JPS6211362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農用トラクター等の動力農機の後
部に装着されて、圃場表面に溜まる雨水等を排水
するための排水溝を成形するみぞほり機に関す
る。

従来、みぞほり機は、動力農機の後部に装着さ
れて、回転する掘削爪により所定深さの溝を成形
するように構成したものが知られているが、この
種のみぞほり機は、本機側の回転動力を、掘削爪
を有する回転ドラムの回転軸側に伝達する伝動ケ
ースが、作業機側の機枠外側端部に取りつけられ
ていたために、畦際では第１図に示すように伝動
ケース１が通過するだけの余分な未耕地ａを残さ
ねばならず、これは狭い圃場を有効に活用すると
いう点においては、全く無駄なことであつた。

この考案は、上記の欠点を解消するために提案
するものであつて、次の如き技術的手段を講じ
た。

即ち、伝動ケース１の前部に入力軸２を、下部
には該入力軸２の回転力を受けて駆動される出力
軸３を左側面視において、時計針方向に回転する
よう後述の支持プレート１との間に横架するとと
もに、該出力軸３の支持プレート１２寄りには、
円周上に複数個のアツプカツトをする掘削爪４…
を植設した回転ドルム５を取りつけ、この掘削爪
４…の回転部を、内横側方が大きく開口したカバ
ー６で被覆した構成とする。

この考案は、上記構成に基づき、次の技術的効
果を奏する。

即ち、表面排水溝７を畦８際に近づけて掘削成
形することができるので、畦８と排水溝７の間の
未耕地部分がほとんど残らず、従来活用されてい
なかつた無駄な土壌部分がなくなり、広く圃場を
活用することができる。

また、排水溝７が利用度の低い圃場の端部に畦
に沿わせて形成されているので、圃場内における
動力農機の走行中、あるいは他の作業時に、すべ
に成形されているこの排水溝７が破壊、崩壊され
る虞れが極めて少ない。

なお、図例において、９はみぞほり機１０本体
を支持するための連結パイプで、この連結パイプ
９は伝動ケース１の上部左右両側部に一方を他方
より長く突出させた状態で取りつけられており、
その一端には前後方向に沿う縦板１１を固着する
とともに、相対向する側にも、伝動ケース１の中
心から略同距離のところに縦板１１を固着し、さ
らに連結パイプ９の外端部には、出力軸３軸端を
支持する支持プレート１２を斜下方に延設してい
る。回転ドラム５と一体的に回転する出力軸３
は、前記連結パイプ９とは略平行で、かつ伝動ケ
ース１と上記プレート１２との間に回転自在に支
承されており、伝動ケース１の前側上部に軸架し
た入力軸２が動力農機側の回転駆動力を受けて回
転されると、伝動ケース１内のチエン・スプロケ
ツト機構（図面省略）を介して、この出力軸３に
は、左側面視において時計針方向の回転、即ち第
４図の矢印イで示すような方向の回転が与えられ
るように構成している。

掘削爪４の回転部を覆うカバー６は、回転ドラ
ム５の前後および外側方を覆うとともに、伝動ケ
ース１側内側方および内側斜上方のみ大きく開口
させて、前記プレート１２および連結パイプ９に
固着の補強板１３にて強固に取りつけられてい
る。１４はカバー６の後部に一体的に取りつけら
れた溝底整形板、１５は前記縦板１１に固着され
たピンで、このピン１５にはたとえばトラクター
のロワーリンク等を連結する。１６はこの縦板１
１に立設されたマストである。

上述のような構成において、トラクターの如き
動力農機にこのみぞほり機１０を連結し、各回転
部を駆動させてみぞほり作業を行なうと、進行方
向に対し下方から上方へ向かつて逆転する（第４
図矢印イ方向）掘削爪４のアツプカツトにより、
土壌が掘削されて一連の排水溝７が形成されるの
であるが、この実施例によれば、回転ドラム５を
駆動する伝動ケース１は、畦８際から遠ざかる側
に位置していて、しかも回転ドラム５の内側面か
ら若干離間したところに設けてあるので、第３図
に示すように上方へ放てきされた掘削土が伝動ケ
ース１側部に衝突し、その跳返り土が排水溝７を
埋めるようなこともなく、極めて効率良くみぞほ
り作業を行なうことができる。要するに、この考
案は伝動ケースの前部に入力軸を、下部には、該
入力軸の回転力を受けて左側面視において、時計
針方向に回転するよう支持プレートとの間に出力
軸を横架するともに、該出力軸の支持プレート寄
りには、外周上に複数個のアツプカツトを行なう
掘削爪を植設した回転ドラムを取つけ、この掘削
爪の回転部を、内横側方が大きく開口したカバー
で被覆してなるみぞほり機であつて、出力軸の支
持プレート寄りに複数個のアツプカツトを行なう
掘削爪を植設した回転ドラムを取つけているの
で、畦際にほとんど未耕地部分が残らない状態で
綺麗に溝を形成できるとともに、回転ドラムに草
が巻付くことが少なくてアツプカツト作用と相俟
つて溝掘馬力を減少させることができる。また、
この掘削爪の回転部を内横側方が大きく開口した
カバーで被覆しているので、掘削土はこのカバー
によつて内横側方へ案内され畦側の草の繁茂を助
長するような畦側への覆土を防止するとともに、
畦側の草丈が長くなつて垂れていてもカバーによ
つて遮られて畦側の草が上記回転部に巻付くのを
防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、第１図は従来装置の背面図、第２図はこの考
案に係るみぞほり機の一形態を示す斜視図、第３
図はその背面図、第４図は側面図である。 符号の説明、１……伝動ケース、４……掘削
爪、５……回転ドラム、６……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伝動ケースの前部に入力軸を、下部には該入力
   軸の回転力を受けて左側面視において、時計針方
   向に回転するよう支持プレートとの間に出力軸を
   横架するとともに、該出力軸の支持プレート寄り
   には、外周上に複数個のアツプカツトを行なう堀
   削爪を植設した回転ドラムを取つけ、この堀削爪
   の回転部を、内横側方が大きく開口したカバーで
   被覆してなるみぞほり機。