JPS6159399B2 - - Google Patents

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JPS6159399B2
JPS6159399B2 JP10645380A JP10645380A JPS6159399B2 JP S6159399 B2 JPS6159399 B2 JP S6159399B2 JP 10645380 A JP10645380 A JP 10645380A JP 10645380 A JP10645380 A JP 10645380A JP S6159399 B2 JPS6159399 B2 JP S6159399B2
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JP
Japan
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pitting corrosion
stainless steel
ferric chloride
pitting
temperature
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Application number
JP10645380A
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English (en)
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JPS5732399A (en
Inventor
Kazuo Sekimoto
Hiroto Matsumoto
Kosuke Sawashige
Hiroshi Tanaka
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP10645380A priority Critical patent/JPS5732399A/ja
Publication of JPS5732399A publication Critical patent/JPS5732399A/ja
Publication of JPS6159399B2 publication Critical patent/JPS6159399B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25FPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC REMOVAL OF MATERIALS FROM OBJECTS; APPARATUS THEREFOR
    • C25F3/00Electrolytic etching or polishing
    • C25F3/02Etching
    • C25F3/06Etching of iron or steel

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は投錨効果の大きい粗面、詳しくは開口
部が底部より狭くなつた粗面を有する被覆物密着
性の優れたステンレス鋼の製造法に関する。 最近、建材、電気器機、工業計器等多くの用途
に各種の被覆物を被覆したステンレス鋼が多く使
用されるようになつてきたが、用途によつては被
覆物密着性を極めて向上させたものの提供が強く
要求されるようになつてきた。 ところでステンレス鋼に各種の被覆物を被覆す
る場合、両者の密着性向上は専ら以下の方法によ
つているのが現状である。 (a) ステンレス鋼表面に研磨、シヨツトブラス
ト、液体ホーニング、あるいは研削などの機械
的研磨を施し、これによりステンレス鋼表面を
粗くする方法。 (b) ステンレス鋼表面に硫酸または硝弗酸などの
酸類、あるいは塩化第二鉄などの無機塩類の溶
液を作用させて表面全体を腐食させ、これによ
りステンレス鋼表面を化学的に粗くする方法。 〓〓〓〓〓
(c) 蓚酸溶液などで処理して、ステンレス鋼表面
に一種の化成皮膜を形成させる方法。 而して、上記(a),(b)の方法の場合、処理条件を
変えて表面粗さをいかに大きくしようとしても、
得られる租面は第1図1,2に示す如く、開口部
の巾aが底部の巾bより広く、かつ深さcと開口
部の巾aとの比も小さいものしか得られず、被覆
物を被覆しても十分なる投錨効果を得ることがで
きないものであつた。 また(c)の方法においても、現在のところ亜鉛鉄
板や普通鋼の冷延鋼板に燐酸塩処理を施した場合
に通常得られるような被覆物との密着性の優れた
皮膜(リン酸塩皮膜)を形成させる方法が開発さ
れておらず、まだその密着性に関しては問題があ
つた。 一般に被覆物の投描効果を大きくし、被覆物密
着性を広い表面全体に亘り良くするには、粗面開
口部の巾を底部の巾より小さくするとともに粗面
の深さと開口部の巾との比を大きくし、さらにそ
れらの粗面を表面全体に亘つて均一に、しかも密
度濃く分布させるのが理想的である。本発明はか
かる理想的粗面を有するステンレス鋼の製造法を
提供しようとするものである。 本発明者らはステンレス鋼がハロゲンイオンに
より孔食を起し、開口部の巾が底部の巾より挾い
粗面を形成する点に着目し、これを発展させるこ
とにより上記理想的粗面を有するステンレス鋼の
製造法の開発に成功したのである。すなわち、ス
テンレス鋼にハロゲンイオンで孔食を起させると
第1図3に模型的に示すように開口部の巾aが底
部の巾bよりも挾い、いわゆる蛸壷状の粗面が形
成される。しかもこの蛸壷状の粗面の深さcは孔
食条件によつては開口部の巾aの50〜100倍また
はそれ以上にすることができるとともに場合によ
つては第1図3に見られる如く隣接する孔食同志
の底部が連通するものもあるので、優れた投錨効
果が期待できる。第1図4はステンレス鋼にハロ
ゲンイオンを作用させて孔食を起させた場合の具
体例(平面写真)を示すものであるが、表面に深
い孔食が生じていることがわかる。 しかし一般に工業製品を対象とする場合、上記
のような投錨効果の優れた孔食を起させただけで
は満足した被覆物密着性は得られない。すなわち
工業製品の場合、一般に広い面積を有するので、
広い表面全体に亘り上記のような投錨効果の優れ
た孔食を均一に、かつ密度濃く施すことが極めて
重要なことである。 しかしながらハロゲンイオンを用いる通常の方
法でこのような孔食を施すことは極めて困難であ
る。これは従来の通常の方法で孔食を施しても、
孔食密度には局部的に濃淡が生じてしまい、また
孔食の形状にも部分的に大小が生じ、粗面は不均
一になり、広い表面全面に亘り上記のような密着
性の優れた粗面を形成することができないからで
ある。 そこで本発明者らは広い面積全面に亘り、孔食
の密度および形状が均一である粗面を得る方法を
開発すべく、鋭意研究した結果、塩化第二鉄水溶
液を用いる電解と浸漬を併用することにより成功
したのである。すなわち本発明者らは電解液とし
て塩化第二鉄水溶液を用いてステンレス鋼を短時
間電解することによりまず起点となる孔食を形成
し、その後通電を切つて塩化第二鉄水溶液中に浸
漬して前記孔食を成長させるという2段工程法に
よれば上記粗面が得られることを知見したのであ
る。 この2段工程法により得られるステンレス鋼の
粗面は孔食形状が蛸壷状になつていて、その大き
さもほぼ一定しており、かつ密度濃く均一に発生
しているので優れた被覆物密着性を示し、多くの
用途に適用できるものである。 しかし用途によつてはそれ以上の密着性を要求
される場合もありまたほうろう加工のように酸化
物系被覆物を被覆する用途においては被覆物との
なじみを要求される場合がある。そこで本発明者
らは種々検討を行つた結果、かかる用途に対処す
るためには塩化第二鉄水溶液による電解後表面末
孔食部に対して後処理を施してやればよいことを
知見するに至つたのである。すなわち末孔食部に
対して、機械的研磨、化学的腐食、高温酸化雰囲
気における短時間加熱あるいは化成処理等の後、
処理を施せば、電解しただけでは密着性にあまり
寄与していない末孔食部の粗面は粗大化され、ま
たそこに酸化皮膜や化成皮膜が施されることにな
りその結果末孔食部の密着性は向上し、孔食部の
密着性と相俟つて表面全体の密着性は著しく向上
するのである。以下本発明を詳細に説明する。 本発明は大別して塩化第二鉄水溶液中でステン
〓〓〓〓〓
レス鋼を陽極として、短時間電解する第1段階と
その後塩化第二鉄水溶液中に浸漬する第2段階と
から構成される孔食工程の場合と、この孔食工程
後に末孔食部の粗度を粗大化させたり、あるいは
そこにうすい酸化皮膜、化成皮膜を施す後処理工
程を加える場合との2つに区分される。 まず初めに孔食工程より説明する。 1 第1段階 この第1段階は塩化第二鉄水溶液中でステンレ
ス鋼を陽極として、電気伝導度の良い物体(例え
ば各種の金属または炭素など)を陰極として短時
間電解する工程であり、通常後述の第2段階を経
て形成される孔食の起点となる孔食を形成する工
程である。従つて本工程において得られる孔食は
密度濃く、広い表面全面に亘り均一に分布してい
ることが重要で、一般に大きさや深さは問題では
ない。小さく浅いものでも後の第2段階により十
分補強される。 ところでステンレス鋼は鋼種により性質を異に
するので、各鋼種に対して孔食を前記の如く施す
には各鋼種に応じた塩化第二鉄水溶液濃度、温
度、電流密度および電解時間の適性範囲の選定が
重要となる。 そこで本発明者らは鋼種としてオーステナイト
系については代表的なSUS304およびこれより
高級なSUS316を選び、またフエライト系につ
いては代表的なSUS430およびこれより低級な
SUS410を選び、これらの鋼(厚さ1.0mm)を
陽極とし、普通鋼鋼板(厚さ1.0mm)を陰極とし
て理想的な孔食が得られる上記要因の適正範囲を
調査したのである。そして適正範囲の調査にあた
つては、一部の要因を固定し、電解の際相互に最
も影響しあう2種の要因を変動させ、その中から
孔食状態を加味しながら適正範囲を決定するよう
にしたのである。 第2〜5図は温度60℃、電解時間5分で電解し
た場合における孔食状態と塩化第二鉄液濃度およ
び電流密度の関係を示すもので、第2,3,4,
5図はそれぞれSUS304,SUS316,SUS4
30,SUS410の場合を示している。 また第6〜9図は電流密度10A/dm2、電解時
間5分における孔食状態と塩化第二鉄液濃度およ
び温度との関係を示しており、第6,7,8,9
図はそれぞれSUS304,SUS316,SUS43
0,SUS410の場合を示している。 さらに第10〜13図は塩化第二鉄液濃度10重
量%、温度50℃における孔食状態と電流密度およ
び電解時間の関係を示しており、第10,11,
12,13図はSUS304,SUS316,SUS4
30,SUS410の場合を示している。 ところで上記各図においては、孔食状態は以下
のように区分されているのであるが、適正電解範
囲はいずれも線aと線bとに囲まれた範囲である 〇(白丸) 孔食が密度濃く、しかも広い表面全
面に均一分布し、通常孔径は小さく、後の第2
段階による腐食処理を必要とする状態 ●(黒丸) 第1段階の電解処理のみで良好な孔
食が得られ、後の第2段階の浸漬処理を必要と
しない状態 △ 孔食の発生密度が低く、不均一に分布した状
態 × 末孔食部も含めて全面腐食を起している状態 従つてSUS304の場合第2,6,10図より
検討すると、第2図より塩化第二鉄液濃度は2.5
〜17.3重量%、電流密度は1.0〜14.9A/dm2、と
なる。また第6図より塩化第二液濃度は3.0〜
17.5重量%、温度は10〜74℃となる。さらに第1
0図より電流密度は0.8〜15.6A/dm2、電解時間
は2.5〜30分となる。以上SUS304の場合につ
いてまとめると、塩化第二鉄液濃度は2.5〜17.5
重量%、温度は10〜74℃、電流密度は0.8〜
15.6A/dm2、電解時間は2.5〜30分となる。 以下同様にしてまとめると、SUS316の場
合、第3,7,11図より塩化第二鉄液濃度は
3.8〜23.5重量%、温度は15.0%〜85.5℃、電流密
度は2.0〜18.8A/dm2、電解時間は3.8〜30分と
なる。 またSUS430の場合、第4,8,12図より
塩化第二鉄液濃度は0.5〜13.2重量%、温度8.5〜
66℃、電流密度は0.7〜14.5A/dm2、電解時間は
1.3〜30分となる。 さらにSUS410の場合、第5,9,13図よ
り塩化第二鉄液濃度は0.5〜11.0重量%、温度は
7.5〜56.5℃、電流密度は0.7〜10.6A/dm2、電
解時間は1.0〜30分となる。 従つてステンレス鋼全体についてまとめると、
その適正電解条件は塩化第二鉄液濃度0.5〜23.5
重量%、温度7.5〜85.5℃、電流密度0.7〜
〓〓〓〓〓
18.8A/dm2、電解時間1.0〜30分となる。ところ
で、本段階は先に述べたように孔食を密度濃く、
しかも広い表面全面に均一に施すことを目的とし
ているが、第10〜13図にみられる如く孔食の
径が大きくなり、後の第2段階の腐食処理を必要
としない場合があるのは注目に値する。 2 第2段階 この第2段階は第1段階を経た後のステンレス
鋼を塩化第二鉄水溶液に浸漬することにより第1
段階で形成した孔食を成長させ、投錨効果の良好
な孔食へと発展させる工程であるが、この段階に
おいて鋼種により腐食進行状況を異にするので、
鋼種によりその適正範囲を選定する必要がある。 すなわち、本工程においては腐食条件が弱すぎ
ると孔食の発達が遅く、理想的な孔食(蛸壷状)
へと成長し得なくなり、逆に強すぎると全面腐食
となり、材料が例えば鋼板などの場合は板厚不足
となるものである。 第14〜17図は第1段階にて適正条件下で電
解を行つて孔食を施したステンレス鋼を第2段階
として塩化第二鉄水溶液中に4時間浸漬した場合
の孔食の成長状況と塩化第二鉄液濃度および温度
との関係を示すもので、第14,15,16およ
び17図はそれぞれSUS304,SUS430、お
よびSUS410の場合を示している。そして本段
階においても適正腐食条件範囲は線aと線bに囲
まれた範囲となる。 従つて、各鋼の適正腐食条件は、SUS304の
場合第14図より塩化第二鉄液濃度4.5〜22.5重
量%、温度8.5〜67.0℃となり、SUS316の場
合は第15図より塩化第二鉄液濃度7.2〜26.4重
量%、濃度16.0〜67.0℃となる。 またSUS430の場合は第16図より塩化第二
鉄液濃度2.1〜18.8重量%、温度7.0〜54℃とな
り、SUS410の場合は第17図より塩化第二鉄
液濃度1.9〜14.6重量%、温度8.0〜53℃となる。 従つてステンレス鋼全体としての適正腐食条件
は塩化第二鉄液濃度1.9〜26.4重量%、温度7.0〜
67.0℃となる。 次に上記孔食工程の第1段階、第2段階を経た
後密着性にあまり寄与していない末孔食部の密着
性を向上させる後処理工程について説明する。 孔食工程においては電解条件により、本工程を
必要としない場合(第10〜13図)もあるが孔
食工程においてはその目的からして末食部にあま
り密着性は付与されない。そこで本工程において
は末孔食部の密着性を向上させ、高度の密着性を
必要とする用途に対処しようとするものである。 本工程において、末孔食部の密着性を向上させ
る方法として、表面粗度を粗大化させる方法、酸
化皮膜を施す方法がある。 表面粗度を粗大化する方法としては、化学的表
面腐食法と機械的表面研磨法を使用することが出
来るが、本発明の場合、前者の方法を実施するに
は、塩酸、硫酸または硝弗酸などの腐食液を孔食
後のステンレス鋼表面に従来一般に行われている
条件で作用させれば十分であり、また後者の方法
の実施も従来一般に行われている処理条件で各種
研磨材による研磨、シヨツトブラスト、液体ホー
ニングあるいは研削などをステンレス鋼表面に施
こせばよい。これらの方法により末孔食部粗度は
さらに粗大化し必然的にその分だけ被覆物密着性
は向上する。 酸化皮膜を施こす方法としては、高温酸化雰囲
気中における短時間加熱法を使用すればよい、具
体的には孔食後のステンレス鋼を500〜1000℃の
大気中または燃焼ガス中などで0.5〜20分加熱す
るのである。これによりステンレス鋼表面にうす
い酸化皮膜が形成され、それがガラスあるいはセ
ラミツクの主成分である金属酸化物と同質のた
め、それらを被覆した場合互になじみがよくなり
さらに場合によつては両者間化学結合が期待出来
て被覆物との密着性が一段と向上する。 化成皮膜を施す方法としては、一例としてステ
ンレス鋼を蓚酸を主成分とする溶液で処理する方
法がある。すなわち、ステンレス鋼をこの溶液中
に浸漬するか、あるいはステンレス鋼にこの溶液
をスプレーすれば、ステンレス鋼表面には鉄、ク
ロム、あるいはニツケルの蓚化物が形成され、こ
の蓚化物と被覆物との化学結合が期待され、被覆
物の密密性は一段と向上する 次に実施例により本発明を説明する。 実施例 1 1段工程として温度60℃、10重量%塩化第二鉄
水溶液中でJIS.G4305(冷間圧延ステンレス
鋼板)に規定するSUS304冷延鋼板(1.0mm×
1000mm×2000mm.BA仕上)を陽極として10A/
dm2の電流密度で5分電解を行ない、その後さら
〓〓〓〓〓
に2段工程として温度20℃、濃度15重量%塩化第
二鉄水溶液中に3時間浸漬したところ孔食密度が
均一でかつ高く、その深さも約245μの蛸壷状の
粗面が得られた。その孔食ステンレス鋼の表面断
面を第18図に示す。 実施例 2 1段工程として温度70℃、20重量%塩化第二鉄
水溶液中でJIS.G4305(冷間圧延ステンレス
鋼板)に規定するSUS316冷延鋼板(1.0mm×
1000mm×2000mm.BA仕上)を陽拠として、電流
密度15A/dm2で10分電解処理し、その後さらに
2段工程として温度40℃、濃度20重量%塩化第二
鉄水溶液中に4時間浸漬し、孔食密度が均一、か
つ高くその深さも約240μの蛸壷状の粗面を得
た。その孔食ステンレス鋼の表層断面を第19図
に示す。 実施例 3 1段工程として温度50℃、10重量%塩化第二鉄
水溶液中でJIS.G4305(冷間圧延ステンレス
鋼板)に規定するSUS430冷延鋼板(1.0mm×
1000mm×2000mm.BA仕上)を陽極として10A/
dm2の電流密度で5分電解を行ない、その後さら
に2段工程として温度40℃、濃度5重量%塩化第
二鉄水溶液中に4時間浸漬し、孔食密度が均一で
かつ高く、その深さも約240μの蛸壷状の粗面を
得た。その孔食ステンレス鋼の表層断面を第20
図に示す。 実施例 4 実施例1において得られたステンレス鋼板をさ
らに砥粒#120のアルミ質研削済を用いて表面を
研磨加工し、末孔食部粗度を粗大化した。このも
のの表層断面を第21図に示す。 実施例 5 硝酸および弗酸の各5容量%混合水溶液70℃に
加温し、これに実施例2で得られたステンレス鋼
板を5分間浸漬し、末孔食部粗度を粗大化した。
このものの表層断面を第22図に示す。 実施例 6 実施例3で得られたステンレス鋼板にさらに大
気中で800℃、3分間加熱して酸化皮膜を形成し
た。このものの表層断面を第23図に示す。 実施例 7 実施例1〜6で形成した粗面のステンレス鋼並
びに従来法で製造した梨地肌ステンレス鋼板に対
して市販の各種合成樹脂塗料を乾燥塗膜厚に換算
して30〜40μになるように塗装した後、JIS33
12(着色亜鉛鉄板)、8.5(碁板目試験)に規定
する碁板目を描き、その後その部分をセロテープ
剥離して塗膜密着性試験を行なつた。第1表はこ
の結果を示すもので本発明法により製造したステ
ンレス鋼板は従来法で製造したものに比べ優れた
塗膜密着性を示している。また、第1表に表示し
ていないがさらにきびしい試験を行なつたところ
末孔食部粗度を粗大化したものは特に優れた塗膜
密着性を示していた。
【表】 〓〓〓〓〓
【表】 以上の如く、本発明により形成されるステンレ
ス鋼の粗面は孔食が密度濃く、しかも均一に施さ
れた孔食部と、粗度が粗大化されたり、あるいは
酸化皮膜、化成皮膜等が施された末孔食部とより
構成されているので、両者の相剰対果により優れ
た被覆物密着性を示すものである。しかも本発明
の孔食工程は短時間電解処理と浸漬処理とより構
成されているので、電解処理だけで理想的孔食を
施す場合よりも電力費の節減をはかることができ
る。また実施に際しては電解槽と浸漬槽を別個に
設けて、専用とすれば、電解効率、作業効率を向
上させることができるので、固定費を含めた製造
原価の低減をはかることができる。 本発明により得られる粗面は上記の如く優れた
被覆物密着性を示すので、厚さ100μ以上、場合
によつては1000μ以上のものを被覆することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来法と本発明法により形成されるス
テンレス鋼粗面を示すもので、1および2は従来
法により形成される粗面を模型的に示した断面図
であり3は本発明法により形成される粗面を模型
的に示した断面図、4は本発明法により形成され
る粗面の平面図である。 第2〜5図は孔食工程の第1段階である電解処
理において、電解温度60℃、電解時間5分でステ
ンレス鋼を電解した場合に塩化第二鉄液濃度と電
流密度とが孔食に及ぼす関係を示した図であつ
て、第2,3,4,5図はそれぞれSUS304,
SUS316,SUS430,SUS410の場合を示
している。 第6〜9図は上記電解処理において、電流密度
10A/dm2、電解時間5分でステンレス鋼を電解
した場合に塩化第二鉄液濃度と電解温度とが孔食
に及ぼす関係を示した図であつて、第6,7,
8,9,図はそれぞれSUS304,SUS316,
SUS430,SUS410の場合を示している。 第10〜13図は上記電解処理において、塩化
第二鉄液濃度10重量%、電解温度50℃でステンレ
ス鋼を電解した場合に電流密度と電解時間とが孔
食に及ぼす関係を示した図であつて、第10,1
1,12,13図はそれぞれSUS304,SUS3
16,SUS430,SUS410の場合を示してい
る。 なお第2〜13図における図中の記号は次のよ
うな孔食発生状態を示している。 〇(白丸) ステンレス鋼表面に孔食が密度濃く
しかも広い表面全面に亘り均一に分布し、通常
孔径は小さく、後の第2段階による腐食処理を
必要とする状態。 〓〓〓〓〓
●(黒丸) 孔食工程の第1段階の電解処理のみ
で良好な孔食が得られ、後の第2段階の浸漬処
理を必要としない状態。 △ 孔食の発生密度が低く、不均一に分布した状
態。 × 末孔食部を含めて全面腐食を起している状
態。 第14〜17図は孔食工程段階にて塩化第二鉄
液濃度10重量%、電流密度10A//dm2、電解温
度50℃の条件下でステンレス鋼を電解した後、第
2段階にて、塩化第二鉄液に4時間浸漬した場合
の塩化第二鉄液濃度と温度が孔食の成長に及ぼす
関係を示した図で、第14,15,16,17図
はそれぞれSUS304,SUS316,SUS43
0,SUS410の場合を示している。また図中に
おける記号は次の状態を示している。 〇 孔食の成長が全面に亘り均一に進行し、孔食
の密度は高い状態。 △ 孔食の成長が部分的に進行し、孔食の密度は
低い状態。 × 全面腐食状態 第18,19,20,21,22,23図はそ
れぞれ実施例1,2,3,4,5,6において形
成したステンレス鋼表層の断面図である。 〓〓〓〓〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 温度7.5〜85.5℃、濃度0.5〜23.5重量%の塩
    化第二鉄水溶液中でステンレス鋼を陽極として、
    電流密度0.7〜18.8A/dm2の直流で1〜30分電解
    を行つた後通電を切り、次いで温度7〜67℃、濃
    度1.9〜26.4重量%の塩化第二鉄水溶液中に浸漬
    することにより孔食を施すことを特微とする被覆
    物密着性の優れたステンレス鋼の製造法。 2 温度7.5〜85.5℃、濃度0.5〜23.5重量%の塩
    化第二鉄水溶液中でステンレス鋼を陽極として電
    流密度0.7〜18.8A/dm2の直流で1〜30分電解を
    行つた後通電を切り、次いで温度7〜67℃、濃度
    1.9〜26.4重量%の塩化第二鉄水溶液中に浸漬す
    ることにより孔食を施し、その後化学的腐食法ま
    たは機械的研磨法により末孔食部表面を粗くする
    か、あるいは酸化雰囲気中における短時間加熱法
    または化成処理法により末孔食部に酸化皮膜また
    は化成皮膜を施すことを特微とする被覆物密着性
    の優れたステンレス鋼の製造法。
JP10645380A 1980-08-04 1980-08-04 Production of stainless steel of excellent adhesive strength for coated material Granted JPS5732399A (en)

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