JPS6146300Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軸封部の加圧装置に使用するなど基準
圧に対して常時一定の圧力差が得られるようにな
る圧力調整弁に関するものである。

常時、外部圧力が変動する軸封部にはシール対
象液（たとえば、撹拌機シールにおける缶内ガス
または缶内液）を基準圧とし、それに対して自動
的に軸封部の内圧を一定の差圧を設けてコントロ
ールする必要があり、このような装置に使用する
圧力調整弁として従来より手動式リリーフバルブ
が知られている。しかし手動式リリーフバルブに
よれば出力圧を読み取りながらバルブを開閉する
ものであるため缶内圧力（Ｐ_vKg／cm²Ｇ）と軸封
部圧力（Ｐ_pKg／cm²Ｇ）の差圧（ＰKg／cm²Ｇ＝（Ｐ
_p−Ｐ_v）Kg／cm²Ｇ）が一定することがなく、メカ
ニカルシールに対する負荷変動を常時生じるほか
操作が困難であつた。このため第１図に示すよう
に定圧調整弁ａを用いて軸封部の内圧を自動的に
一定に保つものが使用されているが、基準圧が液
体のように非圧縮性流体の場合、ベローズｂ内部
が液体で充満されると缶圧力（基準圧）の変動に
対しベローズｂが追従しなくなる欠点を有してい
た。すなわちベローズｂ内部の液体が非圧縮性の
ためベローズｂに対して剛体として作用し、缶内
圧が減少してもバルブスプールｃが上昇すること
が不可能となり、その結果ベローズｂが破損し、
使用できないものであつた。

本考案は上記問題に鑑み、基準圧を得るため流
体が液体であつても一定の差圧を出力することの
できる圧力調整弁を提供することを目的とするも
ので、缶内圧力が液体または気体の何れでも一定
差圧の出力が得られるとともに応答性能が早く、
かつ正確な圧力調整弁を提供せんとするものであ
る。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、バルブ本体１は隔壁２を介して基準圧
室３と弁圧室４に隔絶されるとともに上記隔壁２
貫挿した軸径が（d₁〓）の弁棒５はＯリング６を
介して気密的かつ摺動自在に担持される。当該弁
棒５の後端５ａは上記基準圧室３内に位置すると
ともに、該弁棒５の先端に構成する円錐状のバル
ブ７は上記弁圧室４の前壁８に穿設した一次側ポ
ート９の内縁に形成したバルブ径が（d₂〓）のバ
ルブシート１０に対しバルブ７と隔壁２間に介装
したコイルスプリング１１により一定の弾性によ
り押圧され閉止状態になる。また上記弁圧室４に
は二次側ポート１２を穿設するとともに基準圧室
３には基準圧ポート１３を穿設する。なお図中１
４は基準圧室３に穿設した予備ポートである。

上記構成になる圧力調整弁は、たとえば第４図
に示すようにメカニカルシールの軸封部１５と一
次側ポート９を接続し、二次側ポート１２をオイ
ルタンク１６に開放するとともに上記軸封部１５
に対して、該オイルタンク１６の作動油をチエツ
クバルブ１７およびグローブバルブ１８またはゲ
ートバルブを介してポンプ１９によつて圧送する
循環系を構成し、予備ポート１４を閉止するとと
もに基準圧ポート１３に対し基準となる缶内圧を
送通して使用するものである。したがつてポンプ
１９によつて軸封部１５に作動油を圧送すると、
該軸封部１５を循環した作動油は一次側ポート９
に達する。上記バルブ７はバルブ径（d₂〓）と弁
棒５の軸径（d₁〓）が同径の場合はコイルスプリ
ング１１の圧力（ＰKg／cm²Ｇ）と基準圧室３の圧
力（Ｐ_vKg／cm²Ｇ）の和より一次側ポート９の圧
力が大きくなつたとき開くようになり、二次側ポ
ート１２から作動油をオイルタンク１６に戻すよ
うになるため一次側ポート９の入力圧力（Ｐ_p
Kg／cm²Ｇ）は常時 Ｐ_pKg／cm²Ｇ＝（Ｐ_v＋Ｐ）Kg／cm²Ｇ に保たれ、基準圧室３に送通される缶内の流体圧
力に対して常時一定圧力差 （Ｐ_p−Ｐ_v）Kg／cm²Ｇ＝ＰKg／cm²Ｇ を保つことができ、軸封部１５の内圧を外圧に対
して常時適正圧力に保つことができる。また上記
圧力差（ＰKg／cm²Ｇ）はコイルスピリング１１の
弾性力であり、したがつて当該コイルスプリング
１１の弾性係数を適当に選ぶことにより所望の圧
力差を有する圧力調整弁を構成することができる
ものである。

以上説明したように本考案によれば、シール対
象流体が液体であつてもこのシール対象流体に対
し一定差圧の高い一次側ポート入力流体圧を得る
ことのできる圧力調整弁を提供できる。

また、本考案の圧力調整弁は、バルブと一体に
なる弁棒をバルブ本体と一体的な隔壁に対し気密
かつ摺動自在に枢支し、この弁棒の後端を基準圧
室内に位置せしめたものであるため、基準圧ポー
トに対し加圧されるシール対象流体の流体圧が直
接弁棒の後端に作用することとなる。したがつ
て、シール対象流体の流体圧の変化に対しすばや
く応答するとともに、正確な一次側ポート入力流
体圧を生じさせることとなる。また本考案の圧力
調整弁は構造が極めて簡単であり、当該機構をそ
のまま軸封部などに組み込むことも可能であるば
かりでなくコイルスプリングを交換することによ
つて種々の圧力差を生ずる圧力調整弁を構成する
ことができるもので、本考案の実用的効果には極
めて大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案圧力調整弁の一実施例を示すもの
で、第１図は従来の定差圧調整弁を示す正断面
図、第２図は本考案圧力調整弁の略正断面図、第
３図は同開弁状態を示す要部断面図、第４図は同
実施の一例を示す配管図である。 １……バルブ本体、２……隔壁、３……基準圧
室、４……弁圧室、５……弁棒、６……Ｏリン
グ、７……バルブ、９……一次側ポート、１０…
…バルブシート、１１……コイルスプリング、１
２……二次側ポート、１３……基準圧ポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブ本体を該バルブ本体と一体的な隔壁によ
   り弁圧室と基準圧室に隔絶し、上記バルブ本体に
   弁圧室に対し連通する一次側ポートと二次側ポー
   ト、また基準圧室に対し基準圧ポートを穿設する
   とともに上記一次側ポートのバルブシートに対向
   して進退しポートの内側から開閉するようになる
   バルブを形成し、該バルブと一体になる弁棒を上
   記隔壁に対し気密かつ摺動自在に枢支し、該弁棒
   の後端を基準圧室内に位置せしめ、該バルブを適
   宜弾性材により上記バルブシートに弾性押圧して
   なり、基準圧ポートに対し加圧されるシール対象
   流体の流体圧に対し一定差圧の高い一次側ポート
   入力流体圧を得るようになる圧力調整弁。