JPS6146892B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気記録媒体の製造方法に係り、特に
高密度磁気記録に適した磁気記録媒体の製造方法
に関する。

磁気記録媒体はオーデイオ、ビデオもしくはデ
イジタルなど各種電気信号の記録に幅広く使用さ
れている。

ところで磁気記録媒体における記録は前記磁気
記録媒体と磁気ヘツドとの相対移動方向、例えば
磁気記録媒体（テープ）の走行方向に記録媒体を
磁化することによつて行なつている。またこの場
合において再生時の出力向上を目的としてテープ
の走行方向にγ―Fe₂O₃の針状粒子を配向させ、
もつて走行方向の磁化状態を安定化させることが
一般に行なわれている。しかしこのようなテープ
の走行方向に磁化した磁気記録媒体の場合には、
媒体内の減磁作用のため短波長記録或いは高ビツ
ト密度の記録には限度がある。

一方基体面に対し垂直方向を磁化容易軸とする
Co―Cr系磁性膜をスパツタ法で形成し、垂直方
向への磁化を利用して高密度の磁気記録を行なう
ことも試みられている。しかしこのCo―Cr系磁
性膜は製造が煩雑なうえ磁気ヘツドとの摩擦によ
る摩耗がみられると云う不都合さがある。さらに
針状γ―Fe₂O₃粒子を垂直配向させて記録媒体層
を塗布形成することも試みられているが、媒体層
を平滑化するためのカレンダー処理において配向
の乱れを招来すると云う欠点がある。この欠点改
良策としては、六万晶系フエライトのような板状
で一軸磁気異方性を有する磁性体粒子の使用が好
ましと考えられる。しかしてこの場合は磁界の印
加による配向も可能であるが、前記磁界印加によ
り磁性体粒子の凝集を起生し易く、従つて均一な
分散状態が崩れ記録媒体として良好な機能を果さ
ないと云う欠点がある。

従つて本発明は垂直配向性がすぐれ、且つ磁性
体粒子の凝集が抑止され平滑な磁気記録媒体面を
備えており、高密度記録用に適する磁気記録媒体
が容易に得られる製造方法を提供しようとするも
のである。

以下本発明を詳細に説明すると、本発明は平板
状を有し且つ面に垂直な方向に磁化容易軸を有す
る一軸性強磁性体粒子を含有する塗布液を、対を
なす第一のロール面に不連続的に塗着させロール
で圧延しつつ順次他のロール面に転写して前記塗
着させた磁性体粒子を配向させながら連続層化す
る工程を具備することを特徴とする磁気記録媒体
の製造方法である。

次に本発明の一実施例について説明する。添附
第１図は本発明方法を実施するための装置の一例
を示したもので、平板状を有し且つ面に垂直な方
向に磁化容易軸を有する一軸性強磁性体粒子を含
有する塗布液１を収容する容器２と対を成すロー
ル３ａ，３ｂ，３ｃ中第一のロール３ａ面に前記
塗布液１を不連続的に塗着させるグラビヤロール
４とから構成されている。しかして上記グラビヤ
ロール４は周面に適宜凹部４ａが設けられ磁性体
粒子を含む塗布液１をピツクアツプし、第一のロ
ール３ａ面に塗布液を不連続的に塗着するように
なつている。かくして第一のロール３ａ面に縞状
乃至パターン状など不連続的に塗着された塗布液
１ａ中の磁性体粒は第二のロール３ｂとの接触
（摺動面）で適宜圧延配向されらがら第二のロー
ル３ｂ面に転写される。第二のロール３ｂ面に圧
延連続化し転写された磁性体粒を含む層１ｂは第
二のロール３ｂと第三のロール３ｃとの摺動面間
に送入され第三のロール３ｃ面に沿つて送られ、
捲取られる帯状支持体５面に圧延（圧接）配向し
ながら転写する。即ちこの圧延転写の過程におい
て第二のロール３ｂから転写される磁性体粒を含
む層は、さらに圧延され、連続した磁気記録媒体
層１ｃとして形成され所要の磁気記録テープ６が
得られる。尚上記においては塗布液１を塗着し、
圧延、配向転写する対を成すロールを三つのロー
ル３ａ，３ｂ，３ｃで構成したがロール数をさら
に増加させてもよい。

本発明において用いる磁性体粒子としては、例
えばコバルトチタン置換バリウムフエライトなど
形状が平板状であり、しかもその平板面に対し垂
直方向に磁化容易軸のある一軸性磁性体粒子が特
に用いられ、一般に平均粒径0.1μｍ程度のもの
が好ましい。しかして塗布液は、上記磁性体粒
子、バインダーとしての樹脂類例えば塩化ビニル
―酢酸ビニル―ビニールアルコール、熱可ソ性ポ
リウレタン、フエノキシ樹脂、ビニールブチラー
ル樹脂、エポキシ樹脂さらに、レシチン、界面活
性剤、のような分散剤、シリコーン油、ステアリ
ン酸等の脂肪酸およびそのエステル類のような潤
滑剤、その他研摩剤や帯電防止剤を適宜、混合乃
至混練することにより調製しうる。

また本発明において、上記塗布液を第一のロー
ルに不連続的に塗着するに当つてその不連続の程
度は例えばグラビヤロール面の凹溝幅に対し溝間
の幅を少なくとも３倍程度に、またグラビヤロー
ル面に島状の凹部を設ける場合には少なくとも40
メツシユ程度に選ぶのが好ましい。

次に本発明の実施例を記載する。

周面が幅50μの凹部を間隙268μでメツシユ状
化されたグラビヤロールを用い、下記表に示した
組成の塗布液を第一のロール面にメツシユ状に塗
着した。この第一のロールと対を成し回転する第
二のロールとの間で圧延、配向しながら第二のロ
ール面に転写した。かくして第二のロールに転写
され、且つ配向圧延され連続層化が進められた塗
着層はさらに対を成す第三のロールとの間で圧
延、配向しながら第三のロール面に転写した。し
かる後同じく対を成す第四のロールとの間に送ら
れて来た厚さ25μ幅150μのポリエチレンテレフ
タレートフイルム（支持体）面に圧接転写してか
ら乾燥後、さらにスーパーカレンダーを施して磁
気記録媒体層が一様に且つ連続して設けられた磁
気記録テープを得た。

表 コバルト・チタン置換バリウム フエライト粒体（粒径0.15μ） 100重量部 塩化ビニル 酢酸ビニル 共重含体 樹脂 10 〃 ポリウレタン樹脂 10 〃 レシチン １ 〃 ステアリン酸 0.2 〃 メチルエチルケトン 120 〃 トルエン 120 〃 上記によつて得た磁気記録テープの記録媒体面
は光択があり、またこの記録媒体層についてＸ線
回折パターンを求めたところ第２図に示す如く高
度に配向していることが確認された。

さらに上記記録媒体層について、媒体層の面と
垂直な方向の磁化曲線を求めたところ第３図に示
す如くであり面に垂直方向に磁化容易軸を有して
いた。

比較のため上記組成の塗布液を通常のグラビヤ
ロールにてポリエチレンテレフタレートフイルム
（支持体）面に塗布し、乾燥後スーパーカレンダ
ーを施して光沢のある磁気記録媒体を備えた磁気
記録テープを得た。かくして形成した磁気記録媒
体について実施例の場合と同じ条件でＸ線回折パ
ターンおよび磁化曲線をそれぞれ求めた結果を第
４図および第５図にそれぞれ示した。

上記具体例から明らかのように本発明方法によ
つて製造した磁気記録媒体の場合には、高度に配
向しており且つ面に対し垂直方向に磁化容易軸が
あり高密度磁気記録に適するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の実施に適する装置の構成
例を示す断面図、第２図および第３図は本発明方
法によつて製造された磁気記録媒体の特性例を示
すもので第２図はＸ線回折パターン、第３図は磁
化曲線図、第４図および第５図は本発明外の方法
にて製造された磁気記録媒体の特性例を示すもの
で第４図はＸ線回折パターン、第５図は磁化曲線
図である。 １……塗布液、１ａ……不連続に塗着された塗
布液、１ｃ……磁気記録媒体層、２……容器、３
ａ……第一のロール、３ｂ，３ｃ……第二以下順
次のロール、４……グラビヤロール、５……支持
体フイルム、６……磁気記録テープ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平板状を有しかつ平面板に垂直方向に磁気容
   易軸を有する一軸性磁性体粒子を含む塗布液を対
   をなす第一のロール面に不連続に塗着させ、ロー
   ルで圧延しつつ順次他のロール面に転写して前記
   塗着磁性体粒子を配向させながら連続層化する工
   程を具備することを特徴とする磁気記録媒体の製
   造方法。