JPS6148003B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 国立公園、州立公園のような公共の場での破壊
行為が多年にわたつてはびこつており、公衆への
情報を提供している標識が多数外されたり、破壊
されたりしている。本発明のナツト・ボルト組立
体は、固着用ナツトを締付けたり、外したりする
のに特殊な工具を必要としないという点で、他の
破壊行為防止構造とは異なる。

この破壊行為防止ナツト組立体は、ねじを切つ
たボルトと、固着用ナツトと、普通の工具と共に
用いて固着用ナツトを正しく位置決めする外側補
助部材とに向けられている。

本発明のナツトは、普通の工具で独立して回転
させることができないように特別に設計してあ
る。操作に際して、この特別に設計した固着用ナ
ツトは指等でボルトにまわして嵌め、別の構造物
を取付けようとしている木材または金属の表面か
ら少し離して置く。その後、補助部材をボルトに
螺合してナツトの特別設計部分と補助部材の外面
部分とを互に隣合わせる。普通の工具を固着用ナ
ツトと補助部材両方の外面にかみ合わせて一緒に
回転させ、ボルトとナツトとをしつかり締付け
る。その後、ナツトを所定位置に着座させたまま
補助部材を外し、それによつてナツトの特別設計
外面が普通の工具による把持、回転を妨げること
になる。

本発明のいくつかの実施例を説明するが、特別
設計のナツトは種々の形態をとりうる。好ましい
実施例において、固着用ナツトと補助部材は同一
形状であつて、ねじ付きボルト上に向き合つて装
着してあり、特別設計の傾斜面が互いに向かい合
う。これらの傾斜面は、たとえばピラミツド状の
形態であり、ナツトおよび補助部材をやや隔たつ
た状態で組合わせなければ、工具は傾斜面をすべ
つて外れてしまうようになつている。組合わせた
状態では、ピラミツド状面はナツトと補助部材の
間にかみ合わせた普通の工具で把持されるように
配置される。

以下、添付図面を参照しながら本発明を実施例
によつて説明する。

第１−７図に示した本発明の第１の実施例を参
照して、標識３等に着座したヘツド２を有するボ
ルト１が標識３および支え４を貫している。この
支えに標識３が第７図に示すように取付けられる
のである。

ボルト１には、内側留めナツト６と外側ナツト
７とを受けるねじ山５が切つてある。

第１−７図に示すように、ナツト６，７の基部
８は正方形であるが、矩形その他の形状であつて
もよい。ナツト６，７の向い合つた面９も同じ形
状に示してあるが、必ずしもこうであるわけでは
ない。ただ必要なのは、ナツト７それだけを普通
の工具でつかんで回わすことができないような特
別設計の表面が内側のナツト６に設けてあること
なのである。外側のナツト７は、通常、普通の工
具でつかめる或る種の衝合部を持つ。

ナツト６，７の向い合つた表面９は４つの側面
１０を有し、これらの側面はそれぞれ頂部１１か
ら基部８まで徐々に傾斜してピラミツド形状を形
成している。側面１０の傾斜は約40度−45度であ
る。

第１−７図に示した実施例において、ナツト
６，７の４つの傾斜側面１０の角隅１２は面取り
してある。これは、第４図に示したようにナツト
６，７の基部８のまわりに幾分丸くなつた面１３
を与える。

第８，９図に示す第２実施例において、第１実
施例と異なつているのは、内外のナツト１５，１
６の角隅１４が鋭いということだけである。基部
１７は正方形に示してある。ボルト１８は第１実
施例について述べたと同じである。

内側ナツトの取付方法は両実施例で同じである
から、第４−６図だけを特に参照しながら第１実
施例について取付方法を説明する。

組立てに際して、ヘツド２が標識３の表面に着
座するまでボルト１をまず標識３の孔に通す。ボ
ルト１には、支え４を貫通し、そこから突出する
部分にねじ山５が設けてある。

内側ナツト、すなわち留めナツト６を指等でボ
ルト２に嵌めて回わし、ナツト６の基部８が標識
３を取付けるべき木材または金属の支え４から少
し離れた位置にナツト６を置く。

その後、外側のナツト７をボルト１に螺合し、
ナツト６，７の頂部１１を係合させる。次に、外
側ナツト７を第４図に示すように内側ナツト６か
ら少し離れたところまで回しもどし、第５図に示
すようにナツト間に空間１９を与える。

次に、プライヤ、バイス、グリツプを含むレン
チのような普通の工具２０を第６図に示すように
ナツト６，７間の区域に配置、すなわちかみ合わ
せて両ナツト６，７を普通に回転させ、第７図に
示すように内側ナツト６を支え４に対してしつか
りと着座させる。外側ナツト７は内側ナツトを回
転させるように工具２０と協働する補助具となつ
ている。その後、外側ナツト７を外せば、内側の
留めナツト６の特別設計の表面によつて、このナ
ツト６だけを普通の工具で外すことはできない。
工具がナツト６の傾斜面からすべり落ちてしまう
ので、この傾斜面を工具でつかむことができない
のである。内側ナツト６を外す必要があるときに
は、外側ナツト７を嵌め、前述のように工具２０
をかみ合わせて逆方向に回転させればよい。

ナツト６と同じ傾斜面１０を持つたナツト７の
ような補助部材を用いることによつて工具２０と
非常に望ましいかみ合わせを得ることができる。
こうして、工具２０が内側ナツト６に半径方向、
軸線方向両方の力を与えて最適なつかみ、回転作
業を行うことができるのである。

この破壊行為防止用ナツト組立体は、公共の場
で標識その他の物品を取付けるのにきわめて有効
であることがわかつた。

本発明のナツトを同じ形態に作れば、互換性が
あり、特別設計のナツトの効果をさらに向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好ましい実施例であるナツ
ト・ボルト組立体の側面図であつて、ナツトが互
に隔たつている状態を示す図、第２図は第１図に
示したナツトの１つを示す頂面図、第３図は第２
図の３−３線に沿つた断面図、第４図は内側ナツ
トが取付けるべき構造物にゆるく係合し、外側ナ
ツトが内側ナツトにぴつたりと係合している状態
を示す、第１図の組立体の斜視図、第５図は外側
ナツトが外側傾斜面を整合させて内側ナツトに接
近している状態を示す、第１図の組立体の側面
図、第６図は内外のナツト間に普通の工具を用い
て外側ナツトの助けによつて内側ナツトを回転さ
せている状態を示す、第１図の組立体の側面図、
第７図は最終締付位置に取付けた内側ナツトを示
す、第６図の組立体の部分側面図、第８図は本発
明の別の実施例を示す側面図で、ピラミツド状ナ
ツトの角隅が第１−７図の実施例よりも鋭くなつ
ている状態を示す図、第９図は第８図に示すナツ
トの頂面図である。 １……ボルト、２……ヘツド、３……標識、４
……支え、５……ねじ山、６，７……ナツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 破壊行為によつて外れるのを防ぐように第
   １、第２の部材を相互に固着するための組立体で
   あつて、ボルトと、このボルトと螺合することの
   できる内ねじを設けた第１、第２の要素とを包含
   し、第１の要素が衝合部を有するが、普通の工具
   のみを使用しただけではこの第１要素を回転させ
   るように係合させることはできない外面を有し、
   第２の要素が衝合部を設けた外面を有し、前記第
   １、第２の要素が、ボルトに装着したときに、そ
   れらの衝合部と普通の工具との係合によつて一緒
   に回転させることができ、第２の要素と組み合わ
   せて普通の工具を用いてボルトのヘツドと第１要
   素との間で第１、第２の部材を相互に固着するこ
   とができ、ボルトから第２要素を外したときには
   普通の工具のみを使用して第１要素を外すことが
   できないようにしたことを特徴とする組立体。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の組立体におい
   て、第１要素の外面がねじ山について軸線方向に
   傾斜しており、第１、第２の部材の一方と係合さ
   せたときに前記外面と充分に係合して第１要素の
   回転を行なえないようにしたことを特徴とする組
   立体。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の組
   立体において、第１要素の前記第１、第２の部材
   のうちの一方と係合させるべき端面が平らになつ
   ていることを特徴とする組立体。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項までのいず
   れか１つの項に記載の組立体において、第１要素
   がほぼピラミツド形の外面を有することを特徴と
   する組立体。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の組立体におい
   て、ほぼピラミツド形の側縁が面取りしてあるこ
   とを特徴とする組立体。