JPS6172010A - アクリロニトリル系共重合体の製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル系共重合体の製造方法

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JPS6172010A
JPS6172010A JP19445384A JP19445384A JPS6172010A JP S6172010 A JPS6172010 A JP S6172010A JP 19445384 A JP19445384 A JP 19445384A JP 19445384 A JP19445384 A JP 19445384A JP S6172010 A JPS6172010 A JP S6172010A
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JP
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acrylonitrile
polymer
monomers
water
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JP19445384A
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English (en)
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Yoshihiko Hosako
宝迫 芳彦
Hitoshi Tamura
均 田村
Katsuhei Shigeoka
重岡 勝平
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃性を有するアクリル繊維を製造するのに適
するアクリロニトリル系重合体の新規な製造方法にある
〔従来の技術〕
アクリル繊維は羊毛に似た優れた嵩高性、風合、染色鮮
明性等の性質を有し、広範囲の用途に利用されている。
しかしアクリル繊維は多くの天然繊維と同様に易燃性で
ある欠点を有している。近年状々の生活環境は火災など
の災害の危険にさらされる度合が増大し、繊維製品の難
燃化に対する要求が高まってきた。特に防炎性を必要と
するカーテン、カーペット等のインテリア製品に関して
は難燃化が必須の条件とさえなりつろある。
アクリル繊維を難燃化する方法として (11Sb、O,等の不燃性物質を繊維に含有または付
着せしめる方法、(2)難燃性を有する重合体、例えば
ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル系重合体をブレンド
紡糸する方法、(3)難燃性を有する単量体を共重合さ
せる方法など多くの方法が提−案されている。これらの
方法の中で半永久的に繊維に難燃性を賦与することがで
き、しかもアクリル繊維の本来の物性、風合等を損わな
い方法として難燃性を有する単量体との共重合方式が優
れ広(応用されている。
これら難燃性を有する単量体としてハロゲン含有ビニル
単量体、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
ル等がある。しかしこれら難燃性を有する単量体を共重
合して得られる重合体を紡糸してなるアクリル繊維は、
本来アクリル繊維が有する優れた性能をすべて保有して
いる訳ではなく、いまだ十分満足できる状態にあるとは
言えない。しかも優れた難燃性能を有するためには、こ
れらの単量体を多く含有せしめることが必要であるが、
逆にアクリル繊維の本来の性質を損う結果となっている
。特に染色鮮明性、失透防止性を著しく低下させるため
、商品価値を損う大きな問題を有している。この理由と
しては、ハロゲン含有ビニル単量体を多く含むアクリル
系繊維の多くは湿式紡糸法により製造されるため、繊維
組織内に微細な空隙を作りやすいためと考えられている
このためハロゲン含有ビニル単量体を多量に含有するア
クリル系繊維の失透性を改良するためには、凝固浴中で
の繊維組織内の微細な空隙の生成を防止することが特に
重要になっている。
このような失透性を改良し十分な染色性を)・ロゲン含
有単量体を含む共重合体に賦与する方法としてこれまで
染料に対する染着座席である強酸性基(−so、−” 
)を含有せしめる方法が広く採用されている。これらス
ルホン酸基を含有するビニル単量体にはアリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、スチレンスルホン酸やその
塩類などがある。しかしこれらの単量体はアクリロニト
リルとの反応性に乏しく重合体中にこれらの単量体を十
分含有させるためには多量の単量体を必要とする。さら
にこれらの単量体は水溶性であり高沸点物であるため非
常に精巧な方法によってのみ回収す゛ることかできるに
すぎず、ハロゲン含有ビニル単量体を含有する共重合体
の製造コストを大幅に増大する欠点を有している。
近年スルホン酸基を含有するビニル単量体を難燃性を有
するアクリロニトリル系共重合体に含有せしめる方法が
検討され、難燃繊維の失透防止性を向上しつつある。こ
のような方法としてスルホン酸基含有ビニル単量体を多
(含有せしめたアクリロニトリル/塩化ビニルまたは塩
化ビニIJデン共重合体を難燃性を有するアクリロニト
リル/塩化ビニルまたは塩化ビニリデン共重合体とブレ
ンド紡糸することによって失透防止性良好な難燃繊維を
製造する方法が特公昭53−9300号に提案されてい
る。
しかしこの方法は、有機溶媒を重合媒体として使用する
ため重合速度が遅く、また未反応単量体の回収2重合反
応後の著しい粘度上昇など操作上困難な問題が多く、工
業的に有利な方法とは言えない。これに対して水を媒体
とする水系懸濁重合は、重合速度が速いこと、未反応単
量体の回収が容易な点、重合時の温度コントロールがし
やすい点などで優れており、しかも連続重合が容易なた
めアクリル繊維の製造に広く利用されている。しかし水
を媒体とする懸濁重合にも種々の短所があり、特に水に
対する溶解性の著しく低い単量体をアクリロニトリルと
共重合する際には、該単量体の重合利用性が低下する欠
点を有している。特に難燃性能を有するハロゲン含有ビ
ニル単量体は水に対する溶解性が著しく低いためこのよ
うな単量体に該当する。
このような欠点を解決する方法として特公昭50−33
916号には界面活性剤を添加し、非水溶性のハロゲン
含有ビニル単量体を水中に分散させることによってハロ
ゲン含有単量体の重合利用性が大幅に向上し、・・ロゲ
ン含有ビニル単量体を多量に含有するアクリロニトリル
系共重合体を得る方法が提案されている。この方法は、
界面活性剤を添加することによって非水溶性単量体の重
合利用性は向上するが、逆に水溶性であるスルホン酸基
含有ビニル単量体の重合利用性を低下する欠点を有して
おり、アクリロニトリルに対して低い反応性を有する該
単量体の重合利用性をさらに低下させる欠点がある。
これら界面活性剤を添加する水系懸濁重合が有する欠点
を改良し、さらに難燃性を有するアクリル系繊維の失透
防止性を向上する方法として、特開昭57−10613
号にアクリロニトリルの反応性比との比が1以上である
反応性比を有するスルホン酸基含有ビニル単量体を使用
し、さらにこれらのスルホン酸基含有ビニル単量体を反
応系に添加する時間を規制することによって失透防止性
の良好な難燃性を有するアクリロニトリル系重合体の製
造方法が提案されている。
アクリロニトリルに対して比較的反応性の高いスルホン
酸基含有ビニル単量体にはメタクリロイルオキシプロピ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンジルス
ルホン酸およびこれらの塩類があるが高価格であるため
製造コスト面での欠点を有している。またスルホン酸含
有ビニル単量体の添加時間を規制する方法はアクリロニ
トリル系重合体の型造方式に広(採用されている水系懸
濁連続重合方式には採用が困難であり、長時間しかも安
定した重合体を製造することができず本方式が工業上最
も有利とは言えない。
工業的に有利とされる水系懸濁連続重合方式でハロゲン
含有ビニル単量体を多(含有するアクリロニトリル系重
合体を製造するには、更に次のような欠点がある。
難燃性を有するハロゲン含有単量体は、一般に低沸点物
であることが多く重合釜内の温度が該単量体の沸点を越
えると重合反応系からハロゲン含有ビニル単量体が蒸発
離散し重合利用性が低下する。このような低沸点単量体
を共重合する場合、重合釜内を加圧状態に保ち、該単量
体の蒸発離散を防止する方法が採用されているが、重合
釜内の圧力を一定て保つことは連続重合方式では非常に
精巧な方法を必要とし、重合反応の操作性、工程安定性
、さらに生成する重合体の品質安定性を著しく損うため
工業的に有利な方式とは言えない。このように生成する
重合体の品質を安定に保つ連続重合を難燃性を有するア
クリロニトリル/ハロゲン含有ビニル単量体の共重合に
採用する場合、ハロゲン含有ビニル単量体の蒸発離散を
防止できる低温度での重合を行う必要があり、さらにス
ルホン酸基含有ビニル単量体の重合利用性を低下する結
果となっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ハロゲン含有ビニル単量体を多く含有するアクリロニト
リル系重合体を製造するに当り、水系懸濁連続重合方式
が有する問題点は、非水溶性であるハロゲン含有ビニル
単量体の重合利用性を向上するために界面活性剤を添加
する必要があること、さらに低沸点物質であるハロゲン
含有ビニル単量体の蒸発離散を防ぐため低温での重合を
必要とすること等の制約によってスルホン酸基含有ビニ
ル単量体の重合利用性を著しく低下せしめること罠集約
される。このため難燃性を有するアクリロニトリル系繊
維の失透防止性に十分なスルホン酸基を重合体に与える
ことができない状況にある。
本発明の目的はこのような水系懸濁連続重合方式が保持
する問題点を解決し、難燃性を有するアクリロニトリル
系重合体を工業的に有利な製造方法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち本発明の要旨とするところは、アクリロニトリル4
0〜75重量%、塩化ビニリデン30〜58重量%およ
びスルホン酸基を含有するビニル単量体0.5〜1.5
重量%よりなる共重合体を水を媒体として水溶性レドッ
クス系開始剤を用いて製造するに当り、還元剤として酸
性亜硫酸またはその塩を使用し、還元剤/酸化剤の当量
比を1〜4としてアクリロニトリル系共重合体を製造す
るものであり、好ましくは更に重合系にアニオン性界面
活性剤を供給単量体全量に対して0.8〜2重量%供給
して重合を行うことによって、失透防止性【優れる難燃
性アクリル繊維を製造することを可能とする原料を提供
す−るものである。
以下本発明について詳細罠説明する。
本発明における第一の要件は、ノ・ロゲン含有単量体を
含有するアクリロニトリル系重合体の組成が40〜75
重量%のアクリロニトリルと30〜58重量%の塩化ビ
ニリデンを主とするアクリロニトリル系重合体であるこ
とにある。
アクリロニトリルの含有量は40〜75重量%であるこ
とが必要であり、40重量%未満ではアクリロニトリル
系合成繊維が本来有するすぐれた繊維性能を維持するこ
とができず、また75重量%を越えるとアクリル系合成
繊維としての性能は容易に得られるが高度な難燃性能を
与えることが困難である。塩化ビニIJデンの含有量は
30〜58重量%であることが必要であり、塩化ビ、 
IJデンの含有量が30重量%未満では高度な難燃性能
が得られず、また58重量%を越すと7クリロニトリル
系合成繊維が本来有する繊維性能を保有することができ
ないだけでなく、重合反応釜内で生成する重合体が微粒
化し重合体水溶液から重合体を分離することが困難にな
る。
本発明において難燃性を有するハロゲン単量体として塩
化と=lJデンを選択したのは塩化ビニリデンがハロゲ
ン含有単量体の中でも比較的沸点が高(、水系懸濁連続
重合に最も有利であるためである。
また本発明に用いられるアクリロニトリル系重合体はア
クリロニトリル、塩化ビニリデン。
スルホン酸基含有ビニル単量体の外に、これらと共重合
可能なモノオレフィン性単量体を少量含有してもよ(共
重合体の組成を何ら規制するものではない。これら共重
合可能なモノオレフィン単量体としては、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル、アクリル
アミド、酢酸ビニル、スチレンなどがある。
次に本発明の第二の要件は、本発明において製造される
難燃性を有するアクリロニトリル系重合体を水系懸濁連
続重合方式でレドックス系開始剤を用いて重合する際に
、還元剤として酸性亜硫酸またはその塩を使用し、さら
に反応系に供給する還元剤/酸化剤の当量比を1以上4
以下とすることにある。一般にレドックス系開始剤とし
て使用される還元剤としては亜硫酸を初めチオ硫酸また
はそれらの塩、硫酸鉄、硝酸またはその塩などがあるが
、本発明で還元剤として亜硫酸またはその塩を規定した
のは開始剤の酸化還元反応によって生成する亜硫酸水素
ラジカルが重合体の末端基として重合体中に残りスルホ
ン酸基を与え、この末端のスルホン酸基が難燃性を有す
るアクリル繊維の失透防止に有効に作用するためである
重合反応系に酸性亜硫酸またはその塩を供給する方法と
して亜硫酸ガスを吹き込むことが可能であるが、この方
法を用いて酸性亜硫酸またはその塩を供給しても本発明
には何ら影響を与えない。また還元剤/酸化剤の当量比
を1以上4以下に規定したのは、1未満では酸化還元反
応によって生成するラジカルの生成速度が低下し重合反
応効率を低下させるため工業的に有利な方法とは言えな
いからである。また4を越えると生成する亜硫酸水素ラ
ジカルの濃度は増大するが、逆に2ジカル同志が反応し
失活するため重合速度を低下せしめるためであり、さら
に活性重合体と連鎖移動をすることによって高重合度の
重合体の生成を困難にするだけでなく、重合反応の不均
一化を促進するためである。
難燃性を有するアクリロニトリル系重合体を紡糸してな
る繊維の失透防止性を向上させるためには紡浴での凝固
過程を均一に行う必要があり、そのためには重合体の組
成をできるだけ均一に保つことが有効である。本発明が
優れた効果を有する理由は明確ではないが、〕・ロゲン
含有単量体とアクリロニトリルが共重合体を生成する際
に重合体末端に均一にスルホン酸基を導入することがで
き、この重合体末端のスルホン酸基が重合体の凝固速度
を均一に保つ効果を与えるものと思われる。
本発明はアクリロニトリル系重合体にスルホン酸基を含
有するビニル単量体を少なくとも0.5−〜1.5重景
%含有せしめることにある。スルホン酸基含有単量体の
含有量が0.5重量%未満では該重合体を紡糸して得ら
れる繊維の失透防止性が不十分であるばかりでな(アク
リロニトリル系繊維が本来有するすぐれた染色鮮明性を
低下させるためである。また2重t%を越えると難燃性
を有するアクリロニトリル系重合体を重合する際に反応
性の低いスルホン酸基が不均一に共重合され、逆に繊維
の失透防止性を損うだけでなくスルホン酸基が比較的多
く含有された重合体が生成し、この重合体が紡糸時紡浴
で脱落するため紡糸の操業性を損うためである。
本発明に使用されるスルホン酸基を含有するビニル単量
体は、例を上げればアリルスルホン 1酸、メタアリル
スルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸またはそれらの
塩があるが、工業的にはより安価な単量体を使用する方
が有利である。
本発明は、アニオン性界面活性剤を供給する単量体全量
に対して0.8〜2重量%供給するのが好ましい。塩化
ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル単量体は一般に非
水溶性であり、このような性質を有する単量体を、水を
重合媒体としレドックス系開始剤を用いて製造する場合
、該単量体の重合利用性を向上させるためには界面活性
剤を添加することが必要である。
界面活性剤を分類するとアニオン性、ノニオン性、カチ
オン性に分類される。本発明に使用される界面活性剤と
し、てアニオン性界面活性剤に規定したのはノニオン性
、カチオン性界面活性剤では塩化ビニリデンに対する乳
化力が劣り未反応単量体の油滴を重合反応系に均一に分
散することができず生成する重合体の組成に不均一化を
起こすためである。ノニオン性の界面活性剤を多量に供
給することによっである程度未反応単量体油滴を重合反
応系に均一に分散させることが可能であるが、生成する
重合体水溶液が乳化状を呈し重合体を分離することが困
難になり、さらに洗浄が不十分となり界面活性剤が生成
した重合体中に残り、紡糸時紡浴中で脱落するなど操業
上問題が多い。
アニオン性界面活性剤の添加量は、供給する単量体全量
に対して0.8〜2重量%であることが必要であり、0
.8重量%未満では塩化ビニリデンに対する乳化力が劣
り単量体油滴を均一に分散することができず、2重量%
を越すと生成した重合体が乳化状を呈し、重合体水溶液
から重合体を分離することが困難になるだけでなく・水
溶性を有するスルホン酸基含有ビニル単量体の重合利用
性を低下するため好ましくない。こノヨウナアニオン性
界面活性剤にはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルアルコール硫酸エステル塩等があるが、一般に乳化重
合に使用されるアニオン性°界面活性剤であればなんら
問題はない。
本発明に使用される酸化剤としては通常のラジカル重合
に用いられる水溶性の酸化剤の中から選ぶことができる
。例えば過硫酸カリウム。
過硫酸アンモニウムのごとき過硫酸塩、塩素酸ナトリウ
ムのごとき塩素酸塩などが挙げられる。
コレラ触媒のほかに重合反応を促進するために硫酸鉄等
の金属塩を少量添加することも可能である。
本発明の方式における重合媒体としての水はイオン交換
水を使用することが好ましい。さらに単1体に対するイ
オン交換水の割合(以降水/単量体比と言う)はどんな
比率でも可能であるが、好ましくは水/単量体比1〜5
の範囲が選ばれる。水/単量体比が1未満では重合体水
溶液の粘度が上昇し攪拌が困難になり、重合の温度コン
トロール性が困難になるため重合反応の不均一化を起こ
す。また水/単量体比が5を越えると重合効率が低下し
工業的に有利とは言えない。重合反応釜内での単量体の
平均滞在時間は、通常アクリロニトリル系重合体を水系
懸濁重合方式によって製造する際に採用される時間でよ
い。重合反応釜内での水素イオン濃度は、使用される触
媒がすみやかに酸化・還元反応を起こす範囲であればよ
(、好ましくはph2〜3.5がよい。
重合釜から取り出された重合体は重合停止斉トを添加し
反応を停止させる。重合反応の停止剤は通常アクリロニ
トリル系重合体を水系懸濁重合で製造する際に使用され
るものであればよい。
重合体水溶液は重合停止剤を添加された後、未反応単量
体の回収を行う。未反応単量体の回収方法としては、重
合体水溶液を直接蒸留する方法、また一旦脱水洗浄し未
反応単量体を重合体と分離した後蒸留する方法があるが
両方式とも採用が可能である。後者における脱水洗浄機
としては通常公知の一過脱水機である回転式真空濾過機
・遠心脱水機等が使用される。これらの装置を用いて重
合体水溶液から重合体を分離するにあたり、より効率よ
く行うため硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム等の凝集
剤を添加したり重合体の凝集を促進する意味で重合体水
溶液を昇温する等の操作を行うこともできる。重合体中
に残った水分は通常の乾燥方式によって取り除かれる。
〔実施例〕
以下本発明を具体的に実施例によって説明する。
実施例−1 容量831の攪拌機付き重合反応釜にイオン交換水(p
h=3)を35J仕込みアクリロニトリル55部、塩化
ビニリデン43部の単量体混合液とメタアリルスルホン
酸ナトリウム2部、ラウリルアルコール硫酸エステルナ
トリウム0.9部、過硫酸アンモニウム0.53部、酸
性亜硫酸ナトリウム0.64部、硫酸第一鉄(FeSO
4H’ya、o )4.4X10  部、硫酸0.04
8部になるようにそれぞれイオン交換水に溶解し連続的
に供給を開始した。さらにイオン交換水の全量が250
部になるようにイオン交換水を別途供給した。
重合温度を35℃に保ち連続的に十分な攪拌を行い平均
80分滞在させて反応を行った。反応器溢流口より連続
的に重合体水溶液を取り出しこれにシュウ酸ナトリウム
0.49部、エチレンジアミンテトラアセテ−)0.0
7部、重炭酸ナトリウム1.82部を100部のイオン
交換水に溶解した重合停止剤水溶液を0.2部の速度で
加え更にイオン交換水を加えた後回転式真空濾過機で未
反応単量体、余剰の重合助剤を除去した。
未反応単量体、余剰の重合助剤を除去した重合体水溶液
を遠心脱水機で脱水し重量分率で約50%の水を含んだ
湿潤重合体を得た。得られた湿潤重合体をスクリュ一式
押出し機によりベレット状に成型した後通気乾燥機で乾
燥し表1に示す重合体を得た。
得られた重合体25部をジメチルアセトアミド75部に
溶解し、これを1000ホール0.07nφの口金を通
し、55%のジメチルアセトアミド水溶液(30℃)に
紡糸し、5倍延伸後、115℃で蒸熱セットを行い、3
.0デニール、強度3. Op/d、伸度35%の失透
の全くみられない繊維を得た。また得られた繊維の難燃
性はLOI(限界酸素指数)30と非常に優れた難燃性
能が得られた。
実施例2 実施例1と同様な設備を用い、アクリロニトリル48部
、塩化ビニリデン50部の単量体混合液を供給し、過硫
酸アンモニウム0.48部、酸性亜硫酸ナトリウム0.
58部、硫酸0.44部をそれぞれイオン交換水に溶解
し同様な条件で重合体水溶液を得た。反応器溢流口より
取り出した重合体水溶液に実施例1と同様な反応停止剤
を添加するとともに硫酸ナトリウム2部をイオン交換水
に溶解して加え80℃に昇温し、未反応単量体を蒸発分
離させるとともに重合体を凝集させた。得られた重合体
水溶液を遠心脱水機で脱水洗浄し重量分率で約60%の
水分を含んだ湿潤重合体を得た。
得られた重合体を実施例1と同様な方法で紡糸し、3.
1デニール、強度2.9 P/d 、伸度37%の失透
の全(ない繊維を得た。また得られた繊維の難燃性はL
OI33と非常に優れた難燃性能を示した。
実施例3 実施例1と同様な設備、方法によって界面活性剤として
ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム0.9部の
代りにラウリルベンゼンスルーホン酸ナトリウム1.2
部反応釜に供給し表1に示す重合体を得た。
得られた重合体を実施例1と同様な方法で紡糸し、3.
2デニール、強度2.91/d、伸度36.0%の全く
失透のない繊維を得た。この繊維の難燃性能はLOI2
9.5と優れた値を示した。
実施例4 酸性亜硫酸ナトリウム0.85部、硫酸0.064部を
イオン交換水に溶解して反応釜に供給するほかは実施例
1と同様な設備を用い、同様な方法で表1に示す重合体
を得た。
得られた重合体を実施例1と同様な方法で紡糸すること
によって失透の全くない繊維を得、LOIも30と優れ
た難燃性能が得られた。
比較例1 散性亜硫酸ナトリウム4.33部供給する外は実施例1
と同様な設備を使用し、同様な方法で表1に示す重合体
を得た。
得られた重合体を実施例1と同様な方法で紡糸すること
によって3.0デニール、強度2.67P/d、伸度3
5.0%、LOI29.5と優れた難燃性能を有する繊
維が得られたが失透し光沢のない繊維となった。
比較例2 実施例1においてラウリルアルコール硫酸エステルナト
リウム0.9部の代りにノニオン性の界面活性剤((、
、H,、−0(CH,CH,0)n)t、 n中13)
を1.5部供給し、過硫酸アンモニウム0.72部、酸
性亜硫酸ナトリウム0.86部、硫酸0.065部をそ
れぞれイオン交換水に溶解して供給する以外は実施例1
と同様な方法で表1に示す重合体が得られた。
得られた重合体を実施例1と同様な方法で紡糸し、2.
9デニール、強度3. I P/d 、伸度34.5%
の繊維が得られた。繊維の難燃性はLOI30と優れた
値を示したが、光沢のない失透した繊維であった。
表1 ※比粘度  濃度0.5J’/100mjのジメチルホ
ルムアミド溶液とし、25℃で測定した。
※失透状況及び光沢  ◎最も良好、O良好、Δ少し不
良、×不良の4段階評価し池 ※AN  アクリロニトリル、VdC1塩化ビニリデン
、  MSメタアリルスルホン酸ナトリウム 〔発明の効果〕 実施例で詳細に説明した様にアクリロニトリル系繊維の
重合体組成がほぼ等しいにもかかわらず1本発明によっ
て製造された難燃性を有するアクリロニトリル系重合体
を紡糸してなる繊維は失透性が全くな(光沢のあるもの
が得られた。本発明によるこのような効果は重合体組成
の均一化にあり、特に重合体中にスルホン酸基を均一に
導入することで失透防止性に効果があるように思われる
。この理由としては重合体組成を均一にすることによっ
て紡糸時重合体の凝固過程が均一に保たれ空隙の少ない
緻密な構造を有する繊維が得られるためである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、アクリロニトリル40〜75重量%、、塩化ビニリ
    デン30〜58重量%およびスルホン酸基を含有するビ
    ニル単量体0.5〜1.5重量%よりなる共重合体を水
    を媒体として水溶性レドックス系開始剤を用いて製造す
    るに当り、還元剤として酸性亜硫酸またはその塩を使用
    し、還元剤/酸化剤の当量比を1〜4とすることを特徴
    とするアクリロニトリル系共重合体の製造方法。 2、アニオン性界面活性剤を供給単量体全量に対して0
    .8〜2重量%供給することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1039337C (zh) * 1991-11-22 1998-07-29 三菱丽阳株式会社 聚丙烯腈系纤维的制造方法

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