束がなぐな゛、〕た、 発明の効果 本発明のヒドロゲル系バインダー繊維含有シートは、乾
燥状態では高い強度ヲ有し、かつ水中においては、水洗
トイレのフラッシュ流程度の小さなぜん断力でも各構成
繊維に容易に離解しうるので、例えばトイレットペーパ
ー、紙おむつその他ディスポーザブルな生理衛生製品な
どに好適に用いら扛る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明のヒドロゲル系バインダー轍維含有し−ヨ
ン紙と定量１紙のクレム吸水度を示すグラフである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　実質的に自己接着性を有しない繊維材料１００重量
   部に対し、アルギン酸塩とアルギン酸アルキレングリコ
   ールエステルとの混合体の非水溶性ヒドロゲルから成る
   バインダー繊維５〜１００重量部を混合し、抄造して成
   るヒドロゲル系バインダー繊維含有シート。