JPS6213803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は表面印刷装置、特に外径の異なる２条
の電線を並列固着してなり、大径部、小径部を有
する所謂ダルマ型ケーブル（以下SSケーブルと
呼ぶ）の表面に高精度で印刷を施し得る表面印刷
装置に係る。

［考案の技術的背景とその問題点］ 従来の表面印刷装置は、第１図、第２図に示し
たように構成されている。

すなわち、垂直なスタンド１にはガイドローラ
固定ユニツト２が摺動定位自在に装着され、この
ガイドローラ固定ユニツトには１対のガイドロー
ラ３，３が可回動に取り付けられている。

また、前記スタンド１には印刷ホイール固定ユ
ニツト４が、前記ガイドローラ固定ユニツト２と
一定間隔を保持したまま、摺動定位可能に装着さ
れている。

この印刷ホイール固定ユニツト４には送りホイ
ール５と印刷ホイール６とが間隔をおいて可回動
に支持されている。

前記印刷ホイール６の表面には、送りホイール
５の上方に設けたテープ送り出し装置７からの印
刷用テープ８が供給されており、この印刷用テー
プ８は印刷ホイール固定ユニツト４の端部に設け
た印刷用テープピツクアツプ装置９によつて巻き
取られるようになつている。

被印刷体であるケーブル１０は、ガイドローラ
３，３と送りホイール５および印刷ホイール６と
の間に挿通され、所定の圧力で挟持される。ここ
で、図示省略の駆動源により送りホイール５を駆
動すれば、ケーブル１０は第１図矢符の方向に走
行する。

この走行間にケーブル１０は印刷ホイール６を
通過する。しかして、印刷ホイール６は図示省略
の加熱源により所定の温度に加熱されており、し
かも印刷用テープ８を介してケーブル１０の表面
に所定の圧力で圧接されているから、ケーブル１
０の表面には前記の通過により印刷ホイール６の
担持する文字、記号、摸様等が次々と印刷される
こととなる。

しかして、上記構成の表面印刷装置によりSS
ケーブルに表面印刷を施す場合には、ケーブルの
走行に伴うローリング等を防止するために、ケー
ブルの外径に対応する溝巾のＶ字溝を有するガイ
ドローラを使用しなければならない。

前記のガイドローラは、通常第３図Ａ〜Ｃに示
すような構成とされている。すなわち、円錐台状
の１対のカツプ１１ａ，１１ｂを組合せ、その中
心部にスタツド１２を挿通し、これにハンドル付
ナツト１３を螺合、緊締してガイドローラ１４と
している。なお、各カツプ１１ａ，１１ｂの大径
端外周には若干巾の面取りが施されている。

上記構成のガイドローラにより細径のケーブル
１０ａを案内する際には、第３図Ａに示すように
カツプ１１ａ，１１ｂの大径端を対向させて、ス
タツド１２を挿通し、ハンドル付ナツト１３によ
り前記カツプ１１ａ，１１ｂを締結してガイドロ
ーラを構成する。細径のケーブル１０ａは、カツ
プ１１ａ，１１ｂの大径端の面取り部が形成する
小さなＶ字溝に係合して案内される。

より外径の大きな中程度の外径のケーブル１０
ｂを案内する際には、第３図Ｂに示すようにカツ
プ１１ａ，１１ｂの小径端を対向させ、前記と同
様にしてカツプ１１ａ，１１ｂ間を締結してガイ
ドローラを構成する。ケーブル１０ｂは各カツプ
１１ａ，１１ｂの斜面の形成するＶ字溝に係合し
て案内される。

より外径の大きな大径のケーブル１０ｃを案内
する際には、第３図Ｃに示すようにスタツド１２
にカラー１４を係合させ、小径端を対向させたカ
ツプ１１ａ，１１ｂ間に所定の間隙を形成したガ
イドローラを構成する。大径のケーブル１０ｃは
巾の広いＶ字溝に係合して案内される。

前記のSSケーブルに表面印刷を施す表面印刷
装置においては、一般に第３図Ｂに示したような
ガイドローラが使用されているが、それには次の
ような問題点がある。

すなわち、第４図に拡大して示すように走行中
のSSケーブル１０がケーブルのローリング等に
より倒れ込み、その小径部１０Ａがガイドローラ
３のＶ字溝の一方の斜面３Ａに当接し、SSケー
ブルの大径部、小径部の中心を連ねる直線が水平
面ｌに対して傾斜することとなる。

例えば、第４図においてSSケーブル１０の大
径部の直径D₁＝20mmとすると水平面ｌに対する
傾斜角θ_１≒23゜となり、D₂＝35mmとするとθ
_２≒10゜となる。

しかして、印刷を例えばケーブル軸方向に離間
した２箇所で行う場合には、最初に印刷した印刷
部と前記ガイドローラ通過時に印刷した印刷部と
が、印刷の位置ずれを起し外観不良となり好まし
くない。

［考案の目的］ 本考案は上記の事情に基づきなされたもので、
SSケーブルが水平面に対して傾斜することなく
印刷ホイール、ガイドローラを通過し得るように
した表面印刷装置を得ることを目的としている。

［考案の概要］ 本考案の表面印刷装置は、印刷ホイールとＶ溝
を備えたガイドローラとの間に、外径の異なる２
条のケーブルを並列配置して一体的に結合して形
成され大径部、小径部を備えたダルマ型ケーブル
を導入して表面印刷を施すものにおいて、前記ガ
イドローラを１対の円錐台状のカツプをその小径
部同士を一定の間隔を隔てて対向配置して構成
し、一方のカツプには円錐台リング状の１箇乃至
複数箇の分割片を組み合わせてなる円錐台シエル
状のアダプタを装着したことを特徴とする。

［考案の実施例］ 以下、図面につき本考案の実施例を説明する。
第５図は本考案一実施例の一部を断面で示す正面
図で、この図において１対の円錐台状のカツプ２
１ａ，２１ｂはそれ等の小径端を対向させて組み
合わされ、前記第３図Ａ〜Ｃにつき説明したよう
にして結合、締結されている。カツプ２１ａ，２
１ｂの何れか（図示は２１ｂ）にはアダプタ２２
が装着されている。

このアダプタ２２は、カツプ２１ｂの周面に嵌
合する内周面を有する円錐台シエル状をなし、複
数箇の分割片（図示は２２ｄ乃至２２ｎの４箇）
による分割構成としてある。しかして、最小径の
分割片２２ａは前記所定間隔を保持するためのス
ペーサとなる径方向部分と、これに連接するカツ
プ２１ｂの小径端周面に係合する部分とを備えて
いる。また、分割片２２ａの大径端のカツプに接
する側はカツプ２１ｂ軸線に垂直に切り落とされ
ている。次位の分割片２２ｂは前記分割片２２ａ
の大径端と相補形状の小径端とされ、大径端は分
割片２２ａのそれと同様の形状とされている。以
下、分割片２２ｃ乃至２２ｎも同様とするが、最
大の分割片２２ｎの大径端は垂直の切り落としが
なされていない。

SSケーブルの型格に応じ分割片２２ａ〜２２
ｎの中から、分割片２２ａから順に所要箇数選び
出し、これ等をカツプ２１ｂに係合させカツプ間
を締結して分割片２２ａの径方向部分でカツプ間
の間隙ｍを定めるとともに、前記所要箇数の分割
片をカツプに固定しアダプタ２２を構成する。

上記構成のアダプタ２２を使用した本考案表面
印刷装置においては、例えば第５図に示す比較的
小径のSSケーブル２０に表面印刷を施す場合に
は、分割片２２ａのみをカツプ２１ｂに装着し印
刷を行う。このようにすれば、SSケーブル２０
の小径部２０Ａは空間に浮くこととなり、大径部
中心と小径部２０Ａ中心とを連ねる線が水平面ｌ
に対し傾斜することはない。

そのため、軸方向に離間した２つの位置で表面
印刷を施す場合において、最初の印刷部とガイド
ローラ通過時の印刷部とが位置ずれを起すことは
なく、外観不良を生じるおそれはない。

次に、大径のSSケーブル３０に表面印刷を施
す場合には、前記分割片２２ａに同２２ｂを追加
結合して印刷を行う。このようにすれば、前記と
同様にして良好な印刷がなされる。

なお、それより大径のSSケーブルに表面印刷
を施す場合には、その外径に応じて分割片を追
加、結合して印刷を行えばよいことは明らかであ
る。

［考案の効果］ 上記から明らかなように本考案の表面印刷装置
によれば、SSケーブルの型格に応じて最適数の
分割片によりアダプタを構成し、SSケーブルの
倒れ込みを防止して印刷を行うことができ、印刷
部の位置ずれによる印刷外観不良等の損失を生じ
るおそれはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の表面印刷装置の側面図、第２図
はその正面図、第３図Ａ乃至Ｃはそれに使用され
ているガイドローラの異なる使用態様を示す断面
図、第４図は前記ガイドローラを使用した表面印
刷において印刷外観不良を生じる理由を説明する
ための模式図、第５図は本考案におけるガイドロ
ーラの一部を断面で示した正面図である。 ３……ガイドローラ、６……印刷ホイール、２
１ａ，２１ｂ……カツプ、２２……アダプタ、２
２ａ〜２２ｎ……分割片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷ホイールとＶ溝を備えたガイドローラとの
   間に、外径の異なる２条のケーブルを並列配置し
   て一体的に結合して形成され大径部、小径部を備
   えたダルマ型ケーブルを導入して表面印刷を施す
   ものにおいて、前記ガイドローラを１対の円錐台
   状のカツプをその小径部同士を一定の間隔を隔て
   て対向配置して構成し、一方のカツプには円錐台
   リング状の１箇乃至複数箇の分割片を組み合わせ
   てなる円錐台シエル状のアダプタを装着したこと
   を特徴とする表面印刷装置。